No.203474

真・恋姫無双~妄想してみた・改~第四十四話

よしお。さん

第四十四話をお送りします。

―朗報―

開幕

2011-02-24 10:34:10 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:4428   閲覧ユーザー数:3434

 

 

 

 

―雪蓮率いる孫呉軍が出立を決めたその翌日―

 

 

 

「それで、孔明さん」

 

俺の目の前に、かの有名な諸葛亮孔明がいる。

蜀の頭脳の一つであり、主に政治的な部分に長けていた賢者。

……まさか、こんな幼女だとは思わなかったけど。

 

「はい、なんでしょうか? ご主人様」

「それなんだけど……なんでご主人様なんだ?」

「変なことを聞きますね。ご主人様がご主人様だからですよ」

 

体調も万全になって、公務に励めるようになった俺に、孔明さんが、

 

「話があるので、少しお時間いただけますか?」

 

と、孔明さんに宛がわれた部屋に呼び出された。

というか、彼女の主はりゅ……桃香だったよな?なんで俺がご主人様なんだ?

まぁ、また聞くのもあれだし本題に入ろう。

 

「それで話って?」

「他の方から聞いておられると思いますが、“玉璽”のことです。望まぬ戦によって民心が離れる恐れのある今、

新たなる求心力が必要だと考えています」

「ああ……俺がいないときにもそのことについて話していたみたいだけど、玉璽ってのは具体的にどういうものなんだ?」

 

卑弥呼も、貂蝉が玉璽を手に入れるために動いているって言っていたしな。

 

「玉璽とは、歴代の漢の皇帝のみが所持されることを許された、いわば皇帝である印です。

玉璽を持つものは崇められ、民心を引き寄せる効果があると言われています」

「ほぅ……」

 

対袁紹戦のせいで、少なからず民は不安を持っている。

これを“民心が離れる”と直結させるのは少々違う気もするが。

だが実際に、二喬の扇動に乗せられてしまうほど民に不評不満が溜まっているのも事実。

暴動が起きるレベルではないと思うが、それでも、民のそう言った負の感情を和らげてあげたい。

 

「そういう偶像じみた物が無くても、政治で民の暮らしを安定に持っていければ――」

「ええ。少なくとも民の不満は解消されるでしょう。ですがそれももって数年。

……ご主人様は、すぐに傾く国を創られるおつもりですか?」

「玉璽があれば違うと?」

「はい。玉璽があれば、少なくともこの先100年は安寧が続くでしょう」

 

……そんなバカな。どんなチートアイテムだよ……。

というか、そんなシロモノなら“黄巾の乱”も起きなかったんじゃないのか?

 

「疑うのも分かります。ですが、民が主君を選び、将が主君を選ぶのと同じように、玉璽も人を選びます。

黄巾の乱が起きたのも、全ては皇帝が、ひいては漢王朝が廃れてきている証でしょう」

「……分かった。今日の軍議の際、議題に挙げさせてもらおう」

「はい。……ふふ、立派になりましたね、ご主人様」

「え?」

「ご主人様が愛紗さんをお選びになられたときは、身も心も砕けそうな気持ちでしたが……

再び出会えてよかったです♪」

 

この子は、俺のことを知っている……?

魏・呉のことは思い出せたが、蜀は星、蒲公英くらいしか思い出せていない。

今目の前にいる孔明さんも、真名を預けてくれた桃香のことも思い出せていない。

彼女たちは、俺のことを覚えてくれているのに……。

 

つい歯軋りをしてしまう。

 

「大丈夫です。すぐに私たちのことを思い出せるようになりますから」

 

笑顔でそう言い、今まで椅子に座っていた彼女がふわっ、と立ちあがる。

用件が終わったのかと思った次の瞬間、唇に暖かな感触が訪れた。

 

 

 

―はわわっ! あ、あのっ! 性は諸葛! 名は亮! 字は孔明ですぅ!

 

 

―はぅ、噛んじゃった。んと、頑張りましゅから、その……わ、私を仲間に入りぇてくだひゃい! あぅ、また噛んじゃった……

 

 

―は、はわわ、ご主人様、敵が来ちゃいました!

 

 

 

甦る彼女……朱里との記憶。

それと同時に、ふと思い浮かぶ疑問。

 

 

 

俺の記憶って、キスで甦るものなのか? っていうか……目の前の朱里は噛んでないんだが。

 

 

 

 

 

 

「思い出しましたか? ご主人様」

「あ、ああ……君がよく噛む子だということは少なくとも思い出せた」

「もぅ。……それは昔のことですよぅ。それと、私のことは“君”ではなくて、“朱里”と呼んで下さいっ」

 

拗ねた振りをしている朱里。

俺の知っている彼女も、大人ぶっていたような気もする。

 

(やっぱり女の子は子ども扱いされるのが嫌なんだろうな……)

 

「――さて、玉璽について話し合わなきゃな。付き合ってくれるか? 朱里」

 

その俺の問いに、彼女ははにかみながら、

 

「はいっ! ご主人様!」

 

と答えてくれた。

 

 

◆          ◆          ◆

 

 

 

ところ変わって、雛里の部屋。

彼女は今、朱里の行動について疑問を持っていた。

 

なぜ、留守を任されていたはずの彼女が、ここ平原に来ているのか。

いや、そのことについては、一刀のいない玉座の間で説明はされた。

だがそれで納得できたかというと……。

 

(そもそも朱里ちゃんには、桃香様がいない間の蜀を守ってもらうだけではなく、愛紗さんのことも見てもらっていたはず……。

先の戦いで白装束さんを率いていたのが愛紗さんとするなら、朱里ちゃんは何をしていたの!?)

 

軍師特有のさがなのか、考えが嫌な方へ、嫌な方へと向かっていく。

朱里が愛紗を手引きしたのではないのか、愛紗と朱里は手を組んでいるのではないか。

仮に手を組んでいるとすれば、いま“北郷”にいるのは……。

 

「あわわ! ご主人様が危ないっ!」

 

いつも身につけて離さないとんがり帽子が落ちるのを気にせずに、

一刀のいる部屋へと向かう雛里。

 

 

 

部屋の前に着いた雛里は、扉が半開きであることに気付いた。

近づいてみると、中から話し声が聞こえてくる。

 

(ご主人様と……朱里ちゃん!?)

 

話している内容までは聞き取れなかったが、衝撃的なものを目撃してしまった。

 

(そ……そんな……)

 

朱里が、一刀に接吻をしていた。

目の前が真っ白になり、どうにか自分の部屋へと戻る雛里。

どういう道順で部屋へと至ったのかは彼女にも分かるまい。

ただ彼女はおおいに動揺していた。

 

(しゅ、朱里ちゃんが……ご主人様と……)

 

ちらりと覗けた朱里の表情は、書物で知った恋する乙女の顔と類似していた。

頬を赤く染めて、目を潤ませて……。

 

親友を少しでも疑っていた自分が恥ずかしい。

朱里はただ、愛する一刀に逢いたかっただけなのだ。

 

(うぅ……ごめんなさい朱里ちゃん……)

 

 

 

一方その頃、朱里は一刀によって、抱っこされながら玉座の間に向かっていた。

 

 

 

 

 

 

「ふーん……玉璽ね。そのことは、あの筋肉達磨たちに任せましょうということで終わりじゃなかったの?」

 

玉座の間に、北郷にいる全ての将が揃っていた。

一刀の座る玉座の周りを守るように華琳、蓮華、桃香が位置し、

その下には各国の将が並んでいた。

 

「ああ。そのことなんだが、出来れば俺たちも洛陽に入りたいと思う」

「でも遠いと言ったのは一刀よ? ……一応、呉の船を何隻か用意すれば、黄河を渡っていって時間短縮になるのだけれど……」

「……ないものねだりをしてもしょうがないな。素直に馬で行こう。その際、少数での行軍の方がいいだろうから、連れていく人を限定したい」

 

瞬間、どよめきが起こった。

 

「あなたねぇ……ここから洛陽まで距離があるのに、さらに同行者も限定する、ですって?

袁紹のことも、白装束のこともあるし、危険ではなくて?」

「そうよ! 今あなたが倒れたら今度こそ“北郷”は終わるわよ!?」

「うー、ご主人様ー、卑弥呼さんたちに任せようよー」

 

華琳、蓮華、桃香が反論した。

しかし、そこで朱里が持論を展開する。

 

「ですが、危険に見合った見返りは得られます」

「朱里ちゃん……」

「ご主人様ご本人で得ることに意味があるのです。他の方が玉璽を手に入れ、ご主人様に譲渡しても意味がありません。

洛陽に在る玉璽を“直接”ご主人様が手にする必要があります。

同行するのは、天下一の武を誇る恋さん、そして軍師に私が行きます」

「いくらなんでも少なすぎないかしら? もっと守りを固めた方がよいと思うのだが……」

「孫権さんが不安がることは分からないでもありません。恋さんは一度、白装束の方に敗れていますからね」

 

恋が苦虫をつぶした顔になりながらも、すぐさま一刀に顔を向けて、

 

「あのときは油断した。…………次はまけない」

 

ぐっと拳を握って見せた。

 

「でも……そうですね。あと一名は余裕があると思いますから……どうでしょうか、星さん? ……洛陽には美味しいメンマがあると聞きましたが」

「行こう(`・ω・´)キリッ」

「では決まりですね。他の方々にはご主人様がいない間の留守をお願いします。それと――」

 

―とんとんっ

固く閉まった扉が叩かれる音がした。

 

「誰だ、軍議中であるぞ!」

「はっ! すみませぬ……しかし、孫呉の方から早馬が届きまして」

「……一刀?」

「ああ、入れてあげてくれ」

「失礼しますっ!」

 

兵が扉を開く。

そこにいたのは――

 

「お初にお目に掛かります、北郷様! 我らが孫呉軍当主、孫策様と大都督の周喩様が10万の兵を率いて“援軍”に!

また、黄河を渡って陸遜将軍が率いる水軍2万、物資を積んだ船1000隻、それぞれ参られます!」

「なっ!?」

「「「「なんだってー!?」」」」

 

 

 

しばらくの間、皆の開いた口が塞がらなかった。

 

 

 

 

 

 

「お、お姉さまが……」

「すごいわね……どんなことをしたの? 一刀」

「まぁ、色々とね」

 

小喬に感謝しないとな。

恐らく小喬が密偵を呉に送らなかったらこんなに援軍は来なかっただろう。

 

「それで、いつ頃着く予定だ?」

「はっ。全体がこちらにご到着なされるまで一月掛からないかと。孫策様と周喩様はそれぞれ単騎でこちらに向かっておられますので、

七日くらいで着かれると思います。船は十四日で近くの黄河につきます。黄河からこちらまで行軍するのに、七日の二十一日間です」

 

ふむ。なら船が黄河に到着したらここを出るか。

 

「一刀、船があるなら……」

「ああ、そうだな。着いてきてくれる者はいるか?」

「恋いく」

「うちもいくでー♪ 一刀♪」

「もちろん、私も行くわよ」

「御館様、わしも行きましょうぞ」

「もちろん付いて行きますぞ、主」

「華琳さまが行かれるならわたしも行こう!!」

「うむ。素直ではない姉者もかわいいなぁ」

「あんたに付いて行くわけじゃなくて、華琳さまに付いて行くんだからねっ!」

「…………恋さん、張遼さん、曹操さん、星さん、夏候惇さん、夏候淵さん、荀彧さんですか。

まぁ予定とは少々異なりますが、よいでしょう」

 

「桂花は船で運ばれる物資も含んで、洛陽に向かう際に必要な糧食の手配を」

「指図すんじゃないわよっ!」

「桂花」

「うぅっ、華琳さまぁ~……」

 

いつもの桂花の態度に苦笑いをしてしまう。相変わらずデレないなぁ。

 

「蓮華と桃香を筆頭に、孫呉の方々の歓迎の準備をお願いできる?」

「任せてちょうだい。祭、調理の責任係をお願いできるかしら?」

「うむ、お任せくだされ」

「華琳、流琉を貸しても?」

「ええ、構わないわ」

「お願いできる? 流琉」

「はい! 兄様! お手伝いします、黄蓋さん」

「おお、頼りになる娘っこじゃな!」

 

「焔耶ちゃん、手伝ってくれる?」

「も、もちろんですっ!」

「桃香、小喬と大喬にも仕事を上げてくれ」

「うん、わかったよー。小喬ちゃん、大喬ちゃん、手伝ってくれる?」

「いいわよ」「はい」

 

 

 

こうして洛陽に向けて準備を始めた一刀一行。

平原出発まで、あと二週間。

 

 

 

 

 

 

夜。

とある部屋で書物を書く音がする。

一通り書き終わると、窓から入り込んだ“鳩”の脚にそれを巻き付けた。

すると、鳩は再び窓を通り、飛び去っていく。

 

(……少々“計画”に支障が出ていますが、どちらにせよご主人様は洛陽に行かざるを得ない状況をつくりました。

準備しておいてくださいね)

 

 

 

◆          ◆          ◆

 

 

 

「―――、鳩が帰ってきたぞー」

「ああ。―――からだろう」

「なんて書いてあるんだ?」

「…………ふむ。一刀さまは孫呉の援軍を得ることに成功したらしい。それと洛陽に向けられる将の詳細が書いてある。

呂布や張遼……英傑が揃っているな」

「うげぇ……厄介だなぁ」

「なに、わざわざこちらから出向く必要がなくなっただけのことだ。いずれは葬る予定であったからな。

それよりも“手筈通り”に洛陽へ向かうぞ」

「うっしゃ! んじゃ白装束共を集めてくる!」

「……―――ちゃん、それ、持っていくの?」

「ああ。一刀さまがご所望なされているからな」

「置いていったほうがよくないかしら?」

「持っていったほうが良いのだ。あの方が覚醒なされるためにも、な……」

 

 

 

その者が持っていた“モノ”は、光を絶えず放っており、龍の彫刻がなされていた。

 

 

 

<つづく>

【恋姫★学園】

 

 

 

「PSPやりましょうよ」

「モンハン?」

「うん」

「いいけど……んじゃああと二人呼ぼうか」

 

―めるめるめる.....

 

「モンハンなう、っと。送信」

「待ってる間、クエ手伝おうか?」

「あ、それじゃあ訓練所手伝ってよ。剣聖のピアス欲しいんだよね」

「任せなさい」

 

 

 

 

 

「ちょりーっす」

「へい。って桂花いんのかよ」

「お、来たね。白蓮、猪々子」

「もう先やってんの?」

「や、もうすぐ終わるからちょい待ち」

「なに使ってんだー?」

「俺はガンス」「わたしも」

「ふーん。じゃあボウガンしょってくかなぁ」

「白蓮ボウガンならあたいはランスだな」

「「吹き飛ばす気マンマンですよねそれ」」

「どうせオトガ付けてんだろ? いいじゃねーか」

「スタミナ減るんだよばか」「強走薬G飲め」

「もったいないじゃん」「じゃあオトガ外せば?」

「「吹き飛ぶだろうが!(でしょ!)」」

「まあいいからやろうぜ。なんのクエ?」

「ギギネブーラ」

「うわめんどくさ。アイツガード不可の攻撃してくるからなぁ」

「ガード強化くらいつけようぜ」

「お守りないもん」

「掘ろうぜ」

「時間ないもん」

「…………」

「早くやろうぜ」

 

 

 

 

 

 

―ずどどどどどどっ

 

「突進やめろks」

 

 

―ドゴーンッ! ドゴーンッ!!

 

「龍撃砲当てんな!」

 

 

―バシュンッ! バシュンッ!

 

「味方に弾当てんな! って……回復弾か、GJ」

「さすが白蓮。どこぞの突進バカとは違うね」

「もう一回突っ込むわ」

「やめい」

 

 

 

 

「ふー、遊んだ遊んだ。おっじゃましましたー」

「っしたー」

「それじゃ、わたしも帰るわ」

「おー、ありがとな桂花。おかげで剣聖手に入った」

「ん。また困ったら呼びなさいよ」

「おー」

「んじゃね」

「おー、またなー」

 

 

 

「……ふう、賢者モードだぜ……寝るか」

 

―ガラガラ....ピシャッ!

 

「潜入ミッション成功、正義の味方突入します」

「おっと、そこまでだ」

「チッ、またお前か! 愛紗!」

「今日来るだろうと思ってクローゼットの中に潜んでいたのだ!」

「つくづく思うが、よく通報されないな」

「バレなければどうということはない」

「今日のところはひいてやる。だが……」

 

―ピ、ポ、パ、ポ、ピッ    トゥルルルル.....

 

「お、おい待て」

「あ、警察ですか――」

「さらばっ!!」

 

―ビュウゥゥゥン!!

 

「……あ、すみません、大丈夫です。切りますね」

 

―ピッ

 

「……誰もいないな。_/\○_ヒャッ ε=\___○ノホーウ!!」

 

―ドスッ

 

「ぐふっ!?」

「おう、起きたか一刀」

「なっ、また懲りずに窓から入ってきたのか……寒いから閉めろよな」

「ああ、すまんすまん」

 

―ピシャッ

 

「……」

「……」

「なんでまだいるの?」

「私と一刀は運命共同体ではないか」

「俺下で寝るからベッドで寝てていいぞ」

「なら私も下で寝よう」

「……」

「……」

「向こうむいて寝ろよ……?」

「把握した」

 

 

 

一つ屋根の下end(^ω^)

<このお話は本編とは関係ありません>


 
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