No.207761

恋姫無双 ~天が地に還るまで~二章  桂花編

くらのさん

お久しぶりです! と言うほど経ってないですかね。さて、皆大好き桂花です。桂花が思う心とは……。コメントを頂きますと「ヒャッハー!」とお返しをして、自分の喜びを伝えます。それでは、けろりとお楽しみください。

2011-03-23 13:41:32 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:6816   閲覧ユーザー数:5445

ザクザクと掘り進める。自分の背丈はもう越えた。でも、足りない。

もっと、深く深く、それこそ二度と這いあがって来れないほどに。

「あの全身精液男が私達を孕ませないで居なくなるはずないんだから! きっとどこかに隠れているに違いないわ!」

だから、掘り続ける。そうすれば、あいつがここに来た時に穴に落ちて、私にきっと懇願する。

それを私が上から嘲笑ってやるんだから。

そうして最終的にあいつは涙を浮かべて乞うはず。

『俺が悪かった。どうか綺麗で聡明な桂花様。どうか馬鹿で哀れな俺をここから出して下さい』

 きっとこう言って……。私はそれでも嫌がると、華琳様や凪達が来て、出してあげるように言うに決まってるんだから!

「ほっんと皆は……優しすぎるのよ……」

 あんな、ただ優しいだけが取り柄の奴がどうして皆の心を捉えて離さないのか分からない。私にさえ笑みを浮かべて。

「いつもいつも! あんなに罵声を浴びせられて! 勘違いで殺されそうになって! 勝手な八つ当たりを受けて! それなのに本気で怒ることも嫌うこともしないで!

怒ればいいのに! 少しぐらい嫌いになればいいのに!それなのに! あいつは! 笑みを浮かべ続けて!」

 ザクッ!

 分かっている。あいつはその程度で怒るような奴じゃない。だからこそ、あいつは認めたくないけど、

華琳様に認められたのだろう。私の考えさえも打ち壊して。

 男なんて我儘で暴力的で不潔で頭が悪い。

そんな私の考えを打ち壊しておいて、あいつは居なくなった。

「何なのよ! あんなもの残すだけの時間があれば、少しでもこの世界に居られるように考えなさいよ!」

 あんな書簡だけあっても仕方がないでしょ。

天の言葉で説明されてもその言葉の意味自体が分からないんじゃ意味がないのに!

「ったく、あいつは居なくなっても……」

ザクザクザク、ザクザク……、ザク…………。

 ポタ、ポタ。

「雨?」

 空を見上げるけど、空は憎たらしい程に青く澄んでいて、雨が降る余地などどこにもなかった。

「じゃあ、何かしら……?」

 首をかしげながらも再び掘り始める。

 深く深く。こんなふざけた想いが二度と這い上がって来ないように。

こんな胸が締め付けられるのは嘘。こんな罪悪感を持つのも嘘。

 全てはあいつが悪い。そうに決まってる。だから私は何も悪くない。

 

「はぁはぁ、こ、これだけ掘れば十分でしょ……」

 下を覗けばそこには先ほどまで掘っていた穴がぽっかりと口を広げていた。

 これだけ深ければ流石にあいつは驚くでしょ。

『うわっ! 桂花。お前これは掘りすぎだろ!』

『ふん! あんたが今まで居なかった分の苦労だと思い知りなさい! っていうかそのまま死ねばいいのよ!』

『おいこら! 土を被せてくるな!』

 そこまで想像すると笑みが浮かんできた。

「あはっはは。ああ~早く帰って来ないかしら北郷! そしたらこの落とし穴に嵌めて、笑って……、笑って……

笑い転げて、勝ち誇って…………」

 ポタポタ。

また雨が降ってきたみたい。でも相変わらず晴れたまま。それにうるさい。

 誰が泣いてるのよ! 人がせっかく気持ちがいい気分でいたのに! 

 口を開いて、文句を言おうとした時に気が付いた。気が付いてしまった。

 泣いているのは……私。雨じゃなくて……涙。

気付いたらもうだめだった。

「勝ち誇って、その後は……迎えてあげるから……早く帰って来なさいよ。

早く、平和ボケした笑みを浮かべて、何事もなかったみたいに『ただいま』って言いなさいよ!……言ってよ。…………帰って来てよ。そうしたら少しは優しくしてあげるから……」

 天に人目もはばからずに祈った。

だけど、天は、空は青いままで。

 

 

 

はい、最速のくらのです! いつもより早い! なんで嬉しいです。もう、遅筆だなんて思わなくてもいい!

 ということで、今回は桂花です。何故か桂花だとすらすら書けました。

 俺の中の桂花って、ツン満タンです。デレなんてありません。でも、一刀のことを嫌っていた訳じゃないと思うんですよね。

もし、ほんとに嫌ってたら無関心、というか話もしないんじゃないかな。そして、一刀もそれに気づいてあまり関わらないようにしたんじゃないかな、と。

でも、嫌ってなかったから桂花は罵声を浴びせて、一刀は桂花をからかったんじゃないかな、と。

だから桂花と一刀って案外、親友に近いんじゃないかな。こう、幼馴染レベルの。俺の中の桂花ってそういう子なんです。

 さて、桂花の話しはここらへんで。さて、部下、天敵。ときました。さて、次は……誰にしましょうか?

勿論、種馬さんは最後です。覇王様はその前です。せめてもう一人欲しいですね。う~ん。誰に……。まぁそれはおいおいということで。それでは皆さん。コメントなど、感想。毎回、楽しみにしていますのでドンドンしてくださいね。それでは、いずれまたこの場でお会いしましょう。 See you next again!


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
35
1

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択