「では!今回の巡察お疲れ様ー!」
「「「「カンパーイ!」」」」
空に半月の浮かぶ夜、蒲公英の元気な声が夜空に響く。
愛紗、星、蒲公英、焔耶、恋、美以以下の南蛮勢は城の一角で酒盛りをしていた。
「皆、南蛮への巡察ご苦労だったな。美以達の案内もあって今回は順調に進んで良かった」
「美以達頑張ったにゃ!」
「頑張ったにょ!」
「頑張ったにゃー!」
「がぁんばったにゃ~」
愛紗の一言に美以達南蛮勢が声をあげる。
「ホント~!これで久しぶりにご主人様にかまってもらえるよ~!」
「確かに…お館に合うのもしばらくぶりだな…」
「おや?焔耶、嬉しそうだな。…顔が赤いぞ?」
「ホント~!焔耶顔赤い~」
「なッ!あ、赤くなってなどない!断じてないぞ!///」
「焔耶。顔、赤くなってる…」
「れ、恋まで…!///」
顔をほんのりと赤くしている焔耶を星と蒲公英が茶化すと焔耶はさらに顔を赤くした。
「ってお前たち、私の話を聞け!」
美以達へ労いの言葉を話していた愛紗が勝手に話を進める蒲公英達に声をあげる。
彼女らはここしばらくの間、南蛮へ美以達の里帰りと一緒に巡察へと行っていた。
蜀都、成都へ軍部の視察も兼ねた巡察でもあり蜀の軍関係者中心で構成された巡察は美以達の案内もあってか順調に進み何事もなく終了。
そして彼女らはこの日、巡察を終え三国の都へと帰還しその直後に蒲公英、星の二人が打ち上げを兼ねた宴会を提案し今に至る。
「まぁ愛紗、そのような堅苦しい話はもう終わりにして今は月を肴に酒を楽しもうではないか」
星は自身の杯に注いでいた酒を一気に飲み干し、愛紗の杯に酒を注ぐ。
「皆の労をねぎらうことが堅い話なのか?まったく…」
愛紗はやれやれと言った表情で並々に注がれた酒に口をつけると一気に飲み干す。
空になった杯を置くと星の空になった杯に酒を注いだ。
星は愛紗に一言、すまんなと言って杯をあおる。
「ゴクッ…なに、仕事の話ばかりしていると滅入るだろう?」
「…星はもう少し仕事に気を回してくれ」
愛紗は苦笑いを浮かべ、料理に手をつける。
「おや?私が仕事で失敗したことはあったか?」
「…失敗は無くとも仕事以外で尻拭いしている気がするがな」
愛紗は星をたしなめる様な表情を向けて言う。
「ほう。いやはや、そんなことがあったのか…と恋、ほらこれはどうだ?」
星は小言を言われるのを察したか、話を変えるように恋に話をふった。
「…?」
星が恋に渡したのはもちろんメンマ。
恋は渡されたメンマを箸でつかむと口に運ぶ。
「…おいしい」
「そうだろう?私がこの街で最も美味いとみているメンマだ」
「…もぐもぐ」
恋はメンマが気に入ったのか、一心不乱に食べ始める。
「れ、恋~♪///」
「相変わらず良い食べっぷりだな…ほら恋、これもどうだ?」
愛紗はそう言って恋にシューマイを差し出した。
「…はむ、もぐもぐもぐ…」
「「はあぁああ~~~…♪///」」
相変わらずな恋の食事風景に二人は顔をほころばせた。
愛紗と星が恋の食事に骨抜きにされている頃、焔耶と蒲公英は…。
「何だ~もうお終いかぁ、蒲公英ぉ~」
「にゃにおう…んぐんぐ…っと、どうだぁ!」
「っく…やるじゃないか…!」
「へっへーんだ!…焔耶なんかに、負けるわけないでしょ…!」
飲み比べを始めていた。
この宴会が始まってそんなに時間がたっていないのにも関わらず二人はだいぶ出来あがり、二人の周囲には空の酒瓶がいくつも転がっていた。
「おや、焔耶達はもうあんなに飲んでいるのか…これは私達も負けてはおれんぞ、愛紗!」
二人の飲みっぷりを見た星は恋に餌づけのように食事をさせている愛紗に声をかけた。
「…いや、私はあんなに飲むつもりはないぞ」
「しかしもう酒の数がだいぶ減ってしまったな。これでは遠からず愛紗の飲む分が無くなってしまうな…」
「って無視か!」
星は愛紗の言葉を無視して酒を調達しようと腰をあげる。
「せーい!心配はないのにゃ!」
すると、腰をあげた星を用意された食事にパクついていた美以が呼びとめた。
「おや?美以は酒に都合がつくのか?」
「そうだにゃ!美以達が持ってきた物の中にとーっても美味しいお酒があるにゃ!シャム、ミケ、トラ!急いで持ってくるにゃ!」
「「「にゃにゃにゃー!」」」
美以はミケ達に命令するとあっという間に走り去っていく。
「星、美以達に任せて大丈夫なのか…?」
「…まぁ、心配はいらんだろう」
二人は若干苦笑いを浮かべると手にした酒をあおった。
「皆さん、残りのお料理お持ちいたしました」
そこに美以達と入れ替わるように月が料理と酒を盆にのせてやってきた。
「おお、月。いつもすまんな」
愛紗はその声に気付いて月に礼を言うと盆のものを受け取る。
「気にしないでください。…これが私のお仕事ですから」
月は自身を気遣う愛紗ににっこりと微笑みを向ける。
と、月の持ってきた酒にさっそく口をつけていた星が、
「月、詠は一緒ではないのか?ならば我らの酒に付き合わんか?」
と言って月のスカートの裾をつかみ座らせようとする。
「へぅ…で、でもお仕事が…」
「おい、星…無理を言うな」
星の呼びかけに月は困ったような表情を浮かべる。
「いーじゃんいーじゃん!月も一緒に飲も~よ~?」
「ひっく…そうだぞ~…さぁ月も飲むぞ~!」
「た、蒲公英ちゃん、焔耶さん~…?」
すでに顔を真っ赤にして出来あがっている蒲公英と焔耶は月の両脇に陣取るとそのまま月を座らせる。
「私一度月を思いっきり酔わせてみたかったんだ~」
「たっ蒲公英ちゃん~!?」
「こら、蒲公英!無理を言うんじゃない!」
「い~じゃん~。ね~恋~?」
そこにふらりと、
「月…飲む…」
「恋さんまで…」
顔をほんのり赤くした恋が余った杯に酒を注いでやってきた。
恋は手に持った杯を月に手渡すとじっと見つめる。
「わ、わかりました…少しだけなら…」
「まったく…すまんな、月」
月は飲兵衛三人と恋の上目使いに折れてしまい、宴会に参加することになり…、
「ほら飲む飲む~!」
「飲め飲め~!」
「へう~…蒲公英ちゃん、焔耶さん…私そんなに飲めないですぅ~…ひっく…」
結局、蒲公英や焔耶に乾杯を続けられた月は良い感じに酔ってしまっていた。
月が宴会に参加し少したった頃、
「せーい!持ってきたにゃー!」
「きたにゃー!」
「きたにょー!」
「きたにゃ~」
美以達がいくつかの甕を抱えて帰って来た。
「やっと来たか!さぁ、さっそく飲もうぞ!」
「よーし、飲もー!」
「飲むぞー!」
「お酒…」
「やれやれ…全く」
「あはは…」
飲兵衛三人組は甕の封を取り、木製の蓋を取る。
そしてさっそく飲もうと全員の杯に注ぐ。
「ほほう…よい香りのする酒だな」
「ふむ、確かに良い香りが…」
星と愛紗は酒から香る甘く透き通った香りに気付く。
蒲公英達は二人の反応を見てさっそく口につける。
「ん!これ甘~い!?」
「ホントだ~…」
「美味しい…」
「美以、美味いではないか」
「とーぜんだにゃ!南蛮一のお酒にゃ!あねさまから貰ってきたにゃ!」
どうやら里帰りしていた際に美以の姉?から貰ったらしい。
美以は持ってきた酒をどんどん飲んでいく。
「甘く飲みやすい。これはとても良い酒だな」
「ふふッ、美以には感謝せんとな」
愛紗と星はそう言うと美以に続き手にした杯を空にしては注ぎ、飲みほしていく。
蒲公英らもそれにならって酒を進める。
月も少しと言いつつ酒の美味しさについ、手が進んでしまう。
「さぁ、美味しいお酒もあることだしどんどん行っちゃうぞー!」
「「「おおおー!」」」
「おー…」
蒲公英の号令に一同は再び乾杯するとそのまま夜は更けて行った。
涼しい風が吹く。
その風に一枚の紙が飛ばされていった。
「开封严禁。不可以除了南蛮人的人以外喝(開封厳禁。南蛮人以外飲んではいけない)」
「ん~…」
翌朝、三国の盟主にして天の御使い、北郷一刀は窓から入る陽ざしの眩しさに目を覚ました。
「ふあ~…朝か…」
一刀は目をこすると部屋の天井を眺める。
今日は朝から朝議に書類整理に…と今日の予定を頭の中で確認する。
ふと、一刀は空に昇る太陽を見てふと気付く。
(…いつもだったら詠と月がこのくらいの時間に起こしに来るはずなんだけど…まぁいっか。…ん?)
一刀はとりあえず服を着替えようと床から出ようと体を起こす。
その時、自分の周りに何か温かみがあることに気付いた。
「…誰かいる?」
良く見ると一刀の両脇に二つのふくらみがあった。
動いていないことを見ると朝駆けではないようだ。
一刀は恐る恐る布団を退かしてみた。
「…月と…恋?なんで俺の布団の中に…」
そこには月と恋がちょうど一刀の脇下に普段着のまま、丸まるようにぐっすりと眠っていた。
「恋とかはたまにもぐりこむことがあるとして…何でまた月が…」
普段、控え目で恥ずかしがりやである月が自分の寝ている布団の中にもぐりこむことなんて考えられない、と一刀は考える。
とりあえず二人を起こそうと一刀は手を伸ばす。
その時、一刀は何かおかしいことに気付いた。
彼女らの頭に何か着いている。
「これって…」
彼女らの頭にはぴょこんと可愛らしい…耳が生えていた。
獣の。
「…」
(何だ…これはあれか?何か新しいプレイか?でも月や恋に限ってこんなことはしないだろうし…蒲公英とかはやりそうですけど。あ、でもちょっと前に明命と…まぁそれはそうとして…いや、可愛いよ?可愛いからいいけど…でもカチューシャのような物はないし。あれか?また何かの呪いか?それとも真桜の新しい発明か?いや、でも俺そんな物作るように頼んでないし行きつけの服屋にもまだ頼んだことなかったし。いや、いつかやってみたかったよ?月なんて絶対犬耳尻尾が似合うだろうし…恋も犬耳はぐっと来るし…でも朝からってちょっと…)
などと一刀は目の前の状況を冷静に分析しようと頭を働かせる。
全く冷静ではなく、むしろだいぶ妄想爆発しているが。
と、考えていると先に二人が目を覚ました。
二人は眠そうに眼を手でこする。
「あ、二人とも起きた?」
どうして俺の部屋に…と言おうとした瞬間だった。
二人の顔が突然一刀の目の前に迫った。
「ど、どうしたの?二人とも」
「「ジー…」」
二人は一刀の顔をじっと見つめてくる。一刀は思わず顔を赤くしのけ反るように後ろに下がる。 しかし、二人はじりじりとにじり寄ってくる。
「月?恋?どうしたんだ?」
二人は何も言わずさらに近付いて行く。
(ど、どうしたんだ!?今日はやけに積極的な…耳までつけて…猫かな?犬かな?この二人だったら犬が似合うかな~ってそうじゃなくて!今日はダメだから!てか朝からなんて!そんなことで朝議に遅れたら華琳に殺される!!!マジで!!!)
最悪の事態を想定してか、一刀の全身に冷たい汗が伝う。
しかし、一刀の考えと裏腹に二人は顔を首筋に埋めてきた。
(ちょーーーーーーー!!!!!!!!ダメ!ダメだから!!「ペろぺろ…」って二人とも舌でなめてきてる!!?ちょっ!!!?)
一刀は思わず声をあげそうになるのを我慢する。
その時、一刀は彼女らの後ろに左右に揺れるある物を見つけた。
「し、尻尾…?ってはう!?」
と、一刀が必死に我慢している時、外から大きな声が聞こえてきた。
「月~!!どこにいるの~!!」
「恋殿~!どこにいるですか~!!」
詠と音々音の声だ。
良かった!助かった!と思い一刀は声をあげた。
「詠!ねね!ここだっ…!」
「…今の声!」
「こっちですぞ!」
一刀の声に気付いた二人は急いで部屋に飛び込む。
「ちょっと!あんた月に何を…って」
「恋殿ー!って…!」
そこで二人が見たものは、
「うむ…!?」
「「ちゅ~~~…♪」」
一刀が二人と一緒にキスをしている光景だった。
「「あああああああああぁ~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!」」
「ちょっと月!?…あんた月に何やってんのよ~!」
「ちんきゅう~~~~~……き~~~~~~~っく!!!!」
「ぷはっつ!ちょっと待て、二人とも…へぶ!?」
ドカーーーーン!!!と一刀の顔面に音々音のキックが決まり床から壁に向かって吹っ飛ばされた。
ちなみに恋と月は詠が引き離し済みだったりする。
「最っっ低!!昨日の夜から帰ってこないと思ったら月にこんな格好させて迫わせるなんて!!!」
「恋殿!ご無事ですか!?このへぼ太守!!恋殿に何をさせようとしたのですか!!?」
「…」
返事がない!ただの屍のようだ!
「…ねぇちょっと?起きなさいよ!」
返事がない!以下略!
「ねね、ちょっと…やりすぎじゃない…?」
「なッ…!こいつの鍛え方が足らないのがいけなのです!ほら!さっさと起きるです!」
「いや、鼻血だして顔真っ赤になってるんだけど…」
「あ~…」
二人は顔を青くし互いに見合わせる。
「ってちょっと!さっさと起きなさいよ~!」
「起きるです~!?」
・
・
・
・
・
「全く…酷い目にあった…」
「ふ、ふん!お前が悪いです!!」
結局、一刀は無理やり叩き起こされた。
顔には音々音の足跡がくっきりとついている。
「ほら、これでもあててなさい」
そこに詠が水で冷やした布を一刀の顔に張り付けた。
「ん…。ありがとう、詠」
「べ、別にあんたのためじゃないわよ!どうして月がこんなになったか聞くためなんだからね!!///」
笑顔でお礼を言われた詠は少し顔を赤くしてツンデレ全開でそっぽを向く。
顔を赤くする詠を見て一刀は思わず笑ってしまう。
「はいはい。でも、ありがとう」
「むぅ~…!///」
「そんなことより!どうして月と恋殿がこんな姿になっているのですか!」
「そっそうよ!なんで月と恋にこんな…耳と尻尾がついてるのよ!しかも…!」
二人は月と恋を見る。
「ぺろぺろ…」
「わうわう!」
「「なんで犬みたいになってんのよ(いるのですか)ーーー!!!?」」
「と、言われましても…俺もわからん」
「そんなわけない!絶対何かしたでしょ!?」
「そーなのです!絶対お前のせいです!!」
二人は完全に決めてかかっている。まぁ日ごろの行いだろう。
「って言われてもな…朝起きたら布団にもぐりこんでたし…」
「ふ、布団に…!やっぱりあんたーー!!!」
「死んでしまうといいです!!!」
「だから勝手に潜り込んでたんだ!俺は何も知らない!(ガタッ!)」
一刀の後ろにある窓から何かが聞こえた。
「…」
「…」
「…今、窓の方から何か音しなかった?」
「したわね」
「聞こえたです」
何かがいるのか、一刀は寝床から離れると恐る恐る窓を開けた。
「誰もいない…ってうむぅ!!?」
突然、ドターン!と音を立てて一刀が倒れこんでくる。
「ちょッ!どうしたの!?って!」
「これは…!」
そこに現れたのは…
「ぷはッ…うにゃ~ん♪」
「ててッ…って星か!?」
月や恋と同じように耳と尻尾を生やし一刀の唇を舐める星だった。
ちなみにいつもかぶっている帽子は耳が生えているせいか片方の耳に引っ掛かる形になっている。
「どっどいうこと!?なんで星も!?」
「やっぱりお前が何かしたのではないですか!?」
「こんな状況で俺が関係してると思うか!?って星!痛いから引っ掻くな!」
「うな~。…すりすり♪」
星は一刀の上に座るととても楽しそうに尻尾をふりながらじゃれている。
その様子を見た負けじと月と恋も一刀にじゃれだす。
「わう!」
「くんくん…」
「ちょっと!月!もう何やってるの!?」
「お前はさっさと離れるです!」
と音々音が一刀に言い放つ、が。
「と言われても…!」
服の裾、今の一刀は寝巻のままだが、を星が膝で押さえつけるようになっているため動くに動けずなすがままになっている。
結局月右腕、恋が左腕を枕にして寝転び星が一刀の胸に頬をすりつけるようになってしまった。
「ちょっと~…どうするのよ、これ…」
「恋殿~!起きてください~!」
「俺個人として嬉しいんだけど…出来ればベッドの上に行きたい…背中が冷たいし痛い…」
詠は頭を抱え音々音は恋を起こそうとし、一刀は女の子特有の柔らかさに顔を緩ませているが少しつらそうにしている。
と、そんな時だった。
「こら!焔耶またんか!!」
「蒲公英~!!ちょっと落ち着けってば!!」
「愛紗~!!どこに行ったのだ~!!?」
「愛紗ちゃーん!?あー!!鈴々ちゃんあそこ!屋根の上!」
「愛紗ー!何をやっているのだー!?降りてくるのだー!」
と、言う声が近くから聞こえ出した。
「「「………………」」」
三人は互いに顔を見合わせた。
そして思う。
まさかっ!!!
「うにゃー!!」
「がるる!!!!」
「蒲公英に焔耶!?なんであんたたちまで!」
そのまさか、突然ケンカ(?)をしながら入口から蒲公英に焔耶が一刀の部屋に飛び込んできた。
さらにそれに続いて。
「ワウゥゥーーー!!!」
二人の後ろから物凄い形相の愛紗がさらに一刀の頭めがけて飛びかかってきた。
「愛紗!?って痛い痛い!?頭噛まないでえぇー!!!」
「ウーーーーーッ!!!」
「蒲公英に焔耶、落ち着くです!危ないのです!!」
「その前に愛紗をーーーッ!」
と、ドタバタと騒がしくなった部屋に、
「きゃーーー!ご主人様!?愛紗ちゃんご主人様に何してるのーー!!?」
「愛紗がお兄ちゃんの頭を食べてるのだ!」
「ええい!焔耶落ち着け!ここをどこだと心得とる!!」
「蒲公英もお~ち~つ~け~…!」
飛び込んできた三人を追って桃香、鈴々、桔梗、翆の四人が入ってきた。
騒がしくなった室内の中で桃花が星と月、恋に気付く。
「って星ちゃんに恋ちゃん月ちゃんまでご主人様に何してるの!?愛紗ちゃんみたいに耳に尻尾つけて…」
「それはこっちも聞きたいわよ!何で焔耶と蒲公英に愛紗まで…!」
「愛紗は鈴々とお姉ちゃんで部屋に起こしに行ったらもうあんなだったのだ…」
「そしたらいきなり部屋を飛び出して…屋根の上に」
「蒲公英もッ…起こしに行ったら耳に尻尾で…って落ち着けってばもう!」
「焔耶も同じだ…!追いかけてる途中、蒲公英を見るなり飛びかかって…!これでは犬ではないか!」
「とりあえず二人を止めるです!恋殿と月が危ないです!」
「愛紗もどうにかしてくれーーーーー!!!!」
「ガルルルルーーーーーーーッ!!!!!!」
こうして、北郷一刀の楽しい(?)一日が始まった。
「たのしくなんかなーーーーーい!!!!」
「ウゥーーーーーーーー!!!!!!」
お久しぶりです。久々の更新です。
今回はリクにありました獣耳・蜀編です。
今回誰を対象にするかは少し悩みました、が絶対外せないなと思った方が一人。
嫉妬神関羽こと愛紗です。
やっぱ蜀編をするなら…と最初から決めてました。
ただ、愛紗を対象にすると桃花と鈴々はダメかなーと思い泣く泣く外しました。
自分の中ではあの三人はいろんな形で話の対になるものと考えていましたから…ほかの方々にも同じことが言えます。
ちなみに一番悩んだのは星でした。
動物化した面々を使って面白おかしく振舞わせるかと思いましたがあえてその渦中に。
なお面々の状況は自分のイメージでは愛紗、恋、月、焔耶が犬。星、蒲公英は猫としております。
星や恋、焔耶辺りは悩むことなく決めました。
たぶん蒲公英が一番悩みましたが…小悪魔的な所からやっぱ猫だろうということにしました。
他のメンツではどうなるかなーと考えてもおりますがそれはまた後日。
それではここまで読んでくださった方、ありがとうござました。
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お久しぶりの更新です!やっとこさ小説が更新できるようになりました!今回は獣耳蜀編です。