No.195670

孤高の御遣い Brave Fencer北郷伝21

Seigouさん




一刀の苦悩

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2011-01-13 00:06:31 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:13768   閲覧ユーザー数:6349

月が華琳に降伏して一ヶ月

 

華琳は以前から計画していた涼州確保のために、馬騰こと葵の下に月、詠、霞を派遣した

 

もともと涼州の出身だった三人は快く引き受けた

 

涼州での交渉はかなり順調に進んでいき、葵は翠と馬岱こと蒲公英を洛陽へ派遣した

 

翠は帝を蔑ろにして魏という国を立ち上げた華琳に対して不満があったが、魏国内の治安の良さには感銘を受けた

 

それに対して蒲公英は魏の各将達と打ち解けあい、すでに数人の将と真名を交換し合っていた

 

特に悠とは、お互い性格が似ているせいかかなり意気投合していた

 

そんな二人はこっそり洛陽を抜け出して北荊州へと足を運んでいた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蒲公英「悠お姉様♪蒲公英、荊州に来るの初めてだからわくわくしっぱなしだよ♪」

 

悠「まっ、荊州に関しては華琳も目を付けていたからな、視察がてら足を運ぶのも悪くないな」

 

蒲公英「でも大丈夫かな?もう夕方だし、かなり山奥に入ってきちゃったし、お姉様に怒られちゃいそうだよ」

 

悠「まぁ馬超の奴にはあたしから言っておくよ、蒲公英を連れ出したのはあたしなんだからさ」

 

蒲公英「お願いね♪悠お姉様♪」

 

悠「おう♪・・・・・それにしても今日はここで野宿するしかないだろうな」

 

蒲公英「うんそうだね・・・・・・あ!あっちに川があるよ!」

 

悠「よし!そこにするか!」

 

蒲公英「さんせ~~い♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

野宿の準備が終わる頃には辺りはかなり暗くなっていた

 

今夜は運良く満月で月明かりを頼りに作業を終わらせることができた

 

二人の馬は、近くで草を食べ、悠と蒲公英も夕食をとっていた

 

蒲公英「あむあむ・・・・・おいしいね♪これ♪」

 

悠「あたしも初めて食べるけど、食べやすいうえに持ち運びも便利だな」

 

蒲公英「え~~~~と・・・・・なんて言ったっけこれ?」

 

悠「確か・・・・・おにぎりって言ってたっけ、雫が」

 

蒲公英「へ~~~、雫さんが作ったんだ」

 

悠「いや、厳密に言うとそうじゃないらしいぞ」

 

蒲公英「どういうこと?」

 

悠「なんでもこいつは、雫が北郷一刀から教えて貰った料理で、北郷のいた国ではありきたりの食べ物らしいぞ」

 

蒲公英「あ!その北郷って言う人、おば様とお姉様から聞いているよ!・・・・・けど、おば様は北郷は強いとしか言わないし、お姉様はその人のことについて聞くと顔を赤くしちゃって黙り込んじゃうし、蒲公英その北郷って言う人の事全然わかんないんだよね」

 

悠「あたしは知っているよ、戦場で何度も見かけたことがあるからな♪」

 

蒲公英「ほんと!なら教えてよ!悠お姉様!」

 

悠「分かった分かった・・・・・・これは恋から聞いた話なんだが、北郷は恋と引き分けたことがあるらしいぞ」

 

蒲公英「嘘!!?あの恋さんと!!?」

 

悠「ああ、おまけに北郷は色んな楽器を弾けて、おまけに歌も歌えるそうだ、菖蒲達はまた聞きたいと言っていたな」

 

蒲公英「へ~~~、蒲公英も聞いてみたいな♪」

 

そんな話をしていると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♪・・・・・・・♪♪・・・・・・♪・・・・♪♪・・・・♪・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蒲公英「・・・・・あれ?悠お姉様、この音・・・・・」

 

悠「ああ、あたしも聞こえている・・・・・」

 

突然遠くから音が聞こえてきていた

 

川の音が邪魔して聞き取りづらいが確かに聞こえてくる

 

悠「・・・・・川上からだな」

 

蒲公英「行ってみようか♪」

 

悠「おう♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二人はその音源に気配をなるべく消しながら近づいていった

 

するとそこには

 

悠「!!??」

 

蒲公英「どうしたの?悠お姉様?」

 

悠「蒲公英・・・・・あいつが北郷一刀だ」

 

蒲公英「ええ!?」

 

二人は川辺の岩に座り二胡を弾いている一刀を発見した

 

そして次の瞬間

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「星が流れる夜~~~♪人は~~~♪変わるの~~~~~~♪・・・・・優しい微笑みも~~~~♪今では~~~♪幻~~~~♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悠「!!??」

 

蒲公英「!!??」

 

悠と蒲公英は驚いた

 

とても男の声とは思えないほどの高い声

 

しかも安定していて、決してぶれる事がない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「あなたは~~駆け巡る~~~~♪あの空~~~♪山陰~~~~♪・・・・・届かぬ~~~この気持ち~~~~♪私は~~♪耐えてる~~わ~~~♪好きなら好きと~~~♪言えない心に、人はいつも苦しむの~~~~♪・・・・・私はきっと~~幸せになれる~わ~~♪あなたが生きてる限り~~~~~♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悠「・・・・・・・・・・」

 

蒲公英「・・・・・・・・・・」

 

悠と蒲公英は聞入ると当時に魅入っていた

 

月明かりに照らされ、二胡を弾きながら今まで聴いたことのない歌を歌う一刀の姿に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「・・・・・・・・・・オーロラの降る夜~~~♪私は~~~♪祈るの~~~~♪・・・・・この胸はいつでも~~あなたの~~~故郷~~よ~~~♪好きなら好きと~~♪言えない心に、人はいつも苦しむの~~~~♪・・・・・・私はきっと~~幸せになれる~わ~~♪あなたが生きてる限り~~~~~~♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悠「・・・・・/////////」

 

蒲公英「・・・・・///////////」

 

二人は見惚れていた

 

月明かりに照らせれ、長い髪を輝かせている一刀の姿はあまりに幻想的でかつ、切なかった

 

悠「(これなら月達が入れ込むのも無理ないな~~♪)」

 

蒲公英「(なるほどね~、お姉様の反応分かる気がする~~♪)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

演奏が終わり一刀が岩から立つ

 

そして

 

一刀「・・・・・いつまで隠れているんだ?」

 

悠「!!?」

 

蒲公英「!!?」

 

いつのまにか気の抜けていた二人の気配は丸分かりだった

 

一刀もかなり気配には敏感になっているようだ

 

悠「まいったな、いつから気付いていたんだ?」

 

一刀「歌の中間辺りからかな」

 

蒲公英「げっ!?あの辺りからか・・・・・」

 

一刀「こっちも途中で止めたくなかったし、最後まで歌わせてもらったよ」

 

悠「いや、おかげでいいものが見れた」

 

一刀「そう言ってもらえると、こっちも歌った甲斐があるな・・・・・ところで、どちら様でしたっけ?・・・・・ああ、ちなみに俺の名は北郷一刀です」

 

悠「知っているよ・・・・・あたしは、姓が張、名を郃、字が儁乂、曹魏の将だ」

 

蒲公英「蒲公英はね、馬岱って言うの♪」

 

一刀「張郃儁乂!?」

 

悠「ん?知っているのか?」

 

一刀「あなた自身を知っているわけじゃありませんが、あなたの名前は聞いています」

 

悠「ふ~~~~ん・・・・・」

 

一刀「(張郃儁乂・・・・・か)」

 

一刀は今となっては意味が無いと思うが、史実を思いだす

 

張郃儁乂、もともと袁紹に仕えていたが、戦いに敗れ曹操に降る

 

個人的な武は一流だったが、用兵に関してはお粗末で、戦には殆ど負けっぱなしだった残念な将軍という印象が強い

 

一刀「そっちは馬岱さんだっけ、君は確か涼州の人だったと思うけど、何でここに居るの?」

 

蒲公英「それはね、おば様から曹魏の視察を命じられて来ているの」

 

一刀「馬岱さんのおば様というと・・・・・馬騰さんか?」

 

蒲公英「うんそうだよ♪」

 

一刀「馬騰さんは元気にしているかい?」

 

蒲公英「もう元気すぎて困ってるくらいだよ」

 

一刀「そうか・・・・・俺もあの人とは剣を交えているからな」

 

蒲公英「あ♪それ蒲公英も聞いているよ♪」

 

そんな話をしていると

 

悠「・・・・・なぁ、北郷」

 

一刀「はい?」

 

悠「どうして月達の下に戻らないんだ?」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

悠「知っていると思うけど、月達はあたし達曹魏に降伏した、月達はおまえの帰りを心待ちにしているぞ」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

悠「ああ、ちなみに月達が降伏する前にあたしは華琳達の方についていたからな、月達とは真名の交換は済んでいる」

 

一刀「そうですか・・・・・月達は元気ですか?」

 

悠「おまえの手紙が届いたと同時に元気になったよ」

 

一刀「あの手紙は無事届いたんですか・・・・・よかった」

 

蒲公英「それで、どうして戻らないの?」

 

一刀「・・・・・俺は、月達の下に戻っていいのか迷っています」

 

悠「・・・・・・・・・・」

 

蒲公英「・・・・・・・・・・」

 

一刀「あの戦いで、俺は月を助ける代わりに敵味方問わず、あまりにも多くの人達を犠牲にしてしまった」

 

悠「・・・・・・・・・・」

 

蒲公英「・・・・・・・・・・」

 

一刀「この先、俺は何もしない方がいいんじゃないかと・・・・・そう思ってしまっているんです・・・・・」

 

悠「・・・・・なぁ北郷、これからあたしと試合をしないか?」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

蒲公英「・・・・・・・・・・」

 

いきなりの悠の申し出に一刀と蒲公英は黙ってしまう

 

悠「恋に勝ったというあんたの実力、かなり興味がある」

 

一刀「勝ったというよりギリギリ負けなかっただけですよ」

 

悠「それでもあの天下無双の恋と勝負ができたんだろう、十分すぎるぜ・・・・・受けてくれるか?」

 

一刀「・・・・・向こうに開けた場所があります、そこでいいですか?」

 

悠「ああ、構わない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして一刀、悠、蒲公英の三人は森を抜け、平らな平地へと辿り着いた

 

一刀「最初に言っておきますけど、俺が受けた毒はまだ抜けきっていません、あまり期待しないでくださいよ」

 

悠「そんな素振りは見せていないじゃないか」

 

一刀「これでもまだ本調子じゃないんで」

 

悠「なら、あたしが気合を入れてやろうか♪」

 

一刀「お手柔らかに」

 

悠「それは聞けない相談だな、恋と引き分けたやつに手を抜けるわけがないぜ・・・・・蒲公英、審判やってくれるか?」

 

蒲公英「うんいいよ♪」

 

そう言いながら蒲公英は一刀と悠の横に立つ

 

一刀は、後ろ髪を縛り、腰を落とし左手の親指で忠久の鍔を押し出し、悠は鉤爪風月を装備する

 

蒲公英「それじゃ・・・・・試合・・・・・開始!」

 

悠「そりゃーーーーーーー!!」

 

悠は自慢の俊足で一刀との距離を詰める

 

一刀「っ!!?(速い!!)」

 

この鋭さは、霞の神速以上だった

 

一刀「くっ!!」

 

ガギン!!

 

刀を抜いては間に合わないと体が勝手に反応し、鞘で防御した

 

ギリギリギリギリ!!

 

一刀「~~~~~~~~っ!」

 

悠「へ~~~流石だな、割と速めに走ったんだが」

 

一刀「(冗談じゃない、氣も使っていないのにこの速さは無いだろう!)」

 

どうやら純粋な速さでは悠の方が上のようである

 

一刀「~~~~、ふっ!!」

 

ガッキャアアアア!!

 

いきなり全身に氣を纏い、悠を押し返す

 

悠「なるほどな、今まで何度も見たことがあるが、氣の練度はなかなかのものだ」

 

一刀「お褒めに預かり光栄だね」

 

刀を抜き放っていては追いつけないと思い、一刀は忠久を抜く

 

悠「・・・・・だがな・・・・・ふっ!」

 

シュビビビビビビ!!

 

一刀「っ!!??(さっきより速い!!)」

 

今度はジグザグに相手を撹乱する動き

 

キイーーーーーン!!ガキン!!

 

それでも何とか反応し、忠久と鞘で悠の風月を防御する

 

悠「お前は少々、氣に頼りすぎている部分があるな」

 

一刀「・・・・・否定はしませんよ」

 

ギュイーーン!!ギャイーーーーン!!キイーーーン!!カアーーーン!!ギュッチィッ!!

 

悠「・・・・・確かに、お前の攻撃には迷いがあるな、これなら蒲公英と稽古しているほうがマシだぜ、はあああああああ!!!」

 

キイーーーーン!!ギャリーーーーン!!ガギーーーーン!!ガアーーーーン!!ギュチーーーン!!

 

一刀「ぐっ!?くっ!!くそっ!!」

 

悠は、鉤爪風月による変幻自在の攻撃を四方八方から繰り出してくる

 

それに対して一刀は、長い間寝たきりのブランクと心の迷い、まだ毒が抜けきっていないという最悪なコンディション

 

さらに

 

ギュリン!!ギャリン!!ギュイン!!ギャイン!!

 

一刀「くそっ!やりずらい・・・・・」

 

悠「そらそらどうしたーーーー!!恋に勝ったやつが情けないぞ!!」

 

悠の攻撃は確実に一刀を押しているにも拘らず、一刀の忠久の斬撃は悠の高速移動によって空を切らされ、仮に当たったとしてもいちいち鉤爪に絡め取られ、その切れ味を封殺される

 

どうやら一刀と悠の武は、相性が悪い様である

 

一刀「くそっ!!ふっ!!」

 

ガアーーーーーーーーーン!!

 

悠「おお!!?」

 

またしても力任せに悠を押し飛ばし距離を開ける一刀

 

そして

 

一刀「~~~~~っ、はっ!!しっ!!」

 

悠に向けて氣の斬撃を放つ

 

しかし

 

悠「よっ、はっと」

 

一刀「何!?」

 

悠は、その氣の斬撃を軽やかに交わす

 

ズバーーーーーーン!!ドバーーーーーーン!!

 

蒲公英「きゃあああああ!!」

 

氣の斬撃は蒲公英のそばで弾けた

 

悠「その技は汜水関と虎牢関で見飽きてるぜ!!どりゃああああああ!!」

 

ギャチーーーーーーーーーーン!!

 

一刀「くっ!・・・・・これは!!?」

 

一刀は驚いた

 

なぜなら

 

悠「そりゃあああああああああああ!!!」

 

今までの拳法家の様な動きから一転し、前屈みになり獣のような動きへと変わったからだ

 

一刀「くっ!!・・・・・ふっ!!」

 

全身に氣を纏い悠の速さに対抗しようとする一刀

 

しかし

 

悠「どうしたどうした!!その氣は飾りか!!?」

 

ギャリーーーーン!!ガギーーーーン!!ギュチーーーン!!キイーーーーン!!ガアーーーン!!

 

一刀「・・・・ちっ!!くそっ!!」

 

悠の虎のような動きが読めず、完全に翻弄される一刀

 

本物の虎が相手なら負けることはないであろうが、相手は鉤爪を装備した人間である

 

しかし、それでも悠の攻撃を捌けるのは、今までこの世界で培ってきた実戦経験と積み上げてきたスペックのおかげであろうか

 

悠「へ~~~~、毒に犯されて、心に迷いがあるってのに、なかなかねばるじゃないか!あたしもだんだんお前のことが好きになってきたかもな!」

 

ガキャーーーーーーーーン!!

 

一刀「ぐうっ!!・・・・ありがとうね」

 

悠「・・・・・/////////」

 

一刀「????」

 

不規則で読めない動きをする悠の頬が赤くなっているのを見たが、何で赤くなっているんだろうと思っている相変わらずの鈍感野郎がここに居た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蒲公英「///////////」

 

蒲公英は、審判をしていることも忘れ二人の戦いを魅入っていた

 

悠の虎のような動き、悠が飛び跳ねるたびにその豊満な胸がユッサユッサと上下に揺れて大人の女性特有の色香を醸し出している

 

これは今の自分には絶対にない魅力である

 

しかしそれ以上に

 

蒲公英「・・・・・綺麗////////」

 

一刀の振るう忠久は不思議な光の剣線を描き、まるで舞いでも踊っているような動きである

 

悠と一刀が戦う姿は、まるで猛獣使いが猛獣を躾け、あるいはじゃれ合っている光景に見える

 

蒲公英「・・・・・なんだか面白くないなぁ~~・・・・・」

 

自分を放っておいて、二人仲良く試合をしている二人に少しだけ膨れっ面になる蒲公英だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悠「ははははは♪ここまでねばるとはね、予想外だよ♪もっともっと楽しもうぜ♪」

 

ギャリーーーン!!ガギーーーーン!!ギュチーーーン!!キイーーーーン!!ガアーーーーン!!

 

一刀「くっ!!ぐっ!!・・・・・はぁ、はぁ・・・・・」

 

悠「おっ♪そろそろ息が切れかけてきたか♪こっちはまだまだいけるぜ♪もっと楽しもうぜ♪」

 

どうやら体力でも悠の方が上であるようだ

 

一刀「(純夏とは種類が違うようだけど、この人も立派な戦闘狂だな)」

 

悠「ほらほら♪もっといいことしようぜ♪あたしに身を任せな♪二人の熱~~い夜を楽しもうぜ♪」

 

一刀「・・・・・すみませんね、俺童貞なんで、あんたに俺の純潔はやれないな」

 

悠「!!??・・・・・ほう♪ますます欲しくなったぜ♪♪絶対ものにしてやるぞ♪♪♪」

 

一刀「絶対死守!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、一時間近い攻防が続き、ついに

 

ギャイーーーーーーーーン!!ガカーーーーーーーン!!

 

一刀「ぐあっ!!」

 

とうとう一刀の手から忠久と鞘が弾かれた

 

悠「もらった~~~~~♪♪♪♪」

 

丸腰になった一刀に悠が容赦なく襲い掛かる

 

しかし

 

一刀「くっ!」

 

ガシ!バシ!

 

悠「くぅ!しぶといねぇ!」

 

一刀「~~~~~っ!・・・・・まだまだ」

 

悠の腕をしっかり掴み鉤爪から身を守る一刀

 

しばらくの間我慢比べがあったが

 

ズルッ!

 

悠「え!!?」

 

一刀「わっ!!?」

 

悠が足を滑らせ、すっ転ぶ

 

一刀もいきなりのことに対応できず、一緒にすっ転んだ

 

悠「ぎゃふん!」

 

一刀「ぼはっ!」

 

悠が一刀に覆いかぶさるように倒れこんでしまう

 

そして、その体勢が拙いことに

 

ムニュン

 

蒲公英「あ」

 

悠「いたたた・・・・・お♪」

 

一刀「むぐ!?」

 

悠は、自分の胸を一刀の顔に押し付ける形で倒れていた

 

もちろんこのチャンスを逃す悠さんではない

 

悠「おおっ♪ようやくその気になってくれたか♪♪それ~~~~~♪♪♪♪」

 

むぎゅううううううううううううううううううううううううううううう!!!

 

一刀「もが~~~~~~~~~!!/////////」

 

悠は蒲公英が目の前に居るにも拘らず、一刀に抱きつき自分の胸を一刀の顔に押し付ける

 

一刀は何とか逃れようとするが

 

悠「逃がすかっ♪♪♪おまえの始めていただくぜ♪♪♪」

 

むぎゅむぎゅむぎゅむぎゅ!!

 

さらに悠は一刀に胸を擦り付ける

 

形のいい胸が形を変えて一刀の口を塞ぐ

 

完全に息の出来ない一刀

 

一刀「むがぁ~~~~~~~!!/////////・・・・・・・・・・・・(ガクッ)」

 

意識は薄れていき、とうとう闇に沈んだ

 

この戦いは、悠の真必殺技、乳房沈降(悠命名)によって悠の勝ちとなった

 

こうして、この世界に一刀がやってきて初めて一刀に土をつけたのは悠となったのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、一刀が目を覚ました頃、既に辺りは明るくなっていた

 

ちなみに一刀の純潔は守られている

 

すんでのところで蒲公英が止めに入ったためだ

 

 

 

 

 

 

悠「・・・・・それで?気分は晴れたか?」

 

一刀「どうでしょうね・・・・・」

 

悠「なんだよ、あれだけ動いたんだから少しはすっきりしたんじゃないのか?」

 

一刀「そんな簡単にはいきませんよ・・・・・」

 

悠「・・・・・まぁな、戦いの最中のあんたは心がここにある様で無いようなものだったからな」

 

一刀「すみません・・・・・」

 

蒲公英「でもでも、それでもあれだけ戦えるんだもん♪やっぱりおば様の言っていたことは正しかったよ♪」

 

悠「そうだな・・・・・なぁ北郷、あたし達と一緒に戻らないか?」

 

蒲公英「そうだよ♪一緒に帰って月達を驚かせてあげようよ♪」

 

一刀「二人の気持ちは嬉しい・・・・・でも・・・・・」

 

悠「・・・・・決心がつかないか?」

 

一刀「・・・・・はい」

 

悠「あたしはあんまり難しいことは考えない、人生楽しんでナンボだってあたしは考えているからな♪・・・・・でも、あんたには時間が必要なんだろうね」

 

一刀「張郃さん・・・・・」

 

悠「悠でいいよ」

 

一刀「え!?・・・・・でも」

 

悠「構わない・・・・・月や華琳が真名を預けているんだ、あんたは悪い奴じゃないって分かる」

 

一刀「・・・・・分かりました、悠さん」

 

悠「敬語も無しだ、それと悠と呼び捨てにして構わないよ♪」

 

一刀「・・・・・俺は、知っているかもしれないけど一刀が真名に当たる、そう呼んでくれ、悠」

 

悠「おう、よろしくな♪一刀♪」

 

蒲公英「悠お姉様が預けるなら蒲公英も♪蒲公英は蒲公英だよ♪お兄様♪」

 

一刀「お、お兄様!?」

 

蒲公英「あれ?いけなかった?」

 

一刀「・・・・・まぁいいか、よろしくな蒲公英」

 

蒲公英「よろしくお願いするね♪お兄様♪」

 

一刀「・・・・・なぁ、悠、蒲公英」

 

悠「どうした?」

 

蒲公英「どうしたの?お兄様」

 

一刀「俺がこの北荊州にいること、そして俺と出会ったことは、誰にも言わないでくれないかな?」

 

悠「・・・・・・・・・・」

 

蒲公英「・・・・・・・・・・」

 

一刀「俺は、まだみんなに会う踏ん切りがつかない、自分がこれから辿る道筋をちゃんと決めてから会いたいんだ」

 

悠「・・・・・わかった、黙っておこう」

 

蒲公英「うん、分かったよ、お兄様」

 

一刀「・・・・・ありがとう・・・・・悠、蒲公英」

 

悠「・・・・・//////////」

 

蒲公英「・・・・・//////////」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、洛陽への帰り道

 

 

 

 

 

悠「・・・・・不思議なやつだったな」

 

蒲公英「え?お兄様が?」

 

悠「ああ・・・・・物凄く強いかと思えば、心は繊細で壊れやすい・・・・・一刀の中にはあまりにも不安定な天秤が揺れているんだろうな」

 

蒲公英「天秤・・・・・」

 

悠「そうだ・・・・・どちらに傾き過ぎても壊れてしまう、そんな脆く危ない天秤がさ」

 

蒲公英「・・・・・・・・・・」

 

悠「・・・・・それにしても」

 

蒲公英「どうしたの?悠お姉様」

 

悠「話には聞いていたが、あいつの持っている剣は凄いな」

 

そう言いながら悠は鉤爪風月を蒲公英に見せた

 

蒲公英「うわ!ひっど~~~~い!」

 

悠の風月は見るも無残にボロボロだった

 

悠「完全に受けきっているつもりだったが・・・・・甘かったな」

 

蒲公英「そういえば・・・・・おば様も翠お姉様もお兄様に武器を壊されたって言っていたっけ」

 

悠「・・・・・帰ったら修理だな」

 

そう言って、二人はまっすぐに洛陽へと帰還していった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうもseigouです

 

一刀の歌っていた歌

 

この歌詞を一回見ただけでどんな曲が分かる人は流石です

 

兄弟です♪

 

というわけで今回も一刀の苦悩を描きました

 

次回は新たな展開が始まります

 

では、待て!次回!


 
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