No.201667

IF 真・恋姫†無双END 魏√ もし華琳が天に来たら

sougaさん

和兎さんの作品を見て、思いついた作品。
事後になってしまいましたが、和兎さんからも許可を頂きました。

2011-02-14 23:58:13 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:4323   閲覧ユーザー数:3787

 

「はぁ、はぁ、はぁ」

 

その場所にようやくたどり着いた刀は、息を切らせながら、周囲を確認する。

 

だが、すでに夜の10時前……この冬の寒さでは誰もいない。

 

手に綺麗にラッピングされた小さな箱を持っていた。

 

三国志の時代から戻って早6年。

 

一刀は、やっと覚悟を決めたのだ。

 

いや、最初から覚悟はあった。

 

だが、それを示せるだけの力がなかった。

 

アルバイトを掛け持ちし、ようやくそれが出来る……はずだった。

 

最期のアルバイトで残業を頼まれ、どうしても抜けられなかった。

 

失敗したかと思ってため息と共に肩を落とす。

 

だが、一縷の望みを携帯で伝えようと携帯を開く。

 

「遅いわよ、馬鹿」

 

電柱の影から、1人の少女が出てきた。

 

一刀が振りえると、そこには最愛の女性、華琳がいた。

 

だが、ミニのスカートで、コートも羽織っていない。

 

それを見て一刀は、後ろにまわって、自分のコートを広げ、抱きつくように華琳を中に入れた。

 

「華琳、ごめん」

 

「別に良いわよ。

 どうせ、また長引いたんでしょ」

 

華琳は優しく、そう笑った。

 

 

何故、彼女がここにいるのか。

 

その理由は分らない。

 

ただ、一年前の今日、自分のベッドにいつの間にか現れた。

 

どうやってとも、何時の間にとも思わず、夢でも放さないように抱きしめ続けた。

 

いつもより遅い息子を心配して、母親が部屋をのぞき、大声で叫んだ。

 

「一刀!! あんた、何時の間に彼女を作ったの?」

 

「いや、その前に何時連れ込んだのかだろ?」

 

夜まで、華琳の事をある程度誤魔化しながらか説明をする。

 

そして、最終的には、迷子で調査する事になったのだ。

 

その夜、一刀は、あの三国が五胡によって滅ぼされ、華琳も死んだはずだったと聞く。

 

「それなのに、私は天に……一刀の寝台にいた」

 

それ以外は全く分らない。

 

ただ、分っている事と言えばただ1つ、華琳はこれからこの世界で生きなくてはならない。

 

一刀がまずやったのは戸籍を取る方法だ。

 

もちろんそんな方法を知らないので、両親に任せた。

 

申請は出したが、その間にこの世界……日本での常識を教える。

 

華琳は、その途中で三国志の存在に気づいた。

 

「わ、私たちが男ですって!?」

 

「いや、だから別の世界だから」

 

華琳は激昂したが、別人だと最終的に納得した。

 

そして、これこそが一刀の『天の知識』の元であると。

 

もちろん、今知っても意味はないがそれでも楽しみがあった。

 

その後、戸籍を手にする。

 

『曹華琳』……それが今の彼女の名前だ。

 

一刀は、真名を乗せる事に難色を示すと思っていたが、華琳はあっさりと受け入れた。

 

様々な要因はあるが、一刀が自分の真名にあたるのは『一刀』と言っていたため、自分もそれに倣ったのである。

 

その後、聖フランチェスカ学園の定時制で通う事になった。

 

 

もっとも、元々は女子高だったので定時制も女の子が多い。

 

場所が変わっても彼女が彼女である以上、女性を惹きつけるのは必然であった。

 

「……本当に手を出してないんだよな?」

 

「あら? 男の嫉妬は醜いわよ」

 

抱きついている一刀の心配を華琳は笑いながら流した。

 

結論から言うと、華琳も手は出していない。

 

その手前まではやっているのが彼女らしいと言えば彼女らしいが。

 

中には、一刀の事を認めないと言う者もいる。

 

その女性の言葉遣いが桂花そっくりであった。

 

他にも春蘭、秋蘭とよく似た雰囲気の生徒もいる。

 

普通に通う方には凪や流琉のような生徒もいるかもしれない。

 

ひょっとしたら、自分とは別の方法で全員がこっちに……一刀の側に来ているのではないか。

 

華琳は、そんな事を考え、内心苦笑を浮かべた。

 

どちらにしても一刀を渡す気はなかったからだ。

 

その為の準備をしてきたのだ。

 

一刀に抱きしめられながら、華琳はコートの中で小さな箱を一刀の手に乗せる。

 

「はい」

 

「これって」

 

今日は、2月14日……一刀もコレが何なのかわかった。

 

だから、更に強く抱きしめる。

 

「ありがとう」

 

「ふふ、ちゃんと味わってね」

 

そして、一刀は自分のコートを華琳に羽織らせて、そのまま家へと帰っていった。

 

 

 

 

その日の夜、一刀が華琳を美味しく頂いたかは、定かではない。

 

ただ、その次の日、華琳の肌は艶々で、一刀が若干疲れていたようである。

 

 

何とか、その日の内に滑り込めました。

和兎さんの作品を見て、『これだ』と、浮かんだ物です。

事後となりましたが、勝手にインスパイアしたのに、和兎さんから許可もいただけました。

ありがとうございます。

 

 

Q.何で定時制なの?

 

A.年齢の問題。

  華琳の背丈だと18歳以上には見えない。

しかし、年齢は18歳以上。

そこで妥協点として定時制を考えました。

 

 

Q.戸籍って簡単に取れるの?

 

A.わかりません。

  ただ、戸籍が取れないと物語が出来なかったので取れました。

  実際には、難しいんじゃないかなと思っています。

 

Q.前の恋姫の奴の連載は?

 

A.独自ルートで連載する予定です。

 

 

では、失礼します。

 

 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
30
1

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択