顔良がまだ目を覚まさないなか、既に目が覚めていたようであった文醜と会話することにした。
ちなみに顔良は立派な鼻ちょうちんを作っていて、あどけない少女の顔をしていた。
「……おい」
「!」
顔良の顔をじっと見ていることが気に入らなかったのか、文醜が眉間に皺を寄せて睨んできた。
もちろんすぐさま文醜に視線を戻しました。俺は紳士だからね!
「お前、今斗詩のことヤラしい目で見てなかったか?」
「 」
「くそ……体調が万全だったらお前を叩き切ってやったのに」
「武器もないのに?」
“捕虜”の身である彼女たちの武器はもちろん没収してある。
だから二人きり……三人きり?での対話が可能なのだ。
(いやまぁ、素手でも殺される自信はあるけどね……)
恋たちに鍛えられてきたといっても、教えてもらったのは時間稼ぎのための武。
そもそも俺が一人である状況というのが稀なわけで、常に傍には腕っぷしに自信のある彼女たちが控えている。
例え俺が襲われようとも、時間稼ぎさえ出来れば彼女たちが来てくれるのだ。それはそれで男としてどうかと思うけど……。
「舐めてんのか? 素手でも十分にくびり殺せる自信はあるぜ?」
「あー、俺も殺される自身はあるけどさ。今はやめといたほうがいいと思うな」
「あん?」
「多分、屋上に明……周泰、扉の向こうに呂布がいるよ。俺に触れる前に彼女たちによって君は抑えられる。
なんなら試してみるかい?」
ハッタリだが、有り得ないことではない。隠密に長ける明命、瞬発力と豪力に定評のある恋。
彼女たちがいれば、文醜が害を為す前に取り押さえることは簡単だろう。
最初からする気もなかったのか、“チッ”と舌打ちをしていたが。
ほっとした様子を気取られないように、本題に入ることにした。
「それで、早速本題なんだけど――」
―ぐぅぅぅぅ...
「……その前に飯食わせてくれ……すごく腹へった……」
本題に入ろうとした瞬間、寝台の上に横たわる文醜の腹から音が鳴った。
「ははは。何が食べたいんだ?」
「麻婆豆腐と青椒肉絲と北京ダックと――」
起きぬけにそんなに食べても平気なのか?と思ったが、大食いで有名な恋や季衣のような前例がある。
半開きであった部屋の扉からいくつかの気配が移動していくのを感じて、やっぱり見張られていたか……と思った。
―ガツガツガツガツッ!
「んもぐんもぐんもぐっ! んめぇー! 生き返るぜー!!」
「んもぐんもぐんもぐっ! んぅー! ふぁっふぁひ、ふふふぉふへふぁふふふほふぁふほひひー♪(やっぱり、流琉と月が作るご飯おいしー♪)」
「もう、季衣ったら。文醜さんの分まで食べちゃだめだよ? あと食べながら喋らないの」
先ほどまでの重苦しい沈黙はどこへといったのか。
流琉と季衣、月が料理の山を持ってきた瞬間、文醜の口からきらりと光る涎が大量に出ていた。
(流琉と月は分かるんだけど……季衣は飯をたかりに来たな?)
―ガツガツガツガツガツガツッ!
食べる姿が見てて気持ちいいなぁ。
食事が来るまで文醜は一言もしゃべってはくれなかったけど。
というか十品は超えていた料理の数々が、もう既に半分以下になってしまっている。
その間わずか5分。早食いってレベルじゃねーぞ!
「んもぐんもぐんもぐ……んぅっ! んんんん~~~~!!」
「はいはい」
胸をばんばんと叩き、水をくれとアピールする文醜に水の入った容器を渡した。
ぱしんっ、と乱暴に取られ、口許から水をたらしながらごくごくと飲み干していく。
「~~~~っぷはぁ! あ゛ー、死ぬかと思ったぁ」
「おおげさだなぁ、文醜さんはー」
「うっせ! てかそーいうお前だってさっき喉詰まらせてたじゃん!」
「えー? でも死ぬかとはおもわなかったよー?」
「う゛……まぁ、たしかに大げさだったかもな。喉詰まらせて死ぬなんてそうそうないし……よぉし、そうと決まれば……これもーらいっ」
「あー!! それボクが大事にとってた北京ダックー!!!」
「へっへーん、んもぐんもぐんもぐ……んめぇ!! 許緒が大事に取ってた北京ダックうめぇー!!! ってあーーー! それあたいが大事に取ってたフカヒレーーー!!」
「ふーんだ! んもぐんもぐんもぐ……おいしぃー!」
あーあー、ご飯で喧嘩するなっていつも言ってるのに、季衣のやつ。
でもほんとに気持ち良く食べるなぁ。
この品々を作った流琉と月を横目で見てみると、
「ふふ。季衣ったら……」
「……ふふ♪」
二人の食いっぷりを見て満足そうに笑みを浮かべていた。
作り甲斐があるだろうな。
微笑みながら流琉と月と一緒に眺めていた。
「ところで、流琉と月と季衣はいつからいたんだ?」
「私は兄様が心配で……最初からいました。あとから月さんと季衣が来て……あの、ご迷惑だったでしょうか?」
「いや、助かったよ。ありがとう」
流琉の頭をなでなでしてやると、心なしか頬を赤らめていた。
んーむ、照れてる流琉も可愛いなぁ。
―ぐぃっ、ぐぃっ
「……」
「……」
なでなで。
袖をぐいぐいと引っ張る小動物・月もなでなで。
幸せそうに笑っちゃって……愛いやつめっ!
「じぃぃ……」
いつの間にか近くに寄っていたのか、頬のあたりに食べカスをつけながら上目遣いで哀願している風にも見える季衣。
食べカスを“ひょい、ぱくっ”と食べてからなでなで。
「……へんなやつらだなぁ」
そんな俺らの様子を、文醜は訝しげに見つめながらも、汚れた指をぺろっと舐めた。
文醜が食事を終えたのを確認してから食器を集め、それを片づけるために流琉と月が退室していった。
去り際に流琉が、
「危なくなったら全力で止めますからね?」
と念を押していって。
ちなみに季衣は、文醜と少なからず仲が良くなったようだ。
季衣もいれば文醜から情報を引き出しやすくなるだろうと思って残しておいた。
ちなみに、仲良くなった経緯は……。
『や、やるじゃんきょっちー……げぷっ』
『そ、そっちこそ……げぷっ』
『あたいと大食いでいい勝負できるなんて気に入ったぜ……あたいの真名は猪々子だ! 受け取ってくれ!』
『ボクは季衣! ちなみにここには、他にもボクと同じかそれ以上の大食いの子がいるよー。よろしくね、いっちー!』
『ああ! へへ、退屈しないで済みそうだな!』
食べ比べで引き分けた結果だそうな。なんでやねん。
ちなみに季衣は、文醜の寝台に座って足をぷらぷらとさせてくつろいでいる。
「さて、満足したかい? 文醜」
「ああ、腹も満腹、気分は上々だな! これであとは斗詩が起きてくれれば――はっ! お前、斗詩やあたいが寝ている間にいかがわしいことしてねーだろうな!?」
「しないよ」
「ほんとかー? 怪しいぞ……」
「もー、いっちーってば兄ちゃんを疑いすぎだよぉ。女関係にだらしないけど、無理矢理とかはしないよ?」
季衣、フォローになってない。ちょっと俺のガラスのハートにヒビが入った。
「それに、兄ちゃんはどっちかっていうと襲われるほうだしねー」
「ソウデスネ」
「ま、へたれそうだしな」
……泣いてもいいですかッ!?
◆ ◆ ◆
「姫がおかしくなったっていうか、様子がおかしくなったのは“左慈”って女が来てからだ。
それまでの姫は、わがままで自分勝手だけど、それでも民のことを大事に思ってたんだ。
でもあの女が軍師に抜擢されて姫の傍にいるようになってから、姫は左慈にしか興味を持たなくなって……。
もうほとんど左慈のいいなりだったんだ」
「そうか……左慈はなにか言ってなかったか? なんでもいいんだ」
「んー……」
恐らく袁紹は、左慈の術によって操られているんだろうな。
民の負担も省みずに戦争、戦争の連続だったし。
「――あぁ、言ってたわけじゃないけど、曹操との戦のときは、まるで曹操軍の動きを熟知しているかのようだったし。
あと、あたいがあいつを襲おうとした途端に妙な連中が地面からにょきにょきって沸いてきたな。
あー、そうそう。“曹操以下有力な将軍は、全て首を刎ねて持って来い。塩漬けにする”って言われた……ぜ……ッ?」
「……ッ」
外道が。
やはりあのとき春蘭を殺す気だったのか。
「お、おい……」
またいつ現れるか分からない左慈と白装束か。
玉璽なんかよりむしろこっちを優先したほうがいいんじゃないか?
(大事な人の首を塩漬けだと? ……ふざけるなッ)
―ギリッ
思わず唇をきつく噛み締める。
その痛みで現実に戻った俺は、ふと文醜が驚いた顔をしていることに気付いた。
「どうした」
「え、あ、いや……お前でもそんな顔するんだなって思って……」
「?」
「まぁいいや……それよりも、さ」
「なんだ」
「うっ、何怒ってんだよ……。その、あつかましいとは思うんだけどさ。
姫を……助けてくれねぇか?」
「……」
「……はは、冗談だ。――聞きたいことがないならもう出てってくれ。寝たい」
「分かった。その代わり君たちにも協力してもらう」
「い、いいのか!?」
「ああ。袁紹のところにいる民たちをこちらに誘導してほしいんだが、お願いできるか?」
「今すぐは無理だ……。あたい、頭悪いし……。せめて斗詩が起きてくれれば――」
「こちらの軍師を貸すよ。袁紹のところに『“北郷”が安全だ』っていう噂を広めれば扇動しやすくなるだろ?
その間、所用があって俺はここを留守にするけどね」
「おいおい、いいのか? あたいだってやろうと思えばこの国を奪えるぜ?」
「やってみろ。容赦しない」
「うっ……冗談くらい分かれよ」
「……はぁ。すまん、腹の虫の居所が悪くて」
「いや、あたいも悪かった……その、アニキ?」
「アニキ?」
「あたいらの他に兵も鹵獲したろ? その兵たちをあたいらに貸してくんねーか?」
「何言ってるんだ。そんなこと、できるわけが――」
「頼む。あたいを信じてくれ。もしもアニキが気に入らない行動をあたいがしてしまったら、命で償うから」
……最初のツンケンとした態度はどこへ行ったのか。
今の彼女には、ただただ確固たる意志しか感じられない。
(袁紹か……部下にこんなに愛されているとは幸せ者だな)
「分かった。その代わり監視は置くからな」
「あ、ああ!! ありがとうアニキ!!!」
「うをっ」
ぎゅぅ、っと抱きつかれて寝台の方へと――
「いたっ」
ん?
「んん~……ふぁあ。あれ? 兄ちゃん、むずかしい話はもう終わったの?」
……寝てたんかい。
途中から忘れてた。
「あ、あはは……んじゃああたいはもう少し休むよ」
「ああ。悪かったな。顔良が目を覚ましたらよろしく言っておいてくれ」
「りょーかい」
さて、稟にこのことを相談しておかないとな。
できれば華琳たちの耳には入れたくないぜ……。
「あ、そだ」
「ん?」
「あたいの真名、猪々子。受け取ってくれるよな?」
「……いいのか?」
「敗残の将のあたいを信用してくれたお礼だ。あと信頼の証」
「それはありがたい。俺には真名はないから好きなように呼んでくれ」
「分かった、アニキ」
アニキって呼ばれるのもなんだか慣れたな。
過去にも誰かにアニキって呼ばれていた気がするし。
「むにゃむにゃ~」
「まったく……よっ、と」
猪々子の寝台で寝ぼけている季衣をおぶってやって、部屋から退出しようとすると、
猪々子に呼びとめられた。
「あ、あのさ」
「ん?」
「その……アニキはへたれなんかじゃねーよ。大事な人を思いやれる良い男だ」
「照れるじゃないか」
「~~~~ッ! お、おやすみ!!」
がばぁっと掛け布団を頭まで被った。
恐らく恥ずかしがっている顔を見られたくないんだろう。
意外といじらしい部分もあるんだなぁ。
「ああ、おやすみ」
そう言って俺は、未だに扉にへばりついていた流琉と月と、なぜか居た星を引き連れて扉を閉めた。
「おー、やばかったなぁ、アニキのあの顔。チビるかと思った」
「そんなに怖かったの?」
「あぁ、そりゃもう。ただの優男だと思ったら――って斗詩!?」
「えへへ、おはよう文ちゃん」
「おいおい、起きてたら起きてるって言えよな。ったく」
「ごめんごめん。それよりも、姫を助けられるんだよね」
「……うん」
「絶対、助けようね」
「……ああ! もちろん!」
◆ ◆ ◆
「な・に・を! 勝手なことをしているんですか貴方は!」
「ひぃっ」
「勝手に捕虜を解放するばかりか、そんなことを約束するとは!」
ただいま説教なう。
原因は、俺が猪々子に約束したことを稟に話したためだ。
元々、“対袁紹軍”の攻略を任せていたのが稟だったため、知らせようと思ったのだが。
「……まぁ、一刀殿がそこまで言うのでしたら考えないでもないですが」
「助かる。あと出来れば華琳たちには口外しないで欲しいんだが」
「考えておきます」
「ありがと……それじゃあちょっと休んでくる。またな」
「はい」
一刀が稟の部屋から出たあと、ある人物が稟の部屋に入ってきた。
「稟」
「華琳さま、お話はお聞きになられましたか?」
「ええ、全部ね。……一刀のクセに私に隠し事ができると考えているなんて、舐めているとしか思えないわね」
「ふふ。それで、どうしますか? 今なら文醜たちとの口約束を破棄させることができると思いますが」
「一刀の好きなようにさせなさい。あなたは文醜たちの頭脳となり、対袁紹作戦の成功に貢献すること。それと彼女たちを監視する間者を常に潜ませておくこと。できるわね?」
「は。お任せを」
「全く、一刀の甘さにも困ったものね。そこが一刀の美徳なのだけれど」
「そうですね。……孫権殿や劉備殿にはこの話、お伝えしておきますか?」
「その必要はないわ。アレが口外して欲しくないって言ってるのだから。でも……そうね。あなたの判断に任せるわ。
必要と思ったならば話しなさい」
「御意」
「恐らくあの子たちには謀反の意思はないでしょうけど、一応の警戒はしておきなさい。
信用できると判断したら文醜・顔良の武器と部下を返していいわ。彼女たちは袁紹軍に深く携わっている。
うまくすれば作戦に大きく貢献してくれるかもしれないわ」
「そうですね。懸案事項はいくつかございますが、現状それでいきましょう」
「さて、船団が到着するまで行軍の支度をしてくる。私たちがいない間の留守と対袁紹軍の指揮、任せたわよ」
「はっ!」
用を終えた様子の華琳は、稟に一言二言交わしてから退出していった。
あらゆる万事に備え、対策は万端なようだ。
とある船上の上。
胸をゆっさゆっさと揺らす将と部下がいた。
「はぁ~……長旅も遂に終わりがみえてきましたね~」
「はぁ。そうは言いますが上官、結構強行してましたよね?」
「ニ、三日程度早まっても問題ないです~」
「あちらも迎える準備は出来ていないんじゃないんですかねー」
「それでも~。旦那様に逢いたいと想うこの気持ちは止まりませんよ~」
「……」
だめだこの上官。早く転職しないと過労でしんじゃう。
穏率いる水軍二万と物資を積んだ船千隻を連れて、予定よりも四日ほど早く陸につこうとしていた。
ちなみにその二日後、黄河付近で大規模な大嵐が発生。黄河は大変荒れたが、穏たちは既に陸地に上がっていた。
本来の行軍速度であれば直撃しているソレを回避したのだ。
数日前、船の上で陸遜に苦言を申した部下の駱統(らくとう)、字は公緒。彼女は思った。
『愛補正ぱねぇ』
しばらくあと、彼女たちは“北郷”へと到着して、
部下に後のことを任せて一刀に熱い抱擁を交わすために胸をたわわんと揺らしながら城へと向かった。
「おい、北郷! ……と周喩」
「ん?」「なんだ?」
どかどかと足音をたてながら一刀の部屋に行くと、運よく(?)周喩もいた。
なぜか抱きあってたり二人の口から銀色の橋が渡っているのを見て見ぬ振りをした。
放っておくとまたイチャイチャしだすかもしれないので、すぐに本題に入ることにする。
「なぁ、これどういうことだ?」
北郷と周喩の目の前に、例の書簡―“北郷”の役職者一覧―を突き付けてやった。
「ん、これがどうしたのだ。なにか問題でも?」「あ」
北郷は何か気付いたようだが……周喩は何も気づいていない!
「よぉく見てくれ」
「んー」
じぃぃっと柳眉を寄せて書簡を見つめる。
「どこもおかしくないぞ。なにが不満なのだ」「おちょまっ」←一刀
―ぴきっ
「私の名前がどこにも載っていないではないか! あれか!? 私は将ですらないのか!? そりゃ麗羽に負けたさ!? 影は薄いさ!?
でもこの仕打ちは――」
「ああ、すまん。間者から情報がなかったので見落としていたようだ。すぐに訂正しよう、“ハム殿”」
「 」
真っ白に燃え尽きた白蓮の傍に駆け寄り、慰める一刀さん。
“閨三日間の券”をもらったことにより、一応機嫌は直したが。
そんなことがあってから、ことある度に“ハム”と呼ばれるようになった。
ちなみに白蓮の役職。
“劉備親衛隊……魏延、厳顔、馬岱、趙雲、ハム←(NEW!)”
「おかしいだろ……主に名前が!」
訂正する気も失せ、即一刀と閨を共にすることでストレス発散した。
ちなみにその過程で過去の記憶が甦り、麗羽に追い詰められて自殺したことも思い出してしまい、
しばらくの間引きこもりになった。
頑張れハムさん。超頑張れ。
「……一週間券くれなきゃ出ない」
すっかり味を占めました。
<つづく>
【恋姫★学園】
「というわけで、執事喫茶なう」
「ツイートしとんの? 蓮華」
「ええ。執事姿の一刀を写メしてつぶやくわよ」
「フォローするでー」
「ありがとう、霞」
「まだ始まってもないのに早いな」
―ピロンッ♪
「おまっ」
―ピロンッ♪
「おいばかやめろっ!」
「ねぇ一刀、これツイッターに貼ってもいいかしら?」
「ダメに決まってるだろ!」
「えー、じゃあミクシーの日記に貼っても――」
「ダメ! 肖像権の侵害を主張する!」
「そんなもん、一刀にあらへんわ」「そんなもの、一刀にないわよ」
「ひどくね!?」
―ぴーんぽーんぱーんぽーん
『これより、△‐○組による執事喫茶が行われます。入場料千円! 撮影一枚につき五百円!
飲み物は炭酸系が五百円から、食べ物はオムライスのみですが、執事・一刀が自ら作り、ケチャップでハートも書いてくれます!
なお、別途料金ですが相合傘もお客様の名前と一刀の名前で書きますので、お気軽にどうぞ~』
「いや、ボッタクリだろ。つーか放送部なにしてんだ!!」
「えー、ええやんええやん。うちらんとこの宣伝してくれてるんやで?」
「いやいや。こんな宣伝じゃお客さん来ないだ……ろ……」
「ちょりーっす」
「どうも」
「お、もう先客がいるのか」
「…………………………………相合傘、いくら?」
「おーっほっほっほ! 今日は給料をぱーっと使いますわよ!」
「し、執事はどこだ! 茶くらい出さんか!」
「あら、一刀ってばイケてるじゃない♪ お姉さん悩殺されちゃう♪」
「用心棒、華蝶参上!」
「呼んでない。……おぉぉ! 一刀さまの執事姿はぁはぁ……(ぱしゃっ、ぱしゃっ)」
「……来すぎやないか?」
「これは予想GUY」
「猪々子に桂花、白蓮に恋、麗羽先生に春蘭先輩、雪蓮姉に星、愛紗……来すぎだろ」
「「「「「「「「「食糧の貯蔵は十分か」」」」」」」」」」
「 」「 」「 」
「一刀」
「はいお嬢様」
「…………相合傘いくら?」
「千円でございます……(高すぎだろjk)」
―ピッ!
「ゆ、諭吉でございますか!?」
「ケチャップいっぱい使って、相合傘いっぱい作って。…………恋と、一刀の」
「りょ、了解であります、お嬢様」
「( ゚дメ)ポカーン……(゚дメ)ハッ! わ、私にもケチャップで相合傘を――」
「申し訳ございません、お嬢様。あちらのお嬢様によってケチャップが品切れに……」
「なぁぁぁぁにぃぃぃぃ!?」
「おーっほっほっほ! 小娘共には負けませんわよ」
「お客さぁん、隠しメニューのドンペリ・ピンク(200,000円)ありますで~」
「たかっ!? いりませんわ!」
「(チッ)今なら執事の一刀が口移しで――」
「買いますわ!!」「買うわ!!」「……二十万か|||_| ̄|○|||」「ちょっ、何勝手なことを――もがが!」
「せんせーと雪蓮やねー、ほれ一刀、準備しぃ!」
「お前マジ怨むわ」
「はい、ピンドンや! はよ口に含みぃやぁー」
「我慢よ蓮華、我慢よ蓮華! 正妻たる余裕を(ry」
―モゴモゴッ!
「ど、ドキドキしますわね……とうとう、とうとう一刀さんとの……!」
「はーい、ほならせんせー、口を大きく開けてー」
「ああぁぁー……」
「一刀、垂らしたれやー」
―ぽとぽとぽと......
「ごくっごくっごくっ……ぷはぁっ! ……きゅぅ~」
「ふう、一人沈没っと。ほな次は雪蓮やなー」
「あー」
―ぽとぽとぽとぽと......
「ごくっごくっごくっ……ぷはぁっ! おいしーわねー♪ ……あら、まだ残ってるじゃない」
「んぐっ!?」
―ちゅっれろっじゅるるるるるっ
「□△×!+*@#」
「舌も絡めてーっと……じゅるるるるるうぅぅっ!!」
「アッーーーーーーーーーーー!!」
「雪蓮、追加料金発生や」
「全部で30万かー。まぁ仕方ないわねー」
「まいどー。にしても身持ちええやん」
「あー、冥琳から麻雀で買って巻きあげたの」
「うへぇ。運要素のあるゲームで雪蓮に勝てるわけないのに」
「まぁ冥琳にとって“はしたがね”だし、問題ないんじゃない? 私はこのお金で一刀と良いこと出来たし満足よ♪」
「そのせいで一刀がダウンしとるけどな。おかげでお客さんめっちゃ怒っとるで」
「いいじゃない。どうせ私との熱いベーゼを熱心に激写してたんでしょうし」
「うぇへへ、その分の料金も他のお客さんから徴収したで……」
―パラパラパラパラパラッ
「お?」
「なになに? ヘリコプター? って、あのマークは――」
<次号、新キャラ登場(^ω^)>
・コメント
ライフラインが復旧してほっと一息つきました。
お風呂も電気も飲み水も確保できましたので、とりあえずは安心ですけど余震にビクビク震えていますわぁ……
あと原発の放射能漏れがね……。
やだなー。なんかニュースサイトとか見てると奇形児が生まれる可能性があるとか、髪の毛抜けるとか怖いよ。
男性の方、放射能の影響で種なしになっちゃうかもしれないらしいから気を付けてね!
東京にいる友人も、放射能による被ばくを恐れて関西にいる親せきの元に行きました。懸命な判断だよねー。
あたしは茨城の土に帰るよ……。
あ、あとガソリンレギュラー満タンいれてきました!
要した時間はなんと1時間。おトイレも我慢してPSPのモンハンやりながら並んでました。
やーだおやーだお……世紀末な世の中になったもんだ!
さて、暗いお話はここまでで、本編について。
文醜たちをうまく使って、袁紹軍の国力低下を狙う一刀たち。
次の話では、いよいよ穏たちの率いる水軍と船団が合流、穏とチョメチョメするお話です。
きっとこれまでに溜めに溜めた性欲が大爆発するでしょう。胸が熱くなるね。
早くR18解禁してくれよTINAMIィィィィ!
白蓮の扱いがいつも通りなのはご愛嬌だと思うの。
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第四十七話をお送りします。
―文醜との対話、怒る一刀に姐女房な華琳―
開幕