No.200059

真・恋姫無双 魏エンド後 ~春華秋刀~ 11

mightyさん

投稿が遅れて本当にすみません。
やっとうp出来ました(;Д;)

2011-02-06 16:49:47 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:5418   閲覧ユーザー数:4527

 

五胡/執務室

 

「んじゃまぁ、報告させてもらいますわ」

「おう」

 

茶髪の男が懐から竹簡を取り出し、竹簡を片手で持ちながら目の前にいる赤髪の男に話し始めた。

 

「調査対象者【北郷一刀】は今は魏で警備隊隊長という肩書きを持ってるさかい。街の人々は北郷一刀の事をどう思ってるかを聞いてみたら、えらい良い人やら、尊敬する人って答えてたわ。

……そしてほとんど人が、いや聞いたやつ全員やな、口を揃えてるみたいに言うとった」

「ほ~、なんて?」

 

赤髪の男が興味深そうに尋ねると茶髪の男は笑みを浮かべ

 

「誰よりも〝優しい〟ってな」

「優しいか……、記憶が無くともお前は変わらないな」

 

赤髪の男は天井を見上げて腕をだらんとぶら下げ、ふぅ~と息を吐いた。

 

「あれ、煉火はんは北郷一刀の事を知ってるんか?知ってるんやったらワイが調査する必要が無いような気がするんやけど」

「よく知ってるさ、嫌というほどな………。ってかこっちにもいろいろと事情があるんだよ、佑。それで報告は終わりか?」

「最後にもう一つだけ、北郷一刀と交戦した時の報告が残ってるでしょ?」

 

その直後、佑の後ろ側の空気が重くなり、そこには長椅子に腰掛けて優雅にお茶を飲んでいる那水がいた。

横目で煉火たちを睨みながら

 

「あ~、だから今この場に那水がいるのか。そういやここ最近、まったく見てないと思ったら」

「那水ちゃんがどうしても付いて行きたいって言うもんやから連れていったんや、すまんなぁ煉火はん」

「それなら断ればいいだろ?」

「そんな殺生な!?ワイに女性のお願いを断れって言うか!?そんなん無理やで」

 

煉火は顔に手を当てやれやれと小声で呟いていた。

 

「そんな事はいいから私はなぜ北郷一刀と交戦したのかを早く聞きたいのだけど?」

 

後ろから那水が笑顔で話しかけた

二人は那水の顔を見て、『あっやばい、怒ってる』と同時に心の中で思った

那水はあごに人差し指を当てながら

 

「確か私が聞いたのは北郷一刀の身辺調査と風評の調査だと。

あら?どこにも戦うって文字が出てこなかったわね。煉火、ちゃんと佑に伝えなかったのかしら?」

 

那水の笑顔を見て冷や汗をかいた煉火は佑の方を向いて

 

「佑!報告の続きを読むんだ!!」

「りょ、了解や!!結論から言うと北郷一刀の戦闘力は今のワイの少し下ぐらいやな、煉火はんや那水ちゃん達と比べたら全然や。そんな実力で羅木師団長と戦って生き残ったのが不思議でしょうがないんよ」

「ああ、それは別に不思議でも何でもないぜ」

「どういうこっちゃ?」

 

佑は首を傾げて煉火に問いかけると、煉火は机に左肘を置き、左手に顔を乗せて口を開いた。

 

「羅木と一刀の間にちょっとした因縁があってな、一刀をあっさり殺したくなかったんだろ。もしくは今の状態の一刀を殺しても意味がない。昔の………、あの頃の一刀を殺したいんだろうよ」

「昔って何や?」

「んな事より続きを読め」

「煉火はんのイケズ。んで戦ってみたら思いのほか熱くなってしもてな、そこで那水ちゃんに止められたっちゅう感じや」

「那水が止めたのか?」

 

驚いた煉火は佑の後ろで椅子に座っている那水を見た。

 

「那水、お前確か一刀の事を恨んでたと思ってたんだが、どういう事だ?」

「………」

 

那水は黙ったまま、お茶に目を向けていた。

 

「お前が理由を知りたいって言っといて、だんまりかよ」

「真実が知りたかったからよ」

 

うつむいたまま那水は静かに答えた。

 

「真実って、何の真実が知りたかったんだ?」

「私の父様が………殺された時の真実よ」

「真実も何も、あれは解決してるはずだが?」

 

少しの沈黙があって、那水は湯飲みを机に置いて

 

「あの魏との戦の後に私は彼に対する気持ちをどうしたら良いか、轟金(ごうき)帝将に相談したの。

そしたら轟金帝将が『あの馬鹿に会って話でもしろ、そしたら真実が見えるかもしれん』って言われたわ」

「………」

 

煉火はただ黙って聞いていた。

 

「私は訳が解からなかった、父様を殺したのは彼なのに。今更会った所で真実なんて変わる訳が無い、でもずっと気になっていて、だから会って確かめてみたかったの」

「ちょ、ちょ待ちぃーや!」

 

そこに今まで空気だった佑が声を上げた。

 

「那水ちゃんのお父さんが殺されたのも驚きやけど、今の話を聞いてるともしかして……」

「那水の父親を殺したのは一刀って事さ」

「どういうこっちゃ!?何でそこでかずp――やのうて(ボソッ 北郷一刀が出てくるんや?」

 

おもむろに机の引き出しを開けた煉火は中から一つの竹簡を取り出して佑に投げた。

 

「おわっ!も~いきなり投げんといてや、ビックリしたやんか。……んで、これは何やの?見た所、ここの警備の報告書みたいやけど」

「最後のほうを見てみ」

 

説明もなしに煉火はそう言うだけで佑は不思議に思ったが、言われた通りに端のほうを見た。

 

「最後のほうって、別にただの報告書や………うぇ!?」

 

そこで佑はひときわ大きな声で奇声を上げた。それも当然だ、そこにはある人物の名の署名があった。

 

「れ、煉火はははん?これ、ほほほほんまに?」

「本当だ。………あいつは戦場に出れば一瞬で複数の敵を斬り、人を斬る際あいつの得物と相まって妖艶で美しく、敵味方関係なく魅了させていた。

人をたくさん斬っていく内に斬られた人の血しぶきが紅い花びらに見え、紅い花びらがたくさん舞ってるように見えた事から〝紅桜〟(べにざくら)と呼ばれ恐れられていたからな」

 

動揺している佑の問いかけに煉火は重々しく答えた

その直後に佑は竹簡を落とした。ガチャと音が鳴り、ちょうどその人物の名前の書いてある部分が上に来ていた。

そこには

 

〝 ―――であった 以上で報告を終了   近衛師団  団長 北郷一刀 〟

 

と書いてあった。

 

 

「そう一刀は昔、ここ五胡の中でも強者、そこからさらに選りすぐれた者でしか入れない近衛師団に所属し、団長まで上り詰めたのさ」

 

 

 

 

 

「待てーーーーーーーーーーーーーーーー!!

一刀ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」

「うわあああああああああああああああ!勘弁してくれって!!春蘭!!!!」

 

一刀は七星餓狼を持った大絶賛怒り中の春蘭に追いかけられていた。

 

「おとなしくその首を斬らせろ!!優しくするから!!!!!」

「って優しくされても死ぬから~~~~~~!!!!えっ?馬鹿なの!?」

 

何でここまで春蘭が怒っているのか?それは今朝にまで遡る必要がある。

 

「ば、ば、馬鹿だとぉ!?もう許さん、私は怒ったぞ!!」

「すでに怒ってるじゃないかああぁぁ~~」

 

 

時は遡る!!

 

 

・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

現在の時刻は早朝、時間に直すと5:00頃

外ではスズメの鳴き声が聞こえる。

 

「う~~ん、ムニャムニャ」

 

北郷一刀はまだ布団の中で寝ていた

その日の朝は寒く、一刀も寒かったのか布団に包まって寝ている。

 

「寒い……」

 

一刀は半分起きてる状態になりながら寝返りをするとそこに何やら暖かい存在がある事に気づいた。

 

「温かいなぁ」

 

それが何かを確認せずに一刀はそれを抱きしめて再び夢の中へ入っていった

その時、小さな悲鳴があった事は一刀は知らない。

 

 

少し時間が進み、一刀の部屋の前に一人の女性がいた

その人物は一刀の部屋のドアを前にして右往左往していた

時々『う~~、恥ずかしい。帰るか?いや、でも……』と独り言が聞こえていた。

 

その部屋の前でかれこれ20分、女性は『よしっ!!』っと意を決したように一刀の部屋に入っていった。

 

「一刀、起きてるか?」

 

女性はドアからひょっこりと顔を出し、いるであろう人物を探した

部屋を見渡すと、こんもりと膨れてる布団がある事から一刀がまだ寝ていると確認できた。

 

「か、一刀?は、は、入るからな?」

 

女性はゆっくりとした足取りでベットの前まで来ると太陽の光が部屋を照らし、そこには美しい黒髪の女性、春蘭がいた。

春蘭はベットを覗き込むと、そこにはまだ寝ている一刀の横顔があった

見るや否や春蘭からボンッと音が聞こえた思うぐらい顔を赤くしていた。

 

「か、一刀、朝だぞ?早くお、起きんか」

 

手を胸の前まで出し、モジモジしながら小さな声で話しかけた

 

「くぅー」

 

そんなんで起きるわけも無く、一刀は未だに夢の中

 

「か、一刀 モジモジ 早く起きなければ ツンツン た、たたたっ斬るぞ?」

 

萌えるような行動をしてるが、言ってることは恐い

それでも起きない一刀を見て

 

「まだ起きないなら……… ギュッ て抱きしめるぞ///」

 

今度はボフンッという音が聞こえたと思うぐらい顔を真っ赤にしていた。

その時

 

「ん~~~~?」

 

一刀は眉をひそめた

春蘭はビクッとなったがそこは武人、音を一切出さずに2,3歩下がった、しかしすぐに一刀から寝息が聞こえ、春蘭はホッと胸をなでおろした

再び一刀に近づいてベットに手を置き、顔を一刀に近づけ横顔を眺めた

すると一刀が急に寝返りをし、一刀の顔が上を向いたことによって春蘭と一刀の距離は息がかかるぐらいに近づいた。

 

「一刀の唇………。今ならく、口付けしても誰も見てはいない」

 

春蘭は髪をたくしあげ髪を押さえ、眼をつぶりキスをしようとした。

だが冷静に見れば気づいたはず、布団の膨らみが一刀一人では大き過ぎた事に

 

「(ん?何だ?横から視線を感じるのだが………)」

 

一刀と唇に数センチという所で春蘭は目を明け、横に視線を向けた。

 

「私の事は気にせずどうぞ続きを♪」

 

そこに笑顔の小覇王 孫策――雪蓮がいた。

 

「~~~~~~~~~~~~っ!!」

 

声も出せないほど驚いた春蘭は後ずさった。雪蓮は起き上がったが生まれたままの姿、要するに服を着ていなかった、なので一刀から布団を奪い取り、前を隠すように布団を掛けた。

 

「な、ななな何故お前がここにいる!?」

「あら?続きはしないの?」

 

雪蓮の一言で春蘭はハッと思い出し、あたふたと慌てながら

 

「つ、つづ、続きとは何のことだだだ?」

 

それを見た雪蓮はニヤッと笑い

 

「え~、確かぁ、『一刀の唇………なんて美味しそうなんだ。今ならく、口付けしても誰も見てはいない』って聞こえ……」

「わあああああああああああああ!!」

 

少し大げさに春蘭のモノマネをしながら雪蓮がさっきの春蘭の言葉を口にしていると、言い切る前に春蘭が大声をあげていた。

 

「それに嘘を言うな!私は〝美味しそう〟なんて一言も言ってないわ!!」

「じゃあそれ以外は合ってるかしら?」

「うむ!!」

 

腕を組み満面の笑みで春蘭は雪蓮の問いかけに良い返事で答えた。

 

「あの魏武の大剣も朝から乙女してるわね~」

「んなぁ!?お、乙女だと~///」

「だって、『まだ起きないなら……… ギュッ て抱きしめるぞ』って言ってたわよね?」

「な!?と言うか雪蓮、お前いつからそこにいる!!」

 

雪蓮は目をつむり、両手を頬に置き、顔をちょっと斜め下に向け

 

「そんなの……恥ずかしくて言えないわ///」

 

その顔を見た瞬間、春蘭の表情が消えてピタっと動かなくなった。

 

「ん~~~~~~?何だよ、こんな朝から騒がしいな」

 

一刀が目を擦りながら布団から起きてきた。

 

「ふわ~~、あれ?春蘭が何でここにいるの?」

「……おはよう一刀、だがその前に横にいる雪蓮は何だ?」

「え、横にいるって?雪蓮が?」

 

一刀が横を見ると、そこには谷間があった。

 

「…………」

「いやん♪一刀ったらどこを見てるのよ、昨夜はあんなに激しかったのに///」

 

一刀は雪蓮の胸を凝視し、雪蓮は一刀が自身の胸を見てることに気付き更に胸を強調するように左右の腕で挟みこむような姿勢をとった。

 

「おおきくて、きれいです」

 

一刀はどこぞの戦場キャメラマンのように、ゆっくり丁寧に感想を言った

 

「そんなの見せられたら俺のムスコがビンビンの戦闘態勢にトランスフォームしちゃう………じゃなくて!?しぇ、雪蓮、何でここに!?それに昨夜は激しくって何があっt」

 

その時、首筋に冷たい感触がした。

ギギギッと錆びた機械のようにゆっくりと振り向いた一刀は春蘭を見て寝汗とは違う汗をかいていた。

 

「あの、春蘭………さん?これは一体なんでしょうか?」

「そうか、そうか。昨夜は雪蓮と寝たのか………そうか、そうか」

「春蘭さん?あの、もしかして怒っていらっしゃいますか?」

 

一刀が引きつった顔で聞くと

 

「ん?私は別に怒ってなんかいないぞ?」

 

とっても素晴らしい笑顔で春蘭が答えた。

 

「嘘だーーーーー!じゃあ何で七星餓狼を構えてるんだよ!!」

「うるさぁ~~~~い!一刀、そこに直れ!そして私に斬られろ!!」

「そんなのイヤに決まってるじゃないか!!」

 

一刀は急いで起き上がり、窓から逃げていった。

 

「逃がすか!!」

 

窓から去っていった一刀にすぐに反応した春蘭は逃亡した一刀を追いかけていった。

 

「あははははは!!一刀ってばやっぱり面白いわ」

 

二人が出て行った直後に雪蓮は笑い、傍にあった服を着て身なりを整えた。

 

「ビックリしたなぁ、一刀ったらいきなり抱き付いてくるんだもん。………私の胸を枕にするなんて一刀ぐらいよね///」

 

雪蓮は胸に手を置き、顔を赤くしていた。

 

「さぁ~て、一刀を追いかけなきゃ。面白いものがまだ見れそうだしね♪」

 

クスっと笑った雪蓮はスキップをしながら悲鳴が聞こえる方へ向かっていった。

 

 

 

 

 

以上で回想終了、そして時は今に戻る。

 

あれから1時間以上、一刀と春蘭の追いかけっこは続いている。

 

「一刀ーーーーー!どこにいる~~~~!!」

 

中庭で叫んでいる春蘭を建物の隅に身を隠し、壁を後ろにして一刀は遠くから様子を見ていた。

 

「はぁ…はぁ…はぁ……春蘭の奴、今日はしつこいな」

 

額に汗を滲ませ、ワイシャツの上のボタンを2つ外して手で仰いでいた。

これからどうしようかと、一刀が悩んでいると

 

 

 

「はわわーーーーーー!!」

 

 

 

その時、どこからか声が聞こえた

ビックリした一刀は声がした方へ顔を向けるとそこは屋敷と屋敷をつなぐ渡り廊下で、その通路には小柄な女の子がはわわポーズして立っていた。

 

「え?………ってなんだ、朱里じゃないか!?」

 

目の前の幼女が朱里だと気付いた一刀は朱里の傍まで駆け寄っていった。

 

「朱里、久しぶりだな。いつこっちに来たんだ?」

「はわ!え、か、一刀さん?お久しぶりです!つい先ほど許昌に着いたばかりなんです。

私は風さんに用事があって今は一人ですが、私の他に桃香様、愛紗さん、焔耶さん、斗詩さんが……………はわーーーー!!」

 

目の前の男が一刀だと気付いた朱里は一刀と久々の再開で喜んで話し始めたのだが、話してる途中に一刀のワイシャツの隙間からを見える胸を見てしまい顔が赤くなってしまった。

 

「お、おい、どうしたんだ朱里?何か顔が赤いぞ!大丈夫か!?」

「はわわ!一刀しゃん!?はわーーーーー!?」

 

いきなり朱里の顔が赤くなった事に気がついた一刀はしゃがみ、朱里の顔を覗き込んだ

朱里の目の前にさっきまで動きまわり、ハァハァ言っていてワイシャツから垣間見える一刀の胸、そして汗で少し滲んでいてそれが妙に色っぽく見えていた

そんなのを見せつけられた朱里は当然顔を赤くし、脳内ではいろいろな妄想をして更に顔を赤くしていた。

それを見てまた更に心配した一刀は朱里に声をかけて頭を撫でるコンボを炸裂、そして朱里が『はわわ!!』と言う無限ループ、だがこんな大声で騒げば当然

 

「見つけたぞ!一刀~~~!!」

 

七星餓狼を構えた春蘭がものすごいスピードでこちらに突っ込んできた。

 

「見つかった!?」

 

すごい勢いで春蘭が接近してることに気がついた一刀は朱里に『ゴメンネ』と言い残し、再び逃走した。

 

 

朱里は未だに妄想中………

時々『一刀さん、いけません!!』やら『一刀さんが受けで』等の独り言を言う現場を何人かの侍女が目撃した。

 

 

 

 

 

一刀と春蘭の壮絶な追いかけっこが続く中、玉座では華琳、蜀、呉の両陣営がいた。

 

「華琳さん、こんにちわ!」

「桃香、元気そうでなによりだわ………相変わらず大きいわね」

 

胸を左右の腕で挟みこみ強調する仕草をし笑顔で挨拶をした桃香に華琳は笑顔で迎えた。桃香のある部分をみて華琳が自分の控えめで貧しい部分を見たのは言うまでもない。

 

「そういばこの前の戦で恋ちゃんがここに救援に来たと思うんですけど、恋ちゃんは元気ですか?」

「ここ許昌に援軍を寄越してくれてありがとう桃香、恋の援軍が無ければ負けていたとのことよ、本当に感謝してるわ。

それで恋は今、厨房じゃないかしら?琉流が今日の立食ぱあてぃの準備をしているから」

「あはは、すみません。恋ちゃん、食べ物に目がないですからね。

でも久しぶりに恋ちゃんのあの食べてる姿が見られるから、私楽しみなんですよ!ここ半年は蜀の国境付近で警備を任してましたから、見られなかったんですよね」

 

恋が厨房にいることを知った苦笑いを浮かべたが、恋の食事風景を思い出したのかすぐにぽや~とした笑顔に戻った。

 

「華琳殿、お久しぶりです。此度の会議は蓮華様がご出席するとの事でしたが、真に申し訳ない………、それであの〝馬鹿〟は今どこにいますか?」

 

桃香の斜め後ろにいた冥琳が華琳に軽く会釈して挨拶を終えると、メガネを抑えコメカミをピクピクしてバカの部分を強調して華琳に雪蓮の事を質問した。

冥琳の背中から黒い怒りのオーラが見えたのは言うまでもない、冥琳の後ろには呉の重臣である思春と明命がおり、思春は特に変わらなかったが明命の方は『はぅあ!』と少し怯えていた。

 

「別に大丈夫よ、三国に五湖が攻めてきて国王と次期国王が国を離れる訳にはいかないものね。貴方の所の自由な王様、いきなり現れるからビックリしたわ」

 

華琳はため息をこぼし、呆れながら

 

「来たら来たで『三国会議が始まるまで適当に遊び回ってるから私の事は気にしないで♪後、私の寝る場所は一刀の部屋でいいから~♪』って笑えない冗談まで言っていたわ」

「……我が王の馬鹿な振る舞い、心から謝罪する。して雪蓮が口に出したその者は一体何者だ?初めて聞く名だが?」

 

挨拶の時はは軽く頭を下げた程度だったが今度は深々と冥琳は頭を下げた

華琳は「慣れたわ」と言って冥琳に頭を上げるよう言うと、頭を上げた冥琳が先ほど聞きなれない名前があったことに気づき華琳に質問したのだが

 

「一刀さんは北郷一刀って言って優しい男性なんだよ!」

 

満面の笑みで桃香が冥琳の質問に答えた。冥琳と華琳は『え?』っていうような表情をしているのだが、桃香は二人の事などお構いなしに話を続けた。

 

「それでね、一刀さんは優しいだけじゃなくてとっても強いんだよ!あの愛紗ちゃんと引き分けたぐらいだったんだから!一刀さんとはあまり長くは過ごせなかったけど、いっぱいイチャイチャしたもんね、愛紗ちゃん!それに皆も!!」

 

言い終えた桃香は後ろを振り向き、家臣達一同を見た。真っ先に反応したのが

 

「桃香様!?な、なな何を言っておられるのですか!べ、別に私はか、一刀殿とイ、イチャイチャだなんて///

私はただ一刀殿と一緒に政務と鍛錬をしていただけです!」

 

「そうですよ、桃香様!ワタシが一刀とイチャイチャするなんて考えられません!

………まぁ、その、警邏で一緒の時は二人で鶏まん一つを半分こにして食べてはいましたが///」

 

「麗羽様、ちゃんと白蓮様の言う事を聞いてるかな?きっと麗羽様の事だもん、迷惑をかけてるよね。白蓮様、ここにはいませんがほんっっっっっっとうにすみません!」

 

上から順に愛紗、焔耶、斗詩の順番で桃香の天然の発言に答えていた

愛紗は顔は赤くして真面目に一刀と仕事をしていたと言ってはいるが、それは説得力がなく、焔耶は最初は反論していたが最後はモジモジして顔を赤くしていた。

斗詩は桃香の話をまったく聞いていなかったのか、蜀に置いてきた麗羽の心配もとい白蓮の心配をしていた。

 

「………ふぅん、桃香?随分と一刀と仲良いみたいじゃない?」

 

華琳が覇気(という名のヤキモチ)を放っていた、がその直後に

 

 

バァァーーーーーーーン!!

 

 

勢い良く玉座の扉が開かれ、二人の人物が転がり込んできた。

 

「一刀、覚悟はいいか!?」

「いや、ちょ、まっ、待てって、春蘭!とりあえず謝るから!」

 

春蘭は一刀に馬乗りの状態で一刀の顔のすぐ横に七星餓狼を突き立てていた

必死に春蘭に命乞いしてる一刀を他所に開かれた扉からひょこっと顔を出して大声で笑っている女性がいた。

 

「あははははははは!一刀ってば、もう捕まっちゃったの?」

 

この騒動を巻き起こした張本人、雪蓮が目に溜まっている涙を拭いながら今も尚笑っていた。

 

「しぇ、雪蓮!?助けてくれよ!!」

「いやん♪一刀ったらそんな子犬のような目で私を見つめて………私に襲わす気?   ジュルリ」

「一刀、貴様!!目の前に私がいるのに他の女に色目を使うとはいい度胸だ!」

「え!?春蘭さん?貴方、正気ですか?この状況で色目とか、正気ですか!?」

 

 

ギャーギャー騒いでる3人をポカーンと見ている華琳、蜀、呉の人たち。

だが一人だけ

 

「随分と楽しそうではないか、雪蓮?」

「あははは!……あは…あははは。………冥琳、久しぶりね」

 

雪蓮の存在にいち早く気がついた冥琳は目にも止まらぬ速さで背後に回り、ガシッと雪蓮の肩を掴んだ

一刀と春蘭のやりとりを見て笑っていた雪蓮だが親友の低い声、肩を掴まれ、掴まれた場所がすごく痛い事、よって後ろを見なくてもすごく怒っていることが解り、雪蓮は引きつった笑顔で後ろにいる親友に挨拶をした。

 

「政務室に行ったらお前の姿は無く、またサボりか?と思って不意に机を見たら『ちょっと魏に =遊=び= もうすぐ三国会議が始まるので街の視察がてら先に行ってます、心配しないでください』 と書いてある竹簡が置いてあった。私は目を疑ったぞ、まさか一国の王が書置き一つだけ残し、あまつに護衛を付けずに魏に遊びにきているんだからな」

「め…冥琳、一ついいかしら?」

「ん、何だ?遊びという文字に取り消し線を入れて誤魔化せると思った頭脳で私を納得させるような言い訳でも聞かせてくれるのか?」

 

プルプルと肩を震わし、雪蓮を睨みつけると

 

「う!!かずとぉ~、助けてぇ~~」

 

崖っぷちに追い込まれた雪蓮は一刀に助けを求めたが

 

「 ザシュ 春蘭!カスった、カスったから!」

 

一刀も崖っぷちだった、こちらは片手で指2~3で崖にぶら下がってる状態まで追い込まれていた。

 

「雪蓮、まだ話は―――――― ゴフッ!」

 

冥琳が雪蓮にお説教をしようかと思った瞬間、冥琳の口から血が出てきた。

 

「め、冥琳!!!」

 

雪蓮は血を吐いた冥琳に驚愕し倒れこむ彼女に手を差し伸ばすのが遅れた

だが間一髪、一刀が冥琳を優しく受け止めて冥琳は床に倒れこまずに済んだ。

 

「大丈夫ですか!」

「冥琳!冥琳、しっかりして!」

 

一刀と雪蓮が懸命に呼びかけても、冥琳は反応しなかった

華琳や桃香達は自兵に医者や薬剤を持ってくるよう指示を出していた。

 

 

 

 

~続く~

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

皆様、本当に遅れてすみません。

 

ここ最近すごく忙しくて執筆できませんでしたorz

本当にごめんなさい!

 

1月の初めから書き始めてこの量を完成するのに一ヶ月

 

落ち着いてきたので月に2つぐらいは更新するようにします!(大丈夫かな?

 

執筆に集中するため、TINAMIのお気に入りの人たちの作品を見ずに

頑張って書き上げました!

 

これから私の超お気に入りである葉月さんの作品と月千ぶる夜さんの作品を

 

見に行こうと思います!

 

この一ヶ月の間にいろんな小説、イラストが更新されてるはず

 

楽しみです♪

 

 

今回は春華秋刀の更新になります。

 

一応、前回アンケを取りましたがこれを見て気が変わった!

 

という方もいらっしゃると思います。

 

ですのでアンケの答えが変わった人はまた回答の方をお願いします

 

二度手間ですいませんorz

 

1.糖分を程ほどで、ちょっと熱い展開希望、悪友との絡み (春華終刀)

 

 

 

2.ひたすら糖分、糖分、糖分、あ゛ま゛ぁ~~、妹が…… (百恋歌)

 

 

春華秋刀と百恋歌、両方交互に更新すればいいんでね?

 

って思った方、決してコメに書いてはいけませんよ!!

 

いいですね!!これはフリなんかじゃないですからね!?

 

 

 

では、(*ノ∀ノ)

 

 

 


 
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