No.197081

真・恋姫無双 夜の王 第42話

yuukiさん

真恋姫無双夜の王第42話。
第41話の続きです。

2011-01-21 22:09:44 投稿 / 全13ページ    総閲覧数:8408   閲覧ユーザー数:6529

 

この作品の一刀は、性格、武力ともに原作とは異なっています。

 

また、一部キャラを否定する場面もございます。

 

ご理解をお願いいたします。

 

まだまだ誤字、脱字や分かりにくい表現などもあると思いますが、

 

こんな自分の作品でも楽しんでいただけたら幸いです。

 

 

 

その日、王座の間に天の主だった者のほとんどが集めれていた。

大半の者は何故、集められたのかを知らずに、、

 

劉協「なあ、王允、私は此処に居ていいのか?この服(正装)を着て」

王允「良いのです。あの男がなにを考えているか知りませんが、陛下は堂々と」

劉協「うむ、そうか。ところで、盧植は何処に行ったのだ?」

王允「はい。なんでも昔の教え子に会いに行くと」

 

盧植「久しぶりだな。劉備」

劉備「盧植先生!お久ぶりです。元気でしたか?」

盧植「はっはっは、漢帝国が潰れたのを知りながらそれを聞くか。相変わらずだな」

劉備「あっ、す、すいません!」

盧植「良い良い、お主こそ元気そうでなによりだ」

劉備「鳳薦さんが良くしてくれてますから」

 

そう言って顔を赤らめる劉備、そんな劉備を睨むように見ている人物が居た。

忠臣、関雲長その人である。

 

関羽「、、、、」

趙雲「どうした、愛紗。不機嫌そうだな」

関羽「、、、そんなことは無い」

趙雲「おおかた桃香様が鳳薦殿のことを考えているのが許せんのだろう?」

関羽「わかっているなら聞くな」

趙雲「ふむ、何故そこまであの男を嫌う。悪政や圧政は漢王朝が流した虚言。その上、虚言を流した盧植や王允まで温情にかけ生かしている。陛下は言わずもがな」

関羽「、、、、それでも、あの男は好きにはなれん」

趙雲「まったく、死罰も受けず監禁も無い。一言礼を言ってもばちはあたらんと思うぞ?」

関羽「お主は言ったのか?」

趙雲「この趙子龍、受けた恩は返す。いずれ時が来れば礼を言うつもりだ」

関羽「そうか、、」

 

そう言う関羽の顔は、ひどくつまらなそうだった。

 

 

獅堂「全員揃ってんな、とっとと席につけや」

 

部屋に全員が揃ったことを確認すると、端の方で欠伸をしていた獅堂が前に出る、

その場に居る者達は何か違和感を感じながらも素直に自らの席に着いた。

 

獅堂「え~、本日はお日柄も良く~、みなさんがこうして集まってくださり~、本当にかん「獅堂」、、んだよ?」

 

獅堂がだるそうに、めんどくさそうに語尾を伸ばしながら喋るのを一刀は困り顔で止める。

 

一刀「なれないことをするな、社交辞令など要らん。それに今日は雨だぞ、お日柄は良くない」

獅堂「なんだよ、細かいことをごちゃごちゃうっせーな。たっく、わーたよ、ちゃんとやりゃいいんだろ」

 

文句を言いながらも一刀の言葉に従う獅堂は一度、咳払いをしてからもう一度口を開く。

 

獅堂「馬岱、馬超、前へ、」

 

何時もの様に真名や半分以上馬鹿にした愛称では無く、獅堂は姓と名で呼ぶ。

それにより、場の緊張感は一気に高まり、違和感が充満する。

 

翆 「私達に、何かあるのか?」

 

翆は緊張した面持ちで獅堂に問う、顔には困惑が浮んでいる。

隣に居る蒲公英の顔は青ざめていた。

 

獅堂「わかんねえか?わかんねえよな、お前馬鹿だし。わかんねえで居てくれた方が嬉しいぜ」

翆 「なっ、ばっ馬鹿って言うなよ!お前だって同じようなもんだろ!」

 

何時もの調子で人を馬鹿にする獅堂に、翆は怒りを覚えながらも安心する。

しかし、何処か引っ掛かるような違和感は消えない。

 

獅堂「実はよ、用があんのはテメーじゃねえんだ。馬岱に、用があんだよ」

翆 「蒲公英に?」

 

横に視線を向けた翆は、蒲公英の異変に気づく。

蒲公英の顔は青ざめ、体は震えていた。

 

獅堂「どうして今、こんなことになってんのか、わかんじゃねえのか?テメーなら、なあ?」

蒲公英「わ、わっ、わかんない、かな、」

 

蒲公英は震え、歯を鳴らしながら答える。

 

獅堂「ああ、そうか。わかんねえか、そりゃ、、、」

 

此処に来て、その場の違和感は最高潮に高まり、その違和感の正体に全員が気づく。

 

軍師や大臣じゃない者が軍議の司会をしていたこと? 否、もっと単純な

獅堂が真名や愛称を呼ばず真面目にやっていたこと? 否、もっと恐ろしい

 

一目見ればわかること、

しかし、それにその場の全員が気づけなかったのは無意識に眼を逸らしていたから。

 

そう、獅堂の顔に眼を向ければ、違和感を理解できる。

 

凪 「し、どう、さま」

小蓮「うそ、え?」

翆 「こいつが」

 

      「「「「(笑ってる?)」」」」

 

そう、笑っている。何時ものような嘲笑や嘲りに満ちた笑みでは無く、

純粋に、獅堂は笑顔を浮かべていた。

 

        ゾクゾクゾクゾク

 

その笑顔に、全員の背筋が凍りつく。

 

 

獅堂「わかんねえか、そりゃ、嬉しいなあ!」

 

笑顔で蒲公英を見下ろしていた獅堂は、笑顔のまま、蒲公英の腹を蹴り上げる。

 

蒲公英「かっ、、、」

 

突然のことで無防備にだった為、もろに蹴りを受けた蒲公英は苦痛を零しながら地面を転がって行く

 

獅堂「嬉しすぎて、笑えてくるぜ」

蒲公英「ごっが、、おえぇ、げほっ、げっ、」

 

苦痛に悶える蒲公英の腹に獅堂は笑顔のまま追い打ちを駈けように蹴りを入れる。

蒲公英は衝撃で胃の中の物を吐きだした。

 

獅堂「苦しいよな?もう、終わりにしてやるよ」

 

そう言うと、獅堂は腰の剣を抜き、蒲公英の向けた。

 

誰もがその光景に茫然とする中、一人だけ庇おうと蒲公英と獅堂の間に入る者が居た。

 

蒲公英「お、げほっ、ねえ、さま」

獅堂「退けよ、」

 

馬岱が義姉、馬超であった。

 

翆 「ふざけんな!獅堂、お前、蒲公英になにすんだよ!」

 

翆は殺気を撒き散らしながら獅堂を睨む。

突然起こったことへの理解より、妹を傷つけられたことへの怒りが先行する。

 

獅堂「あぁ?邪魔すんじゃねえ。退け!馬女!」

翆 「ふざけんなって言ってんだろ!」

 

睨みあう両者、数秒沈黙が続き獅堂はしびれをきらす。

 

獅堂「退けって、言ってんだろ、、、」

翆 「っっ、お前」

 

獅堂は蒲公英を庇うように立つ翆に首すじに剣を添える、確固たる殺意を向けながら。

 

獅堂「頼むよ、翆、退いてくれ。俺はお前は殺したくねえんだ」

 

そう言う獅堂の顔からは笑顔が消え、かといって嘲笑も無く。悲しみに満ちていた、、

 

翆 「、、出来ないよ。何が有ったかは知らない。けど、蒲公英は私の妹だ」

 

その言葉を聞いた獅堂は一言、そうか、と呟くと剣を持った手に力を込める。

 

しかし、その手が動くことは無かった。いや、獅堂は剣を動かすことが出来なかった。

 

 

獅堂「何の真似だ」

 

獅堂は目線のみを動かし、自らの首に剣を当てる者を見る。

 

一蝶「それは、こちらの言葉です。何をしているのです?獅堂」

 

翆が動いた後、逸早く危険を感じ動いた一蝶は剣を抜き、盟友に向けていた。

 

一蝶「獅堂、分かっているのですか?貴方が剣を向けている翆殿も、蒲公英も、仲間ですよ?」

 

一蝶は諭すように獅堂に話しかける。しかし、獅堂はの殺気は収まらない。

それどころか、殺意は一蝶にも向けられ始める。

 

獅堂「悪いな、一蝶。俺、今機嫌最悪なんだわ」

一蝶「見ればわかります」

獅堂「だからさ、テメーまで殺したくなる。剣、どけろよ」

 

その言葉に、一蝶は一言、そうですか、と呟くと視線を獅堂から逸らさぬまま凪達に命を放つ。

 

一蝶「凪、真桜、沙和、獅堂を拘束します。手を貸してください」

 

一蝶の言葉に凪達三人は困惑し、戸惑うが、

 

一蝶「貴方達は警備隊でしょう、天に害成す者は誰であろうと捕える。それが仕事の筈です」

 

その言葉で、意を決した凪は拳を握りながら前に出る。

 

凪 「獅堂様、これ以上暴挙に出るのであれば、天虎警備隊隊長、楽文謙の名の元、捕えさせていただきます」

 

凪の言葉で、同じ警備隊副隊長の二人も覚悟を決める。

沙和は緊張した面持ちで二天を握り、真桜は震える手で螺旋槍を持つ。

 

獅堂「、、俺を捕える?小娘如きが、図に乗んなよ、、」

 

その場に居た文官のほとんどが気絶するほどの殺気を放ちながらも、

獅堂は怒りにまかせ翆の首すじに当てた剣を凪達に向けることは無かった。

 

一蝶「怒りで勝利を失うような真似はしない。本当に、厄介ですね。貴方は、、」

獅堂「テメーだって同じようなもんだろ。関係ねえ奴まで口で巻き込みやがって」

 

異様な光景、古参と呼ばれた一人が仲間であるはずの将に剣を向け、

それを止める為に同じく古参の将が剣を抜き、その周りを三人の将が囲んでいる。

 

 

誰もが息を呑み、殺気が充満する中でも動ける者のみが動き出す。

 

盧植「陛下、お下がりを。王允、大丈夫か?」

王允「だっ、大丈夫だ。わわ、私より、へっ陛下、決して前に出てはな、なりませんぞ」

劉協「う、うむ。分かった」

 

盧植と王允の二人は己が神とまで崇めた存在を守るため文官でありながらその殺気に耐え。

曲がりなりにも建国の英雄の血を引く劉協もまた、なんとか意識を保っていた。

 

関羽「桃香様、お下がりを!星、鈴々、」

星 「分かっている」

鈴々「おうなのだ!朱里と雛里も後ろに下がってるのだ!」

桃香「う、うん」

朱里「は、はひ」

雛里「ひゃ、ひゃい」

 

関羽達三人は主と軍師二人を自分たちの後ろに下げ前にでる。

残りの黄忠、厳顔、魏延の三人が劉備達のさらに後ろに下がり、背後を守る。

何が起きても、主達を守る為に、

 

小蓮「ね、ねえ、何が起きてるのよ」

猪々子「あたいは分かんないよ。斗詩」

斗詩「私だって、わかんないよ。麗羽様も動かないし、明命ちゃん、何か知ってる?」

明命「、、、、、、」

 

若干怯えている小蓮は周りに居た二人に問うが、二人は困惑したまま、

ただ一人、斗詩の問いを受けた明命だけが、悲しげな眼で7人を見ていた。

 

 

 

一触即発、誰か一人でも手を動かせば誰かの首が飛びかねない、

そんな状況で、一刀は一言、「止めて来い」、そう恋に呟いた。

 

恋は頷き、方天画戟を肩に担ぎながら獅堂達の前にでた。

 

恋 「喧嘩は駄目」

 

ただそれだけ、だが、それだけで獅堂達は剣を降ろすしなかくなる。

圧倒的なまでの武力差故に、

 

まずは凪達三人が構えを解き、次に獅堂が数秒恋と睨みあってから舌打ちをしながら剣を下げた。

 

獅堂が剣を下げるのを見届けた一蝶も剣を下げ、獅堂に問いかける。

 

一蝶「貴方には誇りが有りません、恥も無いでしょう。どんな手を使ってでも勝とうとする貴方はまさに狂人だ。けど、どんな姑息な手を使おうと、進んで仲間を傷つけるような真似はしないと私は信じています。なにが、あったのですか?」

 

蒲公英の介抱をしていた翆もまた、獅堂に疑問の視線を投げかける,

しかし、獅堂はその問いには答えず、沈黙を貫いた。

 

 

 

 「その問いには、俺が答える」

 

沈黙が支配する中で、一刀はそう言うと立ちあがり獅堂達の前にきた。

 

一刀「獅堂、下がってろ。蒲公英、立てるか?聞きたいことが有る」

蒲公英「う、うん」

 

一刀の言葉で獅堂と一蝶は剣を鞘におさめ、蒲公英もお腹を押さえながら一刀の前に正座する。

翆はその横で心配そうに蒲公英を見ていた。

 

武器を持っていた恋や凪達も下がっていき、その場に静けさが戻った。

 

一刀「まず言っとくがこの先、何が有っても誰も手は出すなよ。特に一蝶、お前だぞ」

一蝶「はい?わかりました」

 

話し始める前に釘をさす一刀に、一蝶は首をかしげながらも返事をする。

 

 

一刀「蒲公英、最近天国内の情報が他国、魏や呉に流れているのは知っているか?」

 

天に置いて数人しか知らされていなかった裏切り者の存在、

その言葉で室内にざわめきが起こる。

文官達は気絶したままな為、騒いでいるのは武官や一部の優秀な兵たちだけだが、

 

蒲公英「えっと、その、あの」

 

一刀の問いに蒲公英は答えない。

しかし、一刀がそれ許すことは無く、

 

一刀「答えは是か否か、どちらかで良い」

 

押し潰されるほどの大圧力、一刀は一切の迷い無く蒲公英を威圧する。

 

蒲公英「は、はい」

 

その前で、蒲公英は嘘を通すことはできなかった。

 

その答えを聞いた一刀はただ落胆した表情で蒲公英を見ていた。

 

翆 「そ、それが、知ってたことが何か問題なのか?」

一蝶「、、、、、、、まさか、」

 

翆は本当に分からないといった様子。

一蝶は信じられない、と思いながら蒲公英に視線を向ける。

 

一刀「分からないのか、翆。お前も知らなかった裏切りの事実を、何故蒲公英が知っている?考えれば、わかるだろ」

 

翆もその予想が立ったのか、顔がどんどん青くなっていく。

 

翆 「な、そんなわけ、あるわけないだろ!そうだよな、蒲公英」

蒲公英「、、、、、」

翆 「なっなんとか言えよ!このままじゃお前が裏切り者みたいじゃんか!」

 

翆は慟哭し蒲公英に詰め寄る。しかし、蒲公英は口を閉ざしたままだった。

 

 

 

無言の肯定、辺りにもう一度沈黙が漂う。

将から一兵に至るまで、全ての者が息すらできない程の沈黙に飲まれ、

ようやく気がついた文官達はわけが分からず、しかし誰一人として声を出すことはしない。

 

一刀「蒲公英、お前が魏と呉に情報を流していたのか?是か否で答えてくれ」

 

一刀は最後の確認という様に、沈黙の中言葉を紡ぐ。瞳に、少しの希望を残して。

 

しかし、蒲公英から帰って来たのは、

 

   『はい』

 

肯定だった。

 

 

 

 

    瞬間

 

 

    ガキッン

 

 

鉄と鉄がぶつかる音が響き渡る。

 

 

  ギッギギギッギィイン

 

 

鉄と鉄が擦れる不協和音を鳴らすその光景に、誰もが息をのむ。

 

先ほどとは逆、一蝶の剣が蒲公英に落ちるのを、獅堂が止めていた。

 

一蝶「なんの、真似ですか?獅堂」

獅堂「そりゃこっちの言葉だ。お前、何してんだよ」

 

一蝶はその眼に怒りを宿して、

獅堂は不敵に笑いながら、

共にお互いの邪魔をする相手に殺気を放ってた。

 

そして文官達はまた殺気に当てられバタバタと倒れていく。

 

一蝶「蒲公英、いえ、馬岱は天を、一刀様を裏切っていたのですよ。その罪、万死に値する!!!」

獅堂「一刀の言葉忘れたのか?手は出すなって言われただろ?ヤローの命に、背くのか?」

 

獅堂の言葉で一蝶は我に返り、静かに剣を下げ、獅堂を見る。

 

一蝶「貴方がそこまで命に忠実だとは、知りませんでしたよ、、」

獅堂「けっ、ヤローの命なら従うさ。他の奴のは気分で従うかどうか決めるけどな」

 

一、二度、深呼吸をした一蝶は一刀の方に振り返り跪く。

 

一蝶「怒りに飲まれ、命に反したこと、申し訳ありません」

一刀「それは許そう。お前はもう部屋に戻っていろ。辛いだろ」

一蝶「はっ、」

 

一蝶は立ち上がり扉の方に歩きだす。

 

一刀「獅堂、お前も行け。一蝶と一緒に居てやってくれ」

獅堂「ああ、」

 

獅堂もまた、一蝶の後を追い王座の間を出ていく。

 

立ち去る二人は共に一度も振り返らず、握った拳からは血が滴り落ちていた。

 

 

二人が去ったと、間にはかなり重い空気が流れていた。

一刀はただ正座している蒲公英を正面から見下ろし、蒲公英は俯いている。

翆はその横で二人の顔を交互に見ていた。

 

一刀「蒲公英、自分が何をしたか分かってるな?」

蒲公英「はい」

 

その言葉に蒲公英は俯いていた顔を上げ、意志の籠った眼で真っ直ぐと一刀を見つめる。

 

一刀「そうか、なら、良かった」

 

静かに紡ぐ言葉。しかし流れる沈黙の為、皆の耳に届く。

 

一刀「最後まで、蒲公英を嫌いにならないで済みそうだ」

 

一刀はそう優しく呟くと、刀を抜き真っ直ぐと蒲公英に構える。

蒲公英は全てを覚悟した様子で、一刀の目を真っ直ぐ見詰めていた。

 

一刀「翆、動くなよ」

 

その光景を見た翆が、蒲公英を庇おうと動き出すのを止めるように一刀は言う。

 

翆 「っっ、でも、蒲公英は、私の妹で、、」

一刀「だから許せと?お前も一度人を束ねた者なら分かるだろ。背徳、裏切り、それがどれ程の大罪か」

翆 「でも、「それを言うなら、貴方も同じでは無いですか」えっ、」

 

放たれる言葉、一刀は言葉の聞こえた方向を見る。

そこに居たのは、ことの成り行きを睨みながら見ていた関羽だった。

 

一刀「どういう意味だ?」

関羽「貴方とて曹操を、孫策を裏切った裏切り者だろう。そんなお前が馬岱を裁くというのか?」

 

一刀は一瞬口を紡ぎ、笑いながら答える。

 

 

 

一刀「ああ、」

 

 

 

関羽「やはり、、貴方は屑だ」

 

 

 

 

 

関羽の口を塞ごうと劉備や趙雲が、

関羽の口を潰そうと天の将兵が動くのを一刀は片手を上げ制する。

 

一刀「お前の言うとうり、俺は屑で傲慢だ。だが、傲慢でない人間などこの世に居るのか?少なくとも、俺は会ったことがない」

 

とってつけた笑顔の仮面は外れ、真の笑みが顔に浮ぶ。

 

一刀「人は弱い。故に弱者を見下し、その下の者はさらに下を。最低の人は底辺の者を笑う。そして知る、下には下が居ると。故に、人は傲慢になる」

 

まるで幼子に未来と言う夢を与える父親のように、けれど、冷たく紡ぐ言葉。

人全てを傲慢と言い切る男を関羽はただ睨み続ける。

嫌悪、侮蔑、憎悪、それらを含みながら。

 

一刀「なんだ、その顔は。まるで自分は違うとでも良いたげだが、お前も同じだろう。”頼まれても居ないの誰かを救おうとした”時点で、お前も十分傲慢じゃないか」

関羽「、、、、っっ」

一刀「まあ、認めたくないならいい」

 

そう言うと、一刀は関羽から視線を外し再び蒲公英を見る。

 

一刀「罪には罰を、大衆はそれが好きだ。俺が蒲公英を許しても、天の民は許さないだろう。なら、せめて俺の手で贖罪を、それが優しさじゃないのか?」

 

一瞬、思案した関羽だが、一刀の顔を見て再び嫌悪を向ける。

 

関羽「笑いながら殺すことが、優しさか」

 

一刀は笑顔で蒲公英を見る。

 

一刀「ああ、そうだ。誰かが言っていた、『笑顔は人を幸せにする』と。なら人を傷つける時も笑って居るべきだ。せめて、幸せに苦しめるように」

 

その言葉で関羽はさらに嫌悪を深め、

劉備は一刀の真顔を知り、

武に精通する者の多くはその言葉の深さを悟る。

 

そして、少し前に気絶から帰った文官達は思う。

 

   「(それは言葉の意味が違うんじゃないか?)」

 

 

 

そんなやり取りを経て、一刀は蒲公英を見る。

翆は拳を握り歯を噛み締めていたが、蒲公英の眼には迷いはなかった。

 

一刀「後悔は無いのか?」

蒲公英「ない、って言ったら嘘になるけど、私はご主人様のこと恨まないよ」

一刀「そうか、、ありがとう蒲公英」

 

笑顔でそう言う蒲公英に一刀は笑顔を返す。

 

一刀「蒲公英、眼を瞑れ」

蒲公英「うん」

 

一刀は刀を上げ、

 

一刀「その罪、悔い改めよ」

 

振り降ろした。

 

 

   ガキッン

 

 

しかし、二度がそうであったように、再び剣は蒲公英に届かない。

 

一刀「何のつもりだ、、」

 

一刀が放つ覇気、怒気、殺気に文官達は三度目の気絶をきした。

 

 

    報告

 

 

前作でもお伝えしたとうり、今、生活が嫌な感じに充実しています。

 

その為、今後落ち着くまで本編の身の更新、また更新が遅くなるかもしれません

 

なんとか遅くならないように頑張っては見ますが多分無理です。

 

申し訳ありません、、、

 

 

 

ps、変わりに久しぶりにコメント欄への書き込みを少ししようと思ってます。

 

 

では、とある方の御助言合理、寝不足解消の為にもう寝ようと思います。

 

おやすみなさい、、、、


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
86
11

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択