「はーいみなさん。今日から臨時で来てくれた凪先生です。よろしくね~♪」
副園長である紫苑先生が保育園の職員室にいた他の先生に向かって、両手をポンと合わせながら
横に控えた凪を紹介する。
その紫苑先生の身に着けているのはフリフリがついた白いエプロンで、まるで新妻のようだった。
その横にいる凪は薄紫のエプロン姿。
「は、初めまして。凪と申します。短い間ではございますが、よろしくお願いします」
紹介された凪は皆の視線を感じながら、緊張した面持ちで深々と頭を下げた。
「こちらこそよろしく~」「いやー。助かるよー」「一時はどうなることかと思ったぜー」
にこやかに声を上げたのは、もも組(0才児)担当の穏先生と白蓮先生。
そしてうめ組(1才児)担当の焔耶先生だった。
他の先生もほっと胸を撫で下ろしている。
皆エプロンの色が違う事から、それぞれが用意したものらしい。
事の発端は、一刀のゼミの教授の「キミの彼女さん、保育園でアルバイトする気はないかね?」
という一言からだった。
何でも教授の知り合いの人がやっている『私立恋姫保育園』の先生の一人が急に田舎に帰ることになり、
代理の人を探していたが急な話ということもあって、保育士の資格を持った人が集まらなかったらしい。
ところが一刀との将来を夢見た凪が子育てのエキスパートは保育士だと思い、保育士の勉強をして
在学中に保育士試験に合格しており、それを一刀がゼミで話していたのだ。
そこで臨時の先生として凪に白羽の矢が立つ。
本来なら色々あるが、大学の理事長である卑弥呼と、私立恋姫保育園の貂蝉理事長が色々手を尽くした。
「おー・・・それじゃあのぅ。凪先生には、たんぽぽ組(3才児)を手伝ってもらう。
翠先生と猪々子先生、凪先生をよろしくなー」
園長である桔梗が椅子に座ったまま二人に向かって手を振ると、翠先生と猪々子先生が凪に握手を求める。
「あたしが翠だ。よろしくな」
「あたいは猪々子。子ども達も喜ぶだろうぜ~」
二人とにこやかに握手を交わす凪を見ながら、紫苑先生がポンポンと手を叩く。
「はーい。それでは、今日も一日がんばりましょう~♪」
「「「「「「はい!!」」」」」」
たんぽぽ組の教室。
凪は翠先生と猪々子先生に連れられて教室に入ると、すぐにわらわらと子ども達が近寄って来る。
「わー。わー。先生だれー?」「だれー?」「わー」「わー」
「よーっし。おまえらー。今日から来る新しい先生の凪先生だぞー。よろしくなー」
「「「「はーーーーい!!!」」」
猪々子が近づく子ども達の頭を撫でながら凪を紹介すると、子ども達は元気良く手を上げた。
そのあまりの元気の良さに少し気圧されるが、凪はぐっと踏み留まる。
「な、凪です。よろしくお願いします!!」
若干硬いが、凪の雰囲気に優しいと判断した子ども達が凪を囲むように群がった。
「ねーねー。遊んでー」「あのねー。わたしねー」「あははははは」「きゃーー!!」
一斉に話し始める子ども達に目を白黒させながらも必死で対応する凪を見て、翠先生と猪々子先生の
頬も緩む。
((最初は慣れるまで大変なんだよなー))
と、ふと最初の頃の自分と重ねて苦笑する二人だった。
そんな凪の元に集まる子ども達を傍目に、ニヤリと笑う一人の金髪の幼女がいる。
彼女は美羽。
有名子役であり、たんぽぽ組一番の問題児だった。
こうして、凪の保育園の先生一日目が始まった────
長いこと外伝を更新していなかったのでこっちもちょこちょこ書いていきます。
相変わらず短いですよw
私立恋姫保育園。
理事長 - 貂蝉
園長先生 - 桔梗
副園長先生 - 紫苑
もも組(0才児)先生 - 白蓮・穏・Secret
うめ組(1才児)先生 - 斗詩・思春・焔耶
ちゅーりっぷ組(2才児)先生 - 桂花・蓮華
たんぽぽ組(3才児)先生 - 翠・猪々子・凪
すみれ組(4才児)先生 - 霞
さくら組(5才児)先生 - 星
現在はここまで。
他のメンバーも出ますよー。
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保育園その1。