「なんで・・・俺たちって生きてるんだろうな?」
それは、放課後の美術室でのこと
窓から空を見あげながら、ふと疑問に思ったのだ
俺たちは、なんで生きているのだろう?
そんな途方もない疑問に、先ほどから絵を描いていた友人は呆れたように笑っていた
「なんだよ、いきなり」
「いや、ちょっと気になってさ
俺たちって、なんで生きてるのかなって」
言って、俺は苦笑する
ああ、本当に突然のことだ
自分でも呆れてしまうくらい、突然にそう思ったのだ
ホラ、よくあるだろ?
夜中に布団の中でさ、急に“自分たちは死んだらどうなるんだろう?”って
そう思ったのと同じだ
急にそう思ったんだ
俺って、なんで生きてるんだろうって
我ながら、本当に意味がわからないけど
「ま、気にすんな
なんか、急に頭ンなか浮かんだだけだから」
「なら、いいけどよ・・・」
言って、友人は再び絵を描き始める
そんな友人の姿を見つめながら、俺は再び苦笑を漏らした
ああ、本当にどうかしてる
そう思い、俺は自身の頭を掻いた
「俺、さ・・・」
「ん・・・?」
そんな中、ふと絵を描いていた友人が小さく口を開いた
コトンと鉛筆が、机の上に置かれる
「なんで生きてんのかなんて、そんなことは知らないけどよ
“なんで生まれてきたのか”ってのは、わかる気がすんだ」
言って、友人は先ほどまで描いていた絵を俺に向い差し出した
俺はそれを受け取ると、その絵を見つめる
そして・・・言葉を失ってしまう
渡された絵
そこに描かれた、“見覚えのある光景”を見つめたまま
そんな俺の様子を満足げに見つめた後、友人は照れくさそうに笑った後に・・・こう言ったんだ
「俺が生まれてきたのはきっと・・・お前らみたいな奴らと、会う為だったんじゃないかって
俺は、そう思うんだ」
ああ・・・その言葉に、きっと嘘はない
だってさ、コイツの描いた絵の中でさ
仲の良い友達や俺が、そして何よりも“コイツ自身”が
本当に楽しそうに笑ってるんだ
本当に・・・幸せそうに、笑ってるんだ
「はは、クサい台詞ww」
「てめww」
それは、いつも通りの光景
だけど・・・“いつもとは違う光景”
「俺もさ、わかったよ」
だから、俺も“わかったんだ”
俺が、ずっと知りたかった答えってやつが
ああ、ちくしょう
わかってしまえば、こんな簡単なことなんだ
俺が悩んでいたことは、こんなにも単純で・・・大切なことだったんだ
「俺はきっとさ、こんな毎日を過ごしたくて
皆と一緒に馬鹿やって、一緒に笑って・・・時々、喧嘩したり泣いたりしながら
そうやって“当たり前な毎日”を過ごすために生きてるんだ」
そう言って、俺は大きな声で笑ったんだ
多分、この問いに正解なんてないんだろう
けどさ、きっとハズレもないんだ
ただ俺にとって・・・“俺達”にとっての答えは、きっとこれなんだと
俺はそう思う
きっと、コイツも同じことを思ってるんだろう
だから俺たちは、2人して馬鹿みたいに笑ったんだ
“おはよう”
“こんにちわ”
“さよなら”
“また明日”
そんな・・・当然だと思っていた“当たり前”なこと
それが俺たちにとって、どれだけ大切なモノなのか
どれだけ、掛け替えのないものなのか
俺たちは、中々気づけない
それが当たり前だって、普通なんだって
そう決めつけて
~だからこそ、気付いてほしい
この日常が、こんな毎日が
どれだけ幸せなのか・・・気づいてほしい~
そんな想いが、きっと・・・俺に、気付かせてくれたんだと思う
「お、チャイムだ」
「だな・・・もう下校時間っすか」
“ありがとう”
心の中、静かに礼を言う
誰に対してのものなのか、自分でもわからない
けど、それでいいと思った
ただそれでも、伝えたかったんだ
“ありがとう”と
「そんじゃ、“また明日”な」
「ああ、“また明日”」
こんな当たり前で、いつもと変わらない
だけど何よりも最高な、こんな毎日に気づかせてくれた“誰か”に向かって
“ありがとう”と
そして・・・“また、逢おうな”ってさ
☆あとがき☆
どうもみなさん、こんにちわ
月千一夜です
メッセでの宣言通り、これにてしばらくの間お休みとさせていただきます
これから、僕らの業界も忙しくなりますから
少しでも多くのガソリンを、皆さんのもとへと届くよう頑張らなくてはなりません
これから一か月から二か月・・・下手したらもう少し長くなるかもしれません
たまに覗く程度ならともかく、投稿はしないでしょう
それくらいのお休みをいただきます
この作品は、“当たり前の日常が、本当に何よりも掛け替えのない大切なモノ”だということを
まぁ不器用な自分なりに書いたものです
短く、しかも内容が薄いと思うかもしれませんが・・・これが今の僕の精一杯です
この作品で少しでも元気を与えられたら、とても嬉しいです
それでは
またお会いする日まで、皆さんどうかお元気で
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どうも、こんにちわ
月千一夜です
長期休み前の、最後の作品です
今回のことを思うと、書かずにはいられませんでした
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