○月×日

　お兄さんを拉致して専用の部屋に監禁しました。

　お兄さんは酷く混乱してますが、それも最初のうちだけでしょう。

　そのうち何も考えられなくなりますから。

　いえ、私の事しか考えられなくしますよ。

　ふふ、お兄さんとの生活……楽しみですね♪

　○月×日

　何が不満なのか、お兄さんが暴れまわっています。

　何一つ不自由しない生活なのに、ただ少し鎖に繋がっていてもらっているだけなのに。

　家の中を歩く自由を与えていますし、ちゃんと食事も与えています。

　ほんと、何が不満なのでしょうか？

　あ――もしかしたら、性欲が溜まっているのでしょうか？

　そういえば、監禁してからそういう行為を一切させてませんでしたね。

　仕方ないですね。私が一肌脱ぎましょう。

　そういう行為は結婚をしてからにしたかったのですが、まぁ仕方ありませんね。

　お兄さんの性欲を解消させるのも私の役目ですから。

　自信はありませんが、一生懸命頑張りますね♪

　○月×日

　高坂家周辺では、お兄さんがいなくなりちょっとした騒ぎになっているみたいです。

　そういえば、そこら辺の配慮を忘れてましたね。

　とりあえず今から高坂家に出向き説明をしてきましょう。

　お兄さんについて何も心配はないという事と、もう二度とお兄さんには会えないということを。

　特に桐乃にはきちんと言っておかないといけませんね。

　あの子もお兄さんの事が好きだったみたいですから。

　○月×日

　お兄さんも今ではだいぶ大人しくなりました。

　ほとんど考えることを止めたのでしょう。

　ですが、私が来るとお兄さんは息を吹き返したかのように元気になります。

　ひたすら私に甘えるお兄さん。

　ああ、可愛いですよお兄さん。

　今ではお兄さんは私が唯一の心の支えになっているでしょう。

　ほんと、実にいい気分ですね。

　○月×日

　桐乃が何度も突っかかってきます。

　桐乃にはお兄さんを諦めるように言ったはずなんですがね……少し、理解が足りてないみたいですね。

　仕方ありません。桐乃にもちゃんと理解出来るように教えてあげましょう。

　二度と文句が言えなくなるように、その身体にきっちりと――ね♪

　○月×日

　お兄さんの観察日記。

　それも、そろそろ意味がなくなってきましたね。

　もうお兄さんは私だけの物になりました。

　私の言葉にしか反応しませんし、私しか見ません。

　お兄さんの教育も完璧に終わりました。

　途中、桐乃やそのお友達が邪魔な時期もありましたが、綺麗に排除しました。

　誰にも邪魔されない環境。

　私とお兄さんだけの空間。

　ですから、とりあえずこの日記は必要ないですかね。

　まぁ、次にこの日記の出番があるとすれば、それは――

　私がお兄さん……いいえ、京介さんの子供を産んだ時ですかね。

　子供も、京介さんと同じように私がしっかりと教育をしますから。

　その時に、またこの日記をつけていきましょう。

　ではまた。