【view of ティスト・レイア】
朝食を食べ終えて、食後のコーヒーを楽しむ。
部屋で寝たふりをしていたあの子は、料理に手をつけてくれればいいが…。
食べられないほどに衰弱していると、そっちのほうが問題だ。
向かい側の席に用意したマグカップを眺めて、取りとめもなく、そんなことを考える。
考えても意味のないことなのは分かっているが、考えずにはいられなかった。
来客を告げるノックの音が、玄関から響く。
「あ…」
誰が来たのか理解したときには、もうドアが開いていた。
手にバスケットを提げた少女が、楽しそうに微笑んでいる。
大きなリボンで結わえられた、手入れの行き届いた栗色の髪は、いつ見ても目を奪われる。
思わず指を通してみたくなるような、不思議な魅力があった。
「おはよ、ティスト」
「おはよう、ユイ」
とびきりの笑顔で挨拶してくれる幼なじみに、いつもの調子で返す。
すっかり忘れていた。
今日は、週に一度、ユイが来てくれる日だった。
「もしかして…朝ご飯、もう済ませちゃった?」
俺が手にしていたカップを見て、顔を曇らせる。
コーヒーはいつも食後に…俺の癖まで、しっかり覚えてくれるんだな。
「ああ、今日はもう食べ終わった…ごめんな」
「ううん、いいよ」
いつもなら、一緒に食べていたからな。
あのバスケットの中にあるのは、たぶん、朝ご飯か、その材料だろう。
「?」
どう謝ろうかと考えていると、ユイの視線がテーブルの上で止まる。
そこには、あの子のために用意したマグカップ。
「これ、あたしのために用意しておいてくれたの?」
申し訳なさすぎて、目を輝かせるユイを直視できない。
次回は必ず用意をしておこうと誓って、俺は話を切り出した。
「相談があるんだ、聞いてくれるか?」
「どうしたの?」
ユイのた めにコーヒーを用意して、向かいに座ってもらう。
あの子が降りて来ていないことを確認し、声を落として、昨日のことを話した。
話を聞き終えて、ユイがゆっくりとため息をつく。
その顔は、悲痛な経験をしたあの子への同情で染まっていた。
「正しいことかどうかなんて、分からないけど…
あたしは、ティストのしたことが、いいことだと思う」
その肯定で、俺の心が安らぐ。
自分の行動を認めてくれたことが、素直に嬉しかった。
「で、これからどうするの?」
「あの子に任せるよ。見返りを求める気もないからな」
金で他人の人生を縛り付けるつもりなんて、さらさらない。
「ティストならそう言うと思ってた。
でもね、あたしの想像の話なんだけど…。
その子には、家も、お金も、助けてくれる人も、何にもないと思う。
だから、どうしたいのか聞いても、困らせるだけかもしれないよ」
「…そうだな」
生活するなら、必要になるものが絶対に出てくる。
何も持っていなければ、自分の意志とは関係なく、何も出来ない。
だからといって、あれだけの仕打ちをされて、誰かを信じて頼るなんて、できないだろうな。
「とにかく、話してみる。今の俺には、それしか言えない」
「うん、それがいいと思う。
踏み込みすぎたらダメかもしれない、でも、一番大事なのは離れないこと…じゃないかな」
ユイの言葉にかぶるように、階段を下りてくる足音が響く。
どうやら、部屋から出てきてくれたみたいだな。
テーブルの上にある三つのカップに、コーヒーを注ぐ。
立ち上る湯気が、部屋の中を香りで満たしていった。
「………」
少女と目が合い、その顔が恐怖に歪む。
俺に向けられたその表情に、息が詰まる。
心の中に沸いた苦みを噛み潰して、自分の表情に出さないように抑え付けた。
「食べ終わったか?」
「………」
小さくうなずいて、部屋の中を見回している。
その姿は警戒している小動物のようで、昨日の虚ろな瞳でないことに安堵する。
どうやら、精神に異常をきたしているわけではなさそうだ。
「初めまして、ユイ・カルナスです」
突然の挨拶に、少女が強張る。
だが、名乗るのは最低限の礼儀だし、ユイの判断はおそらく正しい。
「ティスト・レイアだ」
「アイシス・リンダント…です」
俺たちの自己紹介に、戸惑いながらも返してくれる。
どうやら、話はできるようだ。
「座ってくれ」
「…はい」
目の前に置かれたカップに視線を落とし、それでも手は伸ばさない。
手をつけていいのか迷っているのか、じっと見ているだけだ。
沈黙が続く。
たぶん、俺たちが話し出すのを待っているんだろうが…。
何から話せばいいだろう?
どう話せば、相手を怯えさせない?
「こうやって、黙っててもしょうがないし…
説明しようとしても、うまくできないだろうから…
アイシスちゃんが聞きたいことを、あたしたちに質問してくれない?」
ユイの打開策に、困ったような顔をしてから、アイシスがうなずく。
いい提案だ。
これなら、余計なことまで話す心配もない。
「………」
数秒の間、渇いた唇を動かしているが、声にならない。
何事かを言おうとしているのが分かって、それを静かに待った。
「…あなたが、私の飼い主ですか?」
寒気がするほど希薄な声で、アイシスが問いかける。
昨日、道端で座り込んでいたときと同じ、全てを放棄したような目だ。
「悪趣味な言い回しだな。俺には、そういう趣味はない」
「…どういう、意味ですか?」
「契約は、破棄された。だから、アイシスは自由だ」
言葉の真偽を確かめようと、アイシスが俺の顔を見る。
嘘や冗談でないことを伝えるために、その瞳を真正面から見返した。
「…ほんとう…に?」
「ああ」
はっきりと答えると、瞳の色が驚きに変わり、見開かれたアイシスの目が俺を見る。
どうやら、信じてくれたらしいな。
「そんな…どうやって…」
つぶやくアイシスに対して、コーヒーを飲んで答えを濁す。
金を払ったといっても、アイシスを困らせるだけだろう。
「…あなたが、そうしたんですか?」
「ああ」
「…どうして、そんなことを?」
どう答えたら、アイシスが受け入れてくれるのか…そんなことを考えようとして、やめる。
取り繕うと言えば聞こえはいいが、それは都合のいい表現で、結局は嘘だ。
だから、思ったとおりに答えた。
「アイシスが誰から見捨てられても、俺は見捨てたくなかった。
俺も見捨てられた人間だからな」
自ら触れた自分の傷の痛みに、顔をしかめそうになる。
だが、それが偽らざる本心だ。
見捨てられた者の辛さは、俺も味わったことがある。
そして、そこから俺は救われた。
だから、同じ辛さを味わってほしくないし、救われてほしいと思う。
俺が本当に助けたかったのは、この子に投影した昔の自分なのかもしれない。
「だから、アイシスの好きなようにしたらいい」
「…好きな、ように…」
絞り出すように、アイシスが繰り返す。
どうしていいか分からないと、その表情が物語っていた。
まあ、突然そんなことを言われても、困るだろうな。
「アイシスちゃんがしたいことが分からないなら、あたしの質問に答えてくれるかな?」
今まで静かに見守っていたユイが、優しい声でアイシスに質問する。
相手のことをきちんと尊重している、ユイらしい聞き方だ。
「…はい」
「クリアデルにいたんだよね? 戻りたい?」
「…いえ、わかりません」
ここで戻りたいと即答しないのだから、クリアデルの環境も決して良くなかったのだろう。
それ以上に過酷な現実が待っているなら戻ってもいい、そんな返事に聞こえる。
「じゃあ、ウチで働いてみない?」
「ウチ…って?」
「あたしの家、ライズ&セットっていう料理店なんだけど…
もし、アイシスちゃんがよければ、住みこみで働いてもらえると思うの」
「あの…考え…させてください」
急にそんなことを言われても、即決できないのは分かるが…。
ユイの説明に、アイシスはあまり関心を示していないように見える。
信用していないからか、それとも、他に何か理由があるのか…今のままじゃ分からないな。
「俺からも質問があるんだけど、いいか?」
「はい」
「どうして、クリアデルにいたんだ?」
「…徴兵制で、入りました」
少しの間をあけて、アイシスがそう答える。
あれは、たしか女子供には適応されないはずだが…。
志願じゃない…つまり、自分で入ったわけじゃないのか?
アイシスの反応を見るに、追求は止めておいたほうが良さそうだ。
「戦えるなら、クリアデルの連中のようにギルドで仕事をこなすこともできるぞ?
危険はあるが、それに見合うだけの見返りも…」
「…戦えません」
俺の言葉を遮って、アイシスがつぶやく。
小さな声なのに、はっきりと耳に残った。
「私は、弱い…ですから」
耐えるように、アイシスが声を震わせる。
聞いているほうが辛くなるような、涙声だ。
「仕事を受けたとしても、それをこなす力がない。
誰かに襲われても、抵抗できるだけの力もない。
私には、何もないんです。
一人で生きていける力が欲しかったのに…クリアデルでは、身に付きませんでした」
誰にも寄りたくない、誰にも寄られたくない、誰にも関わりたくない。
『一人で』の中に詰められたその言葉の意味に、なんとなく共感を抱いてしまう。
自分と一つずれた道を進んだ先、それが俺にとってのアイシスの位置のような気がした。
「…すみません。そんなの、私には無理だって分かってるのに…」
小さく首を振って、アイシスが自分の願いを潰す。
それを見ているのが、たまらなくイヤだった。
だから、売り言葉に買い言葉で、口をついて出た。
「俺が、教えようか?」
「…え?」
驚きの表情で、アイシスが固まる。
時間をかけて考えたのか、ゆっくりと首を振った。
「いえ、いいです。どうせ、変わりませんから」
自棄になって吐き捨てるアイシスは、聞く耳を持ってくれそうにない。
今までの経験が、アイシスを頑なにしてしまっている。
「アイシスちゃんが、どんな訓練をしてきたのか分からないけど…
強くなるためには、必要なものがあるの」
「…なんですか?」
「上達するために、導いてくれる人。
何がいけないのか、何が足りないのか、自分で考えることも必要だけど…
自分が分からないときに、それを教えてくれる人が必要だと思う」
「導いて…くれる…人」
疑いの表情で、ユイの言葉を途切れ途切れに繰り返す。
そんなものはいないと考える気持ちも、分からないでもない。
だが、これは、本当のことだ。
俺も師匠たちのおかげで、今がある。
「あたしは、戦うことはできないけど、他のことでも同じだと思う。
自分の進み方がわかるまでって、道標が必要なの」
「………」
どう反論していいか分からないのか、アイシスは黙り込んでしまっている。
自分に今まで足りなかったものの話なんてされても、実感はないだろうし、正解かどうかも分からないだろう。
『踏み込みすぎたらダメかもしれない、でも、一番大事なのは離れないこと』…だったかな。
「試してみるか?」
「え?」
「俺がアイシスの道標にふさわしいかどうか、試してみるか?」
「でも…」
「違ったなら、また道標を探せばいいだけだ。
可能性があるなら、確認ぐらいしてもいいだろ」
「…はい」
俺の言葉に押し切られるように、アイシスが了承する。
戸惑うアイシスの気持ちも分かるが、ここで議論していても、結論はでない。
試してみるだけだ。
「表に出ようか」
アイシスとユイをつれて、小屋の外へと出た。
「問題は、何をやるのが一番効果的か…だな」
「ね、ティストはアイシスちゃんのことをどのくらい知ってるの?」
ユイが言葉に含みを持たせて、俺のやるべきことを教えてくれる。
「そうだな。相手の力量(こと)が分からなければ、何もできないな。
武器無しで…体術の訓練もしてあるのか?」
「…はい、一応は」
アイシスが表情を翳らせて、ゆっくりと頷く。
その不安そうな表情は、分かりやすいぐらいの拒絶だった。
「手合わせはやめておくか?」
「いえ、大丈夫です」
アイシスが小さく首を横に振り、消え入りそうな声で返事をする。
たしかな違和感を俺もユイも感じているが、アイシスから問いただすのは無理だろう。
「なら、始めようか」
戦えば、その理由が見えてくるかもしれない。
上着とダガーをユイに手渡して、アイシスと距離を取った。
「遠慮はいらない、全力でやってくれ」
「…はい」
アイシスが拳を握り、地面を踏みしめる。
そのまま、緊張した面持ちのままで、微動だにしない。
俺の出方を見ているのか?
「………」
どれだけ待っても、アイシスは動き出そうとしない。
俺から動くしかなさそうだな。
「…ッ」
手加減して繰り出した、ゆっくりと大振りな拳。
これぐらいなら、避けられるだろう。
「ぐっ…」
鈍い音をさせ、俺の拳をやっとのことで、両腕で受け止める。
なぜ避けない? 受ける姿勢を取ってもまだ時間の余裕があるのに、なぜだ?
「…ッ」
一拍以上の間をあけて、アイシスが拳を突き出してくる。
大きく距離を取ってその攻撃を避け、アイシスの表情を観察する。
「………」
あの辛そうに歪んだ表情は、痛みのせいか?
「ッ!」
今度は左の回し蹴りをゆっくりと放つ。
また、さっきと同じような反応でアイシスが無理やり受け止め、一拍以上の間をあけて反撃をする。
三回、四回と威力をできる限り抑えて繰り返すが、同じことの繰り返しだ。
そして、続けるうちに、もう一つの違和感に気づいた。
アイシスの反撃は、遅い上に、もう一つおかしいところがある。
「試してみるか」
聞こえないように小さく呟き、さっきまでと同じように攻撃を打ち込んでアイシスに受け止めさせる。
一拍以上の間をあけて、アイシスが反撃をする瞬間に…。
さっきまで下がって避けていたところを、あえてその場に残った。
「…!?」
驚いたアイシスの身体が硬直し、拳は俺の身体に触れる前に止まる。
俺は攻撃した場所から動いていない、なのに、反撃したアイシスの攻撃は届いていない。
やはりそうだ、アイシスは、俺に攻撃を当てるつもりがない。
「どうした?」
「いえ」
否定をするが、動揺は隠せていない。
これ以上続けても、アイシスに怪我をさせるだけで、意味はないな。
「終わりにしようか」
「え…あ…」
戸惑うアイシスの前でいつもの立ち方へと崩して、戦いの終わりを伝える。
アイシスは何も言えずに、自分のかまえを解いた。
「なぜ、攻撃を避けようとしないんだ?」
「攻撃を当てようとしないのには、何か理由があるのか?」
俺の質問に、アイシスの顔色が見る見るうちに青ざめていく。
身体は小刻みに震え、その顔には汗がうっすらと浮かんでいる。
「アイシス?」
「い…や…」
「大丈夫」
その全てを優しく包むように、ユイが後ろからアイシスを抱きしめる。
そして、アイシスを光が優しく包んだ。
「え? え!?」
「大丈夫」
さっきと同じように、ユイがアイシスの耳元で優しく囁く。
「これは、あたしの魔法なの…だから、大丈夫」
「…はい」
ユイに小さく返事をして、アイシスが強張らせていた身体の力を抜く。
傷を癒すことのできる、ユイの癒しの魔法。
それには、その心を落ち着かせる効果もある。
「もし、アイシスちゃんがイヤじゃなかったら、さっきのティストの質問に答えてくれないかな?」
「私が…攻撃を避けたり、当てたりすると…
何倍にもなって、やりかえされるから…
だ…から…」
言葉はそこで嗚咽に変わり、途切れてしまう。
でも、それで十分に伝わった。
全ては、クリアデルの連中が、そうなるように仕向けたわけだ。
自分より下であるように、自分より強くなれないように、圧力をかけて相手の成長を阻む。
騎士団、貴族、どこでも立場や争いがあれば、同じようなことをやっている…が。
悪質にも、程があるな。
この呪縛から解放されない限り、アイシスが誰かに勝つなんて不可能だ。
「腕は、大丈夫か?」
「あ…はい」
受け止めた腕をさすってみたアイシスが、あいまいな表情でうなずく。
傷の痛みが癒えていく魔法の違和感が、受け入れられないみたいだ。
「よく受けられたな、決して軽い攻撃じゃないのに」
「え?」
「その身体で、あれだけ攻撃を受け止められるのは、見事なものだ」
俺が攻撃した速度はたしかに遅いが、それほどに弱い攻撃じゃない。
アイシスが本当に外見どおりの華奢な少女なら、まず、受けきれないだろう。
「いえ…」
褒められてどうしていいのか分からず、顔を赤くしてアイシスが戸惑う。
誰だってそうだ…褒められたら悪い気はしない。
それが、ずっと認めてもらえなかったことなら、尚更だろうな。
「手合わせをして、俺が分かったことと言えば…
もし、俺がアイシスに教えるのなら、おそらく戦いの根底からになると思う」
「根底?」
「ああ、武器の扱いや技よりも、もっと前のところからだ」
積み重ねるのに必要な土台を根こそぎ壊されていることを、おそらく自覚していない。
だから、筋力や体力を積み重ねても、それを戦いに生かすことができないんだ。
『踏み込みすぎたらダメかもしれない。でも、一番大事なのは離れないこと』…だったよな。
今の二人を見ていれば、ユイのちょっと大きな踏み込みが、アイシスの救いになることがよく分かる。
俺には、やることも、やらなければならないこともない。
一人で日がな一日訓練をし、家事をし、食事をし、持て余した時間を誤魔化すように使っている。
訓練に目的はなく、目指す強さなんてものもない、ただ怠惰に過ごしているのと変わらない。
それに、俺の意思でアイシスをここまで連れて来ておいて、知らん顔するわけにもいかない。
何より、ユイや師匠…そして、あいつに助けてもらったときに、俺は嬉しかったから。
少し、あいつを見習ってみるか。
「俺から、戦いを習ってみるつもりはあるか?」
「…え?」
「別に、強制はしない。
それに、期限を決めるつもりもないから、アイシスの好きなときに終わりにしていい」
「どうして…そこまで?」
「一人で住むには、あの家が大きすぎるから…かな」
自分の弱音に、自分でも情けなくなる。
だが、誰もいない家に帰るたびに、少しの寂しさを感じていたのも事実だ。
ドアを開けて、真っ暗な家に帰ったとき。
自分のためだけに料理をして、片づけをするとき。
自分は、何をしているんだろうという虚無感に襲われていた。
それが、少しでも紛れるなら、俺としては大歓迎だ。
「…ほんとうに…ほんとうに、いいんですか?」
「アイシスが俺のことを、教わるに足る存在と認めてくれれば…な」
「………」
無言でアイシスが俺の瞳をみつめる。
俺は、黙ってアイシスの目を見返していた。
「よろしく、お願いします」
小さく、やっと聞こえる程度の声で、アイシスがそう呟く。
涙で顔を塗らすアイシスの頭を撫でながら、ユイも優しく笑ってくれた。
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第03話です。