No.198030

孤高の御遣い Brave Fencer北郷伝23

Seigouさん






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2011-01-27 00:48:45 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:38862   閲覧ユーザー数:29969

荊州が呉に渡ってから蜀は呉に使者を送ろうとするが、愛紗の敗戦を皮切りに蜀国内で前太守劉璋を押していた者達が反乱を起こし、桃香達はその鎮圧に忙しくとても使者を送れるような状況ではなかった

 

そんな中、蜀よりも呉の方が先に使者を送ってきたのである

 

冥琳曰く

 

冥琳「この先蜀に何らかの形で意趣返しされるより、早めに事態の収拾を図るほうが良い」

 

ということで、蜀には小蓮、百合、明命の三人が派遣されることになった

 

しかし

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小蓮「あ~~~~~もうっ!!百合さんに頼ったのが間違いだったよ!!」

 

百合「す、すみませ~~~~ん」

 

明命「やっぱりあそこで右に曲がっていればよかったんですね」

 

小蓮「明命も人の事いえないでしょ!猫に釣られて百合さんについて行っちゃったくせに!」

 

明命「あうう~~~~、申し訳ありませんです~~~」

 

百合の方向音痴のせいで小蓮達は完全に山の中で迷子になってしまっていたのだ

 

小蓮「もうお腹空いた~~~~!!ここどこなのよ~~~~~!!!」

 

明命「小蓮様!いけませんそんな大声を出しては!」

 

そう、そんな大声を出してしまうと寄り付いてくるのが

 

「おお!かわいい声がすると思ったら♪」

 

「こんな上玉が3人もいるとはな♪」

 

「姉ちゃん達、俺達といいことしようぜ♪」

 

このような賊達である

 

明命「くっ!?小蓮様!百合さん!逃げてください!」

 

小蓮「・・・・・それは無理っぽいよ」

 

明命「え?」

 

「おっと!こっちは行き止まりだぜ!」

 

小蓮「・・・・・くっ!」

 

小蓮は月華美人を構える

 

「おいおい、そんな物騒なものしまいなよ、おチビちゃん♪」

 

「ここは俺達の仲間50人が囲んでいるんだ、逃げ場はないぜ♪」

 

小蓮「ちょっと!!今おチビとかいったでしょう!!」

 

百合「ううううう~~・・・・・」

 

明命「(どうしましょう、この人数が相手では、二人を守りながらでは戦えません)」

 

明命が魂切を構えどうするか考えていると

 

ズバッ!!ザンッ!!ズバッ!!

 

バタバタバタ!!

 

明命「え!!?」

 

小蓮「な、何!?」

 

百合「ええええ!?」

 

突然の太刀音とともに山賊1、山賊2、山賊3は絶命した

 

「なんだ!?」

 

「なんだてめーは!!」

 

「邪魔すんじゃねーーーー!!」

 

一刀「大声がしたと思って来てみると、周泰さんか」

 

明命「ほ、北郷さん!?」

 

そこには外套を纏い、忠久を抜いた一刀が立っていた

 

「ほ、北郷だって・・・・・」

 

「あ、あの伝説の山賊狩り・・・・・」

 

「冗談じゃねえよ・・・・・」

 

百合「(この人が)」

 

小蓮「・・・・・・・・・・」

 

一刀をよーく観察する小蓮

 

小蓮「(ふ~~~~ん、お姉ちゃん達が惚れちゃったわけ、分かっちゃったかも♪)//////////」

 

一刀「さて、おまえらどうする?ここを囲んでいたお仲間は殆ど斬っちまったけど」

 

「何!?」

 

一刀「もう二度と悪さをしないと誓えるなら、見逃してやろう」

 

「わ、分かりました!」

 

「もう二度としません!」

 

一刀「ならとっとと失せろ!!!」

 

「「「「「は、はいーーーーーーー!!!!」」」」」

 

ピューーーーーーー!!!

 

山賊達は一目散に逃げていった

 

一刀「周泰さん、大丈夫でしたか?」

 

明命「は、はい!危ないところを助けていただいてありがとうございました!」

 

一刀「それはいいけど、何でこんなところにいるの?ここは交州だけど」

 

明命「はうあ!!?交州ですか!!?」

 

小蓮「ちょっと百合さん!!全然違う方向じゃない!!」

 

百合「すみませんすみませんすみません!!」

 

一刀「????」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「・・・・・そうか、道に迷ってしまったのか」

 

明命「はい・・・・・」

 

小蓮「うん・・・・・」

 

百合「・・・・・・・・・・」(しょぼ~~~~~~~ん)

 

近くにあった小川に腰を落ち着け一刀達は話し合っていた

 

一刀「(それにしたって、益州と交州は繋がっているけど、呉から見れば益州は西で交州は南だぞ、どうやったら迷えるんだ?)」

 

太陽を目印に進んでいけば簡単に益州には着けるはずなのに、一刀は不思議でしょうがなかった

 

小蓮「あ!自己紹介がまだだったね、わたしの名前は孫尚香だよ♪」

 

百合「わたくしは、姓が諸葛、名が瑾、字を子喩と申します、以後お見知りおきを」

 

一刀「・・・・・君が孫尚香さんか・・・・・・」

 

あらゆる武将達が女性になっているのになんで孫尚香だけが女性のままなのか、一刀はわけが分からなかった

 

一刀「あと、諸葛瑾さん、妹さんのことは知っています」

 

百合「あら~?朱里をご存知なんですか~?」

 

一刀「ええ、彼女からは真名を預けて貰っていますので」

 

百合「・・・・・・・・・・」

 

一刀を疑いの眼差しで見る百合

 

明命「百合さん、間違いありませんよ、諸葛亮さんは北郷さんに真名を預けています」

 

百合「そうですか~、明命さんが言うのであれば間違いないでしょう~・・・・・北郷君、わたくしの真名は百合です~」

 

一刀「え?いきなり預けちゃっていいんですか?」

 

百合「はい~♪妹が預けているのであれば、あなたは悪い人ではないのでしょうし~♪」

 

小蓮「百合さんが預けるならシャオも~♪」

 

一刀「尚香さんまで!?」

 

小蓮「だってお姉様達が真名を預けてるんだもん、シャオが預けないわけにはいかないじゃん♪わたしのことはシャオって呼んで♪」

 

一刀「・・・・・分かったよ、シャオ、百合さん・・・・・俺のことは一刀って呼んでくれ」

 

小蓮「うん、一刀♪」

 

百合「分かりました~、一刀君~♪」

 

明命「北郷さん、わたくしの真名は明命です」

 

一刀「え?周泰さんも?」

 

明命「はい・・・・・正直遅すぎたくらいです、洛陽で雪蓮様達が預けた時にわたくしも預けるべきでした」

 

一刀「(・・・・・なんだ、この可愛い小動物は)」

 

もじもじしながら真名を預けてきた明命に一刀は少しだけ癒されていた

 

一刀「分かったよ、俺のことは一刀って読んでくれ、明命」

 

明命「はい、一刀さん♪」

 

明命は元気いっぱい名声で返事をした

 

小蓮「・・・・・それにしても一刀、何でさっき山賊達を見逃したの?」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

小蓮「もう二度と悪さをしないって言っていたけど、一度道を踏み外した獣は元の道に戻ることなんてできないんだよ」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

一刀は搾り出すように答える

 

一刀「・・・・・俺はこの先、なるべくなら人を斬らないようにしたいんだ、例えどんな悪党でも」

 

小蓮「でも、それじゃあなんで山賊狩りなんて続けているわけ?」

 

一刀「・・・・・俺は、この手が届く範囲内で困っている人達を助けようと思っているんだ」

 

「・・・・・・・・・・」

 

一刀「もちろん、全ての人を助けようなんて思っちゃいない、そんなことは不可能だって分かっているからな」

 

百合「・・・・・一刀君~、一刀君はなぜそんなに無理をするんですか~?」

 

一刀「え?無理?」

 

百合「はい~、一刀君は本来なら、人を切ることなんて出来ない人の様に思えるんですよ~」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

百合「だから・・・・・そんな無理なことを続けていたら、いつか壊れてしまいますよ~」

 

一刀「・・・・・そうかもしれません、でも俺は目の前で苦しんでいる人達を見て見ぬふりもできないんです」

 

百合「・・・・・一刀君は優しいですね~」

 

一刀「そんなことありません、俺はあらゆる賊から恐れられる存在です・・・・・」

 

百合「確かにそうでしょうけど~、一刀君は他の人達が手を汚すくらいなら自分が率先して汚れようとする人でしょう~」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

百合「それは立派な優しさなんですよ~♪」

 

一刀「・・・・・ありがとうございます、そう言って頂けると救われます」

 

百合「いえいえ~♪」

 

小蓮「ところで一刀、お願いがあるんだけど」

 

一刀「分かっているよ、それじゃあ護衛を兼ねて君達を益州へ案内しよう」

 

小蓮「さっすが一刀♪」

 

明命「よろしくお願いします、一刀さん」

 

百合「方向音痴なわたくしをどうかお許しください~・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、一刀達は益州の成都へたどり着いた

 

小蓮「へ~~~♪ここが成都か~~~♪」

 

百合「かなり賑わっていますね~」

 

明命「お猫様も幸せそうです~♪」

 

成都内は商人達がにぎやかに商いをしており、子供達の笑顔が耐えなかった

 

一刀「(あれは、市役所だな)」

 

町の北西、南西、南東、北東にかなり高い建物が建っている

 

一刀「(区画整理もうまくやっているみたいだし、交通整理もしっかりしているな)」

 

人々が渋滞しないように、大通りはかなり広く確保されている

 

しばらく歩いたところに公園があり、カップルがデートしたり子供達が砂場で遊んでいる

 

一刀「(俺が書いたことを実践してくれているみたいだな、良かった)」

 

百合「朱里も雛里も頑張っているみたいね~♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、4人は成都城へと辿り着いた

 

一刀「・・・・・それじゃあ俺はこの辺で」

 

小蓮「え!?行っちゃうの!?一刀!!」

 

一刀「だって、3人は使者として来たんだろ?部外者の俺が出向いたところで意味ないだろ?」

 

明命「そんなことありません!一刀さんは立派な関係者です!」

 

一刀「・・・・・でもな~」

 

百合「ではせめて、挨拶するだけでもいいのではありませんか~?」

 

一刀「・・・・・分かりました、お供しましょう」

 

よくよく考えれば、狛煉を預けっぱなしだったのだ

 

狛煉を返して貰う為にも桃香とは会わなければならない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雛里「桃香様!呉から使者が来ています!」

 

桃香「え!?呉から!?」

 

白蓮「おいおい、いきなりだな!」

 

紫苑「一体どういう事なのかしら?」

 

焔耶「こっちは内乱鎮圧で忙しいというのに」

 

桔梗「いっそのこと追い返しましょうか?」

 

桃香「そんなことしちゃダメだよ桔梗さん!」

 

桔梗「・・・・・まぁ、こちらから出向くよりも手間が省けるから良しとしましょうか」

 

雛里「朱里ちゃん朱里ちゃん!」

 

朱里「何?雛里ちゃん?」

 

雛里「百合お姉さんが来てるよ!」

 

朱里「はわわ!?姉さんが!?」

 

桃香「え!?朱里ちゃんのお姉さんが!?」

 

雛里「はい、それともっと凄い人が来ているんですよ!」

 

桃香「もっと凄い人?」

 

誰なんだろう?と首を傾げていると

 

雛里「一刀さんです!」

 

桃香「えええええええ!!!???」

 

白蓮「何!!!???」

 

朱里「はわわわわわ!!!???」

 

飛び上がらんばかりに桃香と白蓮と朱里は驚いた

 

焔耶「???」

 

桔梗「???」

 

紫苑「!!?」

 

桃香「なんで!?なんで一刀さんが来ているの!?」

 

雛里「なんでも、途中で偶然会って護衛として付いてきたみたいです」

 

桃香「・・・・・分かったよ!すぐに呼んで!雛里ちゃん!」

 

雛里「御意です!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

百合「はじめまして劉備様、わたくしは諸葛瑾、字は子喩と申す者です~」

 

桃香「はじめまして、朱里ちゃんのお姉さんですね、朱里ちゃんから話しは聞いてますよ」

 

朱里「百合姉さん、お久しぶりです」

 

百合「朱里ちゃん、雛里ちゃんと一緒に頑張っているみたいね~、この街を見ているとあなた達の頑張りが伝わってくるわ~」

 

朱里「いいえ、わたし達の政策だけではここまで早く蜀国内を安定させることはできませんでした」

 

百合「???・・・・・それはどういうことなの~?」

 

朱里「実は、一刀さんから教えて貰った政策を生かして蜀を建国したんです」

 

百合「なるほど~、では後でお話しましょう~、今は謁見の最中ですし~」

 

朱里「はい!」

 

小蓮「シャオは孫尚香、孫伯符と孫仲謀の妹だよ♪」

 

明命「小蓮様!そんな態度をとられては!」

 

桃香「いいのいいの!周泰さん!」

 

明命「しかし・・・・・劉備さん・・・・・」

 

桃香「本当はこっちから使者を出す予定だったんだから、そっちから出向いてきてくれただけでも嬉しいよ」

 

明命「・・・・・お気遣い感謝します劉備さん、わたくしの名は周泰です」

 

桃香「・・・・・それにしても、一刀さんはどこにいるの?」

 

明命「はい、なんでも着ていた服がボロボロになっているから着替えるとのことです」

 

焔耶「なんだと!桃香様を待たせるとは何て不届きな奴だ!」

 

桃香「焔耶ちゃん!ダメだよそんなこと言っちゃ!」

 

焔耶「しかし、桃香様・・・・・」

 

桃香が焔耶を叱っていると

 

雛里「桃香様!一刀さんをお連れしました!/////」

 

桃香「???・・・・・雛里ちゃん、ご苦労様」

 

雛里「いいえ・・・・・はぅぅ////」

 

桃香「???」

 

『なんで雛里ちゃんが赤くなっているんだろう?』、と桃香が思っているとすぐに一刀が入ってきた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桃香「えええええ!!??////////」

 

朱里「はわわわ!!??////////」

 

白蓮「これは//////」

 

焔耶「なななな!!??」

 

桔梗「・・・・ほほう/////」

 

紫苑「・・・・・・・/////」(ポ~~~~~~~~)

 

明命「あうあう/////」

 

小蓮「へ~~~~//////」

 

百合「綺麗///////」

 

聖フランチェスカの制服を着た一刀が入ってきて全員の度肝を抜いたのだった

 

一刀「桃香、元気にしていたか?」

 

桃香「う、うん!わたしは元気だったよ!//////」

 

一刀「そうか、よかった」

 

桃香「・・・・・そうだ一刀さん!荊州では愛紗ちゃんを助けてくれてありがとう!本当に一刀さんには感謝してもし足りないよ!!///////」

 

一刀「俺も愛紗の事は助けたかったからな、気にしなくていいよ」

 

桃香「あうう~~~~////////////////」

 

桃香は耳まで真っ赤になってしまった

 

朱里「一刀さん!お久しぶりです!」

 

一刀「朱里、久しぶりだな、街を見てきたけど俺が教えた政策を生かしてくれているみたいだね、嬉しいよ」

 

朱里「は、はい!一刀さんのおかげで蜀はここまで安定しました」

 

一刀「俺は何もしていないよ、朱里達が頑張ったからだろ」

 

朱里「そんなことありません!後でぜひお礼をさせてください!」

 

一刀「・・・・・そこまで言うなら、後でな」

 

朱里「はい♪」

 

白蓮「一刀!久しぶりだな!」

 

一刀「白蓮、元気にしていたか?」

 

白蓮「おかげさまで息災さ、今は蜀国内を駆けずり回っているよ」

 

一刀「そうか・・・・・元気そうで何よりだ」

 

桃香「あの~、一刀さん」

 

一刀「なんだい?桃香?」

 

桃香「一刀さんが着ている服って何で出来ているの?なんだかキラキラしているけど」

 

一刀「これは前に俺が生活していたところで着ていた服だよ」

 

桃香「前にって・・・・・もしかして!?」

 

朱里「はわわ!?天の世界の服ですか!?」

 

一刀「・・・・・前にも言ったけど、俺は天の御遣いとかそんな大層な者じゃないって」

 

紫苑「(天の御遣い)」

 

紫苑も元荊州太守を務めていただけあって、天の御遣いの情報は持っていたようだ

 

一刀「それにしても、愛紗と鈴々と星はどうしたんだ?」

 

朱里「愛紗さん達は、現在蜀国内の内乱鎮圧に向かっていますので帰ってくるまでにはしばらくかかるかと」

 

一刀「それは拙いんじゃないか?呉の使者が来ているのに国の主な将全員が揃っていないなんて」

 

桃香「うん、そう思うんだけどこればっかりは・・・・・・」

 

一刀「なら愛紗達が戻ってくるまで少しだけ待ってみないか?」

 

桃香「でも、皆さんを待たせるわけには・・・・・」

 

一刀「でも、このまま愛紗達のいないまま勝手に話を進めたら、それこそ後々拙いことにならないか?」

 

百合「確かに~、主な将の了解を得なければ最悪呉と蜀の関係はより悪化してしまうでしょうね~」

 

小蓮「わたし達は構わないよ♪」

 

明命「はい!押し掛けたのはわたくし達ですし!」

 

桃香「・・・・・それじゃあ皆さんには少しだけ待っていて貰おうかな」

 

紫苑「それでは私も自己紹介をさせていただきますね、わたくしは黄忠、字は漢升です」

 

桔梗「我が名は厳顔、劉備様に仕える喧嘩士よ」

 

焔耶「・・・・・・・・・・」

 

桔梗「これ焔耶!名乗らんか!」

 

焔耶「は、はい桔梗様・・・・・わたしの名は魏延だ」

 

一刀「自分は、北郷一刀と申します・・・・・(この人達がか)」

 

黄忠、厳顔、魏延といえば蜀で大活躍した武将達である

 

その中でも特に黄忠

 

現代中国では『老いてますます盛んな老黄忠』という諺があるくらい有名な五虎将の一人である

 

紫苑「北郷さん~~~~♪」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

一刀「え?いっ!!!??」

 

紫苑の後ろに聳え立つ黒いオーラに一刀はビビる

 

紫苑「今何か失礼なことを考えませんでしたか~~~♪」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

一刀「????・・・・・な、なにがですか!!??」

 

紫苑「・・・・・いえいえ♪なんでもありません♪失礼しました♪」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

どうやらこの人の前で年のことに触れるのはNGのようである

 

しかし、この三人も女性である

 

一刀「(ほんとにこの世界はどうなっているんだ?)」

 

もう慣れたとはいえ、史実とのギャップがここまできついとなんともやりきれない気持ちになってくる

 

桃香「それじゃあ愛紗ちゃん達が帰ってくるまで、客間で「お待ちください!桃香様!」・・・・・焔耶ちゃん?」

 

焔耶「北郷一刀!!」

 

一刀「なんだ?魏延?」

 

焔耶「これからわたしと試合え!」

 

桃香「焔耶ちゃん!!?」

 

朱里「はわわ!!?」

 

雛里「あわわ!!?」

 

白蓮「おいおい!?」

 

一刀「・・・・・いきなりどうしたんだ?」

 

焔耶「どうしたもこうしたも無い!噂の山賊狩りの実力を測ってみたいだけだ!」

 

本当は一刀のことが気に入らないだけなんだが

 

桃香「焔耶ちゃん!!止めといた方がいいって!!」

 

朱里「その通りです!!一刀さんは愛紗さんと鈴々ちゃんと星さんを同時に相手にできるくらい強いんですよ!!」

 

焔耶「ふんっ!どうせその時は愛紗達が知り合いという理由で手心を加えていたに違いない!」

 

桃香「そんなことないって!愛紗ちゃん達は「分かった!」・・・・・一刀さん!?」

 

一刀「俺は構わないよ、どうせ愛紗達が帰ってくるまでは暇なんだし」

 

桃香「・・・・・でも」

 

焔耶「よし!なら闘技場に行くぞ!」

 

そして焔耶と一刀は闘技場へ向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桔梗「すみませんな桃香様、焔耶の奴はこういった席でも喧嘩癖が出てしまうようで」

 

紫苑「でも、正直わたしもかなり興味がありますわ、桔梗もそうでしょう」

 

桔梗「・・・・・それはそうだが」

 

小蓮「シャオも興味ある♪呉の誇る将達が全員で掛かっても討ち取れなかったって聞いているし♪」

 

百合「それでは、わたくし達も行きましょうか」

 

明命「はい♪」

 

雛里「では、闘技場に案内いたしますね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして闘技場

 

焔耶「それじゃあだれか審判をしてくれ!」

 

桔梗「それでは、ワシがしてやろう」

 

一刀「よろしくお願いします」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワイワイガヤガヤ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつの間にか闘技場には噂を聞きつけた者達で賑わっていた

 

???「ねえねえお母さん、あの人だーれ?」

 

紫苑「あの人はね、北郷一刀さんって言うのよ、璃々」

 

璃々「へ~~~~、あの人が山賊狩りさんなんだ~~~~」

 

一刀「なんだか騒がしくなってきましたね」

 

桔梗「真にすまないな北郷殿、このようなことに付き合わせてしまって」

 

一刀「気にしないで下さい」

 

桃香「一刀さん!あんまり本気を出さないでね!」

 

一刀「分かってるよ、これは死合いじゃなくて試合だからね」

 

焔耶「桃香様!わたくしはこのような奴には負けません!」

 

桃香「焔耶ちゃんが弱いんじゃなくて、一刀さんが強すぎるんだよ!」

 

焔耶「桃香様ぁ~~~~・・・・・」

 

一刀「それじゃあ、そろそろ始めようか」

 

シュキン!

 

焔耶「はっ!なんだその細い剣は!わたしを舐めているのか!」

 

一刀「舐めているも何も、俺は今までずっとこの刀で戦ってきたんだけどな」

 

焔耶「ふんっ!そんなものわたしの鈍砕骨で文字通り粉砕してくれるわ!」

 

焔耶はどこから取り出したのか、金棒鈍砕骨を構える

 

桔梗「それでは・・・・・開始!!」

 

焔耶「はああああああああああああああ!!!」

 

開始早々、焔耶は鈍砕骨を一刀に向かって振り下ろした

 

一刀「ふっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シィ~~~~~~~~~~~~~~~ン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

闘技場は静寂に包まれる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

刹那の瞬間だった

 

一刀の忠久は焔耶の鈍砕骨を斜め45度に両断し、焔耶の喉元ギリギリの所でその刃を止めていた

 

鈍砕骨の先は一刀の後ろに転がっていた

 

小蓮「・・・・・あっという間・・・・・」

 

桔梗「し、勝者、北郷一刀!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シィ~~~~~~~~~~~ン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桔梗が勝利者を宣言しても闘技場は静かだった

 

それはそうだろう、あれほど太い鉄の金棒があれほど綺麗に両断される光景など闘技場の人間全てが始めて見たのだから

 

そして、一刀は忠久を焔耶の首からさげた

 

焔耶「き・・・・・貴様!汚いぞ!」

 

一刀「は?」

 

焔耶「わたしの鈍砕骨をいとも簡単に切るなど、どんな妖術を使ったのだ!」

 

一刀「そんなもん使っちゃいないさ、これは純粋な切れ味と強度の差だよ」

 

焔耶「嘘をつけ!こんなことはありえん!」

 

桔梗「焔耶、それくらいにしておけ」

 

焔耶「しかし、桔梗様!」

 

桔梗「武人なら武人らしく、こういった時くらい潔くするものじゃ!!!」

 

焔耶「・・・・・はい」

 

桔梗に言われては流石の焔耶も引き下がるしかなかった

 

桔梗「ところで北郷殿、今度はワシと試合ってはくれまいか?あんなものを見せ付けられてしまったらワシも喧嘩魂に火がついてしまったわい♪」

 

一刀「いいですよ」

 

桔梗「では焔耶、今度はお主が審判をするのじゃ」

 

焔耶「桔梗様!わたくしの仇をとってください!」

 

桔梗「仇も何も、おぬしは死んでおらんだろうが!」

 

焔耶「いや、そういう意味ではなく・・・・・」

 

桔梗「すまないな北郷殿」

 

一刀「お気になさらずに」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桃香「今度は桔梗さんか・・・・・朱里ちゃん」

 

朱里「ええ、兵士さん達に皆さんを下がらせるように指示しておきましたので」

 

桃香「そっか」

 

闘技場の観客?が後ろに下がった

 

そして

 

焔耶「両者構え!」

 

桔梗「では・・・・・どっこいしょっと」

 

一体どこから取り出したのか、桔梗は豪天砲を出した

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

桔梗「?・・・・・どうしたのだ?北郷殿?」

 

一刀「(なんだこりゃ!?リボルバーにシリンダーだって!?)」

 

完全に時代背景を無視した武器が出てきたことに一刀は唖然としていた

 

この武器を大量生産すれば簡単に天下が取れるんじゃないか?と、思えるくらい一刀にとってはショッキングなことだった

 

一刀「(・・・・・まいっか、俺の日本刀だってこの時代からすればかなりのオーバーテクノロジーなんだし)」

 

技術的なことについてはもはや諦めた一刀であった

 

一刀「・・・・・なんでもありませんよ」

 

桔梗「??・・・・・まぁいいわい・・・・・我が豪天砲の一撃、とくと味わうがいい!」

 

焔耶「では!・・・・・開始!」

 

桔梗「うおおおおおおおおおおおおお!!!」

 

ドンドンドンドン!!!

 

桔梗はどしょっぱつから豪天砲を乱射する

 

一刀「しっ!はっ!ふっ!」

 

ドゴーーーーーーーーーーン!!ドカーーーーーーーーーーーン!!バコーーーーーーーーーーーン!!

 

流石にこれを直撃すればいくら一刀でもただではすまない

 

一刀は全身に氣を纏い弾をかわしていく

 

桔梗「ほほう、お主は氣の使い手か!相当俊敏だな!」

 

一刀「お褒めに預かり光栄ですよ!」

 

桔梗「そらそらもっといくぞ!!」

 

ドンドンドンドンドン!!!!

 

一刀「くっ!ちっ!ぬっ!」

 

これだけ乱射されればいくら一刀でもかわしきれない

 

一刀「くそっ!はっ!しっ!」

 

ザンッ!ズバッ!

 

桔梗「な、なんと!?」

 

一刀は豪天砲の弾を忠久で両断した

 

ガコーーーーーーン!!ドガーーーーーーーン!!バカーーーーーーーーン!!ズドーーーーーーーン!!

 

真っ二つになった弾が客席を守る壁にぶち当たる

 

焔耶「・・・・・桔梗様の豪天砲の弾を・・・・・」

 

桃香「・・・・・凄い」

 

朱里「・・・・・信じられません」

 

雛里「あわわわ・・・・・」

 

紫苑「・・・・・まさかここまでとは」

 

璃々「お兄ちゃんすごいすご~~~~い♪」

 

小蓮「なるほどね~~、内の将達が敵わない訳だ」

 

百合「はぁ~~~~~~~・・・・・」

 

明命「あうう~~~、わたくしもまだまだ修行不足です~~~・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桔梗「まさか、あの弾を切られるとは、その剣一体何でできているのだ?」

 

一刀「そんなことはどうでもいいでしょう?」

 

桔梗「確かにどうでもいいことじゃな♪今はこの瞬間を楽しむとしよう♪・・・・・うおりゃああああああああああああ♪♪♪」

 

ドンドンドンドン!!!!

 

一刀「はああああああああああ!!!」

 

ズバッ!!ザンッ!!ザンッ!!ズバッ!!

 

一刀は次々と豪天砲の弾を両断していく

 

桔梗「おおおおおりゃあああああああああ!!!」

 

ドンドンドンドン!!!!

 

弾こめを一瞬でやり終えた桔梗が再び乱射していく

 

一刀「はあっ!!くあっ!!」

 

ズバーーーーーーーン!!!ドバーーーーーーーーン!!

 

桔梗「うおおおおおおおおおお!!??」

 

焔耶「わああああああああああ!!??」

 

豪天砲の弾と一刀の氣の斬撃がぶつかり合い、闘技場に砂埃が舞う

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

砂埃が晴れてきて一同が見たものは

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

桔梗「・・・・・・・・・・」

 

間合いを詰めた一刀が桔梗の喉元に忠久の切っ先を突きつけた姿だった

 

焔耶「・・・・・・・・・・」

 

桔梗「・・・・・これ焔耶!」

 

焔耶「・・・・・はっ・・・・・勝者!北郷一刀!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今度は闘技場全体が歓声に包まれた

 

 

 

 

 

桔梗「それにしても、噂以上の腕前ですな」

 

一刀「それほどでもないですよ」

 

桃香「一刀さん!やっぱり凄いです!焔耶ちゃんと桔梗さんを倒しちゃうなんて!」

 

一刀「・・・・・ありがと」

 

桃香「一刀さん、やっぱりこの国に残りませんか?」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

桃香「前に一刀さんは、わたし達の力にはなれないといっていましたけど、絶対そんなことはありません!」

 

一刀「・・・・・桃香・・・・・すまない・・・・・前にも言ったように、俺は一つの国に居座るようなことはしない」

 

桃香「・・・・・そうですか」

 

焔耶「・・・・・・・・・・」

 

どんな反応をすればいいのか迷う焔耶であった

 

桃香の誘いを断った一刀を怒ればいいのか、ここに残らないことを喜ぶべきなのか

 

それとも桃香と一緒に勧誘するべきなのかと

 

これほどの武を持つ一刀が蜀に就いてくれれば、物凄く心強いことであろう

 

しかし、それと同時に思ってしまう

 

これほど強い者が入ってしまえば自分の活躍の場を取られ、桃香は自分に振り向いてくれなくなるのではないか

 

桃香の今迄の反応を見ればわかる、桃香はこの男にかなり入れ込んでいることに

 

焔耶「・・・・・・・・・・」

 

自分の中で複雑な思考や感情が入り乱れ、焔耶はさらに一刀に対して苛立ちを募らせていったのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから一同は愛紗達の帰りを待った

 

もともと益州の民達の心は劉璋から桃香に移っていたので、反旗を翻した者達はろくな抵抗もできないままに愛紗、鈴々、星に滅多打ちにされ一日も待たずして愛紗達は成都へ帰還してきたのだった

 

愛紗「か、一刀様!!!?」

 

鈴々「にゃにゃ!!?お兄ちゃんなのだ!!」

 

星「一刀殿!!?」

 

一刀「やあ、三人とも久しぶり」

 

愛紗「どうして一刀様がここに!?」

 

一刀「それなんだけどな―――――――という訳なんだよ」

 

星「なるほど、呉の使者と偶然出会って、こちらに来たと」

 

一刀「そうだ」

 

朱里「皆さん、こちらはわたくしの姉、諸葛瑾です」

 

百合「わたくしは諸葛瑾、字は子喩、朱里の姉です~、以後お見知りおきを~」

 

小蓮「シャオは孫尚香だよ♪」

 

明命「わたくしの名は周泰です、皆さんお久しぶりです」

 

鈴々「鈴々は張飛なのだ!」

 

星「趙雲にございます」

 

愛紗「・・・・・・・・・・」

 

桃香「愛紗ちゃん、気持ちは分かるけど、挨拶はしておこうよ・・・・・」

 

愛紗の気持ちが痛いほどわかる桃香は複雑な気持ちだったが、それでも愛紗の背中を押した

 

愛紗「・・・・・はい・・・・・関雲長だ」

 

百合「あなたが関羽さんですね~、荊州ではとんだご無礼をお許しください~」

 

愛紗「・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後蜀陣営と呉陣営は荊州の事についての交渉に移って行く

 

しかし

 

愛紗「そのようなことが認められるか!!!」

 

焔耶「そうだ!!!宣戦布告もなしにいきなり荊州に攻め込んできたくせに!!!」

 

桔梗「今すぐ荊州全土を蜀に返還して貰おう!!!」

 

明命「それはできません!!」

 

小蓮「そうだよ!!!そんなことしたらわたし達だって困るんだから!!!」

 

百合「わたくし達呉も荊州を手に入れるために様々な物を費やしてしまいましたからね~、そのかわりに荊州の統治権を委託して頂ければ、呉の造船技術を皆さんに提供していいと孫策様から言われています~、そちらにも都合は良いはずです~」

 

愛紗「ふざけるな!!!」

 

焔耶「だいたい蜀は海にも面していないし、長江のような大きな川があるわけでもない!!!そんなものを貰っても役にはたたん!!!」

 

桔梗「そうだ!!!荊州からの収入に比べれば微々たるものだ!!!割に合わん!!!」

 

桃香「わ、わたしは・・・・・それでもいいかな~~~て・・・・・」

 

愛紗「桃香様は黙っていてください!!!!」

 

桃香「あうう~~~・・・・・はい・・・・・」

 

このように、それぞれの立場があるせいで、交渉は平行線を辿る一方でまったく前に進まなかった

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

もともと部外者である一刀は話がややこしくならないように部屋の隅で蜀と呉の交渉を黙って見守っていたが、流石にじれったくなってきた

 

一刀「・・・・・よし!分かった!」

 

桃香「一刀さん?」

 

百合「どうしたんですか~?一刀君~?」

 

一刀「要するに、桃香達は荊州を取り戻したくて、シャオ達は荊州を保持し続けたいわけだな」

 

焔耶「何を言っているのだ貴様!そんなことは手当たり前だろう!」

 

桃香「待って!焔耶ちゃん!・・・・・一刀さん、なにか思いついたんですか?なら教えてください!」

 

百合「この際どんな打開策でも他の人から聞くのもいいかもしれませんね~」

 

一刀「うん、この際荊州は置いといて、桃香達は荊州に代わる他の地を獲得すればいいんじゃないか?」

 

桃香「他の地っていうと・・・・・」

 

一刀「例えば、南蛮とか」

 

朱里「はわわ!?なぜ一刀さんがそのことを知っているのですか!?」

 

雛里「あわわ!?南蛮については蜀を挙げて情報を他国に洩らさないようにしていたのに!?」

 

蜀の南方の村や城が南蛮大王孟獲とその軍によって頻繁に襲われ被害が拡大していることが以前から問題になっていたが、蜀国内の平定に追われそれどころではなかったのである

 

朱里と雛里は、これを利用され魏と呉に攻められることを防ぐために南蛮については徹底的に情報封鎖を行っていたのである

 

一刀「まぁ、完全に情報を洩らさないようにするっていうのは不可能だって事さ」

 

朱里「・・・・・・・・・・」

 

雛里「・・・・・・・・・・」

 

本当は、三国志演義を読んで南蛮の孟獲のことを知っていただけなんだが、一刀はそんなことは言えなかった

 

一刀「それと、その南蛮遠征には俺も協力しよう」

 

愛紗「そんな!!一刀様にそこまでしてもらうわけにはいきません!!」

 

星「そうですとも!!愛紗を助けていただいたうえに、一刀殿の手を借りたとあっては蜀の面目は丸つぶれです!!」

 

一刀「それなら大丈夫さ、南蛮遠征では俺の名前については一切出さないようにすれば」

 

愛紗「そういう問題ではありません!!」

 

一刀「じゃあどうするんだ?このまま果ての見えない議論を重ねても時間の無駄にしかならないと思うけど」

 

愛紗「・・・・・それはそうですが」

 

一刀「じゃ決定だ、今すぐにでも南蛮を平定して荊州の汚名をチャラにすればこの問題は解決だ・・・・・南蛮へは水を十分に持っていくこと、あっちの水はこっちの人の体には良くないからな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして南蛮

 

 

 

 

桃香達は、兵3万と共に成都を出発する

 

この討伐に乗り出すは、一刀、桃香、愛紗、鈴々、星、朱里そして明命の6人である

 

なぜ明命が同席しているのかと言うと、蜀にまで案内してくれた一刀に恩返しがしたいという個人的な理由からである

 

焔耶「わたくしも桃香様と共に参ります~~!!」

 

と、焔耶が駄々をこねたが

 

桔梗「ええい!!我が儘を言うな!!お主まで行ってしまったら誰がここを守るんだ!!」

 

桔梗に一蹴されしぶしぶ引き下がった

 

そして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「我は名は南蛮王孟獲なのにゃ~~~!!ミケ、トラ、シャム、やつらに痛い目を見せてやるのにゃ~~~~~!!」

 

???「「「はい!大王しゃま!」」」

 

???「皆の衆、蜀の奴らを出迎えてやるのにゃ~~~~!!」

 

南蛮兵達「にゃ~にゃ~にゃ~にゃ~ にゃ~にゃ~にゃ~にゃ~にゃ~にゃ~にゃ~にゃ~にゃ~にゃ~にゃ~にゃ~にゃ~にゃ~にゃ~にゃ~にゃ~にゃ~にゃ~にゃ~にゃ~にゃ~にゃ~にゃ~にゃ~にゃ~にゃ~にゃ~!!!!!」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

桃香「あは♪かわいい兵隊さん達だね♪」

 

愛紗「はぁ~~~~~~~~//////////」

 

星「むぅ・・・・・これではまるで我らが悪役ではないか」

 

明命「はうあう~~~~♪お猫様がいっぱいですぅ~~~~♪//////////」

 

朱里「まさか、孟獲自ら出向いてきてくれるとは・・・・・」

 

密林からは、とても兵隊とは思えない可愛い猫耳と尻尾を装備した少女達がわんさか出てきた

 

一刀「(・・・・・何だあの武器は・・・・・猫パンチ?猫スタンプ?)」

 

それにも唖然としていた一刀だったが、それ以上に気になっていたのが孟獲の装備している有り得ない武器だった

 

鈴々「にゃははは~♪孟獲可愛いのだ~♪」

 

そう言いながら、鈴々はみいの顎を撫でてあげた

 

みい「ゴロゴロゴロゴロ♪・・・・・って何するにゃ~~~!!!」

 

明命「もふもふさせてください~~~~~♪」

 

もふもふもふもふ

 

みい「ふにゃ~~~~~~♪・・・・・って止めるにゃ~~~~~~!!!」

 

星「そういうな♪別に減るものでもなかろう♪こうやって肉球を♪」

 

ぷにぷにぷにぷに

 

みい「にゅふ~~~~~♪気持ちいいにゃ~~~~~♪・・・・・って、いい加減にするにゃ~~~~!!!ミケ、トラ、シャム、奴らをやっつけるのにゃ~~!!!」

 

ミケ「はい!南蛮王孟獲様!」

 

トラ「しばいてやるぞ~~~!!」

 

シャム「・・・・・お~~~~」

 

愛紗「あ、あの一刀様・・・・・/////////」

 

明命「え、え~~~と・・・・・一刀さん・・・・・////////」

 

一刀「分かってる、愛紗と明命は下がってて」

 

愛紗「申し訳ありません・・・・・////////」

 

明命「お役に立てなくて申し訳ありませ~~~ん・・・・・/////////」

 

南蛮ニャンダフルズの愛らしい姿に悩殺されてしまった愛紗と明命は戦闘から離脱していった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、戦いは始まる

 

一刀の進言により事前に用意された水によって兵士達は士気を維持し続ける

 

南蛮兵達「「「「「にゃ~~~~~~~~~~~!!!!!」」」」」

 

この可愛い掛け声とともに南蛮の猫耳戦士達は突撃を開始するが

 

一刀「ほいほいほいほい」

 

ゴカゴカゴカゴカゴカゴカゴカゴカ!!

 

南蛮兵1「あだっ!!」

 

南蛮兵2「痛いにゃ~~~~!!」

 

南蛮兵3「にゃうん!!!良い子にしますにゃ~~~~~・・・・・」

 

一刀は、悉くニャンダフル達に拳骨を落とし大人しくさせていく

 

流石にこんな可愛い子達に刀を向けるわけにもいかないので、一刀は無刀術だけで相手をしていった

 

朱里「そこには深い沼があります!!迂回して孟獲を包囲してください!!」

 

みい「にゃ~~~~~~!!!どうなってるにゃ~~~~~!!!?なんであいつらこんなに早く移動できるのにゃ~~~~~!!!?」

 

朱里も南蛮という慣れない環境に策を立て難く苦戦するだろうと予想していたが、事前に一刀から南蛮という地の環境の情報を入手していたことが功を奏し、ジャングルの中でも戦いは蜀が一方的に優勢に進めていく

 

一刀「・・・・・ほいっ」

 

ドカーーーン!

 

みい「みにゃ~~~~~~~~~!!!!」

 

一刀は、氣弾をみいに投げつけ、吹っ飛ばした

 

蜀の武将達(愛紗と明命を除く)と一刀の活躍でたいした被害もなく南蛮軍を破り南蛮王孟獲を捕獲する事に成功する

 

しかし

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みい「おまえら卑怯なのにゃ~~~~!!!正々堂々と勝負するのにゃ~~~~!!!」

 

負けを認めないみい

 

星「桃香様、あまり時間を掛けてもしょうがありません、孟獲は処理するしか・・・・・」

 

桃香「そんなのダメだよ星ちゃん!ねえ朱里ちゃん!何とかならないの!?」

 

朱里「う~~~~~ん・・・・・では♪もう一度孟獲さんと勝負してみてはどうでしょう♪」

 

桃香「え?」

 

朱里「つまり、孟獲さんが納得するまで戦ってあげるということです♪」

 

桃香「よし♪分かったよ♪」

 

そう言って桃香はみいの縄を解く

 

星「桃香様!?」

 

桃香「孟獲ちゃん、もう一度やってあげるからその時はわたし達を認めてくれるかな?」

 

みい「分かったにゃ!次こそはけちょんけちょんにしてやるにゃ!」

 

と、結局孟獲は解き放たれその後幾度も蜀に対し戦いを挑む

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この遠征には時間がかかると思われたが、孟獲は

 

みい「にゃ~~~!!落とし穴にゃ~~~~!!」

 

落とし穴に引っかかり

 

みい「ふぎゃっ!!?」

 

鳥用のザルに引っかかり

 

みい「にゃにゃ!!?何が書いてあるにゃ!!?////////」

 

偽ラブレターに引っかかり

 

みい「みにゃ~~~~~~!!?」

 

釣り上げロープに引っかかり

 

みい「にゃ~~~~~~!!また落とし穴にゃ~~~~!!もういやにゃ~~~~~!!」

 

またまた落とし穴に引っかかり、結局六度捕まり六度解放された

 

そしてついに七度捕まり、解き放たれた時

 

みい「もう止めるにゃ~~~」

 

桃香「本当!孟獲ちゃん!」

 

みい「もう蜀には逆らわないにゃ~~~」

 

桃香「それじゃあ、仲直りの証としてわたしの真名を預けるね、わたしは劉備、字は玄徳、真名は桃香だよ♪」

 

みい「みいはみいなのにゃ♪よろしくなのにゃ、桃香♪」

 

その後みいは、ミケ、トラ、シャム率いて成都へ赴き、将達と真名を預けあっていった

 

こうして南蛮遠征は一刀の助力もあってか、10日もかからず終わったのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

星「それにしても朱里、どうしてあんなことをしたのだ?一回捕まえた時に断罪でもすれば良かったろうに」

 

明命「断罪については、賛成いたしかねますけど・・・・・趙雲さんの言うことも尤もだと思います」

 

朱里「それはですね・・・・・分かる人は手を上げてください♪」

 

愛紗「はい」

 

朱里「はい♪愛紗さん♪」

 

愛紗「桃香様は一刀様と同じで、無用な戦を好まない、朱里は桃香様のご意思を尊重したのだろう」

 

朱里「いいえ、それは違います・・・・・最終的には、みいさんを納得させることは出来ましたが、それでも武力を使ったことに変わりはありません・・・・・はい♪分かる人♪」

 

星「・・・・・・・・・・」

 

愛紗「う~~~~~ん・・・・・」

 

鈴々「分からないのだ~~~~・・・・」

 

三人が頭を捻っている中で

 

一刀「・・・・・はい」

 

おもむろに一刀がと手を上げた

 

朱里「はい♪一刀さん♪」

 

一刀「理由としては二つある・・・・・まず一つは、みいに恩を売るため」

 

朱里「その通りです♪・・・・・もう一つは?」

 

一刀「もう一つは、成都からだとみいの国は距離があり過ぎる、実際に反乱が起きてしまった場合そこに到着するまでに時間がかかり過ぎてしまう、それはつまり、上手い具合に行き来できる交通手段が存在しないんだ」

 

朱里「・・・・・・・・・・」

 

一刀「だから、へたにみいを殺して南蛮に報復する理由を与えるより、恩を売って帰順させたほうが遥かに効率がいい・・・・・こんなところかな?」

 

朱里「はわわ・・・・・凄いです一刀さん♪大正解です♪」

 

愛紗「は~~~~~・・・・・」

 

星「見事な推理ですなぁ、一刀殿」

 

鈴々「凄いのだ♪お兄ちゃん♪」

 

一刀「・・・・・ありがと」

 

本当は、これが中国がベトナムに侵攻した最初の歴史だということを知っていただけなのだが、一刀は余計なことは言わないでおいた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

成都城内廊下

 

 

 

 

 

 

桃香「朱里ちゃん、紫苑さん、いつもお仕事手伝ってくれてありがとうね♪」

 

朱里「いいえ、これくらいのことは何でもありません」

 

紫苑「そうですとも、桃香様の補佐をするのが我々臣下の勤めですから」

 

桃香と朱里と紫苑は仕事がひと段落したので、休憩をとるために食堂へ足を運んでいた

 

桃香「それにしても朱里ちゃん、最近の蜀の国内事情はどう?」

 

朱里「はい、南蛮を併合したことも原因なんでしょうけど、今までよりもさらに安定しています」

 

紫苑「荊州を呉に奪われて税収が落ちると思っていましたが、今では荊州とこの益州から得ていた税収の平均を上回りました」

 

朱里「それもこれも一刀さんのおかげなんでしょうね」

 

桃香「これからどうやって一刀さんに恩を返していけばいいんだろう?わたし達が一刀さんから受けた恩って、もうちょっとやそっとじゃ返しきれないんじゃないかな?」

 

朱里「黄巾党の時と、洛陽の時と、愛紗さんと、南蛮と・・・・・細かいところをあげていけばきりがありません」

 

紫苑「しかし、彼は恩を返したいと言われればきっと断るでしょうね」

 

桃香「そうなんだよね・・・・・はぁ・・・・・どうして一刀さんってあんなに欲がないんだろう」

 

朱里「ええ、本当に損な性格です」

 

紫苑「あそこまでいくと、逆に清清しいくらいですわね」

 

三人はそれぞれが一刀の評価をしていたが最終的には同じだった

 

確かに、誰かのために何かをしたいと思うこと、微笑むことで相手が微笑んでくれればいいと思うことは素晴らしいことである

 

無償の行為は美しく善意は人の心を育む、見返りを求めない行為は人として尊ぶべきことだ

 

しかし、それを維持し続ければどうなる

 

その先に待っているのは・・・・・

 

ガキーーーーーーーーーーン!!!

 

桃香「え!?なに!?今の音!?」

 

朱里「闘技場の方からしましたよ!!」

 

紫苑「まさか!また焔耶ちゃんが北郷さんに!」

 

桃香「大変!」

 

三人は食事の事も忘れて闘技場の方へと走り出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桃香「・・・・・これは」

 

朱里「はわわ!?」

 

紫苑「・・・・・取り越し苦労だったみたいね」

 

三人が闘技場で見た光景は

 

鈴々「にゃ~~~~~!!」

 

一刀「・・・・・ふっ!」

 

ガキーーーーーーン!!バチーーーーーーン!!カアーーーーーーーン!!

 

鍛錬をしている一刀と鈴々、そしてその他の武官達だった

 

愛紗「鈴々!そろそろ変わったらどうだ!?」

 

星「そうだぞ!独り占めは良くないぞ!」

 

明命「わたくしも一刀さんと稽古したいです!」

 

鈴々「にゃっにゃっにゃっ!!こればっかりは、はぁっ!!譲れないのだ!!」

 

キイン!!カアーーーーーーーン!!!ガチーーーーーーーン!!

 

一刀「おお!強い強い!この前よりも格段に強くなっているな鈴々!」

 

鈴々「えへへ~~~♪鈴々あのときからいっぱい鍛錬したのだ♪」

 

一刀「そうか・・・・・でも!」

 

鈴々「にゃっ!!?」

 

ガキーーーーーーーーーーーーーーン!!

 

一瞬で間合いを詰めた一刀が鈴々の手から蛇矛を弾いた

 

一刀「ちょっと足りないな」

 

鈴々「にゃ~~~~、負けちゃったのだ~~~・・・・・」

 

桔梗「おお!速い速い!ワシの豪天砲の弾をかわせるわけだ」

 

焔耶「・・・・・・・・・・」

 

星「では、次はわたしの番だな、よろしくお願いいたしますぞ、一刀殿」

 

一刀「よし、来い!」

 

星「はあああああああああああああああ!!!」

 

ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン!!!!!

 

星は目にも止まらない連撃突きを一刀に放つ

 

一刀「ふっ!しっ!」

 

しかし一刀は、それを紙一重でかわしていく

 

雛里「あわわ・・・・・全然見えましぇん・・・・・」

 

白蓮「どっちも化け物だ・・・・・」

 

一刀「星もかなり速くなっているな!」

 

星「それを余裕でかわしている一刀殿は、まさに豪傑ですな!」

 

二人は稽古しながら笑いあっていた

 

 

 

 

 

 

 

 

桃香「わたし達もま~~~ぜて♪」

 

雛里「あ!桃香様!」

 

白蓮「桃香?おまえ仕事はどうしたんだ?」

 

桃香「ちょうど一段落したから休憩しようと思って食堂に行こうと思っていたんだけど、気になって来ちゃった♪」

 

朱里「今さっき、侍女の人にお食事を持ってきてもらうように言いましたから」

 

紫苑「それじゃ、食事をしながら見学しましょうか?」

 

桃香「さんせ~~い♪」

 

カアーーーーーーーーン!!!

 

星「くっ!?」

 

一刀「隙あり!」

 

ピタッ!

 

一刀は忠久の切っ先を星の喉に突きつけた

 

一刀「・・・・・俺の勝ちだ」

 

星「・・・・・参りました」

 

明命「それでは次はわたくしですね・・・・・行きます!一刀さん!」

 

一刀「ん!」

 

 

 

 

 

 

 

星「いや~~~♪あわよくばと思いましたが、まだまだ一刀殿には敵いませんな♪」

 

桃香「そりゃそうだよ♪だって一刀さんは愛紗ちゃんと鈴々ちゃんと星ちゃんを同時に相手にしたんだから♪」

 

紫苑「なるほど、朱里ちゃんの言っていたことは本当だったのね、桔梗や焔耶ちゃんじゃ敵わない訳ね」

 

みい「おにい強いのにゃ~~~♪」

 

ミケ「強いにゃ~~~♪」

 

トラ「にゃ~にゃ~♪」

 

シャム「・・・・にゃ~~~~・・・・・」

 

明命「はうううう・・・・・可愛いですぅ♪//////」

 

みい達に気を取られてしまう明命

 

一刀「明命!!!」

 

明命「え?きゃあっ!!?」

 

忠久が明命に当たりそうになるのをすんでのところで止めるが

 

ドカッ!!

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

明命「・・・・・・・・・・」

 

勢い余って一刀が明命にぶつかり、明命を押し倒すような形になってしまった

 

明命「・・・・・/////////」

 

一刀「・・・・・/////////」

 

二人は、キスをする寸前まで顔を近づけあっていた

 

一同「うおっほん!!」

 

蜀陣営の咳払いが綺麗にハモる

 

一刀「だ!大丈夫か!?明命!/////」

 

明命「い、いいえ!余所見をした自分が悪いのです!////////」

 

一刀「立てるか?」

 

明命「はい、痛っ!・・・・・足首を痛めたようです」

 

一刀「そうか・・・・・ちょっと待ってろ」

 

そういって一刀は氣を集中する

 

明命「え?一刀さん?」

 

一刀「いいから、俺に任せて(ニコッ)」

 

明命「あううう~~~~~・・・・・はい////////」

 

一刀「???」

 

一刀は明命の足首に手を当てると目を瞑る

 

フワァ~~~~~~~~~~~

 

明命「・・・・・暖かいです」

 

一刀の掌が光ったと思ったら

 

一刀「・・・・・よし、いいよ」

 

明命「はうあ!?全然痛くありません!」

 

一刀「治癒を促進しただけだから、痛みがなくなっても、しばらく激しい運動は控えるんだよ」

 

明命「はい、分かりました!一刀さんありがとうございます♪」

 

一刀「ああ・・・・・それじゃあ次は」

 

愛紗「一刀様、よろしくお願いします」

 

一刀「愛紗か・・・・・よし、来い!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明命「はうう~~~~、やっぱり全然敵いませんでした~~」

 

桃香「周泰さん、さっきの何?」

 

明命「わかりません、一刀さんのてが光ったと思ったら、足の痛みが抜けていました」

 

星「桃香様、あれが一刀殿が華陀殿から授かった五斗米道(ごどべいどう)ですよ」

 

桃香「あ!あれがそうなんだ!」

 

鈴々「にゃ?何の話なのだ?」

 

朱里「実は反董卓連合の軍議の時に涼州の馬騰さんが一刀さんと華陀さんが親友同士だって言っていたんですよ」

 

桔梗「なるほどのう、あれが神医華陀の医術か・・・・・」

 

明命「それにしても・・・・・あうう~~~~、また作り直しです~~~」

 

桃香「え?・・・・・うわっ!酷いね!」

 

明命の魂切はまたもや一刀にボロボロにされていた

 

星「桃香様、これを」

 

鈴々「鈴々もなのだ」

 

雛里「あわわ、こっちもだめですね」

 

星の龍牙も鈴々の蛇矛も刃毀れだらけだった

 

朱里「それにしても、一刀さんの武器って本当に何で出来ているのでしょうか?」

 

星「前に一刀殿に聞いてみたが、一刀殿の剣は鉄で出来ているらしい」

 

焔耶「嘘に決まっている!我々の武器だって鉄で出来ているのだ!同じ鉄ならあいつの武器だって我らの武器と同じようになるはずだ!」

 

星「いや、一刀殿の剣はこの大陸で作られる剣とは作り方がまったく異なるらしいのだ」

 

明命「どういうことですか?」

 

星「一刀殿が言うには、鉄には主に硬い鋼鉄と柔らかい軟鉄というものがあって、一刀殿の剣はその二種類の鉄をうまく組み合わせて作っているらしい」

 

桔梗「ほほう、それは面白いのう・・・・・それで?」

 

星「いや、一刀殿はそれ以上のことは語ってはくれなかった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガキーーーーーーーーーーーン!!!

 

愛紗「うわわわ!!」

 

一刀「俺の勝ちだ、愛紗」

 

愛紗「参りました、一刀様♪」

 

負けたというのに愛紗は笑顔である

 

どうやら一刀と一対一で戦えたことがかなり嬉しかったようである

 

そして、愛紗の青龍堰月刀も刃毀れだらけだった

 

侍女「諸葛亮様、お持ちいたしました」

 

朱里「あ、ありがとうございます、では、こちらに並べてください」

 

侍女「かしこまりました」

 

みい「にゃにゃ!?美味しそうなのにゃ~~~~♪♪♪(がつがつがつ)」

 

ミケ「食べるにゃ~~~♪(はぐはぐはぐ)」

 

トラ「にゃにゃ~~♪(ばくばくばく)」

 

シャム「・・・・・にゃ~~~~(むしゃむしゃむしゃ)・・・・・」

 

百合「あらみなさん~」

 

小蓮「みんなで何やっているの?」

 

食べ物の匂いに釣られたのか、百合と小蓮も闘技場にやってきた

 

朱里「あ、百合姉さん」

 

桃香「尚香さんまで・・・・・一緒に食べようか?」

 

小蓮「ホント!?シャオ食べる♪」

 

百合「では、ご相伴に預からせていただきますね~♪」

 

一刀「桃香達も来ていたのか?」

 

桃香「どう?一刀さん?一刀さんも食べる?」

 

一刀「ああ、それじゃあ頂こうか」

 

その後、蜀と呉の将達は一緒においしい食事に舌鼓を打った

 

この会食?にて蜀と呉はかなり打ち解け合っていったのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桃香「(一刀さんに、どうしてそんな性格なのか聞きそびれちゃったけど、まあいいか♪こんなに楽しいんだし♪)」

 

そしてその後、みい達はこれから自分達が蜀へ降る事を伝えるために一度南蛮へ戻っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうもseigouです

 

今回は蜀の南蛮平定をお送りしました

 

この次はある意味拠点にチャレンジしようと思います

 

では、すぐ後で


 
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