No.197420

真・恋姫†無双~二人の王佐~一章第六話「別れと始まり」

syoukiさん

長く少年期をやってすみません。
予定ではあと三話ほど続きます。
それが終われば青年編にいくのでもう少し辛抱願います。

華琳達がついに帰ることに。しかし一刀を意識し始めた華琳はタダで帰るはずがなかった!

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2011-01-23 15:48:58 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:11137   閲覧ユーザー数:8537

注意!作者は三国志に詳しくありません。主な知識は恋姫からです。

 

 

ちなみにこの作品にはオリキャラを何人か出そうと思っています。

 

 

そしてキャラの仕官時期が違ったり所属が違ったりするかもしれません。(そのあたりはまだ未定です。)

 

 

あと一刀にオリジナル設定を作っていますので、キャラ崩壊必死です。

 

 

それと一刀には前世の記憶がありません。

 

 

ですが一度読んでみてください!それで「おもしろい」と思ってさらに読み続けていただけたらうれしいです。

王佐の才>

 

『帝王を補佐するにふさわしい才能、又はそれを持つ者のこと言う。(辞書引用)』

 

 

 

 

 

これは、平和な世を作ろうと乱世を駆け抜けた双子の男女の物語りである。

「春蘭、秋蘭これからもよろしくね」

 

「「はっ、この命最後まで華琳様と共に!!」」

 

そんな華琳達を見ていた一刀だったがある事に気が付いた。

 

「あぁぁ!?」

 

「きゃっ!?ど、どうしたのよいきなり声を上げたりして?」

 

突然一刀が大声を出したので華琳も驚いて可愛い声を上げた。

 

「いや、華琳達の服が大変なことになっているから」

 

「そういえばそうね。私達の服は貴方の所為でこんなだし」

 

と自分の服を摘んで言った。

 

「だからさっきから言ってるでしょ!これはお兄さまが悪いのではなくて「大丈夫だよ桂花」お兄さま」

 

「大事な桂花にこんな怪我させたんだ理由はどうあれこれは僕の所為だよ」

 

そう言って桂花のサラサラの髪の毛を撫でた。

 

「お兄さま」

 

桂花は顔を赤らめながら撫でられていた。一刀は改めてみんなの服を見ると破けていたり汚れていたりと酷いものだった。

 

「やっぱりかあさま達に怒られるかな」

 

「おそらく服についてはそんなに怒られないんじゃないかしら?問題は一刀の気の暴走の方よ。お母様達になんて説明しようかしら?」

 

「あ~やっぱりそうだろうな。いきなり死に掛けたなんて言ったらかあさま驚いてしまうだろうな」

 

そんなことを言っていると後ろから声が聞こえてきた。

 

「どうして死に掛けたのかしら?」

 

「それは僕の気が暴走して大量に放出したからもう少し遅かったら・・危なかった・・んだ・・けど」

 

どさっと何かが落ちる音とここには本来いない人の声が聞こえた為一刀はゆっくりと振り返った。既に他の子達は一刀の後ろにいる人達に驚いており何も言えなくなっていた。

 

「か、かあさま!琴ねえちゃん!」

 

そこには一刀の予想していた通り母と姉が心配そうにこちらを見ていた。

 

「一刀!」

 

すると凛花は一刀を強く抱きしめた。

 

「広場で異常が起きたと聞いたから飛んできたのよ!そうしたらみんな服がぼろぼろだし一刀が死に掛けたって言うし一体広場で何があったの?」

 

凛花の目からは涙が溢れてきていた。

 

「それは・・」

 

「一刀様話してください!私達こんなに心配してしているんですよ!!」

 

琴も涙をうかべ心配そうに一刀を見ていた。

 

「実はぼ「一刀はあの時のことは何も覚えていないんです」

 

「華琳ちゃ・・!?」

 

どういうことか聞こうとした凛花だったが華琳を見た時言葉を忘れてしまっていた。それは一瞬華琳が昔の死神と呼ばれていた頃の琳奈に見えたからだった。

 

「はっ!どういうことなの華琳ちゃん?」

 

我に返った凛花が華琳に尋ねると、

 

「一刀は気が暴走した時意識を失っていたんですよ。だから代わりに私達が話します」

 

そう言って広場での出来事を話し始めた。広場にいた子達と遊んだこと、そうしたら年上の男の子達が来て揉めたこと、それに巻き込まれた蘭花が怪我を負いそれを見た一刀の気が暴走したこと、そしてその一刀を華琳達が助けたことを話した。ただ最終的に助けたのは桂花だったのでその時の状況を桂花が話したが口づけで目を覚ましたとは言わず何度も呼びかけたおかげで目を覚ましたとみんなに話した。ただ華琳だけはその話を完全には信じてはおらず、終始桂花を見ていたが桂花は気づかない振りをしていた

話が終わったので凛花はボロボロの服を着ている桂花達をこれでは城に帰れないということで先ほど買ってきた服を着せるため茂みに連れていった。華琳達も自分達の服をどうにかしようと凛奈を探していると

 

「服ならここにあるわよ♪」

 

そう言いながら琳奈は華琳の元に来た。

 

「おかあさま!」

 

「話は聞いたわ。華琳、よく頑張ったわね」

 

そう言って華琳の頭を撫でた。

 

「はい!華琳様が一番頑張っておられましたよ琳奈様!!」

 

「もうっ、春蘭ったら」

 

「あら春蘭!貴女今華琳のことを様付けで呼んだじゃない!」

 

春蘭が華琳のことを様付けで呼んだので琳奈は驚いた。つい先ほどまで春蘭は華琳のことを呼び捨てにしていたからだ。

 

「実はお母様、先ほど春蘭、秋蘭と主従の誓いをし、二人は私の家臣になりました」

 

「そう」と微笑み、

 

「二人が認めたと言うことは貴女もどうやら見つけたようね。王となり何を成したいのかを」

 

「はい、お母様。私は強い国を作りたいです。他国に侵略させず、飢餓にもならず、賊に奪われることが無い国。民達の笑顔がいつも溢れているそんな国に私はしたいです。そしてそのためなら私は人を殺す覚悟もできています」

 

「そう、でもね華琳、はっきり言って世界は貴女の考えているほど甘くはないわよ。もしかしたら貴女が継ぐ前にこの国が無くなったり私が突然死ぬかもしれない。それでも貴女は自分の理想のために戦っていけるのかしら?」

 

琳奈は華琳に向って厳しい言葉をなげかけた。傍から見れば親子の会話ではないが現太守の琳奈はいつまで華琳の側にいられるのかわからないため自分がいなくなった時に華琳が太守を継ぐ覚悟があるのか確かめたかったのである。そんな琳奈の言葉に華琳は迷うことなく、

 

「もちろんあります!私は死神と恐れられた曹巨高の娘曹孟徳!どんなことがあってもこの大願果たしてみせます!」

 

その言葉に満足し、

 

「春蘭、秋蘭」

 

「「はい!」」

 

「華琳のこと、これからも支えてあげてちょうだい」

 

「「はい!おまかせください」」

 

「頼んだわよ」

 

そのあと華琳達も琳奈から服をもらい茂みで着替えてみんなで城に帰っていった。

 

余談だが後日広場に遊びに行くと一刀は子供達から『隊長』と呼ばれた。どうやらあの出来事が親の耳に入り、一刀が荀緄の息子であることがバレたらしい。そしてそれぞれの親が「荀緄様の息子の荀鳳様は智の才だけでなく砂塵を起こせるほどの武の才の持ち主なのか!これでこの済南国は安泰だ!」などと言っていたらしくそれに子供達も感化せれ「荀鳳様はすごい方」→「偉い人」→「隊長」となったらしい。

数日後、琳奈達が陳留に帰る日がきた。街の入り口には見送りのため凛花達も来ていた。

 

「随分世話になっちゃったわね」

 

「あら、そんなの気にしなくていいわよ。私達の仲じゃない、いつでも来ていいわよ。でも今度来る時は連絡ぐらいしてよね」

 

「ありがと♪でもそれだけじゃないわよ。華琳の目指すものがこの旅で見つかったんですもの本当に凛花に会いに来てよかったわ」

 

「それならうちだってそうよ。一刀は剣術を空夜に学びたいって言ってくれたし桂花は華琳ちゃんって言う対等に話せるお友達ができたんですもの。それに蘭花だって秋蘭ちゃんにたくさん遊んでもらったみたいだし、琴は春蘭ちゃんと剣で打ち合ったそうじゃない」

 

「そうみたいね。春蘭も「琴殿とたくさん打ち合えて楽しかった」って言ってたわよ」

 

「琴も「春蘭ちゃんはもっと強くなります。私もうかうかしてられません!」って気合を入れていたわ。お互い武を志すものとして良い刺激になったみたいね」

 

「それと武といえば一刀くん。すごいじゃない砂塵を巻き起こすほどの才を秘めていたなんてね!」

 

「ええ・・・・」

 

すこし元気を無くした声で答える凛花。

 

「何心配してるのよ。あの子は正真正銘貴女と空也君の子供。それは私が保証するわ!貴女は一刀君の母親として誇りに思っていいのよ。それにあの秘密はちゃんとお墓の中まで持っていくから安心なさい!」

 

「凛奈」

 

バシバシと背中を叩きながら励ます琳奈。実はあのあと琳奈にだけは一刀が他の二人と血が繋がっていないことを話したのだ。初めは驚いていたが話終えるとなぜか琳奈は納得していたようだった。

 

「それより心配しないといけないことがあるんじゃない?」

 

「心配?」

 

「そうよ。智に優れているのに武の才まであるんですもの、これは将来大変よ~?」

 

「あ~でもあの子そういうの鈍いのよね!」

 

「でしょうね」

 

そう言って子供達の方を見る。

 

「(妹の桂花ちゃんとうちの華琳が一刀君に気があると思うんだけどそれに全く気づいていないものね。華琳、貴女の恋は大変そうね)これは周りの子が苦労しそうだわ」

 

「かもね」

 

「あ、そうそう知識で思い出したわ。貴女の所にも届いているかしら?なんでもどっかの偉い先生が優秀な子を育てるために短期間だけ私塾を開くんですって」

 

「いえ、私のところにはまだですけど」

 

「そうなの?多分遅れているだけよ。だって荀家はその道では有名なんでしょ?」

 

「ええ、まあ」

 

 

凛花の父親である荀淑(じゅんしゅく)は儒学に精通し、郎陵の令となったが、当時の朝廷を牛耳っていた梁冀一族を批判し、清廉な道を貫いたため、極めて名が高く「神君」と呼ばれ尊敬を集めた。後漢の順帝から桓帝にかけてその名を知られていたという(Wiki参照)

 

 

「それでその私塾に華琳も通わせようと思ってるのよ」

 

「華琳ちゃんを?」

 

「ええ。あの子はまだまだ沢山のことを知らなければいけないわ。でも私が教えるのには限界があるのよ。だから丁度いいかなと思って通わせることにしたのよ」

 

「そう、なら私も行かせようかしら。あの子達には一つの観点からだけでなく様々な角度から物事を見ることのできる子になってほしいもの」

 

「それじゃあ決まりね。ふふっ面白いことになりそうだわ♪」

 

「琳奈?」

 

「こほん、何でもないわ」

 

「変な琳奈」

 

そんな話をしている隣では子供達も別れの挨拶をしていた。

 

「短い間だったけど楽しかったわ」

 

「うん、僕達も楽しかったよ。だからまた来なよ」

 

「えぇ、機会があればね」

 

「別にもう来なくていいわよ」

 

「あら、何か言ったかしら?」

 

桂花が小さな声で呟いた言葉を華琳は聞き逃さなかった。

 

「別に何も言ってないわよ、あんたの気のせいじゃない?」

 

「そう、ならいいわ」

 

「ふんっ!」

 

「それはそうと一刀、楽しみに待ってるわ」

 

「何をだい?」

 

「あら、とぼける気?私に仕えるかどうかの話よ」

 

「あぁ、そのことね。あの時も言ったけどまだ僕は力は弱いし知識も中途半端だからもう少し経って自分で納得できるぐらいになったら答えを聞かせるよ」

 

「そう、なら良い返事を期待しているわ」

 

そう言って華琳は下がっていった。

 

「一刀!次に会うときは私と勝負しろー!」

 

「一刀殿世話になったな」

 

華琳が下がると今度は春蘭と秋蘭が一刀の前に来た。秋蘭が一刀のことを一刀殿と言うよになったのはあの出来事の後のことだ。理由は「自分は正式に華琳様の家臣になったので華琳様と同じ太守の子供という立場の一刀殿を君付けでは呼べなくなったから」らしい。春蘭は変わらないが。

 

「あ~わかった、わかった。どれだけ強くなれるかわからないけど今度相手するよ」

 

「約束だぞ!」

 

「ああ、それと秋蘭、世話って僕は何もしてないよ?逆に秋蘭には蘭花と遊んでもらったから僕のほうが感謝しているのに」

 

「いや、本当に世話になったのだ。一刀殿達と出会ったおかげで華琳様は自らの進むべき道をお見つけになられたのだ。そしてそのお陰で我々は華琳様に仕えることができた。これは感謝してもし足りないくらいのことだ」

 

「わかった。なら素直に受け取るよ」

 

「そうしてもらえると助かる」

 

「秋蘭おねえちゃん!」

 

すると蘭花が秋蘭の所に来た。

 

「なんだい蘭花?」

 

「ぐすっ、またあそんでね!」

 

「ああ、約束だ」

 

そう言って秋蘭は蘭花の頭を撫でた。ずっと遊んでくれていた秋蘭が帰ってしまうのでさっきまで泣いていたのだ。

 

「よかったな蘭花」

 

「うん!」

 

「みんな済んだみたいね。じゃあそろそろ行くわ♪」

 

「そう、気をつけてね」

 

みんなが別れの挨拶をしたのを確認すると琳奈は馬に飛び乗った。それを聞いた春蘭達も飛び乗ったが華琳だけがまだ乗っていなかった。

 

「どうしたの華琳?」

 

「今行きますお母様。その前に・・・桂花!」

 

「な、なによ!?」

 

「いえ、ただ・・」

 

そう言って華琳は桂花の耳元まで近づき、

 

「・・・負けないわよ♪」

 

「!?」

 

そう言ったあと隣にいる一刀に近づき、

 

「ちゅっ❤」

 

「「「「!!!!!?」」」」

 

「あら♪」

 

「まぁ!」

 

「おや」

 

「わぁ~!」

 

頬に口づけをした。これに一刀はもとより桂花、琴、春蘭は驚き、凛花、琳奈、秋蘭は温かい眼差しを送り、蘭花は目を輝かせていた。

 

「これは今回のことの感謝の印よ♪」

 

「ちょっと華琳、貴女!!!!」

 

そんな華琳に桂花が詰め寄ろうとしたがそれよりも早く馬に跨り

 

「それじゃあね♪」

 

と、してやったり顔で言い放ちそのまま華琳は馬を走らせてしまった。

 

「あのーおんなーーー!!!!」

 

桂花は怒鳴るが華琳は止まらず走り続けていた。

 

「全く、素直じゃないんだから。それじゃあね凛花♪」

 

「え、ええ」

 

「ふふ、じゃあみんな行くわよーーー!!」

 

そう言って琳奈達も華琳の後を追うように行ってしまった。そして街の入り口にはまだ驚いたままの一刀と怒り狂い華琳の名を呼び続ける桂花とその家族だけになった。

あとがき

 

前回はあとがき書けずにすみませんでした。前にも書いたと思いますがあの日は小説のデータが消えてバックアップの所まで何度も戻ったり、凄く眠かったり、次の日朝から仕事だったりと状況が最悪だったのでそこまで頭が回らなかったんです。次からはこんな事がないようがんばります!

 

 

 

本編についてですが。え~賛否両論あると思いますが、まだ王ではない幼い頃の華琳の初恋ならばこんな感じかなと思い書いてみました。彼女は覇王への道を歩き出したが、初めて優しくしてくれたり、事故とはいえ覇王への道を見つけるきっかけになった一刀にだけはこれからも『覇王(仮)』曹操としてだけでなく『女の子の』華琳としても接してもらいたいという気持ちの表れが最後の頬へのキスに出た感じです。

まあ、あのあと一刀は大変だったと思います。主に桂花をなだめるのに・・・・・

 

 

あと華琳の百合属性ですがちゃんと出そうと思います。あれがないと魏って感じがしないですからね。

 

 

 

最後に次回の予告です。華琳達との出会いから数ヶ月後、一刀と桂花の誕生日が近づいてきた。そんな二人はお互いに贈り物を送ろうと準備を始めます。一刀と桂花がそれぞれに送るものとは?

次回[真・恋姫†無双~二人の王佐~]一章第七話 「宝物」

 

『一刀が猫と出会う時、最高傑作が生まれる』なんてね!

 

 

それではまた次回!


 
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