No.201837

Revival Kingdom~天下戦乱~第一話

第一話です。

初めての投稿なので変なところがあると思いますが大目にみてくださいw

「あれ?これパクリじゃね?」というところはそのような要素を入れているだけですのでー。

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2011-02-15 23:52:46 投稿 / 全11ページ    総閲覧数:366   閲覧ユーザー数:365

第一話

 

「勇士、ここに立つ」

 

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平和の象徴とまで呼ばれた皇帝が天下を統一して、非常に長い年月がたった。

 

現在はまだ二十歳にも満たない幼帝。・・・・十代目の女子の皇帝が大陸の頂点にたっている。

 

西は山脈が天然の城壁となり、北は大規模な城壁によって異民族の脅威が守られている。

 

大陸のやや中心にある巨大な城こそ、朝廷である。

 

実権は皇帝・・・ではなく、宦官達が握っていた。

 

宦官に対立していた官僚は既に殺害、もしくは辺境の地へと旅立つか流罪に処されていた。

 

私は最後の親官僚派の人間として、書き記すことにしよう。

 

------とある街。

 

そこにとある女性が寂しげな雰囲気の石造りの街を歩いていた。

長く伸ばした燃える炎のような赤髪棚引かせながら、街を闊歩している。

それは凛々しく、正義感に溢れた瞳をしていた。

ただ、焦った様子で眉間に皺を寄せていた。

 

(全く・・・あのお方はどこにるのだろうか)

 

彼女が探している人物。

その人物は、会ったことは愚か、顔も名前や性別も人物像すら知らない人物。

彼女の纏う鎧には彼女自身の苦労を代弁するかのような傷や鉄が軋む音が響いていた。

静かな街中のために一層、自身の軋む鎧が際立つ。

 

「お嬢さん・・・探し人かい?」

 

不意に声をかけられ、思わず彼女は剣に手を伸ばす。

 

「安心してくれい・・・ただの変哲もない占い師じゃよ・・・」

 

声からして老人であろう男は唾の長い帽子を被り、顔が見えなかった。

彼女は伸ばしていた手を降ろす。

「何のようだ」

 

害は確実にない。そう思って声には警戒が満ちている。

老人は僅かに見える口端を上げる。

 

「探し人がいるなら占ってみせよう」

 

シャカシャカと何かの細い棒を出す。

彼女は胡散臭いとは思っていたが、探し人が見つからない以上、藁にも縋る思いで老人の言葉に頷いた。

シャカシャカと棒を鳴らし、少し経つと老人は語り始めた。

 

「・・・英雄はここの近くにあり。まだ眠る幼龍ではあるが、すぐにその者に試練があろう。山の麓なりて、人少なき集落にて待っている・・・」

(近くに・・・!?山の麓!?)

 

彼女は顎に手を当て、そのような集落があるか記憶を辿る。

もう少し情報が欲しい。そう思って彼女は再び老人の方へ振り向くが

 

(いないだと・・・!?)

 

老人はまるで消えたように、いなくなっていた。

はては逃げられたか、彼女はそう自分を納得させるように呟き、最も近くにある大陸一の高い山-----英雄山と昔から呼ばれる山へと向かった。

 

 

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とある山の麓、森の三方を囲まれて残る一方は山の高山に隣接する辺境の地らしい場所。

名前すらまだ付けられていない村だった。

馬や牛、鶏など様々な鳴き声が響く。

決して豊かではないが、村人達は笑顔に溢れていた。

 

「せいっ!せいっ!」

 

ボロボロで土で汚れた服を着た青年が田を一生懸命に田を耕していた。

青年・・・といってもまだ少年とも言える、青年と少年の狭間の年齢であろう青年であった。

髪の色はブラックオニキスのように漆黒の黒。

瞳は凛々しく、細身ではあるが、どこか威厳というのを感じさせられた。

 

「ふーっ、終わった終わった」

 

青年は腕で額の汗を拭い、周りを見渡した。

子供達は走り回り、大人達は笑顔で畑を耕していたり、牛達の世話をしていた。

 

「ヒューイ、今日もしっかりやってんなぁ」

 

ヒューイ。

青年の名前はヒューイといった。

 

「ああ、おじさんもお疲れ!」

「ああ!まだまだ若い奴らには負けられねえぜ!」

 

ヒューイと男性はお互い笑いあって、再び各々の仕事に戻る。

 

「兄ちゃーん!」

「うわっと」

 

そこに突然、少女が飛び掛ってきた。後に倒れそうになるを耐えて、受け止める。

その少女は、髪は茶色に短く整えられ、瞳は大きく活発さを感じさせる。

 

「どうしたんだ?ミイ」

 

少女の名はミイといった。

ヒューイとは兄妹ではないが、本当の兄のように慕っていた。

 

「鉱山で鉱脈が見つかったんだって!」

「鉱山?何が出たんだい?」

「鉄!」

 

鉄。

この村では非常に基調であった。

農業用の道具はまだ青銅であったため、これで村が潤う。

 

「そっか。おじさん達に作ってもらおうかな」

 

青銅で作られている鍬は刃零れし、今にも砕けてしまいそうであった。

 

「・・・明日でいいかな」

 

機がつけば空は夕暮れに染まっており、村人達も片付けの作業に入っていた。

「ミイ。もうすぐ暗くなるから帰りな」

「やだっ!兄ちゃんといる!」

 

ヒューイもミイも二人とも両親がいなかった。

ヒューイは同じ境遇であったミイを世話したことからミイは慕っているのかもしれない。

しかし、悪く言えばそれは同情であった。

 

「なら兄ちゃん家に泊まる!」

「駄目だって。村長も心配するよ?」

 

ある程度のことが出来るヒューイは村はずれに作った小屋で暮らしており、ミイは村長の元に引き取られていた。ヒューイも一緒に引き取ろうとしたが、これ以上迷惑をかけられないということで一人で暮らしているのであった。

 

「ぶー。なら村長に聞いていいって言われたら来る!」

 

頬を膨らませてミイは言った。

ヒューイは妹分の押しに負けてしまうのだ。

 

「はぁ・・・。分かった。村長に一言言っておいで。仕度してるから」

 

なんだかんだで妹に甘いのであった。

 

「やったー!じゃあ行ってくる!」

 

笑顔で走り去っていくミイ。

ヒューイは自分の甘さに苦笑しながら、自宅に戻るのであった。

ヒューイは自宅に着いてから、剣の鍛錬を始めた。

支障はいなく、ほとんど我流ではあるが、田舎の辺境の地の集落の村人である彼は自然によって鍛えられた。

いつしか、彼はこの村一番の戦士となっていた。

狩りとなれば、弓を使い、賊となれば剣を握る。

だが、彼はまだ、人を斬ったことはなかった。

 

「せぇいっ!たぁっ!」

 

踏み込み、縦、横と剣を振るう。簡単なことではあるが、何円も続けていることによって基盤となっていた。

だが、彼は強くなるために鍛錬をしているわけではなかった。

幼き頃に、ミイを護りたい。その思いで彼は鍛錬を続けていた。

 

--------自分という存在はなんだろう。

情けなくともそのような疑問ばかりが己を蝕む。

物心が着いた時にはすでに村の人々にいろいろな知恵を貰い、自分と同じ境遇であった妹分を護るために鍛錬をしている。

自分とはなんであろうか。

わからなくなってくる。

 

(俺を育ててくれた村の皆に恩返しをしたい)

 

なら、どのようなことをするのか。

 

(この村を潤したい)

 

そのように。

しかし、言葉は思いつかない。

 

(俺は盗賊がこようとも俺が護る!)

 

彼の鍛錬は強くなるためではない。護りたいものをまもるための鍛錬であった。

その後、到着したミイと夕食を済まし、上目遣い攻撃に撃沈し、一緒の布団で寝ることになったのだった。

 

 

(気が晴れないなぁ・・・)

 

彼は外の空気を吸いに行こうかと思い、隣でぐっすり眠っているミイを起こさないように外に出た。

そこに、眼に映ったものは・・・・

 

 

 

村が紅く染まっていた。

 

 

 

村はずれの自宅まで焦げ臭いのが伝わってくる。

 

「ちっ」

 

一つ舌打ちをし、立て掛けてある剣を握り締めて、走った。

道中、冷静さが残る一部分にミイを自宅に泊めておいてよかったと思った。

村に辿りつくと、家屋は焼かれ、崩れているところもある。

 

「おお・・・ヒューイか」

「おじさん!」

 

夕方に会った男性であった。

火事によるのか黒く汚れをつけたまま、疲れたように座っていた。

 

「とうとうこの村にも来たか・・・」

 

男性の言葉に”盗賊”という二文字が横切る。

 

「幸いというか・・・あいつらは火を付けたり略奪をしてくるだけで済んだ・・・」

 

パラパラと燃える家屋が鳴る。

ヒューイはなんとか男性を立たせ、言った。

 

「とりあえずおじさんは怪我をしてない人と消火活動をしてください。俺は、皆を救助しに行きます」

 

ヒューイの言葉に、男性は頷いて、それぞれ自分の役目を果たそうとする。

その後、村人の懸命な活動により、死傷者が出ることなく、終わったのだった。

 

翌日。

百人にも満たないが、村人全員を村の広場に集まっていた。

問題は、もちろん盗賊についてだ。

ある者は、火傷を負い、ある者は、家屋の倒壊により、骨折をしていた。

村人に共通しているのは絶望という字に晒されていたのだ。

 

「とうとうこの村にも盗賊が来おった」

 

村長が村人の前に出る。

 

「盗賊は五十人くらいと聞いている。更に近くの廃屋でたむろっているらしい。皆の者、どうすれば良いのだ・・・」

 

村長の言葉に村人は俯く。

 

「そりゃあ盗賊は許せないけどよぉ・・・」

「俺達、戦い方知らないしなぁ・・・」

「剣とかやってるけど、怖いし・・・」

 

そんな村人の姿に見かねて、ヒューイが勇み出た。

 

「俺はあの盗賊を許さない」

「ヒューイか・・・確かにそうだけどよぉ・・・」

「今こそ武器を取る時かもしれない。せっかくここまで頑張ってきたんだ。一生懸命育てた作物が盗賊に奪われるなんて許せない」

「だけど・・・」

「村を護ろうと思わないの?俺はここまでお世話になった村に恩返ししたいと思っているんだ。村の皆が大好きなんだ!だからさ!自分達の村は自分達で護ろう!」

 

まるで雷に打たれたように、村人は驚いた。

 

「そうだよなぁ・・・」

「なんだかんだで俺もこの村好きだしな」

「ああ・・・ヒューイのおかげで何かが目覚めた」

「やってやろうぜ!あの盗賊達を倒そうぜ!」

「ああ!そうだな!」

「やってやるぜー!」

『おおーっ!』

 

さすが自分の故郷だと、ヒューイは盛り上がる村人の姿を見て微笑む。

ただ、村長だけは、ヒューイの姿を見て、考え事をしていたのだった。

 

 

その火から準備が始まった。

義勇軍の数は二十人。残りの八十人は負傷した者や老人、女性や子供達である。

 

「あと十年早かったらわしもやりを手にしてたな」

「それでも村長はきっとぎっくり腰になってますよ」

 

剣兵が十人、槍兵が十人、ヒューイが話し合いの結果指揮者となった。

最初は断っていたが、村人全員からのお願いしによりしぶしぶ受けた。

 

「やっぱり鉄の鉱脈が見つかったことが幸運だな」

 

鍛冶屋で作業に取り掛かっている村人達を見て、彼は思った。

鉄鉱石から鉄を取り出し、それを使って剣や槍を作っていた。最悪、竹槍も覚悟していたのでこの偶然は幸運だった。

 

「ヒューイ」

「どうした?」

 

斥候の役目をさせていた義勇兵が現れた。

 

「なんか客が来たから村長が呼んでるぞ」

「客?こんなところに誰だろう」

 

ヒューイは連れられて、宿舎に入った。

 

「村長、ヒューイです」

「おお、ヒューイよく来た」

 

あることに気がつく。

村長の反対側の席に座るのは、知らない美少女であった。

ヒューイとそう変わらないであろうその美少女は、どこか威厳のある雰囲気を出していた。炎のように赤い長髪が特徴的で、とても整った顔立ちをしていた。女好きでもないヒューイでも、言葉に詰まるほどの美少女であった。

その女性はヒューイが現れると立ち上がった。

 

「リアナ・ウィングと申します。旅をしていまして、盗賊が現れたと聞きまして微力ながら加勢させていただこうと思いました」

 

腰に差してある剣と、彼女の威厳のある姿からヒューイは自分よりも強いと感じ取った。

 

「あなたのような英傑に来ていただいて、喜ばしいと思っています。」

「英傑なんてそんな・・・私はまだまだですよ」

「ハハ・・・謙遜なさらないでください。ヒューイといいます。よろしくお願いします」

 

手を出すヒューイにリアナという女性はその手をとり、握手を交えたのだった。

 

 

/リアナ・ウィング

 

私は、あの占い師の言われた通り・・・というか言葉をヒントに辺境の地へと赴いた。

その村は復興作業しているところ、賊に襲われたのだろう。

更に、金属同士が当たる音からすると、武具を作っているのではないかと思った。まさか、反撃をするのだろうか。その答えは見事に命中してしまった。人数が多いのならともかく、村全体の人口からして戦える兵士は五十人もいないだろう。

 

(多くの血が流れる程度であるなら、私一人で行った方がいい)

 

別に自分の腕を過信しているわけではない。村の被害の規模からして数は百人もいないだろうと推測したからだ。旅をしているうちに、賊の数まで把握できるようになるとは・・・皮肉だ。

私は、尊重らしき老人に、話をしし、この村の義勇軍に加勢しようと思った。・・・少しでも被害を消すために。

 

「盗賊の数は五十人くらいらしいのですが・・・」

 

私は盗賊の数とこの村の義勇軍の数、状況などを聞いた。鉄があったことは幸運であっただろう。私は義勇軍の指揮を取る青年に会いたいと申して呼んでもらった。

 

「村長、ヒューイです。」・・・・

 

指揮を取るという青年は私と歳が変わらないであろう。・・・しかし、何かがおかしかった。このヒューイという方は、どこか神々しさを感じさせられた。何か惹きつけられるような。

私はその後、握手を交わし、彼と会話した。

どんな街に行ったの?、他の場所はどうなのだろうと旅に関することを聞いてきた。

彼は、善人だ。裏表もなく、立派だ。きっと将来は大器になるだろうと。

だが、彼はこの村で生涯を終えるという。信じられなかった。人の見る目には自身がない私でも彼はとても、計り知れない才能がある気がした。

私は、その村で一夜を過ごし、翌日の盗賊討伐に奮起した。

 

翌日。

村には、これから戦いに行く義勇軍の見送りに村人が集まっていた。

 

「兄ちゃ~~~ん!!」

「おお、ミイ----あぐっ!?」

 

腹にダイブして来た妹分も威力に尻餅を付いてしまう。苦笑しながら立ち上がった。

 

「どうしたの?」

「兄ちゃんが戦うって聞いて・・・」

 

心配してくれるのか・・・と純粋な気持ちに心をうたれたと思ったところ・・・」

 

「ミイも行きたいのだ!」

『駄目だろ!!』

 

義勇軍全員で、突っ込んだ。

 

「あうー。とりあえず兄ちゃんこれ」

「ん?これは・・・」

 

渡されたのは、手作り感溢れる布であった。中にはこの村で希少とされる青燕石と呼ばれる小石が入っていた。

 

「お守り。首に掛ければ、心を助けてくれるよ!」

 

ヒューイに思わず笑みが零れた。手甲の上からではあるがミイの茶髪のショートヘアーをぐしゃぐしゃに撫でる。

 

「頑張るよ」

 

ネックレス状のお守りを首から提げ、鎧の中にしまった。

そして、義勇軍全員が決心した表情でヒューイを見る。ヒューイは頷き、次にリアナを見て、頷いた。

 

「では、リアナさん。よろしくお願いします」

「こちらこそ、よろしく頼む」

 

ヒューイは抜刀し、盗賊がいるという廃屋に剣先を向けた。

今から、彼らは初めて人を斬ることになる。それでも、この村を護るという決心を改めてする。

 

「今から戦訓を言う!三人一組となれ!相手は俺らよりも多い!だがな仲間と戦えば勝てる!勇気を振り絞れ!仲間を護れ!そうすれば仲間が助けてくれる!烏合の衆かもしれない俺らだが、相手は烏合の衆どころか畜生になってしまった奴らだ!決して恐れるな!正義の剣を振れ!この村は自分達の手で護ろう!」

『うおおーっ!!』

 

ヒューイの言葉に義勇軍は奮起し、残る村人達は応援の言葉をかける。

義勇軍計二十二人と盗賊五十人の戦いが始まろうとしていた。

 

(やはりこの方は絶対に農民で収まるような人物ではない・・・!)

 

激を飛ばすヒューイを横目にリアナは、考えることに浸っていた。


 
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