「まあ、俺の世界での「男」の趙雲はこんな感じだね」
「主よ・・歴史というのは大げさですな~わたし一人で数千の兵を倒せるわけ無いでしょう」
「俺の話は演義・・歴史物語の影響を受けてるからね~無茶苦茶な話も多々あるよ」
北郷が三国志の世界に下りてから、それなりの年月がたち人々は三国同盟下で久々の平穏を謳歌している。
その中で武将たちもゆとりを持ちはじめ、北郷が語る正史の自らの話(時には陰惨ですらある)すら笑い話として交わされるようになった。
「よし~星の次は元主の俺の番だな」
白蓮がそういい名乗りを上げる。
「一刀・・俺はお前の世界ではどんな事をしたんだ」
「えーと・・」
「はぁ~」
星が深いため息を出しながらつまらなそうな顔をする。
「な、なんだ星・・溜息なんかして」
「いえ・・白蓮殿では面白そうな話を聞けそうにないので」
「なっ!ど、どういう意味だ、星」
「白蓮殿では「普通」の話しかありますまい」
「ああ~白蓮ちゃんなら、たしかにそうかも~」
桃香がそう応じる。
「と、桃香、お前まで・・」
級友にまで納得され・・白蓮はへこみ始める。
「そういう事で主よ、白蓮殿は跳ばしましょう」
「なっ!」
「分かった~じゃあ~次聞きたい人は誰かな?」
「こら!一刀!!ほんとに跳ばすな!!」
「いや・・まあ、白蓮は次の機会という事で(民を盾につかったり・・正史じゃ結構「えぐい」事してるから話し難いし)」
「はいはい~じゃあ次はわたし~」
そう元気よく手を挙げ、陳到さんが俺の前に出る。
陳到さん・・蜀の武官で歴戦の将軍だ。
俺たちの豫州時代からの家臣で古参の人といっていいだろう。
普段は軽い感じの娘だが、戦場では愛紗や鈴々にも引けをとらない武勇であり、また強い忠誠心の持ち主でもあり蜀(上層部・仲間・部下)の信頼は厚い。
そのため蜀の優れた武将を挙げるたなら必ず名前が出てくる人物だ。
「おお~蜀でも5本指に入る武勇を持つ陳到殿なら~面白そうな話が聞けそうですな」
「そうだな・・星も歴史に名が残るのだ、星と並ぶ武功がある陳到も当然歴史に名を残してるだろう」
星に答えて、愛紗がそう頷く。
「にゃはは~そんなに褒められると照れますな」
「そういえば~私と陳到ちゃんが豫州で初めてあったときもすごかったね~」
「たしかに~あの時の陳到の登場っぷりはすごかったのだ~」
「だよね~絶対あのときの事は歴史に残ってるよ」
鈴々と桃香がそう言い出す・・。
「いやいや・・あの戦いでの奮戦もすごかった~まさに万夫不動の戦いぶりだったぞ」
「はわわ~陳到殿といえば城攻めですよ、特に益州の戦いで破竹の勢いで諸城落としたあの時の雄姿・・か、かっこよかったですよ」
続くように翠と朱里が陳到を絶賛する。
「にゃはは~みんな褒めすぎだよ~まあ、自分でも凄いと思ってるけどね~」
陳到が冗談めかして、そういうと皆笑い出した。
「・・・・(ま、まずい・・すごくいい雰囲気なってきた)」
その中で一人北郷は黙り続けていた。
そして、なぜか陳到が褒められるたびに汗が増えてきている。
「でっ・・この大活躍の陳到様は一刀君の世界ではどうつたわってるの~?」
「えーーと・・・・・」
「えーと?」
「あのーー・・」
「あのー?」
「そのーー・・」
「そのー?」
「・・・・・・」
数分後
「ふ、普通のどこが悪いんだ・・」
何時の間にか外で白蓮は体育座りをしながら落ち込んでいた。
「に、にゃは・・は・・は・・ふ、普通はまだましだよ・・白蓮殿」
そんな白蓮に背後から声がかけられる。
「陳到?」
フラフラと陳到が近づいてくる。
「だ、だって・・わ、わたしなんて・・ほぼ「無」だもん」
名声・官位ともに趙雲に並ぶと評された割には、演義では無視されつづける陳到のネタssです。
趙雲も史実ではさほど高位に昇れなかったことから。
趙雲と並ぶ=蜀(史実)でメインを張るほどでは・・ということか。
まあ・・ほんとは陳到に関する資料が失われているからだろうけど。
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陳到を恋姫風に・・ssです。
ネタssです。
三国志演義をある程度知らないと楽しめないかも。
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