この物語は真・恋姫†無双という外史に、
CRISIS CORE FINAL FANTASYⅦのジェネシス・ラプソードスが来たいう設定です。
作者である私、黒山羊が原作を何度もやりなおし、(CCFF7:現在4周目のジュノン)
登場人物を原作通りにしたつもりです。
ですが、解釈が幾らでも可能であるように、登場人物が皆様のご期待にそえるかどうかはわかりません。
また、作者は関西人なので、気をつけているつもりですが、
セリフが関西弁臭くなってしまうかもしれません。
あらかじめご了承ください。
読者の皆様が楽しめたら幸いです
視点:雛里
雛里
「お願いだから、ここに居てください!」
寂しそうだった…。
辛そうだった……。
救いたい……この人を、自身が異質であるという苦悩から……。
ジェネシス
「俺は俺を救うことができなかったから、あの世界を道連れにしようとした。
俺は元居た世界を滅ぼそうとしたモンスターだ。
賊より愚か。
獣より哀れ。
お前達と居ない方がお前達の為だ。」
自分を貶めるような言葉を吐き、ジェネシスさんを救おうとしている私達を突き離そうとする。それは、この人は元居た世界で助けてくれる人が少なかったのか、私の言葉を信用していないことが分かった。
でも、救いを求めるような声が聞こえる。なぜなら、弱り切った声しか聞こえなかった。
私は救国の意思があるのだから、同じ志のジェネシスさんを救いたい。それ以上に、私の命を救ってくれたジェネシスさんを救いたい。
私は後ろからジェネシスさんの腰に抱きついたまま、赤い服を力一杯握りしめ、必死に声を出して、この人を説得する。
雛里
「それは元居た世界の話です!この世界のジェネシスさんは今、平和を願っています!
そうでなかったら、とっくに貴方は桃香様の下を離れていた!」
ジェネシス
「それは、俺がモンスターであることを隠し続けていられたからだ。
だが、それは続かなかった。
世界は優しくない。
お前の意思とは無関係に、俺と共に居たという理由で、お前を滅ぼそうとするかもしない。
だったら、それがばれる前に、俺はどこかに飛び立つ方が良い。」
この人の心に私の言葉は届かないの?
どうしたら、この人はここに居てくれるの?
あった!
一つだけ、ある。
ご主人様とジェネシスさんの世界には無かったけれども、この世界にはある唯一の信頼の証
私はジェネシスさんに
ジェネシスさんを信頼してるという証を見せることができる。
ジェネシスさんを裏切らないという証を示すことができる。
雛里
「 『雛里』
これが私の真名です。私は私の真名に誓って貴方を裏切らない。私は貴方と居たいです。
だから、お願いします。ここに居て下さい…。」
顔を上げ、私はそう言った。
ジェネシスさんの顔を見ようとしたが、ジェネシスさんは振り向いてくれない。相変わらず、大きな赤い背中と茶色の髪しか見えない。
でも、私は私のできる精一杯のことをした。自分の出来うることは全てした。
振り向いて、私の真名を受け入れて!お願い!
再び、顔を背中に埋めて、赤い服を握った手に力が入る。
それでも、ジェネシスさんは…
ジェネシス
「…。」
駄目なの?
真名でも、この人をここに居られるって安心させることができないの?
私は不安になった。
視点:ジェネシス
ジェネシス
「フッハッハッハッハッハッハ!」
北郷&雛里&朱里
「「「!?」」」
俺は笑った。久しぶりだ。
俺がモンスターと知ってから、まともに笑った記憶を俺は持っていない。鳳統は俺がここに居て欲しいと言って、真名を俺に預けようとした。
鳳統は俺がモンスターと知ってなお、鳳統は俺を信頼していると言う。
こいつは何を言っている?
馬鹿なのか?
俺は言ったぞ!
俺はモンスターだと、俺はかつて世界を滅ぼそうとしたと、
だが、鳳統の言葉は俺にとって悪くはなかった。それどころか、嬉しかった。こんな俺に真名を預けると言ったのだ。
人間ではないと知っても、俺を求めたくれたのだ。
俺の世界は、神羅は俺が劣化した途端俺を排除しようとした。どこに行っても、神羅に追われた。世界が俺を追い詰めた。
だから、俺は世界を滅ぼそうとした。俺を誰も求めなかった。親友でさえも…。
でも、俺をここまで求めてくるのなら、俺はこいつらと共に生きたい。
俺は親友と別れ、絶望を知る前のような生き方をしたい。
それが今の俺の唯一の気持ちだった。
だとすると、鳳統の願いを叶えてやろう。俺の為にも……。
雛里
「ジェネシスさん。私の真名受け取ってくれますか?……」
ジェネシス
「いいだろう。お前の信頼の証、受け取らs―――。」
朱里「ちょっと待って下さい!」
ジェネシス&雛里
「「!?」」
視点:朱里
私は考えた。ジェネシスさんの存在がこの国の、平原の、桃香様の徳となるのか?損となるのか?
私は軍師、諸葛亮孔明!
感情的になっては国、民を守れない。
妖がこの国に居て得になるはずが無い。だって、妖術使いですら、民達からの畏怖の対象になる。
ジェネシスさんは妖術使いどころか、妖そのものだ。本人もそう言った。
もし、他国の間諜にばれたら、この国の利益にはならない。むしろ損にしかならない。
「妖の存在が国を乱している。だから国を救うためにこの国を攻める」という大義を他国に持たせてしまうこととなる。
だったら、ジェネシスさんはこの国に居てはならない。国の統治に危険要素はあってはならないのだから…。
だから、私は言う。
朱里「ちょっと待って下さい!
私はジェネシスさんに申し訳ないですが、この国を出て行ってもらった方がいいと思います。」
雛里
「何で?朱里ちゃん?」
雛里ちゃんは困惑している。だって、私は雛里ちゃんの説得を無駄にしようとしているのだから。
雛里ちゃんはジェネシスさんに抱きつくのをやめ、私の方を見て、睨みつける。
でも、どこかに飛んで行ってしまいそうなジェネシスさんを逃がさないために、ジェネシスさんの赤い服を右手で握りしめたままだった。
雛里ちゃんの気持ちがその態度からひしひしと伝わってくる。
それでも、私は言う。
朱里
「雛里ちゃん!
ジェネシスさんの言う通り、妖が居るって知られたら、朝廷から平原の討伐命令が出るかもしれない。
そんな危険な要素、この国に置いておけないよ。」
雛里
「でも…。
管輅の占い通り、ご主人様とジェネシスさんは天の世界からこの世界に来た。
そして、世界を救おうとしている。だったら、ジェネシスさんに居てもらった方が良い。
それに、私はジェネシスさんにここに居てほしい!」
朱里
「そんな良いところしか見ないのは危険だよ。雛里ちゃん!これは国全体に関わる問題なんだよ。」
雛里
「朱里ちゃんは良くないことしか見ていない!そんな考えだったら、この大陸を平和にすることなんて無理だよ!」
朱里
「その危険要素は大きすぎる。この国が滅ぼされる可能性だって秘めているんだよ!何でわからないの?雛里ちゃん!」
雛里
「朱里ちゃんだって分かってない!私達がご主人様に仕えた理由忘れたの?管輅の占いが在って、それに導かれて桃香様に仕えているんだよ!
管輅の占いのもたらす影響力を考えれば、ジェネシスさんの存在はこの国にとって有益だよ。」
私は雛里ちゃんと言い争っている。
私は居ない方が良いと言い、
雛里ちゃんは居た方が良いという。
互いに一歩も譲らない。
こんな口喧嘩をしたのは、初めてだ。
水郷塾の中でも歳が近かったことから意気投合し、いつも一緒に居た。喧嘩はしたことがなかった。
でも、私はジェネシスさんの存在について、雛里ちゃんと言い合っている。
私は言うことが尽きた。雛里ちゃんも言うことが尽きたのか黙る。
そして、
ご主人様が口を開きました。
一刀
「『襤褸を纏えど、心は錦。』って言葉知ってるか?朱里?」
ご主人様はそう言いました。
ボロヲマトエド、ココロハニシキ?
初めて聞く言葉だった。
朱里
「いいえ、知りません。
どういう意味ですか?」
一刀
「姿がどんな醜かろうとも、心が落ちぶれていないのなら、その人は英雄って意味。
ジェネシスさんの本質は、心は落ちぶれていない。それに、人に害なす妖は英雄になれない。
だったら、ジェネシスさんは英雄だ。
少なくとも、俺は雛里の言う通りジェネシスさんにはここに居てほしい。
それに、他の国からジェネシスさんが妖だって言われても、誰も信じないような平和で良い国に俺達が力を合わせてすれば、大丈夫だ。
この国を良くするために、俺達は立ち上がったのだから」
雛里
「ご主人様…」
私はご主人様の声で気がついた。そして、私は自分が怖くなった。
救国の志を持ったにも関わらず、救える可能性があるにも関わらず、私は同じ志の人を見捨てようとしたのだ。
軍師は己の知恵を持って最善の策を尽くすことによって、主の政を補佐して民を救い、戦いを補佐して勝利へと導く者。
それなのに、私は…。
私は、さっきまで国益という理由でジェネシスさんを捨てることしか頭になかった。
そんな自分が怖くなり、ジェネシスさんに対して罪悪感を抱いた。
私はジェネシスさんに許しをこう。
朱里
「ごめんなさい。ジェネシスさん!
私酷いことを言いました。
ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…。」
私は泣いている。私はホントに酷いことを言った。この人の前で…。
だから、ごめんなさいと謝る。誤り続ける。
ジェネシス
「気にするな。
それが普通の考えだ。」
朱里
「それでも、それでも、
ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…。」
私は大陸を皆で平和にしたいという桃香様の言葉に心打たれたのに、その言葉に反することをしようとした。
だから、ジェネシスさんとこの国の人の為に誤り続ける。
人を切るのはどうしようもなくなった状況の時、大勢の人を救うために最小限しかしないと誓うために、この国をそんな状況にさせないと誓うために、
私のこの国を救おうという救国の志のために、
何回誤ったのか分からない、数えていないから、でも、私は誓いを立てた。
3人は私が泣きやむのを待ってくれた。
そして、私達4人は桃香様に帰還の報告をするために、玉座の間に行った。
視点:桃香
私は朝から、愛紗ちゃんと執務室で政務をしていた。警羅に行くつもりだったのに、今日は政務となった。
子供たちとの遊ぶ約束を破ってしまった。でも、仕方がなかった。
理由は今日は朱里ちゃんも雛里ちゃんもご主人様も居ないため。
だって、3人は賊に襲われて、浚われたから、だから、私達2人で政務に励んでいた。
鈴々ちゃんと星ちゃんは新兵の調練をしている。
最近、兵になりたいっていう人が多い。
皆この大陸の情勢に危機感を感じているよう、皆が私の理想に手を貸してくれるという嬉しい反面、漢王朝は皆をここまで追い詰めているという悲しくもある。
ジェネシスさんは3人を助けに朝日が昇る前にこの城を発った。私もお見送りに行った。
桃香
「絶対帰ってきて下さいね。帰ってこないと皆泣きます。
私だって帰ってこないと嫌です。泣いちゃいます。」
そう言ったのだけれども、ジェネシスさんは無言で行ってしまった。
もう、夕方。いつもに比べて政務の進みが悪い。私はいつもの半分も終わっていなかった。愛紗ちゃんも落ち着かないのか、あまり集中できず、竹簡の数が減っていないみたい。私も愛紗ちゃんも心配していた。ご主人様、朱里ちゃん雛里ちゃん、ジェネシスさんはとても大事な仲間居なくなって欲しくない。無事に帰ってきてほしい。
そして、私や愛紗ちゃんだけでは判断できない竹簡がたくさんあった。
いつも、どれだけ私達がご主人様と朱里ちゃんと雛里ちゃんに頼っていたかを思い知らされた日でもあった。
もう少し、頑張って勉強しよう!うん!
頼るのも大事だけど、頼りっぱなしの君主は駄目!そんなことを考えていた。
さっきから、根を詰め過ぎたのか、愛紗はうんうん唸っていた。
桃香
「ねえ、愛紗ちゃん。ちょっと休憩しない?」
愛紗
「駄目です、桃香様!
今日の分の政務がまだ終わっていません。休憩はそれからにしてください。」
桃香
「でも、愛紗ちゃん。愛紗ちゃんも唸ってばかりで、全然進んでいないよ。
ね、ちょっと休憩して、気分転換しよ。」
愛紗
「ですが、この状況の中で、どうやって気分転換しろと仰るのです?」
それもそう。だって、ご主人様達が居ないのが原因で政務が進んでいないんだから、休憩で気分転換しようとしても、効果がないよね。それどころか、余計に悪い方向に行っちゃいそう。
早く帰ってきて、私達を安心させて、ご主人様。朱里ちゃん。雛里ちゃん。ジェネシスさん。
執務室の扉が急に開いた。開けたのは侍女さん。慌てて此処に来たのか、少し息が荒かった。
侍女A
「劉備様!北郷様、諸葛亮様、鳳統様、ジェネシス様が御帰還されました。」
桃香
「良かった。帰ってきたよー。侍女さん、ご主人様達はどこにいますか?」
私は嬉しくて涙が出る。涙は止まらない。あの賊のような乱暴な黄巾党に捕まったのに、1日も経たずに4人が帰ってきたのだ。
嬉しくないはずがない。
侍女A
「はい、玉座の間でお待ちしております。」
桃香
「愛紗ちゃん!行こう」
愛紗
「はい、桃香様!」
私は玉座の間に向かって走った。
会いたい!早く早く会いたい!皆怪我してないかな?痛いことされてないかな?嫌なことされてないかな?私は走りながら、様々な事を考えた。
そして、私は玉座の間の扉を開けた。
そこには、ご主人様と朱里ちゃんと雛里ちゃんとジェネシスさんがいた。皆無事だった。
皆、服は汚れているけれども、大きな怪我はしていない。
桃香
「よ゛……かっ………た!よがっ……だよ゛!ごじゅじんざま!」
それしか言えなかった。
嬉しかった。また、会えた。4人の仲間に、誰1人欠けることなく再開できた。
私はご主人様に抱きついて、顔をご主人様の胸に押し当てる。
一刀
「あぁ、ただいま。桃香。」
玉座の間の扉が再び開く。どうやら、星ちゃんと鈴々ちゃんも来たみたい。
鈴々
「おおおおおおおおにいいいいいいいいいちゃあああああああん!!!!!」
一刀
「オブ!」
桃香
「きゃ!」
鈴々ちゃんはご主人様の横から飛びつく。ご主人様は鈴々ちゃんの衝撃に耐えられず、倒れた。当然、ご主人様に抱きついている私も一緒に倒れる。
鈴々
「お兄ちゃん!お兄ちゃん!!お兄ちゃん!!!帰ってきた!良かった。良かったのだ!」
一刀
「あぁ、大丈夫だ。ただいま、鈴々。」
鈴々
「お帰りなのだ。」
星
「主?私には声をかけてくれないのですかな?とても心配したのですぞ。ヨヨヨヨ…」
一刀
「ごめんね。星。心配かけたね。」
星ちゃんが嘘泣きをしている。演技なのは誰が見ても確かだったけど、ご主人様と再開して嬉しい気持ちは本当だったみたい。
だって、星ちゃん嘘泣きしながら、ご主人様に抱きついて来る。
愛紗
「むむむむ……。」
星
「おや?愛紗?お主は主に抱きつかなくてよいのか?」
桃香
「そうだよ。愛紗ちゃんもご主人様に抱きつこうよ♪すごい抱き心地良いよ♪いい匂いするよ♪ ね、星ちゃん♪」
星
「確かに、この抱き心地と香りは格別ですな。桃香様。メンマの壺以上の抱き心地に香りですな。」
愛紗
「言っていることにどう反応すれば良いのか困るぞ。星
そ……た………私も……………。しかし、私のような武骨者に抱きつかれても、ご主人様は嫌でしょうし…。(ブツブツ)」
一刀
「俺は愛紗と再開で来て嬉しいよ。それに、愛紗が俺に抱きつきたいのなら、俺は構わないよ。むしろ、愛紗みたいな可愛い娘に抱きつかれると嬉しいな。」
愛紗
「ご……ご主人様?何を仰いますか!私が可愛いなどと御冗談もほどほどにして頂きたい!」
愛紗ちゃんは顔を赤くしながら、ご主人様に青龍偃月刀をむける。
一刀
「じょ…冗談でこんなこと言わないよ。」
愛紗
「/////」
愛紗ちゃんはさらに顔が赤くなり、武器を下して、下を向いて、体をくねらせ、モジモジしている。
自分の中で抱きつこうか止めとこうか葛藤している。
星
「おやおや、愛紗は突然風邪をひいたようだ。それにしても、軍師殿もよく帰られた。」
桃香
「朱里ちゃんも雛里ちゃんもお帰り。怪我もなさそうだし、無事でよかった。良かったよ。」
私はご主人様から離れ、2人に抱きつく。
朱里&雛里
「「ただいまです。桃香様」」
桃香
「ジェネシスさん、3人を助けてくれて、ありがとう。そして、お帰りなさい。
ジェネシスさんは大丈夫だった?」
ジェネシス
「あぁ。北郷は何発か殴られたみたいが、諸葛亮と雛里は何もされていないみたいだ。」
・
・
・
桃香・愛紗・星
「「「え? 今何て言ったの((ですか))?」」」
ジェネシス
「北郷が何発か殴られたみたいだ。」
愛紗
「ご主人様!痛いとこはございませんか?」
愛紗ちゃんはご主人様に近づいて、ご主人様の手を取る。
一刀
「あぁ、大丈夫だよ。愛紗。心配してくれてありがとう。不謹慎だけど、嬉しい。」
星
「愛紗。それも重要だが、」
愛紗
「それとはなんだ?お前はご主人様が心配ではないのか?」
星
「それだけ、意識もはっきりしていれば、愛紗の料理を食べない限り、大丈夫だ。
それより、先ほどの続きを聞かせていただけますかな?ジェネシス殿?」
ジェネシス
「諸葛亮と雛里は無傷だ。」
えぇ!? 頑なに私達の真名を預かろうとしなかったあのジェネシスさんが雛里ちゃんを真名で呼んでるよ。
あれえーー。雛里ちゃん顔赤いよ?どうしたのかな♪
星
「ほほう、これはこれは、軍師殿♪ 何かキャッキャウフフなことがありましたな。」
雛里
「ええっと…あの……その……あわわわ…/////」
雛里ちゃんは自分の帽子を掴んで、赤くなった顔を隠して、ジェネシスさんの背後に回って隠れようとしている。
私は星ちゃんの方を見て、言う。
桃香
「星ちゃん!キャッキャウフフなことって何?」
愛紗
「桃香様、それは…。」
愛紗ちゃんが止めに入ろうとするけど、愛紗ちゃんの言葉より私の中の好奇心が勝った。
桃香
「愛紗ちゃんは聞きたくないの?キャッキャウフフな事?」
愛紗
「それは聞きたいと言えば、聞きたいですが…(モジモジ)」
星
「おや?愛紗も興味深々だな。」
愛紗
「星! 元はと言えば、貴様が雛里を茶化すようなこと言うのが…」
星
「では、キャッキャウフフなこととは何か知りたくないのか?」
愛紗
「それは…。」
星
「で、軍師殿! 何があったのですかな?」
星ちゃんとても嬉しそう。私も楽しみ、キャッキャウフフな事って何かな?
私と星ちゃんは雛里ちゃんに迫る。愛紗ちゃんは興味がありませんよと言うように体を明後日の方向に向けるけど、雛里ちゃんをチラチラ見ている。
雛里
「あわわ……。それは、」
ジェネシス
「俺から説明する。」
すると、ジェネシスさんはそう言うと私達から少し離れ、後ろを向いた。
視点:星
バサー。
桃香&愛紗&鈴々&星
「「「「!!!!」」」」
私は我が目を疑った。目の前には黒い大きな翼がジェネシス殿の左肩から生えていたのだ。広げたときに何枚か羽が抜けたのか、黒い羽が宙を舞っている。
私の頭の中は混乱している。当然だ!人の背中から、翼は生えん。それに、翼が在るなら、背中が膨らむはずだ。それすらない。どう考えても、妖術使いか妖の類しか考えられん。
私はジェネシス殿と何度か会話し、無口な彼から人間味を感じてはいたが、違和感を覚えてはいた。その直感的な違和感の理由が分かった。彼は異質であると。
だが、冷静に考えれば、ジェネシス殿はジェネシス殿だ。私はこの人の悪行を見たことが無い。例えジェネシス殿が妖術使いであっても、妖であっても、我らに害なす者ではないとすぐに理解できた。
それで、私の中の混乱は収まると同時に、私はジェネシス殿に興味が湧いた。
星
「それは?何ですかな?ジェネシス殿?」
ジェネシス
「翼だ。俺が妖である証拠だ。」
愛紗
「貴様!今まで我らをたばかっていたのだな。桃香様は下がってください。」
愛紗は青龍偃月刀を構え、桃香様を庇うように立つ。眼光は鋭く、ジェネシス殿を賊でも見るような目で見ている。愛紗は殺気だっていた。
星
「愛紗落ち着け。我らを謀っておったのであれば、黙って我らを殺していたか、我らから去っていたであろう。」
愛紗
「しかし、そうだとしても、コイツは妖術使いか妖だ!生かしておく義理などない!星も何をしている!コイツを早く始末しなければ、大陸の安寧を導こうとする我らに害なす存在となるぞ!」
私は愛紗の言葉を無視した。
我らを害なす存在ならば、とっくに我らを殺していたか、利用して悪事を働いているはずだ。
ジェネシス殿は様々な人から恐れられていたが、彼の行いで被害を被った人が居たということは聞いていなかったからだ。
ゆえに、彼は我らの敵ではない。むしろ味方である。
愛紗
「どうした。星!貴様この妖に怖気づいたのか?」
愛紗はいつもこれだ。一度信じてしまえば、それを貫き通すのだが、それが悪い方向に転じる時もある。
故に私は沈黙に徹する。
桃香
「待って愛紗ちゃん。ジェネシスさんの話を聞こう、ね?」
愛紗
「しかし、桃香様!こいつは妖です。それには変わりありません。
我らに害なす前に、私が成敗します。でやああああああああ!!」
桃香&星
「「!!」」
私は侮っていた。愛紗の思い込みを。
義姉である桃香様の声は流石に愛紗の心に届き、考えを改めてくれると思っていた。だから、私は何も言わず、何もしなかった。
しかし、今の愛紗には桃香様の声が届かなかった。
愛紗は青龍偃月刀を持ってジェネシス殿に向かって走り出した。私はジェネシス殿を庇おうとしたが、すでに遅かった。そのうえ、武器が無いため愛紗を抑え込む手段が無い。このままではまずい。
だが、ジェネシス殿を庇った者が居た。
唯一、ジェネシス殿が真名で呼ぶ存在、雛里だった。
どうも、黒山羊です。
大学院の試験が終わりました。
酒じゃ酒じゃ!そして、11話桃香(○:投下)じゃ。
一気に描き続けまっせ。
作者がばてない様に、応援メッセージや支援してくれると嬉しいです。
応援や支援してくれたら、F1のエンジン積んだ原付のごとく突っ走ります。俺にとって応援や支援数増加は給油と同義語ですから、
ちなみに、F1エンジン積んだ原付がどんな走りをするか私は知りません。
話は唐突に変わりますが、これを読んでくれた皆様の中で、この物語の挿絵を書いてくれる人が居たら、嬉しいです。
私は絵を描く才能が果てしなく皆無です。
描いてくれる方が居ましたら、応援メッセージに書いて送ってくれると嬉しいです。
それから、コメント欄でジェネシスの世界つまり、FF7に関する専門用語説明をジェネシスがすると言っていましたが、話の展開上できませんでした。
ごめんなさい。
ですが、次回は、桃香や愛紗達にジェネシスは自分の事を話します。
よって、今までFF7の世界を知らなかった人は謎がほとんど解けます。
御安心してください。
では、皆さん、また次回に会いましょう。以上、黒山羊でした。
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「前回のあらすじ」
ジェネシスは一刀と朱里、雛里を拉致した黄巾党を皆殺しにした。
ジェネシスは自分の正体がばれたことを理由に一刀達の下を去ろうとするが、雛里に止められる。そして、ジェネシスは自分の本当の気持ちに気づく。
第1話
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