No.203424

真恋姫無双~夢の続きへ~(春蘭・秋蘭)

十六夜さん

スランプです。
ネタが出てこなくなり、文がひどくなり・・なんかやばいです。
駄文ですがどうぞ

2011-02-24 00:37:40 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:8856   閲覧ユーザー数:7361

一刀が帰ってきてからしばらくたった日の朝方

 

 

「へ?」

 

洛陽城内に間抜けな声が響く

 

もちろんその間抜けな声を出したのは北郷一刀、2年の時を経て帰ってきた天の御使いである

 

 

 

「ん?聞き取れなかったのか?北郷」

 

その前に立つのは秋蘭

いつもは基本的にポーカーフェイスなのだが、今日に限ってはその表情を不安そうに曇らせていた

 

 

「あ、いや聞こえはしたんだけど…その…理解できなかったというか……。ごめん、もう一回言ってもらっていい?」

 

 

 

「あぁ…別に構わんが……、姉者が風邪を引いてしまってな」

 

 

 

「……………」

 

沈黙、そして

 

 

 

「えぇぇぇぇぇ!!!!!?????」

 

 

一刀の絶叫が城内に響き渡った

 

 

春蘭が風邪を引いた。その報せは瞬く間に城内に広がった

 

 

 

「は?春蘭が風邪なんかにかかるわけないじゃない。だって春蘭はバ──「ちょ!桂花!」んー!んー!(ちょっと!離しなさいよ!妊娠するでしょ!?)」

 

 

 

集まった面々の中でいの一番に喋り始めた桂花の口を、その単語が出る直前に押さえる一刀

 

 

「触っただけで妊娠してたら大変だって!」

 

 

「隊長……今のでよくわかりましたね…」

 

 

ほぼ言語になっていない桂花の言葉を理解した一刀に感心の目を向ける凪

 

 

 

 

「まぁ、ともかくだ」

 

秋蘭が一旦落ち着いた面々の前で話しだす

 

 

「私は今日仕事があってな。なので誰かに姉者の看病を頼みたいんだが……」

 

 

ばっ!

 

 

一斉に皆の目が一刀に向けられる

 

 

「え?俺?」

 

 

自分を指差し周りに問う一刀

 

「いや、隊長は…その…言いにくいのですが…」

 

 

「あんた今暇人じゃない」

 

グサッ!

 

 

凪が言いにくそうにしていると、じれったいとでも思ったのか、桂花が今の一刀の状況を簡潔に言い放った

 

 

 

「まぁ確かにかずとは暇やしなぁ~」

 

「今この城の中にお兄さんほど暇な人はいませんからね~」

 

「兄ちゃんなんもやることないもんね~」

 

「すいません兄さま……暇…ですよね?」

 

 

 

「虐めだぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

 

 

一刀が頭を抱えて叫ぶ

特に謙虚な流琉の言葉に一番ダメージを負った一刀だった

 

 

 

 

 

 

「すまんな北郷」

 

「ん?あぁ別に大丈夫だよ。それにもちろん暇であることを差し引いても春蘭のことは心配だからさ」

 

 

 

申し訳なさそうにする秋蘭に笑いながら言う

 

 

 

「それにさ、みんな酷いな~って少し思う反面で…楽しいって思えるんだよね、さっきみたいなやり取りが」

 

 

「……」

 

 

秋蘭が見る一刀の横顔には2年前には無かった、哀愁のようなものが感じられた

 

 

「よし、じゃあ春蘭の部屋行ってくるよ。秋蘭、仕事がんばってね」

 

 

その言葉と同時に廊下を右に曲がる一刀

 

 

 

「北郷……!」

 

 

 

「うん?」

 

 

 

秋蘭の声に振り向く

 

 

 

しかし秋蘭は

 

 

「…………」

 

 

口を開けたり閉じたりを繰り返し、言葉を発しない

 

 

「秋蘭?」

 

 

そんな秋蘭の様子に心配になった一刀は名前を呼ぶ

 

だが

 

 

「…いや、すまん。なんでもない。姉者を頼むぞ………北郷」

 

 

開けたり閉じたりを繰り返していた口を一文字に結ぶとそう言い残し、戻っていった

 

 

 

 

(?)

 

違和感

 

決定的ではないがなにか違和感のようなものを感じた一刀だったが、しばらく考えてみても答えはでない

 

 

釈然としない思いを抱えたまま一刀は春蘭の部屋へ足を運んだ

 

 

 

コンコン

 

扉をノックする

 

 

「春蘭、起きてる?」

 

 

 

 

─────

 

 

反応はない

 

 

(寝てるのかな?)

 

 

ガチャッ

 

 

扉を開け中に入る

 

 

「すー………すー…」

 

 

中に入ると規則正しい寝息が聞こえてくる

 

 

「春蘭?」

 

声をかけても起きる気配はない

 

よく見ると顔が少し赤くなっているのがわかった

 

 

「風邪か………」

 

少し考える

時間はちょうど昼時

 

 

 

(お粥かな…?)

 

「よし。ちょっと待っててね春蘭」

 

 

寝ている春蘭にそう言うと一刀は部屋を出て、調理場に向かった

 

 

 

数刻後

 

 

「よいしょっ……と」

 

 

作ってきたお粥と水、そして額に乗せる布を机の上に置く

 

 

「む……ぅ……?」

 

 

「あ、起きた?調子はどう?」

 

 

「…………………」

 

 

声に振り向くと寝台から上半身を起こした春蘭が顔だけをこちらに向けていた

 

 

「春蘭?」

 

 

呼ばれた本人は寝起きなのと、熱のせいでまだ完璧に状況を認識していないようだった

 

 

ゴシゴシと目を擦る春蘭

 

 

「……………」

 

 

沈黙が数秒、そして

 

 

「…な、なぜここにいるのだ?一刀」

 

 

少し狼狽しながらも起き上がろうとするが

 

 

「あ、ちょ!駄目だって!まだ熱あるみたいだし…」

 

一刀に止められる

 

しかし

 

「ふんっ!私が熱ごときに後れを……うわっ!」

 

ドサッ!

 

一刀の制止を突っぱねて寝台降りようとするが、やはり足元がおぼつかなかったのだろう、そのまま床に倒れこんでしまう

 

 

「春蘭!?ちょ、大丈夫!?」

 

 

急いで駆け寄り肩を貸す一刀

 

 

「むぅ…………す、すまん…」

 

さすがの春蘭でも今ので自分の体調の悪さがわかったのか大人しく一刀の肩に掴まる

 

 

肩を貸しながら春蘭を寝台まで運んだ

 

 

「うぅ……………」

 

上半身だけを起こした状態で寝台に戻った春蘭

 

こころなしか、さっきより顔が赤くなっている気がした

 

 

「秋蘭にね、頼まれたんだよ。姉者が風邪を引いてしまったから看病して欲しいってさ」

 

 

自分がここにいる理由を説明しながら寝台の横に椅子を持ってくる

 

 

「そ、それは…わるかったな」

 

 

「一応言っておくけど、秋蘭に頼まれなくても来たからね」

 

 

「お、おぅ…………」

 

 

受け答えにいつもの覇気がない

 

「お腹空いてる?お粥作ってきたんだけど」

 

 

「いや、そこまで空いてはいないが……せっかく一刀が作ってきてくれたものだ、食べる」

 

 

(な、なんか春蘭が春蘭じゃない……!?)

 

 

春蘭の殊勝さに若干引く一刀だったが、とりあえずお粥を持ってくる

 

そして

 

「はい、あ~ん」

 

スプーンでお粥を春蘭の口元に持っていく

 

 

春蘭は一瞬動きを止めてスプーンを凝視するが、すぐにそれを頬張る

 

 

モグモグ……ゴクン…

 

 

カチャカチャ…

 

しばらく食器の音だけが室内に響く

 

 

そしてお粥の皿が空になった

 

「おいしかった?」

 

 

「お粥においしいもまずいもあるものか………。だが、そうだな…どちらかというと美味かった」

 

 

自分の言葉を噛み締めるように頷く春蘭

 

 

(なにこの可愛い生き物は……)

 

すぐにでも抱きつきたい衝動に駆られる一刀だったが、さすがに病人に抱きつくわけにもいかずに自重する

 

「ほらほら、ご飯食べたら病人は寝ないと」

 

「あぁ…………」

 

一言だけ返事をすると春蘭は素直に布団に入った

 

 

「すー………すー………」

 

しばらくすると再び規則正しい寝息が聞こえてくる

 

 

(たまにはこういう春蘭もいいな…)

 

多少頬を弛ませながら寝ている春蘭の頭を撫でる

 

 

「かず………と……きさま……それは…華…琳様の……下…着」

 

 

(どんな夢見てんの!?)

 

「…うら…や……ま…しい」

 

(しかも羨ましいんだ!?)

 

 

心の中で春蘭の寝言にツッコミを入れる一刀

しかし相変わらず頬を弛ませたままだった

 

 

 

 

「……か…ず………と」

 

 

何回か繰り返される自分の名前

 

 

(さすがに恥ずかしいな……)

 

誰かに聞かれたら「魏の種馬が何言ってんだか」って言われそうだな、とも思いつつ

 

さっきから春蘭の寝言に違和感を感じる

いつもの春蘭と違うという意味ではもちろん違和感なのだが、もっとこう……

 

 

「あ」

 

ピンとくるものがあった

 

 

「名前……」

 

 

2年前、春蘭と秋蘭に連れ立って買い物に行ったときのことを思い出す

 

 

「そうだぞ。最後の決戦で命を落とすような事がないようにな、一刀」

 

 

「ふふ……っ。気になるなら、追い掛けて直接聞いてみたらどうだ?一刀」

 

 

初めて名字ではなく名前で呼んでくれた日

 

それだけで心が暖かくなったできごと

 

 

「わ……悪いかっ!た、たまには、そう呼んでみたくなったのだ!」

 

「おや。好いた男を名前で呼ぶのは、悪いことか?」

 

だが、その記憶と今に違和感を感じる

 

 

「秋蘭………?」

 

 

春蘭は一刀と呼び、秋蘭は北郷と呼ぶ。これは偶然なのだろうか?

 

 

「…………考えるよりか直接聞いてみたほうが早いか…」

 

 

 

数刻後

 

 

「秋蘭が?ふむ……………」

 

 

一刀は起きた春蘭にその違和感を聞いてみていた

 

最初は

 

「な、名前!?べ、別によかろう!そんなことはどうでも!」

 

てな感じで自分が一刀と呼んでいることを指摘され焦っていたが、一刀が事情を説明すると少し落ち着き、考えこんでいた

 

 

「一刀」

 

ふいに顔を上げた春蘭に名前を呼ばれる

 

「ん?なにかわかった?」

 

「あぁ……わかった。お前は相変わらずバカだ」

 

 

「バッ…!?春蘭に、春蘭にバカって言われた!?」

 

「うるさい!自分がバカだということは重々承知している!」

 

「しかも自覚している!?」

 

「えぇい…話が進まんではないか!」

 

 

「えぇ!?」

 

 

バカ談義が終わり、落ち着く2人

 

 

 

 

「……華琳様を除けば貴様と一番付き合いが長かったのは私と秋蘭だ」

 

ぽつりとひとりごとのように話はじめる

 

 

「その貴様が…秋蘭の抱えているものに気付かんとはな、バカ以外のなにものでもあるまい」

 

 

「いや…その…ごめん」

 

 

「謝ってほしいわけではない。秋蘭は多分、2年前に一刀、貴様が消えたのを自分のせいだと思っているのだ」

 

 

「もしかして華琳…話したの?みんなに」

 

 

一刀が消えた理由は色々あるが、その中で最も大きく歴史を変えたのは2つ

 

定軍山で秋蘭、つまりは夏侯淵を助けたこと

赤壁で魏軍が圧勝したこと

 

「あぁ………貴様が消えたという話と一緒にだ…。あの時の秋蘭の様子は尋常ではなかった。だが次の日はいつもの冷静な秋蘭だった……表向きは、な」

 

「それは秋蘭のせいじゃ……!」

 

「わかっている!大声をだすな!…だが秋蘭の性格を考えてもみろ」

 

「……風が言ってたよ。春蘭と秋蘭で比べると秋蘭のほうが酷かったって、…………そういうこと?」

 

頷く春蘭

 

「私はな思ったことはすぐ口にする性分だ」

 

「うん。知ってる」

 

 

「秋蘭は……溜め込む。悩みがあっても自分で解決してしまう。貴様がいなかった二年間も、ずっと溜め込んでいたのだろう。我が妹ながら不器用だ」

 

 

「……うん。それも知ってる」

 

そういうところも含めて二人を好きになったんだよ

 

「そうか……ならいい。私の看病はもういいから秋蘭のところへ行ってやれ。私は少し……寝る」

 

 

「うん。ごめんね?二年間も」

 

一刀は立ち上がり、扉に手をかける

 

「謝るなと…言っただろう」

 

背後から聞こえてくる声に

「うん、わかった。あと今の春蘭、すごくお姉さんっぽいよ」

 

 

そう返事をして一刀は部屋を出た

 

「あいかわらず余計なことをいうやつだ・・・・まったく」

 

一刀が消えた

 

そう華琳様から聞かされたときは柄にもなく冗談だと思った

 

今まで華琳様が私たちに嘘をついたことがないというのに

華琳様の顔には涙の跡があったというのに

 

 

私は…冗談だと思った。いや、思いたかった

 

だが違った

 

一刀は消えた

これは事実

 

なら、主である華琳様が泣かずに皆の前で話を続けているというのに

 

一番一刀に近しかった華琳様が耐えているのに、なぜ臣下である私が泣いてなどいられようか

 

そう思った

 

 

だが、次に話された事実に私は耳を疑った

 

“一刀は自分の知っている歴史を変えたから、その代償としてこの世界から消えた”

 

 

定軍山では一刀のおかげで助かった

 

華琳様が言う。一刀の知っている歴史では定軍山で夏侯淵、つまり私は死ぬはずだったらしい

 

それを一刀は変えた

歴史を変えた

 

少しずつずれてはいたらしい

一刀の知る歴史とこの世界の進み方は

 

そして決め手は赤壁の戦い

 

一刀の世界の歴史ではあの戦いで魏軍は敗北していたらしい

 

 

華琳様も黄蓋の降伏に違和感を感じてはいた

 

だが確証はなかった

 

そこに

 

“黄蓋の降伏は罠だ”

 

一刀の確信のこもった一言

 

決まりだった

 

 

結果、我が軍は勝利

その後も勢いに乗り、ついに大陸を平定した

 

 

もちろん一刀の力だけではない。魏の文官、武官が協力しての皆の勝利

 

魏、呉、蜀は同盟国のような形になり、平和が訪れた

 

平和が訪れた…はずだ。

ならなぜ平和になったはずの魏の者達は…………笑えないのだろう

 

 

 

“わかっているんだろう?”

 

 

 

 

“それは”

 

やめろ

 

“それは”

 

やめてくれ

 

“それはお前のせいだろう?”

 

 

 

心の中の私が言った

 

 

 

 

 

 

 

一刀が消えてから一年が経った

 

 

お前のせいだと言うものは誰もいない

 

それが逆に辛かった

 

罵詈雑言を浴びせ、罵ってくれればどれだけ楽だっただろう

 

 

皆の優しさが逆に痛かった

 

 

一刀が消えてから2年が経った

 

 

ある日華琳様が久しぶりに笑顔を見せながら、余興を思いついたと1人の賊を連れてきた

 

 

賊は凪を下し、姉者と戦った

 

姉者の剣が賊の頭を薙ぎ、賊の被っていた兜が吹っ飛ぶ

 

 

その下から出てきた顔は…生涯で初めて好いた男の顔だった

 

 

 

だが私はそれと同時に自らの心の浅ましさに気付く

 

 

“一刀なら笑って許してくれる”

“一刀はそんなことは気にしていない”

 

“一刀は私のことを………好いてくれているから”

 

 

 

私は憤りを感じた

もちろん自分自身にだ

なんて虫のいい話

 

ただの願望だ

 

一刀は私を恨んでいるに決まっている

私さえ助けなければと

私が定軍山で……死んでいればと

 

そう思っているに…決まっている!

 

 

 

 

ガサガサ………

 

 

 

「!」

 

 

堂々巡りに陥っている私の背後の茂みが音を立てた

 

そこから出てきたのは────

 

 

「やぁ…秋蘭」

 

 

最も逢いたくて、そして最も逢いたくない、天の御使い………北郷一刀だった

 

 

 

 

 

洛陽から少し離れた川辺、そこに秋蘭はいた

 

 

 

「やぁ…秋蘭」

 

そう言いながら軽く手を上げ、秋蘭に近づいていく

 

 

 

「…なんの用だ?…北郷」

 

「やっぱりか………確かに春蘭の言うとおり、俺はバカだな…大バカだ。隣、失礼するよ」

 

 

秋蘭に断って腰を下ろす

 

 

それと同時に秋蘭が立ちあがる

 

「私は用があるのでな…すまないが──「話したいことがあるんだ」……」

 

咄嗟に秋蘭の手を取り、引き止める

 

 

「…私には話すことなど何もない」

 

「俺にはある」

 

「聞く義理はない」

 

「義理はなくても聞いてほしい」

 

 

「…そんなもの私には関係──「俺は別に秋蘭のこと、恨んでなんかいないよ」な……!」

 

 

秋蘭の動きが止まる

 

 

しばらくの静寂の後─

 

「……嘘だ」

 

秋蘭はやっとその言葉だけを絞りだした

 

 

「嘘じゃない。華琳のせいでも、皆のせいでも、もちろん秋蘭のせいでも無い。もし誰かのせいだとしたらそれは…俺のせいだよ」

 

 

「嘘だ!」

 

いつもクールな秋蘭が声を荒げた

初めて聞いた

そんな泣きそうな声を

 

 

「誰かにそう言われたの?」

 

 

「言われたわけではない……だがみんなそう思っているはずだ!お前のせいで一刀は消えたと!定軍山でお前が死んでいれば一刀は消えずに済んでいたかもしれないと!」

 

 

「秋蘭……!それは本気で言ってるのか?」

 

「本気だとも!私は…私は……!」

 

「夏侯妙才!!」

 

「!?」

 

“定軍山で死んだほうが良かったのだ!”

 

 

一刀の声に、口から出ようとしていた言葉が呑み込まれる

 

 

「ふざけんな……!華琳達が!皆が!そう口に出して言ったのか!言ってないだろ!」

 

 

一刀が怒っていた

今まで一刀がこんなにも怒ったことがあっただろうか?

 

答えは、否

 

 

初めて見る一刀の噴怒の感情だった

 

 

「華琳達だったら思ってることははっきり言うさ!特にそれが昔からの仲間だったら尚更だ!」

 

 

「だが……私は…」

 

 

まともに顔を上げられない

 

目からは涙がこぼれ落ちていく

 

 

「俺は秋蘭に死んでほしくない。それに“死んだほうがいい”なんて結局は、ただ自分の心に無理やり理由をつけているだけだ。それでも秋蘭は…死にたいのか?」

 

 

「………………死にたくなんて…あるものか……!華琳様を残して、姉者を残して…………死ねるものか………!」

 

 

「ほら、それが“本当の答え”だ」

 

 

「あ……」

 

 

一刀が私の体を抱き締める

 

「秋蘭を憎んでるやつなんているもんか。みんな秋蘭が大好きなんだよ…」

 

 

耳元で囁かれる愛しい人の声

 

 

「一刀は…どう思っているのだ…?」

 

 

涙のせいで視界が霞む

 

 

「大好きだよ…もちろんみんなと同じぐらい…」

 

 

 

「……こういう時ぐらいは──「みんなとか言うのを止めろ?かな。華琳にも言われたよ、それ」そうか………」

 

 

胸の中にあった重いものがいつのまにか無くなっていた

その代わりにとても暖かいものが胸を満たす

 

 

 

「…私も大好きだ………一刀」

 

 

 

<あとがき>

 

 

駄文につきあってくれた皆様にまずは感謝を

 

ありがとうございます

 

そして、更新がおくれたことについて謝罪を

 

すみません、もうしわけないです

 

 

最近どうにもモチベーションがですね・・・・・はぁ・・・

 

 

さてタイトルは(春蘭・秋蘭)となっているのですが、読み返してみたら「あれ?秋蘭メインになってる!?」ってな感じでした。

 

 

春蘭ファンの皆様ごめんなさい

 

マジでごめんなさい

 

こういった拠点の間にひとつずつシナリオを入れようと思っています。

 

コメントのほう、ツッコミでもなんでもいいのでどうぞよろしくお願いします。

 

それでは、十六夜でした。


 
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