No.201211

、キミのとなりで六話

なんか予告通り投稿することが出来ました!
でゅは!
六話目を送りしたいと思います!

2011-02-12 21:33:58 投稿 / 全13ページ    総閲覧数:461   閲覧ユーザー数:450

 

 

 

 

「やっほー、ニィ~!」

 

「って、お前か愛(まな)!?」

 

 

 赤みがかったセミロングの髪を靡かせながら、背後から見知った顔を覗かせる。

 

 一応……紹介すると、こいつは俺の妹の愛(まな)だ。

 

 

「来ちゃった、きゃは」

 

「いや、キモいか……――ぐふぅッ!?」

 

 俺の言葉が言い終わる前に腹部にねじり込む様な衝撃が走り肺の中の空気が押し出されてしまう。

 

 

 お、おのれ……愛の癖に味なマネをしてくれるじゃない?

 

 俺は溝内に未だ溜まる痛みに悶えながらも必死に愛を睨み付ける。

 

 すると目があった……こんにゃろぅ! 今明らかに鼻で笑いやがった!

 

 

「可愛い妹を前に照れちゃって~」

 

「ほっ……ほぅ、可愛い妹っていうのは兄貴に対して、

いきなり溝打ちをかますものなのか?」

 

「冗談も分からんニィが悪いの!

 折角ミーちゃんと来てあげたのにね~」

 

 

 そう言うと、愛の後ろに居た美雪ちゃんへと言葉を投げる。

 

 どうやら二人でアパートへ来ていた様だ。

 

 

「き……来ちゃった……て、てへ」

 

 

 愛に促されるように、照れながらも先ほどの愛の言葉を復唱する美雪ちゃん。

 

 うっ、可愛い……。

 

 これは萌ゆるッ!

 

 実を言うと琴音達同様、バイト先であるクラシコに遊びに来ていたマナは美雪ちゃんといつのまにか仲良くなっていたのだ。

 

 今ではミーちゃん、マナちゃんと呼び合う仲にまでなっている。

 

 

「あぁ~~~! 

今、『やべー、萌え~ッ』って

思ったでしょう!!」

 

 俺の反応を見て図星をつく愛は、腰に手を当て息を荒くする。

 

 

「あたしにはキモいって言っといて、

この変態め! 

私にも萌えろ!!」

 

「妹に萌えてたら、なおさら変態だわ」

 

「当たり前でしょ! 

そんなこと少しでも思ったら、

半殺しだかんねッ!?」

 

 いや、どうしろと……。

 

 

「ま~ま~、それよりタケ君、

紹介してもらっても良いかな!?」

 

 

 今まで成り行きを見守っていた愛梨さんが間に入る。

 

 愛に対し興味を示しているようだ。

 

 

「あっ、そうですよね、一応俺の――」

 

「妹の愛です、昨日からウチの愚兄がお世話になっています」

「いえいえ、

私の方こそ今日なんて荷物持ってもらったりして……、

えと隣に住んでいます坂下愛梨です、

こちらこそよろしくね、

ちなみに私は二人に萌えまくりでした~」

 

「いや~ホントですか~? 

ありがとうございますっ!

えへへ……」

 

 

 お互い自己紹介を済ませると、愛梨さんの言葉に体を捩じらせ嬉しそうに照れる愛。

 

 照れるくらいなら言わなければよい物を……。

 

 

「それでマナは何しに来たん!?」

 

「あ、忘れてた忘れてた! 

これ届けに来たのっ、

家に忘れて行ってたでしょ~」

 

「あっ……ワリィ、サンキュ」

 

 本来の目的を忘れていたのか思い出したかのように紙袋を取り出す。

 

 

 中を覗くと大学の教科書いくつか入っていた。

 

 そういえば……。

 

 今思えば教科書が足りなかったような……。

 

 どうやら実家に教科書を忘れていたらしく持ってきてくれたようだ。

 

 正直明日の授業の教科書も入っており助かった。

 

 

「ぬわっはははは……。褒め称えるが良い!!」

 

「なっ!?」

 

 どこから来たのか聞き覚えのある声がカッカと上機嫌で現れる。

 

 不覚にも驚いてしまったがこの癖のある声は……。

 

 

「何をですか!」

 

 愛達と話していると突然ギンジさんが現れ会話に加わる。

 

 

「何を隠そうこの私がマナマナを誘ったたのだ!」

 

 誘ったを得意げに語るギンジさん。

 

 

「マナマナって……、

それに招き入れただけで――」

 

「ギンジさん自分からは出ようとしませんから」

 

「そういえばギンさんから誘われた始めてかも」

 

 愛梨さんの言葉に改めて美雪ちゃんも初めてだったと認識する。

 

 

「あ……さいですか」

 

 

 だからといってそこまで得意げにあるものなのかと思うが、そこがギンジさんらしさなのだろう。

 

 まるでオリンピックの表彰台に上がる選手の様に晴々しい笑を浮かべた。

 

 

「良くわかんないけどギンさんグッジョブって事だね!」

 

「ぬわっはははは……、

今日はうちで夕食を食べていくが良い」

 

「何故そうなります!?」

 

 何をギンジさんは……。

 

「ごはん!?

希咲もお腹すいた~!」

 

 タイミング良くお風呂から上がった希咲ちゃんが、体を火照らせピンクのパジャマ姿で顔を覗かせる。

 

 

「きゃ~~、可愛い~~!!」

 

 希咲ちゃんに気付いた愛が思わず抱きつく。

 

 

「うん、マナちゃんもミーちゃんも、

今日はウチでご飯食べて行きな」

 

「って愛梨さんまで」

 

「いいんですか!?

 お言葉甘えちゃいます!!」

 

「私まですみません」

 

 

 嬉しそうに愛と美雪ちゃんがお互いを見合う。

 

 何処かお泊り会の様な特別なノリのなのだろうか……。

 

 高校生相手にお泊り会という表現は少し妹に対し幼く見過ぎな様な気もするが……。

 

 

「まっ……いいか」

 

 

 取りあえず少しは遠慮しろよと愛だけにいいたいが、いったところで食べていくことに変わりはない。

 

 ならばここは愛の好きにさせよう。

 

 

「では、では、これから支度するから待ってて」

 

 腕まくりをし張り切る愛梨さん。

 

 

「……よ~し、私も手伝うッ!」

 

「希咲も~~~!」

 

と……唐突に決意表明する愛。

 

 

「「え゛っっ!!」」

 

 間なの言葉に反応する俺と美雪ちゃん。

 いや、確かに好きにさせるとは思ったが……。

 

 

「――何かな?」

 

「愛はゆっくりしてていいよ、うん!!」

 

「そうそう、ゆっくりしてて、ね!」

 

 さり気無くを心がけながら、手伝うという愛を止めに入る俺と美雪ちゃん。

 

「良いの、手伝うって決めたの!!」

 

 マジですか……。

 

「タケ君……ひょっとして……?」

 

「はい――」

 

 愛梨さんが俺と美雪ちゃんの反応で、何かを気付いたように聞いて来る。

 

 そう……、ご想像の通りなのだが愛は極度の料理音痴なのだ。

 

 

「わかった、美雪ちゃん手伝って!

一緒に愛ちゃんにも教えながらやろう!」

 

「何かすみません……、迷惑掛けると――」

 

 

バンッ――

 

「キャ~~」

 

「キャーキャー」

 

 

 爆発音が鳴り響き音の方へと目をやるとレンジの前で叫ぶ愛……。

 いつの間にかに希咲ちゃんとも打ち解けているようだ。

 

「ホントすいません……」

 

「あっ、ははは……」

 

 

 愛梨さんも笑うしかないようだ。

 

 どうやら愛が勝手にレンジに生卵を入れ、卵を爆破させたらしい。

 わが妹ながらなんとも恥ずかしい……。

 

 

「大丈夫……だと思う。うん、頑張る!」

 

「よし、私もできるだけガンバります!!」

 

 胸元で拳を作り何か決心したかのような愛梨さんと美雪ちゃん。

 

 

 いつも以上に張り切る二人。愛の指導に当たろうと心を決めた様だ。

 

「ありがとう、助かるよ!!」

 

 

 ホントすみません……。

 

 

 さて俺は……これ以上キッチンが狭くなり邪魔なだけなので待つしかないか。

 

 本当は何をしでかすか、わからない愛を監視していたいが……。

 

 

「あっそれは――」

 

「きゃー!」

 

 現に嫌な声が聞こえているわけだから……。

 

「おしい、それは……!?」

 

「あ~入れすぎちゃった――」

 

 キッチンから聞こえる声に耳を傾けながらドギマキさせる……。

 

 

「いったい何を作っているんだ……」

 

 

 取りあえず何を作っているのかは分からないが、聞こえる声には食欲をそぎ落とす効果があるのは間違いない。

 

 そういえば、前に実家でご飯を作ると言って今日の様にレンジを爆破させ、しまいにはレンジが使い物にならなくなったことがあった……。

 

 本当に大丈夫なのであろうか……。

 

 

「アイリンに任せておけば大丈夫、安心してドンと構えたまえ!」

 

 肩を叩かれて咄嗟に振り向くとそこにはギンジさんが立っていた。 

 

 口をニィと開いた笑は何時もの自信に溢れた笑顔ですごく安心する事が出来た。

 どうやら俺はギンジさんを誤解していたようだ。

 

「――そして私の相手をするのだ!」

「ってそっちが本音かい!!」

 

 褒めて損したわ……。

 

 

 先ほどまでのキリッとした表情から一転どこまでも顔を緩める。

 

「よし『人生山あり谷ありだが結局何もなくなるんだよゲーム』でもやろうではないかッ!」

 

「やりませんよ!

ってか何すかそれ!?」

 

「何ィ、タケちゃん知らないのか!?

訳して人生YTKゲームを!」

 

「知りませんよ!

え、えーと……、

取りあえずジャンル何すか!?」

 

「決まっているではないか、格闘ゲームだよッ!」

 

「って格ゲー!?」

 

 

明らかにタイトルが人生何たらカンたらってあの有名なボードゲームではないのか!?

 

確かにボードゲームだとは言わなかったが、よりにもよって格ゲーって……。

 

まて、とりあえず落ち着こう……。

 

まずはどんなゲームか聞いた方がよさそうだ……。

 

「その格ゲーってちなみに……」

「はいはい、出来たよ~」

 

 ってこのタイミングで?

 

俺の言葉に愛梨さんの言葉がかぶさる。

 

いくらなんでもタイミング良すぎだろう。

 

 

「なんとかって感じですけどね、だけど味は保証出来ます」

 

 ギンジさんのゲームは気になる所だが、俺と銀治さんの言葉を止めテーブルには続々とおかずが並ぶ。

 

「あのギン……」

 

 えっ……。

 

 

 並べてる間にでも銀治の言うゲームについて聞こうかと思っていたのだがある一品に目を奪われる。

 

 

「確かに美味しそうですね……一品以外」

そう……今俺の頭からゲームよりも気になる存在が現れたのだ。

 

 

おそらく、いや確実に愛が作った一品だ。

 

俺が見る限り判別がつく物は、エビシュウマイや春雨サラダ、カニカマと卵の中華スープ、更にデザートに杏仁豆腐まで付いた何とも素晴らしい料理の数々だ。

 

どうやらテーブルに並べられた料理は見る限り中華と言う事になるのだろう。

 

しかしその中には肝心のメインが無い。

 

そう、残念ながらメインであろうソレは本来の形では無いのだ。

 

 

「取りあえず……これは何?」

 

 おそらくこれだろうと言う物はあるが、聞かずにはいられなかった。

 

 

「見ての通りエビチリではないか!!」

 

 ギンジさんの口調を真似するようにその物体の名を答える愛。

 

 

「どこがだよ!?

ってかエビ以外の物も、

たくさん入ってるんですけど……」

 

 そもそも愛の作ったエビチリらしき物は、本来の色通りメインは赤色をしている。

 

 

 しかし、見るからに静脈の血液に近いどす黒い赤だ。

 

 更に卵を混ぜたらしく黄色物体が浮かび焦げと合わさり見るに堪えない。

 

 そして最後に何を思ったのか、青のりと粉チーズを山のようにふんだんにかけて仕上げているのだ。

 

「そもそもどうしてこんな……」

 

「あははは……、どうしてでしょう?」

 

 苦笑いしながら答える愛梨さん。

 

 

 愛梨さんにしても想定外だったようだ。

 

 

「あのね、

愛梨ちゃんが後ろ向いたら、

いっぱ~い入れてたの」

 

 素直な希咲ちゃんが悪げもなく答える。

 

 

 どうやら人の話をあまり聞かない愛はとにかく自分が思うがまま食材を入れていたらしい。

 

 

「なっ、なははは……」

 

「おまえな……トマトそのまま入ってるし、

 

明らかに変な脂分が浮いてるんだけど。」

 

 あまり反省の色が見えない愛。兄としてどうしたものか。

 

 

 思えば俺が甘やかしていたから……。両親が無くなったからといって少々過保護になりすぎた結果なのだろう。

 

 

「あ~っ分かった、食う!!」

 

 

 愛が人に頼りがちな面も家事が苦手なのも、俺の責任なのかもしれない。

 

 ならば今こうしてチャレンジした結果に対して向き合うのが俺の役目なのかもしれな……。

 

 ってやっぱり勇気が……。

 

 

コトン――

 

 

「えっ――」

 

 

 小皿に取り分けられたモノが目の前に置かれる……。

 

 何を思ってか愛梨さんがエビチリらしき物を俺の前においた。

 

「タケ君」

 

諭す様な表情を浮かべる愛梨さん……。

 

さらに……。

 

俺の肩にそっとてを添える

 

「男は度胸、なんでもやてみるものよ!」

 

 心を決めるしかない……か……。

 

 深呼吸をしてタイミングを計る。

 

 四人の表情を覗くように確認するが……その表情からはいまだにどのような味か想像つかない。

 

 駄目だ、勇気が……。

 

 

「こっこっこっれは!!」

 

「ギンジさん!?」

 

 ギンジさんの言葉に目を向ける。

 

 

「素晴らしーではないか!!」

 

「えっ……?」

 

いっ今何て?

 

 

 一瞬耳を疑った。

 

 が、銀治の表情はまさに夢心地の表情……。

 

「よっ……よし……」

 

 俺は心を決め一口、また一口と箸を運ばせる。

 

 一口かむごとにその味が口全体へと広がっていく。

 

 うっ……。

 

 

「意外と旨い……」

 

 

 何だこれは!正直リアクションに困る。

 

 これといって食感がいいだの、鼻を通る香りがいいわけでもない。

 

 

「せめてもの凄く不味いか、物凄く旨いかにしてほしかった」

 

「はいはい、でもおいしかったでしょ??」

 

 

 素直に美味しいと言えない俺にずばりと聞く愛梨さん。

 

 

「まー……美味しかった。」

 

「やったね愛ちゃん」

 

 希咲ちゃんは自分の事のように喜び愛に抱きつく。

 

 

 そう……見かけとは裏腹に、ただ旨い。家で食べる分にはこれならイケるというレベルなのだ。

 

 

「やったね~」

 

「実はタケ君を驚かせようと思って、

美味しくできていた事黙ってたの、

ビックリしたでしょう!?」

 

 無邪気に笑いながらネタばらしをする愛梨さん。

 

 

「驚いたと言うか、見た目があれだと食べるのにかなり勇気要りますよ!!」

 

 確かに今までの愛の料理の数々を知っている俺にとって驚きはしたのだが。

 

 

 正直驚くうんぬんよりも、中途半端なドッキリに対し、中途半端な反応しかできない俺……。

 

 いったい俺はどういう反応すれば正解だ!?

 

 

「ぬわっははは……正直になるが良い」

 

「も~~照れちゃって~~」

 

 銀治さんと知子さんがニヤニヤと笑みを浮かべる。

 

 

「てっ、照れてるわけじゃっっ――」

 

「旨く出来ていたのであろう??」

 

この人はたまにまともな事を言う……。

 

 

 正直どうなる事か心配だったけれど、こうして無事料理もできた。

 

 レンジを爆破させる事が特技だった愛にしてはかなり成長したと言える。

 

 何よりあの愛がエビの背ワタを取る事が出来ているのだ。

 

 

「絶対バカにしてるでしょ~。」

 

 俺の表情を読んで、むくれる愛。

 

「良くできた。」

 

 クシャクシャと愛の頭をなでる。

 

 

 俺は「また馬鹿にして」と言わんばかりの表情をする愛を後に箸を持った。

 

 

「では改めて、頂きます。」

 

 愛梨さんの掛け声とともに再び箸を持つ。

 

 

「頂きます……」

 

 また一口箸を進める……。

 

 うん、上出来だ。

 

 

 残尿感滴るらいれんのペェジもとい、編集後記

 

 え~毎度お馴染み、らいれんでごさいます。

 今日はKADENさんはお休みですw

 

 まぁ、それはともかく、どうにか無事に12日に投稿することが出来ました!

 週一更新! とかなんとかいっておいて最近ひどかったんでね、今回以後は週一をノルマに投稿して行きたいと思いますw

 

 おいおい、らいれん。

 そうやって自分の退路絶ってイイのかい?

 

 って?

 まぁ、ぶっちゃけお尻に火がつかないと頑張れない体質なんですよw

 

 ほら、夏休みの宿題とかも追い込み型の人、一杯居たでしょ?

 それと、おんなじですよw

 

 まぁそんな感じですw

 

 チョット今週も仕事で忙しいんでここいらで編集後記を締めたいと思います。

 また、皆様もお体に気をつけてお過ごしください。

 

 そいではバイニーノシ


 
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