No.208189

異世界冒険譚 月殺し編 其の参 情報交換

RYOさん

交通事故によって死んでしまった主人公。しかし、それは神の弟子が起こした事故だった!?主人公はなぜか神に謝られ、たくさんの世界へ冒険する。

2011-03-26 16:01:56 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:2506   閲覧ユーザー数:2367

yukito side

 

俺が町のゲーム大会兼部活で女装をさせられた記憶も新しい今日の日。

 

部活の後に梨花が話しかけてきた。

 

「え? 俺の家に来る? 何で?」

 

「あなたと話があるからよ。」

 

「話って?」

 

俺がそう言うと梨花が説明してきた。

梨花が言うには色々と話したいこと聞きたいことがあるそうだ。

ループの話を中心にするので俺の家に来るらしい。

 

「で? いつ来るの?」

 

「今日よ。」

 

「今日? ……う~ん。」

 

「? 今日は日が悪かったかしら?」

 

「いや、そういう訳じゃないけど……それって結構時間かかるんじゃないか? 夜遅くなっちゃったら沙都子が心配するんじゃないの?」

 

「大丈夫よ沙都子には言ってあるから。」

 

「そう……じゃあ行こうか。」

 

俺は俺の家に梨花を案内した。

 

 

 

 

「ただいま~。」

 

「お邪魔します。」

 

『お邪魔しますなのですよ。』

 

俺はとりあえず梨花と羽生を居間に連れて行き、紅茶を入れて持ってきた。ちなみにお茶請けはシュークリームですよ。

 

「とりあえず紅茶でも飲んで落ち着いてから話そうか。」

 

「そうね。」

 

お茶を飲み少し空気が和らぐ。

 

「……ずずっ……ふぅ……じゃあ何から話せばいいかな?」

 

「あなたの知っていることを。」

 

「……じゃあ俺の知ってることを話すよ。……といっても何から話せばいいやら。」

 

「そうね……じゃああなたは私達が行った世界のことはどのくらい知っているのかしら?」

 

「それはえっと……」

 

まず鬼隠し編、綿流し編、暇つぶし編、祟り殺し編、目明し編、罪滅ぼし編、皆殺し編、祭囃し編。……あとゲームの盥回し編。これくらいか?

 

さすがに皆殺しと、祭囃しは言えないから7個か。

 

「俺は全部知ってるわけじゃないから見たことがあるのは両手で数えられるだけだ。」

 

「……そう。……それであなたは私を殺す人間は知っているの?」

 

部屋の中の空気が冷たくなる。

意外と威圧感がある。伊達に百年も生きてないってことか……

 

「いや。俺の見た”7個”の中ではそこまでは見せてくれなかった。」

 

「……そう。」

 

「でも……梨花や羽生が知っていること以外も知っていることはある。視点が圭一だったこともあるし。」

 

「? どういう事?」

 

「えっと……俺はここの事を見るときには誰かの目線から物を見てたんだ。だから、梨花が死んだ後の雛見沢も見たことがある。」

 

「そう。……雛見沢はどうなってた?」

 

「酷いもんだ。自衛隊だかが来て死体をトラックに乗せてたよ。……なあ梨花。」

 

「何かしら?」

 

「雛見沢大災害って知ってるか? 梨花が死んだ後の雛見沢で起こってるんだが……雛見沢に火山性のガスが発生して、住民が全員死んでいるんだが……」

 

「! ……ええ。」

 

「その時の自衛隊。行動が早すぎないか? 前に圭一の視点でその時の様子を見たんだけど……」

 

「それは……」

 

梨花は俺に政府が実行するという終末作戦について話した。

 

「つまり……梨花が死んだ後、48時間つまり二日以内に雛見沢症候群を発症して暴走する。だからその前に住民を皆殺しにすると。」

 

「ええ……そうよ……」

 

梨花は顔を伏せ、拳を握りしめる。

 

「それ、おかしいな。」

 

「え?」

 

梨花が顔を上げ、驚いた表情をする。

 

「俺が見た世界の内の一つ。仮に目明し編と言っておこうか。……そこでは詩音視点でこの世界を見ていたんだけど。詩音が雛見沢症候群で暴走して、梨花死んだよな?」

 

「詩音が暴走……ええ。詩音に拷問される前にね。」

 

「その後、二日経っても圭一達は暴走しなかったぞ。」

 

「そんな!?」

 

「本当だ。……梨花。雛見沢症候群が生まれてから今日まで女王感染者が途中で死んだことが無い……なんてありえると思うか?」

 

「!? ……そう言えば……」

 

そうだ。平時はともかくいくら雛見沢が閉鎖されている村でも事故はあるだろうし。盗賊などに攻め込まれることがあったはずだ。その度に暴走していたんじゃこの村はとっくに誰も入れないようになっているはず。

 

「な、なら高野に早く言わないと「待った。」何!?」

 

梨花は焦っているのか大声を上げる。

 

「いくらなんでも梨花ちゃんがいきなりそれを高野さんに言うのはおかしいだろう?」

 

「でも!」

 

「なら言うのか? 雛見沢症候群は私が死んでも起こらないって。専門で研究している高野さんに? 笑われるのが関の山だ。」

 

それに、言ったら逆上して殺されるかも知れないしな。お爺ちゃんの理論は正しいのよ! とか言って。

 

「とりあえず俺がそれとなく気付くように言っておく。」

 

「……でも!」

 

「梨花。君がやることは何だ? 死なない事じゃないのか?」

 

「くっ!」

 

梨花は悔しそうな顔をすると黙ってしまった。

 

俺はふと時計を見る。

結構話し込んでしまったようだ。

 

「梨花。今日はもう遅い。これ以上はまた今度にしよう。」

 

「わかったわ。」

 

「送ってく。」

 

「ええ。」

 

俺は梨花を家に送っていった。

沈黙が痛かった。

 

 

 

後日

 

俺は入江診療所の前で蟻を捕まえていた。

なぜこんな事しているかというと……

 

「見てみて~! 高野さん!」

 

診療所から出てきた高野に捕まえた蟻を見せる。

 

「あら、雪人君じゃない。それは……蟻?」

 

「うん! 蟻さん育てようと思って!」

 

「そうなの。」

 

「蟻さんってすごいよね。女王蟻さんと離れてもちゃんと生活するんだって!」

 

「へぇ、そうなんだ。」

 

「他の虫さんもそうなのかな?」

 

言外に寄生虫も同じなのかと聞いてみる。

 

「さ、さあね? ……さて、私は仕事に戻ることにするわ。」

 

「高野さん。」

 

俺が声をかけると高野はピタリと止まる。俺はそのまま後ろを向いた高野に話しかける。

 

「研究者は研究するのが仕事だ。確かめることだけじゃない。研究し、新しく発見することが研究者の仕事だ。大切なことだから二度言いました。」

 

「あなた……何者なの?」

 

高野がこっちを向いて俺に質問してくる。

その顔は正直怖いです。

 

「俺は高科雪人。職業は神兼魔王兼冒険家だ。よく覚えとけ。」

 

「…………!」

 

俺の答えに高野は凄い形相を浮かべる。

 

「……また……私の…に立ち……かるの? ……くっ!」

 

高野が何かをつぶやくがよく聞こえなかった。

 

「俺が言いたいのはそれだけだ。じゃあな。」

 

俺はそう言って家に帰っていった。ちなみに蟻さんは放しておいたよ?

 

 

次回予告

 

記憶っていうものは厄介なものなのですよ~忘れたくない記憶はわすれて。忘れたい記憶はずっと残っているんですから。

 

忘れたい記憶といえば梨花が4歳のときにおねsy それ以上言ったら明日の三食は全部辛いものよ。 なんでも無いのです!?

 

そう言えば雪人も何かを思い出したってリリカルの世界で言ってたのですよ~。

 

何なんでしょうか?

 

さあ? たぶんトラウマになるくらいの物なんだと思いますですよ。

 

忘れたかったくらいですからね。

 

次回、月殺し編 其の肆

 

記憶

 

え? 次回は見ない? ちょっと……頭冷やそうか?

 

 

あとがき

 

なん……だと……?

 

日常パートで……難産する……だと?

 

どんだけ非リア充なんだ俺はorz

 

へーへーどうせ俺は何やっても駄目なへたれなヘタヲですよーっと。

 

ちくしょう……今日はもう帰る! リア充のバーカ!

 

また見てね!

 

三。・゚・(ノД`)・゚・。


 
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