No.199303

真・恋姫無双 恋姫恋慕~あの日の君に~ No. 5

OTIKAさん

久しぶりですね、皆さん OTIKAデス
今まで投げていた謎の三編に渡るお話・・・
XXXと恋、凪 の三編を布石としたかったのですが、いやはやなんとも・・・
途中の時系列が吹っ飛んでいるので、途中読みにくいかもしれませんがご容赦くださいm(_ _)m

続きを表示

2011-02-02 18:25:14 投稿 / 全13ページ    総閲覧数:3260   閲覧ユーザー数:2746

 

暗い・・・暗い場所だ、ここは・・・

 

さっきまではここに、『俺』が居たのに・・・今は『俺』しか居ない・・・

 

いや、「ここ」は「あそこ」じゃない・・・違うところだ・・・

 

なにかが体の周りにまとわりつく。

 

それは黒い「何か」だ。

 

暗い・・・「ここ」に居てはダメだ・・・!

 

何か・・・何かを探さないと・・・!

 

まるで水の中に放り込まれた犬のように手足を動かして前に進もうとする。

 

だが、もがけばもがくほどに体は不安定になる。

 

まるでこの闇に融けて混ざってしまうかのように・・・

 

ドロォ――

 

足が、まるで湯に入れた粉砂糖のように、雪のように崩れさる。

 

それを感じ、焦った俺はさらに激しく体をよじる。

 

左手も崩れてしまった・・・

 

この右手だけでも・・・

 

これ以上体が崩れてしまうのを恐れて俺は移動するのを止めた。

 

だがこの黒い「何か」は、確実に俺の体を侵食してくる。

 

このまま朽ちてしまうのだろうか・・・、と考えていた、その時・・・!

 

「我が身、我が鍼と一つなり!一鍼同体!全力全快っ!」

 

知らない男の声が聞こえ、「ここ」に一筋の光が差し込む。

 

今だ・・・!

 

無我夢中で光に右手を伸ばす。

 

その光は細い糸のように俺の右手の中に絡まる。

 

俺はその光を離さないようにしっかりと握り締め、もっともっと、とねだらんばかりに光を手繰

る。

 

「必察必治癒・・・病魔覆滅!」

 

再び知らぬ男の声が聞こえ・・・必殺必中?

 

えっ?今なんて言っt―――――

 

「げ・ん・き・に・なれぇぇぇぇぇ!」

 

うそ!?ちょ、まっアッーーーーーーーーーーーー!!

 

・・・俺の意識はそこで切られたのだった。

 

 

 

俺達は今、この大陸にはびこる病魔を討たんが為に旅をしている最中だった。

 

師匠の教えを守り、この五斗米道を駆使して、俺はやってみせるぞ!

 

なに?ハ○マーコネクト?ツー○コネクト?邪王炎殺黒○波?

 

・・・すまない。何を示しているのか、記憶にないんだが・・・特に最後の方が。

 

最後の方がな!・・・まあいいじゃないか。過去のジャ○プの総合キャラクターランキング三回連続

一位だったんだから。

 

俺はそんなこと言わないしな。・・・話を戻そうか。

 

おれは傍らには貂蝉。そしてもう一方には卑弥呼と共に歩みを進めていた。

 

「のう、貂蝉よ。この世界にいるお前の「ご主人様」は今どこにいるのだ?」

 

俺はその「ご主人様」とやらのことは知らないが、貂蝉がその人のことをいつも気にかけているこ

とは知っていた。

 

貂蝉が尊敬するほどの人物だ。一度会って話がしたいところだな。

 

「私の「ご主人様」なら、今は「呉」にいるはずよん。それがどうしたのん?」

 

「いや、なに・・・」

 

卑弥呼が口にし難いのか、珍しく言い淀んだ。

 

・・・どこか悪いところがあるのだろうか?いつもはなんでもハキハキと喋る奴なんだが・・・。

 

「この「外史」は貴様とワシで造り上げたものだからな、何らかの綻びが生じるかもしれん、とい

う懸念が無きにしも非ず・・・以前の「外史」を経験しているとは言え、そのまま上手く進むかど

うか・・・」

 

「そうなのよねぇ・・・一応通常の流れ通りには、動くと思うんだけど・・・。一応華佗ちゃんと

も出会えたことだし、なにかあったらいけないからチョットォ・・・行ってみましょうか?」

 

「わしもそのほうが良いと思うが・・・どうだろうか、華佗よ?」

 

と腕を組みながら力強い足取りで歩いていた卑弥呼が立ち止まり、俺の方を振り返って聞いてき

た。

 

「呉」の國か・・・黄巾党は各地にまるで草木のように出現するから、悔しいが、今の俺には病魔

本体を治せる力はない。ならば一つ一つの根を刈り取るしかないだろう。・・・よし!

 

「解った。貂蝉の「ご主人様」とやらが居る「呉」に行ってみよう!」

 

いやーん♪と顔の左右に握りこぶしを供え、クネクネと揺れ出した貂蝉。

 

「さっすが華佗ちゃんだわぁ~ん♪。そうと決まれば、善は急げってねん!早速向かうとしましょう

か?」

 

「うむ、そうするとするか。・・・とは言ったものの「魏」と「蜀」のちょうど境目の辺り・・・

少しばかり遠いのではないか?」

 

「あらん?本当だわ。困ったわねぇん・・・どうしましょうか?」

 

その時、キランッ、と光ったのは卑弥呼の目だった。

 

「わしらが全速力で走れば半日とかからん距離ではあるのだがな・・・」

 

「全速力でって、華佗ちゃんがいるじゃ・・・まさか卑弥呼ォ。・・・あなたもしかして華佗ちゃ

んを抱っこしていくつもりなの!?」

 

「それしか方法はあるまい?」

 

「さすがは漢女道を極めた、真の漢女だけあるわぁ。ん?けど待ってぇ。華佗ちゃんは一人

ぃ・・・私たちは二人じゃないの!・・・で?私たちの内どちらが華佗ちゃんを送るのかしら?」

 

「無論、わしに決まっているであろうが!」

 

「なあぁぁぁんですってぇぇぇぇぇぇぇ!?そうはさせないわよん!!」

 

「なんだとぉ!?お主には「ご主人様」とやらがいるではないか!」

 

ばっと手を大きく広げ、やや前のめりの状態で威嚇する卑弥呼。

 

「それとこれとは別なのよ!!」

 

ぐっと腕に力を込め、その健康そのものな体を大きく盛り上げる貂蝉。

 

なんじゃと! ナニよ! と何故か口論し出した二人を尻目に、俺は思うのだった。

 

天の御遣い様・・・か。どのような人物なのだろうか。

 

俺と志を同じくする人物であるならば、付き従うのもいいかもしれないな・・・。

 

それがこの大陸の為ならば!!

 

 

 

この前の黄巾党との戦を終えてから、本郷は目を覚さない・・・。

 

雪蓮が言うには、黄巾党の残党三人を相手にして、ほぼ無傷でこれを破り、その後フラッ、っと倒

れてしまったらしい。

 

戦いが終わった直後からどこかおかしくはあったが・・・一体何が起こっているのか、皆目つか

ん。

 

曰く、御遣い様が入られた林から奇怪な音が何度か聞こえ、それは何かしらの呪いではないだろう

か、などと言われているが・・・私は呪いなど信じていない。

 

だが時間というものは無情にも流れていき、北郷が目を覚さない内に、雪連へ袁術からの使いがき

た。

 

その内容は、諸侯と共に黄巾党本体を叩くぞ。でも疲れるのが嫌だから、お前らで当たってこい。

私たちは楽な分隊の方に行って来るから、という内容だった。

 

今の私たちの戦力から考えるまでもなく、これは無謀なことであった。

 

黄巾党の勢力は少なく見積もっても30万。それに対して我々は1万だ。

 

諸侯がそれぞれどれほどの戦力を投入してくるかは解らないが、とてもじゃないが勝つことは厳し

い。

 

だが私たちは、その崖の縁に立っているかのような状況を、逆手に取ることを考えたのだった。

 

つまり、勝つためには散り散りになった旧呉の将や軍隊を招集することを提案したのだ。

 

・・・これは私たちの予想通り、袁術に許可された。

 

本当に何を考えているのやら・・・。

 

そうすることによって、「呉」の軍備、人材は着々と増強されていくのだった、が・・・

 

冒頭にも述べたとおり、今だ本郷が目を覚さない以上、天の御遣いとしての名声に何の意味もな

く、どうすることもできなかったのだ。

 

いっそのこと一刀無しで行っちゃう?と雪連が提案してきたがどうもこれが難しい。

 

天の御遣い様について行く、という集団、又はそういった考えを持っている者は軍の中にもあるの

だ。

 

戦場には出ない。それは、何らかのために目を覚さないからだ。という噂が広がってしまっては、

「絶対」の天の御遣いとしての効力を弱めてしまう。

 

どうするべきか。と、頭を悩ましていた私たちの耳に、こんな町の噂が入ってきたのだ。

 

ごとべいどう、という医術を使う医者が近くの街にやって来ている、と。

 

これは天の導き、と思い立った私はすぐさま、その医者へと使いを走らせたのだった。

 

そして使者を送って2日後・・・。

 

「はじめましてぇ~ん♪都一の踊り子。人は私を華の妖精、貂蝉、ってよぶわよ~ん!!ただいまピ

ッチピチの●〇歳♪よろしくね、ウフン!(はーと)」

 

――――――――――――フラッ

 

・・・私の意識はそこで切られたのだった。

 

 

「・・・・・・えっ?・・・えっ!?」

 

ぐぐぐ・・・っががが・・・っ

 

むっきーん!ガッキーン!

 

うふーん!ムフーン!

 

医者が連れてこられたという部屋にやってきた私の目に、一刀とはかけ離れた体型をした色黒の

男?が二人で、自らの肉体を限界まで盛り上げている光景と、その傍らで目を塞ぎ、いやいやと髪を振りながら座り込んでいる親友の姿が私の目に飛び込んできた。

 

えっ・・・なにこれ?

 

「もうやだぁ・・・おうちかえるぅ」

 

うわなにこれかわいい

 

・・・じゃなくて!!

 

「ちょ、ちょっとあなた達!私のかわいい冥琳になにを・・・ひぃ!」

 

「ん?なんじゃお主は」

 

雪連が震えて顔を上げない冥琳を見かねて、大声をあげたところ、二人の男達の内の一人、卑弥呼

がポージングを決めながら、雪連の方を振り向いた。

 

上体を捻る、という行動だけで

 

そのために内側から圧迫された彼女?の鍛え上げられ、ダイヤモンドのように硬く、そして引き締

まった筋肉たちが不気味に脈動し集結する。

 

そう、それはまさしく鬼の形相で・・・とういうことはないのであるが、彼女?の容姿と服装と相

まってかなりの不気味さを演出している。

 

「ん?・・・ってあら~ん、ゆk・・・孫策ちゃんじゃな~い!!ひっさしぶりねー!!」

 

今度はなんだ!・・・・・・ってうわーーーーー!!

 

「いやいやいや!初対面だから!!絶対絶対初対面だから!!一度見たらぜーったい忘れないか

ら!!」

 

「あらいやだわん。一度見たら忘れられない程可愛いだなんて・・・罪づくりな お・と・め♪ウフ

ン(はーと)」がっちーん!

 

冥琳に負けない程に髪を振り乱し、地団駄を踏みながら叫ぶ私の目の前に、これまた不気味な筋肉

の脈動を魅せる漢女が一人。

 

「――――――――――――ヒッ」

 

あっダメだ・・・オチル――――――――――――

 

・・・私の意識はそこで切れてしまったのだった。

 

 

俺が目を覚ましたのは結局のところ、その日の夜のことだった。

 

もう会うことがないだろうと思われていた貂蝉との出会いに、不覚にも、少しばかりの安心を覚え

てしまった一刀。

 

だが、そのことにつけこまれ、大事な、この「外史」での、ファーストチッスを奪われてしまいそ

うになったことに戦慄しながら、一刀は貂蝉との会話を思い出すのだった。

 

 

 

それは、俺の意識が回復してすぐのこと

 

貂蝉が、ご主人様に話がある、と言って部屋の中にいた華柁、それと雪連たちを外に追い出したの

だった。

 

二人っきりになった部屋の中でチョウセンは、今までに見たことがないような真剣な顔をして、じ

っと俺のことを見つめた。

 

その顔は嬉しそうに見え、つらそうに見え、または哀しそうに見えた。

 

俺は寝台の上で上半身だけをあげた体勢で一度、ごそっと姿勢を正した。

 

「ねえご主人様?黄巾党の男たちに取り囲まれて、チョメチョメされそうになったときに意識が飛

んじゃったのね?」

 

「そうだけど・・・何か知っているのか?」

 

「う~ん、知っているって言うか~、なんていうか~~・・・」

 

歯切れの悪い貂蝉の言葉に首をかしげながら、俺は言葉の続きを待った。

 

貂蝉は俺の目の前でクネクネと、身体を揺らしつつ悩んでいるようだ。

 

「うぇーい・・・」

 

少しばかり真剣な空気であるのだが、そのオゾマシサに勝てなくなった俺は言葉をかけた。

 

「頼む貂蝉・・・教えてくれ」

 

「・・・解ったわ。本当はあんまり教えたくないことなんだけど、ご主人様には知っておいてもら

ったほうがいいと思うから、ちゃんと教えるわ・・・そのもう一人の「ご主人様」についても」

 

「なっ!!」

 

もう一人の「俺」のことだと・・・!

 

「どういうこt「はい、スト~~ップ」

 

寝台から立ち上がり、貂蝉の方まで詰め寄ろうとした俺を貂蝉が押し止める。

 

「ちゃんと説明するから落ち着いて頂戴、ご主人様」

 

「・・・解った」

 

そういって俺は寝台に再び腰掛けた。

 

そのことを見届けた貂蝉は自分も座るために、はたまたこの話が長くなるためであろうか、机の横

に置かれていた椅子を引っ張ってきて、俺の前に座った。

 

そして自分の膝に肘を置き、さらに手を重ね、若干下を向きながら俺に語り始めた。

 

「ご主人様には言ってなかったけど、実はこの世界、つまりこの「外史」は、自然に発生したいわ

ゆる普通の「外史」じゃないの」

 

「?どういうことだ?」

 

言いづらそうに、顔を少し歪めて言葉を続ける貂蝉。

 

 

 

 

「実はね、この「外史」は・・・私が創ったの」

 

「・・・へぅ?」

 

 

 

貂蝉は今何て言ったんだ?

 

・・・この「外史」は私が創った?

 

ちょ、ちょ待てよっ!!「外史」を創ったって・・・そんなことできるのか!?

 

いや、その前になんでそんなことをする必要があったんだよ!?

 

あわわ!!はわわ!!

 

「ご主人様、落ち着いて落ち着いて・・・大丈夫ね?それじゃあ、話を続けるわよ」

 

混乱する俺をなだめて、目を閉じて大きく息を吐く。

 

「まずはこの「外史」の成り立ちについて説明しましょうか」

 

鼻の下に組んだ手を置き、さらに前のめりになる貂蝉。

 

「成り立ち・・・?「外史」は「正史」の分岐の話じゃないのか?」

 

「そう・・・「外史」とは言わば「正史」の成れの果て。その数は無数に在って、数えることはで

きないほどよ。でもね、その「外史」にもある法則があるの」

 

「法則・・・?」

 

「この世界全般に通用すること。つまりはこの世界に全ては「三国志」がベースとなって成り立っ

ていること、よ。ご主人様」

 

「・・・なんだ?「外史」は「外史」でも、「魏」「呉」「蜀」の三国を元にした「外史」しかな

いってことか?」

 

「そう、その通り。まあ中には、ご主人様が袁家に堕ちてハーレムを築く「外史」や、ご主人様自

信がパラレルワールドから来てもの凄い技とか手腕を持っている「外史」とか、それこそご主人様

が来なかった外史さえも在るわ」

 

なんだよ俺自身がパラレルワールドから来たって・・・

 

「でもそんなことは考えなくてもいいのよ?本来「外史」と「外史」は繋がったりしないのだか

ら。・・・でもね」

 

今まで顔を下に向けていた貂蝉が少し顔を上げ、俺の顔をじっと見つめる。

 

「今回は別なのよ・・・。」

 

「別・・・って言うと?」

 

「確かにご主人様が登場しない外史もある。だから私は考えたの。その「外史」にご主人様を送ろ

うって。そうすればなんの不都合無く、またご主人様がこの世界で物語を綴っていける、そう思っ

たのよ・・・。でも、結果はダメだった・・・」

 

「えっ・・・どうして?」

 

「ご主人様が居ないってことは、その「外史」ではそれが当たり前の事、前提として物語が始まっ

ている訳。だから形がきちんと定まっている所に今のご主人様を送ろうとすると―――」

 

「またその「外史」で俺が消えてしまう・・・か?」

 

「・・・ええ、その通りよ。」

 

「だったら―――」

 

だったら今俺がいるここは何なんだ?

 

「だったら今ご主人様が居る所とは何か・・・。いまから核心部分の話をするわ」

 

 

「私はさっきご主人様に、この「外史」は私が創った、って言ったわね?」

 

「ああ」

 

ゴクリ、と音がなったのは俺の喉だろう。

 

・・・まっ、俺しかいないんだがな

 

確かに言っていたが・・・いったいどういうことなんだ?

 

「ご主人様を他の「外史」に送り込む事は不可能。ならどうすればいいのか・・・私は比喩じゃな

くて、寝る間もなくして考えたわ。そして一つの方法を思いついたの」

 

「それが・・・」

 

「そう・・・「外史」創造するって言う方法よ」

 

でも、それは矛盾していることだ。なぜなら―――

 

「お前・・・お前たちは「観測者」じゃなかったのか?」

 

「ええそうよ」

 

「それじゃあ―――」

 

無論のこと・・・

 

「私達では新しい「外史」なんて創ることは到底不可能よ」

 

「だよなぁ・・・」

 

だったら・・・ここが「核心」・・・か

 

「―――どうやってこの「外史」を?」

 

 

「ねぇご主人様?ご主人様は「外史」の成れの果て、考えたこと、ある?」

 

「・・・いや、ないな」

 

「そうでしょうね・・・」

 

まあそれが当たり前なんだけどね、と哀しそうに加えてつぶやく。

 

「「外史」の終わり・・・そう、それはまるで、サザ○エさんに登場するイササカ先生のスランプ時

の原稿のように―――」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「おい」

 

「やーねぇ、ジョーダンよジョーダン」

 

ちなみにイササカ先生は恋愛小説家なのよ~?、と無駄知識を披露する貂蝉。

 

シリアスな話の最中だったんだが・・・やれやれ。

 

「やーっぱり私たちにはシリアスなんて似合わないわぁ。もっと気軽にいきましょうよ?ね?あ

っ、ちなみにサ○ザエさんには私も出てるんだから、要チェックよ~~?」

 

「アナ○ゴさんだろ・・・」

 

今の時代ならセ○ルだな

 

「よいしょっ、と」

 

貂蝉は掛け声と共に立ち上がり椅子を元の位置に戻し出した・・・って!

 

「おいおい!話はまだ終わってないじゃないか!?」

 

「大丈夫よ。それよりも、ご主人様に渡しとかなきゃならないものがあるの」

 

「渡しとかなきゃならないもの?」

 

うふふ、と笑いながら貂蝉は、ビスケ○ト・オリバ並のスピードで、自分の装着しているピンク色が

ケバケバしいブーメランパンツの中に手を入れる。

 

「何がでるかな♪何がでるかな♪♪ちゃららんらんちゃらららん♪・・・これよ!」

 

と言って貂蝉はそのきかん棒が収納されているダークゾーンから、二つの玉を取り出した。

 

「・・・えっ」

 

「はい、これが私からのプレゼントよ~~~♪」

 

「いやいらな―――」

 

「アーーン♪」

 

「いやだ・・・いやだ!」

 

 

アッーーーーーーーーーーーーーー!

 

 

 

今、俺の手の中には、貂蝉から渡された二つの宝玉が、己の存在を主張するかのように輝いてい

る。

 

あ、別に食べさせられたわけじゃないよ?

 

片方は、暖かく緑色に輝き、もう一方は、鋭く青色に。

 

この中に、他の「外史」を紡いできた「俺」の記憶が入っている・・・らしい。

 

その、前の「外史」から来た恋姫たちに出会うと、自動的にこの玉から記憶が流れ込んでくるらし

い。

 

が、一体どうなってしまうのかは解らない。

 

貂蝉にもそれはどうなるかは解らないらしい。

 

だがよく考えると、本当にこんな事をしてしまっても良いのだろうか、と思ってしまう。

 

なぜなら、これは俺の本当の記憶ではないからだ。

 

その「外史」にに降りた「俺」ではない「俺」の記憶・・・。

 

率直に言うと、これは他人の記憶に当たるわけだ。

 

大切な想い出を偽って、まだ見ぬ彼女たちを騙そうなどと、おこがましいにも程がある、というも

のではないだろうか?

 

と、いう旨を貂蝉に話した所、貂蝉は諭すように語った。

 

「あの子たちも、呉のみんなみたいに、ご主人様のことを愛していたの。どんな海よりも深く、ど

んな炎よりも激しく・・・。言ってしまえば、ご主人様は彼女たちにとって生き甲斐、と言っても

過言じゃなくなっていたのよ。そんな彼女たちに、もしご主人様がまるで他人のような反応をかえ

してみなさい。彼女達は生きる希望をなくし・・・悪くて自ら命を絶ってしまうかもしれないわ」

 

なっ!

 

「そんなバカな!」

 

「いいえ、馬鹿な話なんかじゃないわ。ご主人様、さっきも言ったけど、彼女たちにとってご主人

様は生き甲斐。ご主人様の為なら喜んで自分の命だってなげうっちゃえる。・・・だから、とりあ

えづの予防策としてその宝玉を作ったの、彼女たちの為にね」

 

・・・確かにこれは俺の為ではなく、彼女たちのためのものだ。

 

やれやれ、それにしても驚いたなぁ・・・

 

まさか――――――――――――

 

 

            この「外史」が

                        三つの「外史」の

                                      集合体だなんてな・・・・


 
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