No.195951

ざくろの味

「ああ、強すぎる明かりは勘弁してくれるかな」
無造作にむしゃぶりつかれた柘榴の果肉から、うす赤い果汁が滴垂る。
褐色の肌を濡らし、本来ならば花嫁の纏う絹地に染みを作るのを気にしたふうもない。
「俺な、ろうそくの炎の明かりで見るのが一番きれいなんだとさ」
真実を実らす種をもつ彼は、そう言ってにやりと笑った。

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2011-01-14 23:13:37 投稿 / 800×800ピクセル

2011-01-14 23:13:37 投稿
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