これはこれは皆々様
久しく
本当にお久しぶりで
いやはや
本当に懐かしい方々だ
ああいや
そちらからすると初対面なのですなぁ
はじめまして
遅ればせながら
この度この旅の水先案内人をさせていただく者でございます
さて
察しの良い方々はお気づきでしょうか
ここは世界の狭間
時間の流れの存在しない外れた空間でございます
この度皆様を此処にお招きしましたのは
破戒の外史を伺い見るに足る資格を身につけて頂くためでございます
御承知の通り
この作者の系列の外史は 破戒演技 に帰結するもの
世界という理の戒めを破るまでの物語にございます
ただし
世界という全てを内包する理を破戒するにあたり
必要となるのは"絶対的な力"にございます
理を破戒して書き換える
それこそ『神』に等しき力
破戒演技にはこの力を持った人物が登場いたします
しかしそれ程の力
なんとは無しに手に入るような容易かつ安易なものではございません
そこで
皆々様
これからその道程を初めから辿り
同様の力を身につけていただきたく存じます
その為に使わされた案内人が私である
というわけですな
さて
そこで皆々様
まずは覚悟の程を確かめさせて戴きたく存じます
皆々様
何かを得る為には何かを失うのが摂理というものでございます
これからの旅路に参列するにあたり皆々様には
"『力』を得る旅に参加する"
ために
"『希望』を失う"
ことになります
端的に申しましょう
今から辿ることとなる幾つかの外史
全てすべからく『悲劇』でございます
『救い』や『幸福』などあって無いようなもの
そう心得て戴きたく
よって今ここで『希望』を捨て去ってもらいます
故に問いましょう
それでも『貴方』は――
『 未 来 』を 望 み ま す か ?
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私は 語る口を持ちません
全て 案内人に委ねます
ただ 一言だけ
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