No.206141

真・恋姫無双 アナザーストーリー 蜀√ 桜咲く時季に 第01話

葉月さん

第一話等々始まります。

やっとこさ一刀が出てくる話になります。
そして、今回のお話からは一刀の強さが底上げされております。
それを好まない方は見ないことをお勧めします。

続きを表示

2011-03-12 11:49:25 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:17604   閲覧ユーザー数:10751

真・恋姫無双 アナザーストーリー

蜀√ 桜咲く時季に 第01話

 

 

 

 

【出会い】

 

うぅ……もう朝か?まだ寝て一時間も経って無い気がするのに……

 

陽の光が瞼にあたり朝を知らせてくる。

 

う~ん、どうせ今日は休みだし、このまま二度寝しちゃうかな。

 

そう思って、二度寝の体勢に入った時。一瞬ある違和感を感じた。

 

あれ?俺のベットってこんなにゴツゴツしてたっけ?

 

そう思うも、眠気に負けてしまい俺は眠りにつきなおそうとした。

 

しかし、二度寝に入ると同時に声が聞こえてきた。

 

「アニキ、どうしやすこいつ」

 

んっ、なんだよ人が気持ちよく寝てるのに……また及川の奴勝手に入ってきたのか?

 

「取り合えず起こすか、おいデク!こいつをたたき起こせ」

 

「わかったんだな」

 

なんだか周りがうるさいな。及川じゃなくてテレビつけっぱなしで寝ちゃった?……

 

「起きるんだな」

 

――げしっ!

 

「痛って!なにしやが……る?」

 

行き成り頭を蹴られ、文句を言いながら起きると目の前に三人の男が居た。居たんだけど……

 

な、なんだ?目の前に居る人たちは、コスプレなのか黄色の頭巾を被った男が三人居るぞ。

 

「おい、兄ちゃんいいもん着てるじゃないか。痛い目に合いたくなければ、その服よこせよ」

 

「そうだぞ!さっさとしろ!」

 

「……」

 

なんだこいつら?何かの撮影か何かか?

 

でも、辺りを見回してもカメラなんてないし……ん?

 

何か撮影機材が無いのかと思い辺りを見回して俺は気がついた。

 

な、なんだこのだだっ広い景色は!ここ何処だよ!寮の部屋じゃないのか?!

 

そう、目の前に広がるのは荒野、そして水墨画で見たことがあるような切り立った山が遠くにそびえていた。

 

こんな景色、中国くらいでしか見たことが無いぞ?

 

なら俺は一体いつ中国に連れてこられたのか?

 

考えられるとしたら寝てる間だけど、それにしても一体誰がここへ運んだんだ……って、爺ちゃんしか考えられないよなこんなことするのは……

 

そして考えることなく答えを導き出した。

 

俺の爺ちゃんは破天荒と言うかなんと言うか、何をしでかすかわかったもんじゃないしな。

 

俺が子供の時なんて『修行じゃーーーっ!』とか言って滝壺に叩き落すわ。真剣で切りかかってくるわ。もう、トラウマでしかなかったな。

 

とにかく、こうしてても埒が明かないし目の前の人たちに聞いてみるか。

 

「あ、あの……」

 

「おっ、脱ぐ気になったか」

 

「いや、ここって何処ですか?」

 

「は?」

 

「いや、だからここは何処ですかと、東京にこんな場所ありましたっけ?」

 

「何言ってんだこいつ?」

 

「それに、それってコスプレですよね?どこかで撮影でもしてるんですか?」

 

「こすぷれ?なんだそれ」

 

「え?」

 

あれ?コスプレを知らない?

 

「お前、俺様を馬鹿にしてるのか!」

 

「アニキ。こいつやっちまいましょうぜ!」

 

「まあ待て。俺は心が広い男だ。大人しく着ているものを脱げば命だけは取らないでおいてやるぜ」

 

「良くわからないけど。追い剥ぎならお断りだ」

 

「こいつ!アニキが下手に出てやってるのに!」

 

何処が下手だよ。どう見ても脅迫じゃないか。

 

「おいおい、この剣が目にはいらねえか?」

 

アニキと呼ばれていた男は俺の首筋に剣を当ててきた。

 

この光沢、これって本物の太刀……でも、実力は対した事はないな。素人もいいところだ。

 

「なんだ、恐怖で声も出ないか?」

 

アニキと呼ばれた男は俺が恐怖で声が出ないと勘違いしたのか笑ってるけど、殺気も放ってない奴にどう恐怖しろっていうんだよ。

 

半ば呆れながらどうしようかと考える。

 

さて。どうしたものか、こんな所に俺の武器があるわけ……って、あるし。

 

辺りを見回し二対の日本刀と袋を見つけた。

 

よし。あとは、どうやってあそこまで行くかだけど……

 

俺の日本刀はちょうど賊たちの後ろか下手に動いてあれを取られるのもまずいしな……

 

どうやら、三人はその荷物には気がついていないらしい。

 

「さぁ、観念しておとなしく……」

 

「貴様ら!そこで何をしている!」

 

俺の後ろから凛とした声が聞こえてきた。

 

「なんだ貴様は!」

 

「貴様らのようなゲスに名乗る名などない!」

 

俺は後ろに振り向きそこに立っている女性に目を奪われた。

 

切れ長の鋭い目に堂々とした出で立ち。それに何よりあの艶やかなポニーテールの黒髪だ。

 

「なんだと!おいデク!やっちまいな!」

 

「わかったんだな」

 

「な!危険だ!」

 

まずいっ!女の子が危険だっ!こいつらの持っているのは真剣なんだ!

 

「お前は黙ってろ!」

 

「くっ!」

 

止めようとしたが不意をつかれチビの賊に頭を殴られ地面に叩きつけられてしまった。

 

痛っ……そんな事より女の子は!

 

「ふん、そんな遅い攻撃が私に当たると思うなよ、はああぁぁ!」

 

しかし、俺の心配を他所にその女の子はあの巨体をいとも容易く薙刀みたいな武器で吹き飛ばしてしまった。

 

「な!なんて怪力女だ!」

 

(ピクッ……)

 

あっ。あの女の子の殺気が膨れ上がったぞ。

 

女の子は一瞬動きを止め賊を睨みつけた。

 

「今、なんと言った?」

 

「ひ!」

 

「誰が怪力女だと!」

 

「うわぁ!おい逃げるぞ!」

 

「あ、アニキ置いて行かないでくれよ!」

 

「ま、まってほしいんだな!」

 

三人の賊は女の子の殺気に一目散で逃げていった。

 

「待てっ!くそ、逃がしたか……貴方は大丈夫ですか?どこかお怪我はしていませんか?」

 

「え、あ、うん、大丈夫だよありがとう、助かったよ」

 

「いえ、これくらいたいしたことではありません」

 

この子も変わった服着てるなどうなってるんだ?

 

「ん?」

 

なんだ?、前から凄い砂煙がこっちに近づいてくろぞ。

 

その砂煙は段々と近づいてくると一人の小さな赤髪の女の子が走ってくるのが判った。

 

「愛紗ー!賊は何処行ったのだ!」

 

元気いっぱいに答えた赤髪の女の子は自分の身長以上の武器を軽々と持って笑顔で立っていた。

 

「残念ながら取り逃がしてしまった」

 

「そっかー。……んにゃ?それよりこのお兄ちゃん誰なのだ?」

 

俺に気がついたのかその赤髪の女の子は俺に指を指して首をかしげていた。

 

「丁度、その事を聞こうとしていたところだ……ところで桃香さまはどうしたのだ?」

 

「ふ、二人とも早すぎだよ~」

 

二人の女の子が話しているとヨタヨタと息を切らしながらもう一人の女の子が現れた。

 

「桃香お姉ちゃんはもう少し運動した方がいいのだ」

 

「大丈夫ですか?桃香さま」

 

「う、うん大丈夫、大丈夫だよ、少し休めば」

 

女の子は両膝に手を乗せて方で息をしていた。

 

「それは、大丈夫とは言いませんよ」

 

「にはは♪」

 

とりあえず、このままじゃ埒が明かないし話しかけてみるか。

 

それにここがどこかも聞かないといけないわけだし。

 

「あ、あの……ちょっといいですか?」

 

「あ、はい!なんでしょうか?」

 

「ここって何処でしょうか?」

 

「え?ここは幽州啄郡啄県ですよ」

 

「へ?幽州?」

 

「はい」

 

ちょっと待て?幽州?こんな地名は日本には無いはず、それに言い方からしてアメリカとかフランスじゃない。どちらかと言えば中国あたりだ。

 

「まさか、本当に中国に?」

 

「ちゅうごく?そんな地名ありませんよ?」

 

「え?中国を知らない?」

 

「はい。聞いたこと無いです。愛紗ちゃんたちは聞いたことある?」

 

「いえ、ありませんね」

 

「鈴々もないのだ」

 

「それでお兄さんは何処から来たんですか?」

 

「え?ああ、俺は日本の浅草って所に住んでるんだ」

 

「にほん?あさくさ?……それは何処にある州ですか?」

 

「いや、州とかじゃなくて……う~んなんていえばいいんだ?」

 

困ったな。話は通じてるし日本だと思ってたんだけど幽州って多分中国の土地の名前だよな?……ん?幽州?何処かで聴いたことがあるような……

 

「桃香さま。やはりこの者、怪しいと思うのですが」

 

「そうかな?凄く優しそうに見えるよ?」

 

ん?俺が考え込んでるうちになにやらまずい雰囲気になってきてるな。とりあえず黒髪の女の子と話して誤解を解かないと。

 

「えっと、あの。黒髪の女の子の人」

 

「ん?ああ、これは失礼した私は、関羽。あ「か、関羽だって!?関羽ってまさかあの関雲長!?」っ!」

 

俺は言葉を遮り大声で驚いた。

 

いや、だってこの女の子。関羽って言ったんだぞ?関羽って言ったら三国志で有名なわけだし。

 

「「!?」」

 

俺の言葉で三人の女の子は驚きの顔をした。その中でただ一人、関羽と名乗った女の子はすぐさまに俺への警戒を強めた。

 

「貴様、どうして私の字を知っている!私は名しか名乗っていないのだぞ!」

 

「何で知っているっていわれても……」

 

何で知っていると言われても、つい最近、授業で習った事もある。もともと三国志が好きだった俺は色んな三国志物の本を読んでいたし。

 

それに関羽って言ったら凄い有名だろ?軍神関羽と言われるほどなんだから。

 

関羽と名乗った女の子は薙刀の刃を俺に向け警戒していた。

 

「あ、愛紗ちゃん落ち着いて、落ち着いて!」

 

「しかし、桃香さま。この者は名乗ってもいない字を呼んだのですぞ!」

 

「で、でもでも!私達が有名になってきただけかもしれないでしょ?」

 

「そ、そうでしょうか……」

 

「そうだよ!とにかく話を聞いてみよ」

 

「は、はい」

 

桃色の髪をした女の子に宥められ関羽は薙刀を退いてくれた。

 

「えっと、お名前教えてもらっていいですか?」

 

「あ、ごめん名前は北郷一刀です」

 

「姓は北、名は郷。字は一刀でいいのかな?」

 

「いえ、姓は北郷、名は一刀です」

 

「字がないだと!?そんな事あるわけがないだろう」

 

「愛紗ちゃん、落ち着いて?私は劉備、でこの子が」

 

「鈴々は張飛なのだ!」

 

劉備と張飛だって?それじゃ本当に三国志の世界じゃないか、

 

でもなんで女の子なんだ?ただのタイムスリップじゃないのか?もしかしてパラレルワールドってやつなのか……?

 

それともやっぱりコスプレなのかな?

 

でも、さっきの関羽さんって女の子の殺気は本物だし、あの身のこなしを見る限り相当な武を持ってるよな。

 

一人考えに浸っていると劉備さんが質問をしてきた。

 

「あの私たちの字もわかりますか?」

 

「え?ああ、うん、多分あってると思うけど」

 

「それじゃ、耳打ちで教えてください」

 

「う、うん」

 

俺は劉備さんに耳打ちをした。

 

「あはは、くすぐったいよ」

 

「貴様!桃香さまになんて事を!」

 

「うわ!ちょっと!劉備さん、からかわないで!」

 

「えへへ、ごめんなさい♪」

 

「ごにょごのごにょ……」

 

「凄いよ!愛紗ちゃん!北郷さん、私と鈴々ちゃんの字まで知ってるよ!」

 

「なんと……」

 

「あ、あの……」

 

なんだか劉備さんは凄い興奮してるけどとにかく話をしないと。

 

「あ、改めまして、私は劉備、字は玄徳、真名は桃香です、これからよろしくお願いします、天の御遣い様」

 

「と、桃香さま!真名まで教えてしまうのですか!」

 

「だってこれから私たちのご主人様になってもらう人なんだよ?教えないと失礼だよね♪」

 

「「……」」

 

数秒の沈黙の後……

 

「「ええええええぇぇぇぇぇぇぇ!!」」

 

俺と関羽さんの叫びが荒野に木霊した。

 

「え、ご主人様って何?ええ!?」

 

「と、桃香さま!何を仰っているのですか!」

 

「鈴々の真名は鈴々なのだ!よろしくなのだお兄ちゃん!」

 

「鈴々お前まで!」

 

途惑う俺と関羽さんを他所に張飛ちゃんは腕をあまたに乗せて笑顔で真名を云って来た。所で、真名ってなんなんだ?

 

「だって、教えてない字を知ってたんだよ?それにこんなキラキラした服見た事無いよ!これは絶対、天の御遣い様しかないよ!」

 

「は、ははは……」

 

一人うれしそうに話す劉備さんに俺は苦笑いを浮かべるしかなかった。

 

「しかし、それは先ほど我々が有名になったからだと仰っていたではありませんか!」

 

「いいの、もう決めちゃったから、これからよろしくねご主人様♪」

 

「私は認めませんよ!何処の輩ともわからない者を主とするのは!」

 

まあ、普通はそうだよな。だけどそれは俺の見えないところで言って欲しいな。結構傷つくんだぞ?

 

「落ち着いて愛紗ちゃん。それに悪い人には見えないよ。悪い人だったらこんな優しい顔しないと思うんだよ」

 

「し、しかしですね……」

 

「お願い愛紗ちゃん」

 

「はぁ、わかりました。桃香様がお決めになった事です、信じましょう。私の真名は愛紗。これからは愛紗と呼んでくださいご主人様。ですが桃香さまを裏切るような真似をなされば容赦はしないと思っていてください」

 

「わ、わかったよ。ところでさっきから出てる真名ってなに?」

 

「ま、真名を知らないだと!?真名とは真の名、家族・親友、心を許したもの以外に呼ばせてはならない神聖な名のことだ。知っていても許し無く口にしてはならないのだ。もし安易に口にしてしまえば……」

 

「し、してしまえば?」

 

(ゴクンッ)

 

思わせぶりな言い方に思わず唾を飲んでしまった。

 

「生きてられないと思った方がいいのだ!」

 

張飛ちゃんの、いや、鈴々ちゃんのあっけらかんと言った言葉に数秒の沈黙が生まれ、

 

「ええ?!そ、そんな大事なものを俺なんかに呼ばせていいの?」

 

「いいんだよ、だって私たちのご主人様になってもらうんだから」

 

桃香さんはうれしそうに俺の腕を取る。

 

うっ、む、胸が腕に当たってくる……

 

「わかった、でもそのご主人様って止めてくれないかな?なんか恥ずかしいよ」

 

頬をかきながら照れる俺に桃香さんは笑顔で云って来た。

 

「えへへ、ダメだよ♪ご主人様はご主人様なの♪」

 

「私もご主人様と呼ばせていただきます」

 

「鈴々はお兄ちゃんって呼ぶのだ!」

 

「はぁ、わかったよそれじゃ、桃香さんに愛紗さん、鈴々ちゃんこれからよろしくね」

 

「「「はい(なのだ!)」」」

 

「あ、それと桃香って呼び捨てで呼んで欲しいな」

 

「私も呼び捨てで構いません」

 

「なんだかちゃん付けで呼ばれるとこそばゆいから、鈴々も呼び捨てでいいのだ!」

 

「わかったよ。それじゃよろしくな。桃香、愛紗それに、鈴々」

 

「~っ!」

 

取り合えず。愛紗には疑われた目で見られてるから笑顔で答えたんだけど。桃香の様子が変だな?

 

「ん?桃香、どうかしたのか?」

 

「ふぇ!な、なんでもないよ!」

 

「そうか?なんだか顔が赤いけど」

 

「そ、そうかな?気のせいじゃないかな?あは、あはははっ」

 

なんだか慌てて両手を振って否定してるけど本当に大丈夫なのか?

 

「ちょっと、ごめんね」

 

「ふえ?……~~~っ!?!?!?!」

 

「う~ん。熱は無いみたいだね。でも、無理したらダメだぞ?」

 

「ひゃ、ひゃいっ!ぁぅ、噛んじゃった」

 

「だ、大丈夫か?」

 

「は、はい!大丈夫ですよ!」

 

「桃香さま……」

 

「だ、大丈夫だから。それよりお腹空いちゃったね。まずは街に行こうよ!」

 

「鈴々も賛成なのだ!」

 

「では邑に向かいましょう。こちらですご主人様」

 

「ちょっと待ってくれ……よし。悪い、それじゃ行こうか」

 

俺は地面に落ちていた二対の刀と布袋、それと学園の鞄を持って愛紗の案内で邑に向った。

 

《To be continued...》

【おまけ】

 

※本編とは関係有りません。

 

【一姫奮闘記演義】

 

 

 

 

 

「うぬぬ~。どうすればあの女狐からお兄様を救い出せるのかしら……」

 

一人、部屋で頭を悩ませている少女の名前は北郷一姫。北郷一刀の妹だ。

 

「それよりなんでお兄様はあんなに女の人に好かれてるのよ!お兄様は一姫だけのお兄様なのに!」

 

「一番の障害はやっぱり雪蓮とかいう女狐でしょ。それから……あの琳って人ね」

 

「でも、琳って人。お兄様の恋人とか言ってたけど、一姫を見る目がおかしかったよね?なんだか、獲物を見つけたみたいな……~っ!!」

 

一姫はあの時の琳の視線を思い出し身震いをした。

 

余談ではあるが。一姫は男子生徒に結構人気があり、何人も告白を受けていたが全て断っている。

 

それはもちろん、一刀が一番好きな事とは別に、一刀以上にいい男性は居ないと思い込んでいるところもあるのが原因でもある。

 

「ま、まさか、琳って人は女の人でも頂いちゃう系なのかな?……うぅ~。やだな~、助けてお兄様~」

 

愛しの一刀に助けを請うがここは寮の部屋。部屋には一姫以外誰も居なく、その言葉は虚しく壁に吸い込まれていった。

 

「はぁ。折角、お兄様を追ってフランチェスカの寮に入ったのに大学と別だなんて聞いてないよぉ!」

 

高校と大学は同じ敷地内では合ったが、生活習慣や門限などの違いもあって寮は別々になっているのだった。

 

勿論、男子寮と女子寮も別々になっている。

 

「そうだ!今からお兄様のお部屋に行って見よ!それでお兄様を驚かせるんだ♪」

 

思い立ったら直ぐ行動、といわんばかりに一姫はベットから下りて玄関へ向った。

 

――ガチャ

 

「あら。やっと見つけたわ」

 

「え?……う゛」

 

声のした方を見た一姫は声の主を見て後ずさりした。

 

声の主は、金色のツインテールをクルクルと螺旋を描き、その顔立ちはフランス人形なのかと思わせるほど綺麗な顔立ちをしており、若干一姫より身長が低く、胸が残念な人物。

 

彼女の名前は華澄琳。一刀と同じく大学に通っている一刀の恋人候補の一人だ。

 

「誰が恋人候補の一人よ、誰が。それに身長が低くて胸が残念ですって?気にしている事をベラベラと!」

 

 

――少々お待ちください。

 

(ボクッ!)

 

(ドスッ!)

 

(バンッ!)

 

(ドーンッ!!)

 

……ぐふ。と、とても美しく、知性溢れる彼女の名前は華澄琳さまです。

 

「まあ、それで許してあげるわ」

 

……ガクッ!

 

 

「そこがあなたの部屋だったのね。表札くらい付けときなさい。判らないでしょ?」

 

「そ、それは判ったけど……なんであなたがここに居るのよ!ここは高校の女子寮だよ。お兄様の居る寮じゃないんだよ!」

 

「そんな事わかっているわよ。それに、あなたに用があったからここに来たのよ」

 

「よ、用ってなんですか……」

 

一姫は後ずさりながら琳との距離を広げていった。

 

「ふふっ、そんな怖がらなくても大丈夫よ。子猫ちゃん」

 

「こ、子猫ちゃん!?!?」

 

「ちょっと、あなたとお話をしたかっただけよ……体でね」

 

「さ、最後の方!今何ボソっと言ったんですか!」

 

「気のせいよ。さぁ、あなたの部屋でお話しましょ。それとも私の部屋でしましょうか?」

 

「ひっ!た、助けてお兄様~~~~~~~っ!」

 

一姫は脱兎の如く琳から逃げ出した。

 

「ちっ、逃がしたか。まあいいわ。機会はいくらでもあるのだから。ふふふっ一姫。あなたは一刀もろとも私が美味しく食べてあげるわ♪絶対によ」

 

一姫が逃げ出していった方を見詰めながら舌なめずりをする琳であった。

 

――その頃の一姫は……

 

「ぜ、絶対にあの琳には近づかないんだから~~っ!!一姫の体はお兄様の物なの~~~~っ!!」

 

一姫は敷地内で叫びながら走っていた。

 

《To be continued...?》

 

葉月「こんにちは。葉月です」

 

愛紗「愛紗だ。皆のもの元気にしていたか?」

 

葉月「新章の第一話でしたが、如何だったでしょうか?」

 

愛紗「私達との出会いの部分だけなのだな」

 

葉月「はい。とりあえずはゲームの話通りに進めていくつもりですが内容はまったく違うと思うのでご安心ください」

 

愛紗「ふむ。ところでご主人様が持っていた布袋は何が入っているのだ?」

 

葉月「それはまだ秘密です。まあ、強いて言うならば一刀の強さの元。見たいな物ですかね。まあ、それが無くても一刀の強さは大幅に底上げしていますけど」

 

愛紗「そうか。お楽しみというわけだな」

 

葉月「まあ、そんなかんじです」

 

愛紗「それで次回はどうなるのだ?」

 

葉月「次回は少しだけ一刀の強さを疲労し様かと思っています」

 

愛紗「なるほど、それは興味深いな。所であのおまけはなんなのだ?」

 

葉月「ああ、あれは一部の人に(多分一人しか居ないと思いますが)言われて書いて見ただけです。続編は要望数によってって感じですかね」

 

愛紗「ふむ。では、みなが続きを見たいといったら書くのだな?」

 

葉月「私の気分次第でも有りますけどね」

 

愛紗「なるほどな。だが、書く事になったからと言って本編を疎かにするのではないぞ」

 

葉月「わかっていますよ。愛紗も一刀にメロメロになりたいですもんね」

 

愛紗「なっ!わ、私はそのような事は!」

 

葉月「本当に思ってないんですか?」

 

愛紗「う゛……す、少しくらいは」

 

葉月「はい。愛紗は一刀にメロメロにされたいようですね」

 

愛紗「そ、そんなこと言っては居ないではないか!」

 

葉月「態度で出てますよ。『ご主人様に愛されたい!』って」

 

愛紗「な、なななっ!」

 

葉月「でも残念。愛紗のメロメロフラグは暫く有りませんよ」

 

愛紗「な、なんだとーーーっ!」

 

葉月「どわっ!い、行き成り青龍偃月刀を振り回さないでください!」

 

愛紗「煩い!なぜだ!なぜ、ご主人様との甘いひと時がまだなのだ!」

 

葉月「そんなの言えませんよ。まあ、いきなり、字を言われたら誰でも不信がりますよね。有名になったんだっていわれても」

 

愛紗「うぐっ!そ、それはお主が書いたことだろうが!」

 

葉月「ええ、そうですよ。えっへん!」

 

愛紗「い、威張るな~~~っ!」

 

葉月「おっと愛紗が襲い掛かってきそうなので、では皆さんここら辺でまた次回お会いしましょう!」

 

愛紗「待て葉月!お前だけは許さんぞ!」

 

葉月「ほらほら、皆さんに挨拶しないと失礼ですよ」

 

愛紗「ぐっ!では、皆のもの。また次回会おうではないか!さぁ、これでいいだろはづ……に、逃げたなっ!待て~~~っ!」

 

【奥付のおまけ】

 

葉月「今日の朝やっと復旧した電車で帰ってきました;;」

 

桃香「大変でしたね葉月さん」

 

葉月「ええ。でも、被災者の方達の方がもっと大変だと思うんですよ」

 

桃香「そうだよね。関東に居てこれだけの被害が出たんだもん。被災者の人たちはもっと大変なんだよね」

 

葉月「はい。家族とも中々連絡が取れなくて心配しました。こんな時の携帯なのに全然繋がらないし!」

 

桃香「みんな無事だったんだよね?」

 

葉月「はい。なんとか午後5時過ぎにはメールが届くようになったので安否は直ぐに確認できましたが、やっぱ公衆電話ってすごいですよね!」

 

桃香「そうだね。やっぱ地震の時にあるとありがたいよね」

 

葉月「公衆電話がこんなにも有ってよかったと思えたのは生まれて初めてですよ。このどんどん無くなって行く中で貴重な体験でした」

 

桃香「携帯電話が普及してどんどん街角から無くなっちゃってるもんね」

 

葉月「今こそ。公衆電話を増やす時だ!っと何気に思っちゃった今日この頃です」


 
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