この物語は真・恋姫†無双という外史に、
別作品から1人ある人が来たいう設定です。
作者である私、黒山羊が原作を何度も読み返し、
登場人物を原作通りにしたつもりです。
ですが、解釈が幾らでも可能であるように、登場人物が皆様のご期待にそえるかどうかはわかりません。
また、作者は関西人なので、気をつけているつもりですが、
セリフが関西弁臭くなってしまうかもしれません。
あらかじめご了承ください。
読者の皆様が楽しめたら幸いです
視点:一刀
俺は今朱里と雛里と一緒に監禁されている。
地理的には分からないが、ここが何処かの地下の牢屋だということだけは認識できた。
光は松明だけで、湿度も高く、ジメジメしている。
牢屋はみえる範囲で3つ。
俺たち3人は一番右の牢屋だ。おそらく此処が一番奥である。牢屋の廊下は坂になっており、こちらが低い位置にあるからだ。
そして、廊下の両端には扉があり、右の扉の下は所々赤い。
おそらく拷問部屋だろう。
なぜ、こうなったのか。
あれは朱里、雛里の3人で町の視察に行った時だ。
― 回 想 ―
朱里「ご主人様!ご主人様!!
すっごく人がいますよ。
警羅もうまく機能しているみたいです。」
雛里「朱里ちゃん、朱里ちゃん。あの本屋さん……。」
朱里「はわわ!そういえば、あの本屋さんである本を予約してました。
ご主人様、あるかどうか見に行っても構いませんか?」
一刀「あぁ、いいよ。一緒に行こうか。」
雛里「あわわ……。
ご主人様!男の人が見ると呪われる本なんです。」
朱里「そうです!
男の人が見ると誰かに連れ去られて監禁されるという呪いに掛かってしまうんです。」
凄い具体的な呪いだな。オイ!
二人のプライバシーの為にも店の前で待っとくか。
一刀「わかったよ。店の前で待っているね。」
朱里「ごめんさない。ご主人様…。」
一刀「いいよ。気にしないで。」
数分後、二人は出てくるが、雛里が店の玄関の段差でこけて、手に持っていた袋から、本が散乱する。
超絶八百一・㊙奥義書って何ですか?朱里さん?雛里さん?
俺はとっさに視線を背ける。あぁ、良い天気だな!
朱里「はわわ!!」
雛里「あわわ!!」
2人は急いで本を拾っているようだ。
朱里「ご主人様。見ましたか?」
一刀「うん? あそこの屋根の上を飛んでいる蝶なら見ていたけど…。」
とりあえず惚ける。
朱里「良かった。ご主人様に見られずに済んでよかったよ、雛里ちゃん。」
雛里「うん、朱里ちゃん!」
あっさり、信じた!
この二人があの『伏龍』と『鳳雛』と言われた天才軍師の諸葛孔明と鳳士元か?
ときどき信じられなくなる…。
本屋の用事は済み、町の視察を再開したのだが、
ニャー。
雛里「あわわ。帽子がネコさんに…。」
雛里は帽子を咥えた猫を追いかける。
俺も朱里も追いかけるのだが、ネコは裏路地に入っていった。
裏路地の先はスラム街だった。
幾ら豊かになっても問題は発生するものだ。
他国の流民が最近著しく増加しているという情報は朱里から聞いていた。
受け入れ態勢は取っているが、それを上回る速度でこの町に来るということをこのスラム街を見て理解した。
雛里を見つけたが、その後ろから、賊と思しき2人が迫っていた。
賊は縄と人が入れるぐらい大きな袋を手に持っている。
一刀「雛r―――。」
俺は何かで殴られたようで、そこで意識を失った。
― 回想終了 ―
気が着いたら、この状態だ。
殺していないということは俺たちにまだ利用価値があるということだろう。
考えろ! 北郷一刀!
賊の目的はなんだ?
俺達を人質にして、身代金を要求するつもりか?
俺たちを人質に町に攻め込むつもりか?
それ以外か?
判断材料が少なすぎる。
だが、俺たちが人質で、このままでは碌でもないことになるということだけは理解できた。
牢屋の廊下の左側の扉が開き、数人の男が入ってきた。
この牢屋の前に立つと外側から1人男が声をかけ、牢屋の中に入ってきた。
賊1「やっとお目覚めのようですな。ご主人様。」
暗くてよく見えないが、男は武器を持ち、黄色い頭巾をしていた。
黄巾党か!
賊1「よくも、あの時はよくもやってくれたな。」
男の顔に見覚えは無いが、おそらく俺たちが討伐した黄巾党の残党だろう。
一刀「何が目的だ?」
賊1「あぁ? 何が目的なのか教えてください。黄巾党様だろうが!」
賊は俺の腹を思いっきり蹴る。
ゴスッっとヤバイ音がなる。吐きそうだ。
賊は何度か俺の腹を蹴ると気が済んだのか俺に言った。
賊1「あんた達紅白の御使いの名声を貰う。
黄巾党に天の御使いって名前と服、天和ちゃん達の歌があれば、もっと仲間が増える。
そうすれば、討伐軍以上の兵が集まる。
討伐軍を倒せたら、漢王朝を倒す。
そしたら、俺達は自由だ!
ヒャーッハッハッハッハッハ!」
なるほど、確かに、紅白の御使いという名は有名になってきたらしい。
俺とジェネシスさんが目的いうことは目的の半分以上は達成しているな。
となると、次に襲われる若しくは呼び出されるのはジェネシスさんだ。
幾ら一騎当千のあの人でも、人質を取られたら、どうしようもない。
あの人基本独断で動くが、俺たちにとって不利になることは絶対しない。
だから、俺たちを見殺しにしたりはしないはず…。多分。
不安になってきた。
男は牢屋の外に出ていった。
朱里&雛里「「ご主人様ぁ――。」」
牢屋の隅で互いを抱き合っていた2人が声をかけてきたかと思うと
朱里と雛里は抱きついてきた。可愛い顔は涙と鼻水でグシャグシャだった。
幸い、朱里と雛里に外傷が無いことから、乱暴はされていないようだった。
一刀「朱里。雛里。無事でよかった。」
俺は2人を強く抱き返す。
2人は安心し泣き疲れたのか。気を失い、寝息を立てていた。
ところで、この状況って本の呪いか?
視点:愛紗
新兵の調練中に別の兵が来た。
火急の用事があるから、玉座の間に来てくれと桃香様からの伝言だった。
賊でも現れたのかと思い、今日の調練を終了させ、兵たちには解散を指示。
私は玉座の間に急いだ。
既に何人かは集まっていた。
桃香様、鈴々、星、ジェネシス殿が既に席に座っている。
何時もいないジェネシス殿がいるとは珍しい。
ご主人様と朱里、雛里は未だ来ていないようだ。
だが、3人を待たずに桃香様は話しだした。
愛紗「すこしお待ちください。桃香様!
ご主人様と朱里、雛里が居ません!」
桃香「実はそのことなんだけどね…。さっきこんな竹簡が来たの…。」
桃香様は私達4人に竹簡を見せた。
内容に私は驚愕した。
『あんたらの愛しのご主人様は預かった。
返してほしくば、紅の御使い
南に25里行った所にある湖の近くの村に一人で来い。
何かしたら、誰か一人殺す。』
星 「下種が!」
星は床を蹴る。
鈴々「卑怯なのだ!」
鈴々が怒る。
桃香「どうしたらいいのかな?みんな?」
桃香様は涙目になって私達に尋ねる。
愛紗「これが本当だとするとこの通りに従わないと、
ご主人様と朱里と雛里が…。」
星 「賊がこの町を攻めるのなら、人質を見せびらかしながら、いきなりこの町に来るはず。
それをしないと言うことは、おそらく、ジェネシス殿を利用して何かを企んでいると考えられる。
だが、このまま言いなりでは、いずれこの町はやられてしまう。
ご主人様、朱里、雛里を見捨てたくはないが…。」
愛紗「ご主人様を見捨てるだと!ふざけるな!」
私は星の胸倉をつかんだ。
だが、私は星に押し返される。
星 「私だってこんなこと好きで言うはず無かろう!
だが、打てる手は2つ。
ジェネシス殿を行かせて黄巾党を肥大化させる賭けに出るか、
3人を見捨てる覚悟で黄巾党を攻めるかの2つだ。」
星に怒鳴られる。
星とて言いたくて言ったのではない。
だが、現実を見れば、混沌の世ならば、仲間の誰かが傷つくことは当然だ。
冷静になれば、分かったのに。
ジェ「俺が行けば話は済む。」
桃香様と鈴々、星、私はジェネシス殿に視線をやる。
ジェ「俺が行って、隙を見て助けて、どうにかすれば良い。」
桃香「でも…。」
桃香様はご主人様や朱里、雛里の心配もしたが、ジェネシス殿の心配もしている。
不安になっているのか、声が弱い。
ジェネシス殿は立ち上がって玉座の間を出ようとする。
ジェ『復讐にとりつかれたるわが魂
苦悩の末に たどり着きたる願望は
わが救済と――――
君の安らかなる眠り』
ジェネシス殿の怒気が声にこもっていた。
視点:ジェネシス
ある村に来ている。
賊が指定した村だ。
村は廃村になっていた。
家屋が老朽によって破損したのではなく、破壊や火事などで破損していることから、おそらく賊の襲撃を受けたのだろう。
村の中を歩いているとある大きな建物が見えてきた。
建物の周りには見張りが立っていた。
見張りは俺に気付き指示を出す。
賊1「そこで止まれ!動くな!」
数分後門が開き、賊の頭と思しき男と人質の3人が出てくる。
諸葛亮と鳳統、北郷に目立った外傷はない。無事のようだ。
頭は黄色い頭巾をしていた。黄色い布を巻いている者は他にもいたが、全員では無かった。
3人の距離は離れている為、今助けようとすると3人の内1人は見殺しになる。
賊にしては頭が切れる。
よって、今は仕掛ける時じゃない。
賊の頭と思しき男は俺に指示を出す。
賊頭「武器を横に捨てろ!
その赤い服を脱げ!
妙な事すれば分かるよな?」
俺はレイピアを投げて地面に刺し、コートを脱ぎ棄ててレイピアに引っかける。
すると賊の一人がやってきた。
賊2「手を出せ!」
俺は両手を出すと賊は俺に手かせを付け、目隠しをされた。
そして、手かせを付けると賊は俺を殴った。
賊2「よくも!フン!
あのときは!フン!
やってくれたな!フン!
手を封じられたら!フン!
何にも!フン
できねぇよな!フン!
だいたい、てめぇの!フン!
青い目が!フン!
気に入らないんだよ!フン!」
何度も殴ってくる。ソルジャーの俺からすれば、そんなに痛くないが、
何度も同じ場所を殴られるとさすがにアザができる。
前から多くの足音が聞こえる。おそらく、俺を殴る為にこっちに来ているのだろう。
怒気を感じる。
数十分賊に殴られた俺は手かせを引っ張られあるところに連れて行かれる。
場所はおそらく地下だ。
湿度、温度、目隠し越しに感じる明暗等の情報からそう分析した。
連れていかれた先は臭いから床が血に染まった部屋のようだった。
俺は天井に手かせをつなげられると
賊頭「今から楽しい楽しい拷問の時間だよ! 全員集合!」
賊達「「わーーーーーーい!」」
そして、また殴ら続けられる。
終わりが見えなかったが、
賊3「頭!そいつの青い目ほじくりましょうや!」
賊頭「良いね!
でも、その前にさっきの幼女で楽しむのを見せつけるか!」
諸葛亮&鳳統「「えぇ?」」
俺は目隠しを外される。
状況を確認。
賊は5人。頭は俺の目の前で背を向けている。
他の4人も諸葛亮と鳳統の2人を見て下種な笑みを浮かべていた。
武器は頭ともう一人槍だけが持っている。
俺の目の前には3人共居た。
諸葛亮と鳳統の2人を庇うように北郷は立っている。
諸葛亮と鳳統は震えており、目の焦点が合っていない。
俺は天井と手枷をつなぐ鎖を引きちぎり、背中を見せている目の前の賊の頭を手枷で殴った。
ゴチャ
頭は陥没し、手枷が壊れる。男は絶命し、地面に倒れ込もうとする。
後4人!
俺と人質とを同時に視界に入れることができる男が気付く。
咄嗟に人質の諸葛亮を抱き寄せようとするが、
俺は賊の頭の剣を投げる。
ドッ! ドサ!
頭に剣が刺さり、男は後ろに倒れる。
後3人!
2人の賊が俺に襲いかかってくる。
俺は賊の頭の襟首を持ち、回転して2人の賊に投げつけた。
ブゥン! ドチャ!
2人と死体は飛んでいき、壁にぶち当たる。
2人共壁に頭を打ち、倒れる。頭を打ったようで、出血が見られる。
後1人!
最後の1人はやけくそになったのか、鳳統を槍で刺そうとする。
俺は賊を殴ろうとしたが、
足が滑った!
体制を立て直してからでは遅いと思った俺は―
俺は左背中から黒い翼を広げた。
俺がモンスターである証のこの黒い翼を!
黒山羊です。
どうでしたか?
原作にはないお話は?この話はジェネシスの為に前々から考えていた話です。
ところで、CRISIS CORE FINAL FANTASY Ⅶをプレイした方はLOVELESSをご存じだと思いますが、LOVELESSの章別編成にはネット上で様々な説が流れております。
毎度ジェネシスが第○章と言わないので、何が何章なのか、第1章と最終章以外は分かっていません。
そのため、自分の解釈でLOVELESSを載せさせて頂いておりますが、ジェネシスみたいに「俺の解釈が正しい」なんて言えません。
最後のページに、少しジェネシスのプロフィールを載せますが、今までの話を読み返せば分かる内容しか載せません。ネタばれはしないようにしています。
ほなら、みなさん
また次回にでも御会い致しましょうや。
本名:ジェネシス・ラプソードス
年齢:28歳
「色々なネット情報を漁った上で、矛盾しない年齢に設定しています。
ジェノバの発見時期とCCFF7やFF7との時系列関係、封印中は年を取っていないという条件のもと設定しました。
後、作者の顔年齢診断。」
服装:インナーは黒。黒の肩当ての付いた赤いロングのコート着ている。インナーとコートの左背中に斬り込みが入っている。
武器:赤いレイピア
所属:元神羅カンパニー所属。
元ソルジャークラス・1st
出身地:バノーラ
「神羅の空爆を受け廃村に。」
趣味:LOVELESS観賞
特技:りんごソムリエ
誇り:平和の為にしかレイピアを振るわない。
好きな食べ物:バノーラ・ホワイト
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「前回のあらすじ」
一刀は桃香と警羅中に気まずくなる。
愛紗に毒料理食わされる。
朱里&雛里に激辛オムライスを食べさせてしまった。
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