No.194737

『舞い踊る季節の中で』 第102話

うたまるさん

『真・恋姫無双』明命√の二次創作のSSです。

 袁紹軍を何とか大した被害も出さずに撃退する事が出来た一刀達。
 だけど、その一刀達の活躍を冷静な目で見届けた少女がいた。
 少女は何を思って、一刀達の活躍を見届けたのか……。

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2011-01-08 19:33:15 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:13853   閲覧ユーザー数:9405

真・恋姫無双 二次創作小説 明命√

『 舞い踊る季節の中で 』 -群雄割拠編-

   第百〇二話 ~ 風に舞う想いに、鳳の雛は懸命に羽ばたく ~

 

 

(はじめに)

 キャラ崩壊や、セリフ間違いや、設定の違い、誤字脱字があると思いますが、温かい目で読んで下さると助

 かります。

 この話の一刀はチート性能です。 オリキャラがあります。 どうぞよろしくお願いします。

 

北郷一刀:

     姓 :北郷    名 :一刀   字 :なし    真名:なし(敢えて言うなら"一刀")

     武器:鉄扇(二つの鉄扇には、それぞれ"虚空"、"無風"と書かれている) & 普通の扇

       :鋼線(特殊繊維製)と対刃手袋(ただし曹魏との防衛戦で予備の糸を僅かに残して破損)

   習得技術:家事全般、舞踊(裏舞踊含む)、意匠を凝らした服の制作、天使の微笑み(本人は無自覚)

        気配り(乙女心以外)、超鈍感(乙女心に対してのみ)、食医、

        神の手のマッサージ(若い女性は危険です)、メイクアップアーティスト並みの化粧技術、

        

  (今後順次公開)

        

雛里(鳳統)視点:

 

 

「こ、今度は右翼の星さんの部隊を前に。 少しで良いですから愛紗さんの部隊に一息しゅけさせて下さい」

 

 伝令に指示と飛ばしながらも、朱里ちゃんと共に次々と伝令兵に指示を出して行く。

 兵数は圧倒的に不利で、防戦に専念するにしても真面に行えば圧倒的な数に飲まれるだけ。

 対抗するには、兵が疲弊しないように、絶えず後退しながら敵の猛攻を受け止める事。 状況に応じて士気と調練の差を生かして状況に即時対応して行くしかありません。

 

「左翼の鈴々ちゃんにも星さんと連携して動く様に連絡してください。

 ……雛里ちゃん、このままじゃ」

「……うん、分かってる」

 

 長い緊張と頭を働かせ過ぎて疲弊の色が濃くなるのを必死に隠しながら、朱里ちゃんが状況の打開策が無いかを聞いてくる。

 幾ら愛紗さん、星さん、鈴々ちゃんと言う大陸屈指の将が居て、その将が精魂込めて育てた兵が居ても、兵数の差があり過ぎては打つ手は限られてしまう。

 要所要所で袁紹さんの猛攻を逸らしたり、乱したりしたとしても、それくらいの時間稼ぎしかできない。

 兵士達の数が少ない事を活かそうにも、私達の遥か後ろでは私達に付いて来てしまった自軍の数倍と言う多くの民が居るため、地形を活かした場所に敵軍を引っ張る事も出来ない。

 数日前から袁紹さんの軍も、私達の真似をして兵を後退させながら私達を攻めるようになってきた。

 一瞬の猛攻は前より楽になったけど、その分疲労が溜まりやすくなり。 今までの疲労もあってどんどんその数を減らされている。

 ……現状では打つ手はなく、ただ堪える事しかできない。

 でもただ堪えている訳でもない。

 

「今が踏ん張り時だよ。 今は月さんや詠さんを信じるしかない」

「うん、そうだね」

 

 自分に暗示をかけるための私の言葉に、朱里ちゃんははっきりと頷くと共に目に力強い灯が戻る。

 すごい。 ……やはり朱里ちゃんは強い。 こんな状況でも自信気な顔をする事が出来る。

 私なんて、足が震えてばかりで、指示だと言うのに噛んでばかりだと言うのに。 朱里ちゃんはあんな力強い目をする事が出来る。 眉尻が下がり何時も不安げな表情になってしまう私とは全然違う。

 とにかく朱里ちゃんに言ったように、今は恐くても苦しくても月さんと詠さんを信じて呉の援軍を待つしかない。

 問題は此方が土地を奪われ力を失っている事で、同盟としての意義も旨味もないため、多大の犠牲を払ってまで援軍を出してくれるかと言う事だけど………孫策さんなら、可能性はあった。

 かつて、土地を奪われ雌伏の時を過ごさなければならなかった彼女ならば、一度だけなら話し方次第で持って行けたと思う。

 だけど今は孫権さんと言う方が王を継いだと言う。 でも王を退いたとはいえ孫策さんは健在。 あの人は自ら言い出した同盟を理由もなしに破棄する人では無い。 孫権さんがどういう人物かは分からないけど、先代の王の意思を無下には扱えないはず。

 それも在って、朱里ちゃんは二人を使者として送った。

 二人の立場に負い目があるのは私達だけではなく孫呉も同じ事。

 私達二人がこの場から手を離せないと言うのもあるけど、なにより月さんの人柄と詠さんの政治手腕を朱里ちゃんも私も高く勝っている。

 政治手腕だけならば、詠さんは朱里ちゃんと同等かそれ以上。 能力どうこうではなく、経験を積む事でしか身に付ける事ができない物を詠さんは私達より上の次元で身に付けている。

 

 それでも時間は掛かるはず。 早くても明日、遅くても三日後。 ……それ以上ならば援軍は無いと見た方が良い。 なにより其処まで袁紹軍の攻撃を受け止め続ける事等出来ない。 その時は、桃香様も私達も覚悟はしている。

 私達と共に徐州を捨ててまで桃香様について行く事を望んだあの人達は、もう二度とあの地に足を踏み入れる事が出来ない。戻れば袁家に牙を向ける者達として、見せしめのために処断される運命が待っているだけ。

 だから、その時は私達自身を囮にして、民を孫呉に逃すつもりでいる。

 普通は五万にもおよぶ難民を受け入れる事などしてくれない。

 でも私達が居ないのならば。 あの人がいる孫呉ならば、きっと受け入れてくれる。

 月さんと詠さんに私達の覚悟は伝えてある。 なら二人なら、きっとその役目を必ず果たしてくれるはず。

 

 だから、私達はどんな事があっても後ろに居る民達の所まで敵を近づけてはいけない。

 ついて来てくれた兵も既に半数近く減ってしまった。 勝敗で言うならば損失率が三分の一を切った時点で勝負はついていると言っても良い。

 それでも、こうやって頑張っていられるのは、兵の皆さんが桃香様の御心を分かってくれているから。

 何より後ろに居る家族を守りたいと思っているから。

 だから、皆頑張って…。

 あと少しだから…。

 どちらにしろあと少しで終わるから…。

 

 

 

 

 天に祈りながらも、自分の中の勇気を精一杯掻き集めて、兵を奮い起こしながら指示を飛ばしていた時、後ろから伝令兵が駆け寄ってきた。

 えっ? まさか。 そう思いつつも、伝令の内容に桃香様は喜びの声をあげる。

 私も朱里ちゃんも驚きつつも、今はこの事を利用して兵の心を奮い立たせるべき伝令を走らせる。

 援軍が来たと思えば、崩れ落ちそうになっている兵達の心を取り戻す事が出来るし、此れからの対応がしやすくなる。

 でも……。

 

 甘かった。

 

 援軍を喜ぶ半面、私達は自分の見通しの甘さを悔やむ。

 迅速過ぎる判断と行動。 これは王を退いた孫策さんの反応じゃない。

 幾ら元王の孫策さんでも、これほど強行な行動はとれないはず。 そんな事をしてしまえば国が二つに分かれてしまう。 だからこれは新王の孫権さんの決断に間違いない。

 代替わりをしたばかりで、孫家の姫とは言え今までそれ程名の聞いた事のない相手ならば、付け入る隙があると思っていました。 ……でも、どうやら見誤ったようです。

 孫権さんを短慮で愚骨な王とは思わない。

 あの孫策さんがその様な者を跡継ぎにするわけが無い。

 孫呉の新王は、決断できる心強き王。

 

 ……でも、その事態を読んでいなかった訳では無い。

 だから、覚悟を決める。

 まだ桃香様には、皆にはその事は言っていないけど、朱里ちゃんもその考えを出している筈。

 その為には、今を生き残る事を考えなけばいけない。

 伝令兵の話では孫権さんが連れて来た兵士は約二万。

 これだけの迅速な行動を示した以上、それだけしか連れて来れなかったと言うのもあるのでしょうけど、力を失くした同盟国相手の援軍に、これ以上の数を出す事は出来なかったと考えるべきだと思います。

 だけど小高い丘の上に見える旗印から援軍に駆け付けてくれた将は、孫権さん、周瑜さん、張遼さん、周泰さん、…そしてあの人です。

 その事から孫呉は同盟の義を果たすために、本気で手を貸してくれると言う事だけは確認できました。 

 なら、あの人数で真面に袁紹軍にぶつかるとは思えません。

 策を巡らせ、敵の陣形を崩しに掛かるはずです。

 

「雛里ちゃん」

「うん、分かってる」

 

 孫呉に呼応して私達も動いて行く。

 そうでなければ、四倍近い兵力を持つ袁紹さんを退かせる事なんで出来ない。

 私と朱里ちゃんは、此処が本当に最後の踏ん張り時だと、皆に、そして兵の皆さんに激と伝令を飛ばす傍ら、視界の端に映る呉軍の動向を決して見落とさないように気を付ける。

 今呉軍が動きを止めた位置ではまだ何もできない。

 ……そして、それは袁紹軍のも同じ事。 あれだけ遠くに居ては幾ら碌に調練をしていない袁紹軍でも対応できる距離。

 横撃を掛けるにしろ、相手が絶対的な数を誇る袁紹軍相手では二面作戦も可能。

 此方に二万を残して残りの六万で呉軍の相手をすれば良いだけの事。

 そんな場所に軍を配置してどう言った策を取るつもりか分かりませんが、それでも読み切り即応しなければいけない。

 

 そう目を細め、頭痛に襲われるほどの思考の海に意識を潜らせる。

 鋭い痛みと鈍い痛みが私の頭を締め付けるけど、そんな事に今は構っていられない。

 朱里ちゃんや桃香様に気づかれないように帽子の唾で二人の視界から苦痛の表情を隠す。

 周瑜さんが普通の一手を打つ訳が無い。

 確かな才覚と積み重ねてきた経験と窮地の数が、彼女を唯の天才で終わらせない。

 神算鬼謀の智の持ち主なだけではなく。時には博打染みた策も平気で打つ事の出来る怖い人。

 

 でも、あの人が関わっているならば猶更気にしてなんていられない。

 数度だけど識る事の出来たあの人の策は異常で異質。

 一見博打染みた策だけど、その本質はそう言う次元の問題では無い。

 相手の隙を打つのは兵法の基本。 隙が無かれば隙を作ればいいだけの話。

 だけどあの人は……

 

 

 

 

 思考を深めながらも二つの陣営に目を見張らせていた時、喚声と剣戟の音に紛れて呉軍から風を切る鋭い音が幾つも聞こえる。

 弩弓? いいえ、幾ら弓より遥かに長い飛距離を持つ弩弓でも、綺麗な放物線を描けない弩弓ではそれだけの距離は飛ばないし、構造上どうしても一回り小さい弓を取り付けているため、馬上や歩兵が扱う弩弓では仮に届いても威力が失われている筈。

 ならこの飛距離を説明するものは、……まさか籠城用の大型の弩弓を野戦に運用していると言うのですか?

 信じられない話ですが、相手の隙を突く事は出来るのは確かです。 とにかく此方もそれに合わせて動くだけです。 弩弓の欠点は次射までに時間が掛かる事。 大型の弩弓であれば猶更です。

 なら呉軍は弩弓と弓の二段構え相手の動揺を誘い突進力を止めた所で、騎馬による突撃で相手を切り崩していくはずです。

 なら此方のやる事は、切り崩した敵を更に追い散らす事。

 確固撃破し、敵に数の利が効かないと思いこませる事です。

 

 意表を突いた策ではありますが、基本に乗っ取った策である事に、今回の策は周瑜さんだと分かり心が少しだけ楽になります。

 周瑜さんは恐い相手には違いありませんが、届かない相手ではありません。

 後になって思えば、私はこの時そう思いたかったのでしょう。

 袁紹軍に降り注ぐ矢の雨に…。

 一射で終わるとばかり思っていた大型弩弓の攻撃に…。

 周りは騒然としだします。

 

 これだけの連続射撃など弩弓には不可能。

 朱里ちゃんの発明した連弩にしても、それ相応の時間が掛かってしまう。

 それを補うためには、かなりの兵数の弩弓部隊を作り、運用によって射間を補うしかない。

 これだけの大型弩弓の部隊を作ったと言うは驚きだけど、これだけでは無理。 敵の兵数に対して矢の数が少なすぎるからです。 最初の一射の五倍の数がいるとしてもその数は三千には満たないはず。

 装備の充実した袁紹軍で在る以上盾隊は当然の事ながらいるし、それこそ数を活かして突撃されては止められない。

 

 ……でもそれは孫呉の兵が二万と分かっている私達だから分かる事。

 袁紹軍の将はまだ孫呉の兵力を把握していないはず。 なら、これだけの弩弓部隊が居るならば、それを活かすために、袁紹軍の突撃を喰い止めるための部隊がいると普通は考えるはずです。

 徐州の地を奪う事が目的だった袁紹にとって、もはや目的は果たしたも当然。

 私達の追撃は後顧の憂いを払うためのもの。

 なら、援軍が来た此処が退き際と顔良さん辺りは考えている筈。

 最初に読んだ策とは違ったけど、それは大型弩弓をあんな運用をして来るとは思わなかったからで、次からは対応できます。

 

 だけどそんな思考は、不意に止んだ矢の雨と同時聞こえてきた轟音と、地面を伝わる揺れによって止められてしまった。

 この地面を揺るがさんばかりの揺れは大軍が凄然と駆け寄る事で生まれる物。 でも、孫呉の兵は二万と聞いている。 その数ではこれだけの音と揺れは発生しない。

 ……あっ。

 違う。 逆なんだ。

 音と揺れが出ているんではなく、ワザと出しているんだ。

 二万の兵でも、そのつもりで地面を蹴り続ければ、これくらいの事は出来るはず。

 そうでなければ、二万の兵力でこの現象は説明できない。

 確かに地響く音と微かに伝わる地面の揺れは、兵士達に不安を呼び、士気を下げ混乱を誘うには効果的ではあるけど、顔良さんなら虚勢だと気が付いてしまう。

 何故、こんな敵に情報を与えるような真似を?

 

 

 

 

 それを不思議に思った。

 だからこれで終わりではないとも分かった。

 次の手が直ぐに来る。

 この手は周瑜さんの策なんかじゃない。

 あの人の策だ。

 

 汜水関では私達に策を授けたばかりか、難攻不落の関を僅か一日で落し。

 虎牢関でも、連合全体を餌にする等と言う信じられない策を実行し、同じように一日で関を落としたばかりか、自分達の将来の敵である袁術軍に深手を負わさせた。

 そして独立時には自軍の三倍以上と言う袁術軍相手に、天罰と言う演出でもって一方的に破るだけではなく袁術軍をほぼそのまま吸収して見せた。

 

 奇策…。

 博打…。

 今までに無い策を使ってくる? 

 なんて過小評価。 そんな風に思っていたらあの人に呑まれるだけ。

 あの人の本当に恐いのは、それを効果的に使って見せる事。

 あの人は奇策で相手を揺らして隙を作るんじゃない。

 そんな物は過程の一つでしかない。

 あの人は相手の考えも心理も全て読み、その上で相手の心理の外側、そして内側に虚を作り出す。

 相手に気づかせないまま、自らの望む方向へと捻じ曲げてしまう所。

 

 どうすれば、あそこまで綺麗に曲げられるのかは分からない。

 どういう理論で、何処まで相手の事を知れば、ああいう考え方が出来るのか分からない。

 でも、分からないからと言って立ち止まれない。

 恐いからと言って、目を閉じ耳を塞ぐ事なんて出来ない。

 そんな事をしたからって相手から逃れられないって、私はずっと学び続けてきた。

 だから恐くて涙が浮かんでも…。

 恐怖に身体がが震えても…。

 畏ろしてく体が竦んでも…。

 

 目を逸らす事なんて出来ない。

 学ぶしかないの。

 私には何もない。

 愛紗さん達のような武も無い。

 朱里ちゃん程頭も良くない。

 桃香様のように、夢を語れるだけの勇気も無い。

 皆のように自分から話すだけの度胸も無い

 私に在るのは、学び続ける事だけ。

 

 武に立ち向かう方法を。

 自分より優れた智を持つ者に対抗する術を。

 自分の夢を実現するための方法を。

 恐怖に負けない為の方法を。

 これしか私には無い。

 

 だから学ぶ。

 あの人の考えを。

 あの人の策を。

 あの人がやる事全てを、この目で見届け解き明かして見せる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 想いを実現させるために思考し続ける。

 

 そんな誰にでもできる事が、私の唯一の武器だから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく

あとがき みたいなもの

 

 

 こんにちは、うたまるです。

 第百〇二話 ~ 風に舞う想いに、鳳の雛は懸命に羽ばたく ~ を此処にお送りしました。

 

 ………すみません作者は、またもや嘘を吐いてしまいました。 前回桃香の話をやると言いながらも、雛里のお話を書いてしまいました。

 とりあえず謝罪会見はそれくらいにしておいて(早

 今回は、原作では朱里の日陰に隠れてしまった挙句に、話しに聞く萌将伝でもほとんど出番が無かったと言う雛里ちゃんにスポットを当ててみました。

 この娘も本当にいい娘なのに、なんで個人シナリオが無いのか残念で仕方ありません。

 私的には真では朱里よりも好きな恋姫(ヒロイン)です。

 彼女の気弱な性格の中にある力強い輝きを書きたくなって、急遽前話の舞台裏であるこのシナリオを入れてみましたが、如何でしたでしょうか? 良かったら皆様の雛里ちゃんへの想いを聞かせてください♪

 では次回こそ、桃香と孫権の会談のお話を書きたいと思います。

 

では、頑張って書きますので、どうか最期までお付き合いの程、お願いいたします。


 
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