「愛紗…………人来る?」
恋…今日からこの世界でも園長になった
友達のみんなと一緒に生活できる
嬉しい
だから恋頑張る
「大丈夫だ恋…前の世界以上に盛り上げてやる」
「そうだぞ恋あたいもいるんだ…絶対大丈夫だ」
「だから恋…お主はいつも通りしておけばよい」
愛紗と翠は恋にそう言った
恋は何も出来ないけど頑張る
だから恋は頷いた
「よし…じゃあ園長いつものを頼む」
「うん……今日も一日…頑張る…愛紗,翠………開園」
「「御意!!」」
恋のお仕事はこの動物園の園長
でも恋はお金とかの計算はわからない
だから恋は園内を見て回る
みんな恋を見つけて声をかけてくれる
嬉しい…けど悲しい
「呂布将軍、この犬可愛いね」
「将軍!!…虎って獰猛なのにここの虎は人懐っこいですね」
みんな将軍って言ってくれる
恋は本当は戦いたくない
友達とおなか一杯食べて遊んで暮らしたい
でも…
この世界はまだ戦っている
ご主人様を倒そうとしている国がある
だから恋が将軍って言われるのは仕方がない
だけど…
この動物園にいる間は園長って言って欲しい
だから声を掛けてくれる人たちに恋は言う
「恋…ここじゃ将軍じゃない……園長って言って欲しい」
みんな恋が言った事分かってくれた
とても嬉しい
恋が見て回っている姿を見て愛紗は楽しそうに笑っていた
恋前の世界で見て回っていると食べ物をたくさん貰っていた
この世界でも同じだった
だから愛紗は笑っていた
「恋…お前はどこに行っても同じだな」
「???……愛紗いる?」
おいしそうな肉まんを貰ったから愛紗にあげようとした
でも愛紗は断った
「いや…いい。これは恋が貰ったものだから恋が食べればいい」
愛紗がそういったから恋はその肉まんを食べた
食べてる間愛紗はずっと微笑ましく恋を見てた
おなかも一杯になったから翠の所に行った
「翠…」
「恋か…どうしたんだ」
恋が声を掛けた時翠は馬のお世話をしてた
「(ふるふる)……大丈夫?」
翠は騎手だったから恋は心配だった
「なにが?」
「この仕事…翠……騎手だったから」
「あ~なるほど」
恋の問いかけに翠は納得してくれた
でも翠の顔は穏やかだった
「恋…騎手でもな馬の世話はするんだ……だから辛くないよ」
「……ほんと?」
「ああ……だから恋は笑顔で園内を見て回ればいい。そしたらみんな笑顔になるからな」
「わかった……」
翠の言葉を聞き恋は再び園内を見て回る事にした
「???」
少し歩くと人が集まっているところがあった
開園初日だから人は一杯いる
だけどイベントはなにもしていない
だから気になって恋はその場所に向かった
「デイジ~いくよ~」
「キキー!!」
星がジャグリングをしていた
尻尾の長い小さなお猿さんを連れて
「………」
凄い
星は8個ある棒を地面に落とすことなく投げては取って投げては取っての繰り返し
でも星の格好おかしい
華蝶仮面の時も服はそのままのはず
ピンクのひらひらが付いたサーカスで着ているような服を着ている
「…………よし!!デイジ~」
「キキー!!」
星がそう言うとデイジーが投げ続けている棒を1本づつ減らして最終的に星の投げていた棒は全てデイジーに取られた
すると星はどこから出したかわからないが大きな球体を取り出しその上に乗った
「は…とう………デイジ~」
「キイ!!」
球体の上でバランスを取った星はデイジーに声をかけた
するとデイジーは一本ずつ星に投げて渡した
星はそれを受け取ると球体の上で再びジャグリングをはじめた
お客もその姿を見てみんな感心していた
「よ…は…とう…」
星は玉の上に乗っていても問題なくジャグリングをしていた
その後星はいろんな大道芸を見せた
「それでは…趙すみれの大道芸…これで終了ですありがとうございます」
??
星は確か雲だったはず…
恋は周りの人が少なくなった頃を見計らい声をかけた
「星…」
「ああ…恋か」
「……名前」
「すみれの事か?」
「…(こくん)」
「すみれは芸名だ…路銀稼ぎであるサーカス団でバイトしてな……その時に団長から貰ったんだ」
「……わかった……………星すごかった」
「そうか…それじゃあまたやるとしよう…デイジ~行くぞ」
「キキ~!!」
そう言うとデイジーを連れて星はどこかに行った
恋はそれを見送ったあと見回りを再開した
お客さんや友達の表情を見て思った
うれしい…
それで恋は思った
絶対ご主人様を…街のみんなを…友達を護る
全員の笑顔を護る
だから恋は持てる力を全て使う
そう思った…
つづく
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