それは、まだ日も昇らないころ
所謂、深夜というやつだ
今か今かと“け○おん”や“恋○”が始まるのをテレビの前でスタンバッてるような時間帯
そんな時間帯に、俺こと“北郷一刀”の部屋に・・・“彼女”は来たんだ
「主、メンマを食べに行きましょう」
こんな、とても深夜に人をたたき起こしてまで言うようなセリフじゃないことを言いながら・・・
「ごめん、もっかい言ってくれる?」
いや、いくら自由人な彼女でもこんなことをいきなり深夜に言うような子じゃないはずだ
多分あれだ、聞き間違いだったんだよ
俺も疲れてたもん
うん、きっとそうだ
そうだと信じt・・・
「主、メンマを愛でに行きましょう」
「信じた俺が馬鹿だったよ」
しかも言い方が、さっきよりも不味くなってるじゃないか
なんなんだよ、メンマを愛でるって
「それはもう“コリコリ”と口の中で感触を楽しんだり、“んぐっ”と飲み込んでみたり“トロトロ”なタレもまた・・・」
「別に、言えってわけじゃないんだ
あと、そんな自然に心の中を読まないでくれ頼むから」
「おや、主・・・そんなに前かがみになって、いかがしたのですかな?」
くそ、わかってて言ってるだろ絶対
ニヤニヤしてるもん、悪意を感じる笑い方してるもん
いや、仕方ないだろ!?
男なんだもん!
下半身の“御遣い様”だって反応しちゃうよ!
そんな俺もよそに、彼女は“それでは”と両手を大げさに広げていた
あまりに大げさな動作に、俺は苦笑をもらしてしまう
そして・・・
「さぁ行きましょう・・・至高のメンマを食しに」
この一言が、今日一日の始まりだったんだ
≪メンマを求めて何千里!?≫
~星さん、マジ星さん~
「いや、ちょっと待て」
「何ですか?
折角、気分が乗ってきたというのに」
「いや、気分とかもうそんなんどうでもいいから
まさか、今から行くとか言わないよな?」
「今から行くにきまってるでしょう?」
「外を見てくれ・・・コイツをどう思う?」
俺に言われ、窓の外を眺める星
先ほども言ったが、現在は深夜
当然、外は真っ暗だ
彼女はしばらく無言で見つめた後に、フッと微笑みながら軽く息を吐いた
よかった
わかってくれたみたいd・・・
「すごく・・・メンマです」
「どうしてそうなった!?」
ダメだ、メンマのことしか頭にないぞコイツ!?
なんだよ、すごくメンマって!?
お前は夜空に何を見たんだ!?
「うむ、言ったらさらにメンマが食べたくなってきましたぞ
やれやれ、主も罪なお人だ」
「え、なにそれ俺のせい?
俺のせいなの?」
「ふふふ、こうしてはおれません
さっそく至高のメンマを食しに行きましょう、今すぐに!」
「だから、まだ深夜だっつの!!」
俺のそんな叫びも聞こえていないのか、星はまだ見ぬ“至高のメンマ”とやらを思い浮かべてるのかニヤニヤとしていた
そのうち“うぇっ、うぇっww”とか聞こえてきそうな勢いだ
駄目だコイツ・・・早くなんとかしないと!
俺が心の中で、密かにそう決意している時だった・・・
「んん・・・なんだお館、まだ起きてたのか?」
俺の隣・・・膨らんでいた寝台の中、一人の少女がゆっくりと体を起こしてきたのは
「焔耶・・・」
「さっきからなんかうるさいな・・・って、星!!?」
バッと自身の体を隠し、俺の後ろに隠れる焔耶
言わずもがな、裸である
そういや、昨夜は焔耶と・・・星の登場のインパクトのせいで、すっかり忘れてたよ
「ななななんでお前がここに!!?」
「何でとは、また無粋な
そんなもの、メンマを食す為に決まってるではないか・・・ですよね、主?」
「いや、ないから
“メンマを食べに行こう”って深夜に訪ねてくるとか、まずないから」
「貴方の目の前に」
「うん、でも多分君だけだから」
俺の一言に、“そんな馬鹿なww”と笑いだす星
どうしよう、すごいむかつくんだけど
ていうか、焔耶とか話についていけなくてあたふたしてるし・・・ま、可愛いからいっか☆
と、そんなことより・・・
「どうしていきなりメンマを食いに行こうなんてことになったんだ?」
そうだ
いくら星がメンマ好きだからって、こんな深夜にいきなり起こしてまで行こうなんて言わないはずだ・・・多分
・・・すんません、自信ないですww
まぁ、何か理由があってのことだろう
そう思い、俺は彼女にたずねたわけなんですが・・・
「そこに、メンマがあるからです」
「うん、何となく予想してた」
まぁ、星だもんね
何となくどころか、実はそうなんじゃないかって軽く確信してたよ
「・・・というのは、冗談でして」
「あれ!?
今の冗談なの!!?」
まさかの変化球!?
いったい、どうしたんだ星!
「主・・・それは些か、失礼ではないでしょうか?
私が四六時中、おはようからおやすみまでメンマのことを考えているメンマ女とでも思っていたのですか?」
・・・はい、そうです
とは口が裂けても言えないので、全力で首を横に振っておいた
命大事、絶対
まぁ何事も穏便に済ませるに限りますよn・・・
「何!?
違うのか!!?」
焔耶、空気読んでええぇぇぇぇぇええええ!!!!
「っ・・・ほ、ほほぅ?」
ほら、星がなんかカチンときてるから!
自分で言ってたくせに、かなりカチンときてるから!
普段はあんなにメンマ命なはずなのに、こんな時だけカチンときてるから!
「私はてっきり、そうだとばかり思っていた
“このメンマ汁女め!メンマに溺れて溺死しろ!”とか、密かにいつも考えていた
いや、済まなかったな星」
「そ、そうか・・・そこまで思っていたのか
よし焔耶、一回表に出ろ
一度私とじっくりOHANASHIをしようじゃないか」
「落ち着け星!!
目が、目がマジになってるから!!」
ひぐらしも真っ青な目つきの星を、俺は必死に止めようとする
先ほどからチラチラと見える鉈が恐いんだもん!
それいったいどっから持ってきたんだ!?
ていうか、そんな目のまま笑わないでええぇぇぇぇええ!!!!
ーーーー†ーーーー
「秘伝の手作りメンマ?」
あれから数分
何とかほにゃらら症候群になりかけた星を止め、彼女に話の続きを促すことに
そんな中出てきた言葉に、俺は首を傾げていた
その様子に気づいたのか、星が微笑みながら話を続ける
「左様・・・この趙雲お手製の、まさに至高のメンマです
数か月前から作っていたものなのですが、本日がちょうど食べごろなのですよ
それを近くの山にて、保管していたのですが
どうしても主にも食べていただきたかったのです」
「星・・・」
頬を微かに赤く染めながら言う星
やばい、今すごいキュンときた
まさか俺の為だったなんて・・・くそう、可愛い奴め☆
「よし、わかった・・・行こう、星!」
「主!」
俺の言葉に、嬉しそうに立ち上がる星
俺はその手をがっちりと握りしめ、彼女のことを見つめる
「星が俺の為に作ってくれたんだ・・・食べに行かないわけがないだろう?」
「主、では早速・・・」
「ちょーーーーっと待ったああぁぁぁ!!」
「焔耶!?」
いい雰囲気だったところに、突如として体を滑り込ませる焔耶
残念なことに服はもう着ている・・・うん、残念なことに
大切なことだから二回いっt(ry
「このような時間帯に二人で出歩くなど危険すぎる!
お館の身に何かあったらどうするのだ!」
「私がいるから問題なかろう」
「信用できん!
なら星よ、一つ聞こう
メンマとお館がどちらも崖から落ちそうになっている・・・お前なら、どちらを先に助けるのだ?」
「めn・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・くっ、あ、主?」
「うん、疑問形だね」
しかも、間髪入れずにメンマって言おうとしてたし
俺は今、泣いてもいいと思うんだ
「やれやれ、やはりそうなったか
仕方ない・・・この私も、ついて行こう」
「焔耶も?」
「・・・嫌、なのか?」
「いえ、むしろバッチコイです」
上目使いって反則だよね☆
隣で星がジト目で見てきてるけど、気にしないことにする
とにかく、善は急げだ
せっかく星が俺の為に作ってくれたんだ
早く食べに行くとしよう
「よし、それじゃぁ早速・・・」
「話は聞かせてもらったぞ」
「うひゃあっ!?」
突如、すぐ背後から響いた声
俺はその場から慌てて飛びのき、その場所を凝視する
そこにいたのは、一人の少女
彼女は・・・
「思春!?
なんでここに!?」
「いや、その、あれだ・・・そう、散歩だ!
眠れなかったので、少々屋根裏を散歩していたのだ!」
どんな散歩ですか、ソレ
などとツッコミたい衝動にかられるが、その手に持たれている“鈴音”が恐いので何とか我慢する
命大事、うん
「それで、思春はいったいどうしたのさ」
「なに、貴様らが少々気になる話をしていたのでな
乱世が終わったとはいえ、まだまだ危険は潜んでいるものだ
深夜の山などは、まさにソレだ
故に、私もついて行こう」
「思春も?」
「っ・・・べ、別に貴様の為じゃないぞ!?
貴様が怪我をしたら、蓮華様が悲しんでしまうからであってだな・・・」
はい、ツンデレはいりました☆
く、相変わらずのツンデレっぷりだぜ・・・流石は思春、恐ろしい子!
まぁとにかく、思春もついてくるようだ
これで、メンバーは四人になったわけだな
「よし、それじゃぁ行きまs・・・」
「お待ちください、隊長!!」
「おっほう!!?」
立ち上がると同時に聞こえた声に、俺は思わず尻餅をついてしまう
声が聞こえたのは、寝台の下・・・そこから、一人の少女が飛び出してきたのだ
「凪!?」
「ぜひとも、この私も隊長の護衛にお加えください!
必ずや、役にたってみせます!!」
「いや待って、ツッコミ所が多すぎるんだけど!?
なんで寝台の下に!?
ていうか、いつからいたの!?」
「“よかったのか焔耶、ホイホイついてきちまって。俺は・・・敏感な女の子でも容赦なく喰っちまうような男なんだぜ?”
“いいんです・・・お館のことが、好きだから”という辺りからずっといました!」
「「最初からかあああぁぁぁぁぁぁああああ!!!!(ぎしあん的な意味で)」」
頭を抱えたまま、俺と焔耶は膝をついていた
おもくそ見られとるがな
しかも、思いっきり入りの部分からいたんじゃないか
ていうか、それからずっとか!?
ぎしあんしてる寝台の下でスタンバッてたのか!?
いや、何でさ!?
「そこに、隊長がいるからです」
「いや答えになってないし、なんで凄い誇らしげなの?
ていうか、心の中を読まないでくれ頼むから」
しかも、サムズアップまでしてるしね
こうまで爽やかな笑顔で言われると、逆に清々しいですね
「はぁ・・・わかった、凪も来てくれるかな?」
「はい!
この命に代えても、隊長のことをお守りいたします!!」
とてもメンマを食いに行くだけとは思えないほどの気迫で凪が言う
因みになんで寝台の下にいたのかは、結局分からずじまいだ
案外、凪なら“俺がいるから”っていう理由だけで何処へでも行けそうな気もするんだが・・・きっと、ツッコんだら負けなんだろう
とにかく、これでメンバーは五人
なんか、予想以上の大所帯になってしまった
ともあれ、ようやく出発できそうだ
「よし、今度こそいk・・・」
「ちょっと待ってくだしゃい!!」
「ヒーーーハーーーーーー!!!??」
“バリン!!”と音を立て、寝台の上に置いてあった枕が弾け飛んだ
そして、その中から飛び出してきたのは・・・一人の少女
「ひ、雛里!!?」
「ご主人しゃま!
私も一緒に行きましゅ!!」
「ごご、ごめんちょっと待って!
今すごく混乱してるんだ!!」
か、カミカミじゃないか・・・ていうか、もうツッコみ疲れたんだけど!?
いったいどうやって枕の中に!?
エスパー伊藤もびっくりだよ!?
いや、どうりでいつもよりも枕が大きいなぁとは思ってたんだけどさ!?
「鳳統の罠でしゅ!」
「そんな馬鹿な」
そして、心の中を読まれるのはもうデフォなんですね
いえ、もう慣れましたから
「えっと、それで雛里はついて来たいの?」
「はい!」
「星、いいかな?」
「仕方ないでしょう・・・あんな登場の仕方をされたら、ダメとは言えませぬ」
と、呆れたように言う星
その言葉に、俺たちは無言で頷いていた
まぁ、この中では一番インパクトあったもんね
いきなり枕が弾け飛ぶんだもん
そん中から出てくるんだもん
そりゃ、ビックリするよ
にしても・・・
「六人か・・・けっこうな人数になったな」
「そうですな
それでは“作者の趣味が明確になった”ところで、さっそく出発いたしましょう」
「メタ発言、駄目絶対」
そんなこんなで、俺たちは星の作ったというメンマを求め・・・城を飛び出していったんだ
ーーーー†ーーーー
というわけで、都の近くの山の中
俺達六人は今、とある場所で立ち尽くしていた
それは・・・
「ねぇ、星」
「何ですかな、主」
「星はさっき、近くの山に保管してるっていったよね」
「言いましたな
近くの山の・・・その奥深くにある洞窟の、そのまた奥深くにある宝箱の中に保管しておりますと」
「うん、そこまでは言ってなかったかな」
俺の言葉に、星はニヤリと笑う
くそ、確信犯かよ!?
ていうか、なんで宝箱の中に入れちゃったんだよ!?
さて・・・ここまでくれば、わかった人もいるだろう
俺たちは今、都のすぐ近くにある山
その奥深くにある、何だか薄暗い洞窟の前に立っていた
「な、何だか怖いですね」
「いかにも、といった感じか」
震えながらの雛里の言葉に、思春はいつもと変わらない声色で言う
まぁ思春なら、こういうの大丈夫そうだもんな
「というか、なんでこのような所に保管したんだ?」
「そうですね
些か、不便ではないでしょうか?」
焔耶の核心をついた一言
それに、凪も同意し頷いていた
そんな二人に対し、星は呆れたようにため息をついた
「やれやれ・・・二人ともわかっていないようだな
この洞窟を見ても、何とも思わんのか?」
「この洞窟?」
言われ、俺たちは洞窟を見る
入口がこんな薄暗いのだ、中は当然真っ暗だろう
足場もゴツゴツとして、とても歩きづらそうだ
これは・・・
「すごく・・・洞窟です」
うん、雛里の言うとおりだと思う
少なくとも、メンマとは一切結びつかないです
いや・・・それとも俺たちが知らないだけで、この洞窟内の環境がメンマを造るのに適しているのかもしれない
「う~ん、わからないな」
「仕方ありませんな
もう一度、よくこの洞窟を見てくだされ」
そう言われて、俺たちはもう一度じっくりと洞窟を観察する
そんな俺たちの様子を見つめ、星はフッと微笑んだ
「どうです?
無性に、メンマが食べたくなってきたでしょう?」
「いや、ならないかな」
すごくどうでもいい理由だった
とりあえず凄く良い笑顔で言われたから、こちらも良い笑顔で返しておく
大体洞窟を見てメンマが食べたくなるって、それはもう病気か何かだと思うんだ
「メンマは食べたくなりませんが、隊長のことが食べたくなりました・・・性的な意味で、です」
「そしてモジモジしながら、何てこと言ってるんですか凪さん」
なんでそうなったの?
そんな恥ずかしいなら、初めから言わなければよかったのに
いや、すごい可愛いけどさ
というか、洞窟から俺を連想するのはどうかと思うんだ
「お館を食べたくなるか・・・なるほど、な」
「え?
いやちょっと待って、何がなるほどなの?」
「ふむ・・・深いな」
「深いの!?」
「あわわ、しゅごいでしゅ!」
「なにが!?」
洞窟=俺で、皆して何を想像してるの!?
すっごい気になるんだけど!?
特に思春!
深いって何さ!?
「さて・・・話が纏まったところで、さっそく中へと入りましょう」
「いや、全然纏まってないからね!?
なんか、皆して変なことばっか考えてるからね!?」
「大方“洞窟の中を冒険する”というのを、主がご自身の“七性我漏”にて我らの“洞窟”を冒険するということとかけて・・・」
「下ネタあぁぁぁぁああああああああ!!!!」
星さん、マジ自重してください!
頼むから!
新年一発目から、ちょっとすっ飛ばしすぎだから!!
「はっ・・・恋姫だけに姫初め、ということでしょうか!?」
「いや、誰が上手いこと言えと!?
ていうか凪さん、ちょっと息が荒すぎるから!!
なんでそんなハァハァしてんの!?」
凪、君はそんな子じゃなかったハズだ!
「落ち着け、凪!
全ては帰ってから、軍議にて決めるのだ!」
「ああ、そうだぞ凪
これはもう、我々だけでは決められない」
「あわわ・・・皆さんのお力を借りないと」
「ちょ、まぁぁぁあああ!!?
いったいどこまで飛躍してんの!?
なんなの!?
いったい、どんな想像をしてたの!!?」
洞窟=俺のお話で、なんで軍議が出てくんの!?
なんで三国の皆で話し合おうとしてんの!?
「それはもう、お館がご自分の“裸腺槍(ラセンソウ)”で我らの“洞窟”を冒険するという・・・」
「だから、下ネタああぁぁぁぁああああああああ!!!!!」
それから数十分・・・彼女たちの暴走が終わってからようやく、俺たちは洞窟の中に足を踏み入れたのだった
因みに、俺はもう精神的にヘトヘトです
正直、もう帰りたい・・・
ーーーー†ーーーー
「最近、私の出番がまるっきり無い気がするのです」
薄暗い洞窟内を歩く俺たち
そんな中、突如として星がそう零したのだ
すごくメタなその発言に、俺はツッコみたい衝動を必死に抑えた
正直、もうツッコみ疲れたんだよ
「やはり私としては、もう少し出番が欲しいところではあるが
凪はどうだ?
お主も、出番は欲しいであろう?」
「いえ、私はこの後に掲載される短編にて一応主役として出ておりますので」
「ぶっ!!?」
吹いてしまった
それはもう盛大に
凪ったら、自然にメタな発言をかますんだもん
天(作者)の事情を、ここで暴露しちゃダメだろ
「私も、今年から主役の短編が連載されるぞ」
「ふむ、私もだ」
そして、焔耶と思春はさり気なく便乗するな!
おまけに、ものっそい誇らしげな表情だし
ほら、星さんが驚きのあまり固まってるから
頬をヒクヒクさせながら固まってるから!
「で、では雛里は!?
雛里は“萌将伝”にて苦い思いを経験したハズ!
私の気持ちもわかるだろう!?」
そのまま、星は雛里へと話を振る
雛里はというと、星と目を合わせた後にニッコリと微笑んでいた
あれ、何だろすごい嫌な予感・・・
「私はこの後、“白き旅人”でレギュラーメンバーとして出てますから♪」
「ストップ、もう駄目だ
もうこれ以上、その類の発言は駄目だ」
流石に、止めました☆
今までで一番いい笑顔をしながら、すっごいメタな発言をかますんだもん
本当にありがとうございます
星は星で、膝をついて悔しそうにしてるし
ていうか、軽く泣いてないか?
そんなに欲しかったのか・・・出番
~サーセンwwww~
天(作者)からの声が聞こえた気がするが、ここはスルーした方がいいだろうな
それよりも、星を慰めてやらないと
「星、元気を出してくれよ」
「主、しかし・・・」
「このお話の主役は君なんだよ?
その君が、そんな悲しそうな顔してどうするんだよ」
「主・・・」
・・・ごめんなさい、俺もすごいメタなこと言ってます
「さぁ行こう星!
君のお手製メンマ、すごい楽しみにしてるんだよ?」
「は、はいっ!」
俺の言葉に、満面の笑みで頷く星
うん、やっぱ星はこうでなくちゃな
「それでは、ついて来てください主!
至高のメンマは、もう間もなくですぞ!」
「ああ、皆も行くぞ!」
「「「「イエス・マイロード!!」」」」
あ、あれ・・・・・なんだ、このノリ?
ーーーー†ーーーー
そんなこんなで、洞窟の最深部に辿り着いた俺たち
途中には別に罠があったわけでも、ましてやギアスに開眼したりなんてイベントは特になかった
いやうん、平和が一番だよねやっぱ
そして、俺たちの目の前には“ドラ○エ”を彷彿とさせるようないかにもな宝箱がある
開けたらミミックでした、とかだったらマジでビビるぞこれ
「コレの中に、我が至高のメンマが入っております」
「この中に・・・」
ゴクリと、唾を呑みこむ
しかし・・・何だか、すごいモノが入ってそうに見えるよな宝箱って
これは、期待できるんじゃないか?
「あわわ・・・私、なんだかwktkしてきました」
「ヒナりん落ち着いて」
ギリギリどころか、普通にアウトな発言をかます雛里
そんな俺たちのことも知らず、星はゆっくりと宝箱を開けていく
ゆっくりと開かれていく宝箱
その中から、溢れ出す光・・・って、光!?
「なんだこれは!?
メンマが入ってるんじゃなかったのか!?」
「ふふふ、侮るな焔耶よ
この趙子龍が作りし至高のメンマ・・・黄金色の光を発することなど、造作もないわ」
「いやいやいや、ないないない!!
黄金色に輝くメンマなんてないから!!」
「主よ、今目の前にそれが存在しているのです」
「ちょ、わかった!
わかったから、勢いよく開けるな!!
眩しい、ってか目が痛い痛い痛い!!?」
「あわわ、まぶしいです!」
「く、これは・・・!?」
「隊長、私の後ろに!!」
あまりの眩しさに、俺たちは咄嗟にその場から足を引く
その間も、凄まじい程の光を放ち続けるメンマ(?)
くそ・・・これ、ホントにメンマ入ってんの!?
メンマって、こんな光るもんなの!?
「さぁ・・・見せてあげましょう」
響く、星の声
段々と収まってくる光
そして・・・俺たちは見たんだ
「これは・・・」
「なんと・・・」
「あわわ・・・」
「むっ・・・」
「あ、あぁ・・・」
宝箱の中
入っていた、蓋の空いた壺
その中に入っている、俺達がよく知るもの
「このツボの中を見てくれ・・・コイツを、どう思う?」
こ、これは・・・
「「「「「すごく・・・メンマです」」」」」」
普通にメンマです
本当にありがとうございました☆
ーーーー間ーーーー
「・・・って、いやいやいやおかしいだろ!!?
普通のメンマだったなら、なおのことおかしいだろ!!?
あの目が痛くなるほどの光は何だったんだよ!!?」
「主よ、本当に美味いメンマならばあのような輝きは当然のことですぞ?」
「嘘ぉぉおお!!!?」
メンマってそんな凄いの!?
あんな輝いちゃうもんなの!?
「こ、これが至高のメンマ・・・なんと、美しい」
「って、思春さん!?」
思春さんが反応した!?
思春ってメンマ好きだったっけ!?
「ふふふ・・・本当に美味いメンマとは、例え相手が素人だったとしてもその溢れ出す“メンマぱわー”によって魅了してしまうものなのです」
「嘘おおぉぉぉぉおおおおおお!!!?」
メンマすげぇぇえええええ!!!?
何それ、初耳だよ!?
何なんだよ“メンマぱわー”って!!?
「さぁ主・・・どうぞ、お食べください」
「あ、ああ」
な、なんか緊張してきたんですけど
これが“至高のメンマ”の力か!?
「で、では・・・いただきます」
ゆっくりと、俺はソレを口に含む
そして・・・言葉を失ってしまった
口の中に含んだ瞬間に広がる、心地よくも深い味わい
この、小気味の良い歯ごたえ
これが・・・至高のメンマ
「う、美味い・・・」
「ふ、流石は主・・・その味の良さがわかりましたか」
「いや、良さっていうかもう美味いって言葉以外は出てこないくらい美味いんだけど」
「それは良かった
ほれ、皆も好きに食べていいぞ」
その言葉に、皆が笑顔でメンマに群がった
勿論、凪から“携帯唐辛子”を没収することは忘れない
折角の“至高のメンマ”なんだ・・・そのままの味を楽しんでもらいたいしね
しかし、何かホッとしたなぁ
行きがアレだっただけに、こんな平和なオチが待ってるなんて考えてなかったから・・・うん、やっぱ新年の初めくらいは静かにオチないとね☆
・・・って、あれ?
「なんだ・・・体が、すごい熱くなってきたぞ?
しかも、こうフラフラするというか何というか」
おかしい・・・これは、おかしいぞ
皆は・・・
「た、隊長・・・私、何だか体が火照ってきました」
「あ、あの凪さん?
何故、服を脱ごうとするんでしょうか?」
「お館、好きだぞ」
「うん、俺もだよ・・・って、待て焔耶!
いつの間に服を脱いだんだ!!?」
「あわわ、ち○こもげろ」
「言動と行動が合ってないよひなりん!?
なんで服を脱がそうとするんですか!!?」
「ええい、男ならつべこべ言うな!!」
「思春、駄目だって!
そこは駄目だぁぁぁぁぁああああ!!」
いったい、何が起こってるんだ!!?
皆の様子がもう、明らかにおかしいぞ!?
ま、まさか・・・!
「本当に美味いメンマとは・・・食べた後に、しっぽりムフフと逝きたくなるものなのです」
「嘘ぉぉぉぉおおおおおおおおおおおお!!!!??」
メンマって、そんなヤバいの!!?
美味いメンマって、そんな媚薬みたいな効果でちゃうの!?
「まぁ、昨日混ぜた“媚薬”のせいでもあるかもしれませんが」
「明らかソレだろおおぉぉぉぉおおおおお!!!!!??」
おもくそ、狙ってやったんじゃないか!!?
だって、めっさ笑ってるもん!
悪意のある笑い方してるもん!!
「ふふふ、まぁ良いではありませんか
こちらの方が、“天の種馬”の渾名に相応しい年明けかと」
「相応しいとか、そんな気遣いいらないから!」
「ふふふ・・・口ではそう言ってはいますが、いざ始まってみれば主もノリノリではありませんか」
「や、やめろ近づくな!
ひっ、皆離してくれよ!
なぁお願いだから・・・」
「さぁ・・・楽しみましょうか」
「ひ、や、まっ、らめぇ・・・・・・」
(^。^)<あけましておめでとう☆
アッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー・・・
結局、星の予想通りにノリノリになってしまった俺
洞窟内でしっぽりムフフとなってしまい、気づいた時にはもう夕方
当然、愛紗や華琳や蓮華からはOHANASHIという名の“拷問”が待っていました
うん、あけましておめでとう☆
「聞いているのですか、御主人様!!!!!」
「はい、聞いてます!!!!」
・・・完!!
★あとがき★
あけおめ☆
ほい、こんにちわ~月千一夜でっす
今回は、年明け初投稿記念ですww
なんと、5本連続投稿ww
恋姫(見ての通り)・恋姫(ほのぼの)・リトバス(ほのぼの)・恋姫(しっとり)・恋姫(皆さん、お待ちかね?)
という流れになりますw
さて年明け記念SS五本連続投稿の1本目は、友人“蒼華”が書いたやつを大胆に・・・っていうかもう、カオスに変換した作品ですww
変換どころか、まったく違います(ぁ
本当にありがとうございます☆
そういや星がメインなのかいてなかったな~とか思いながら書きましたww
そんで、できたのがコレなんだけど
「すごく・・・メンマです」
うん、これは酷いなww
主役である星もだが、皆酷くなってるww
そして短編のくせに、すごい長くなったっていうw
執筆時間的には、一番かかったんじゃないか?
いや、短編の中ではね
しろたびほどではなかったけどもw
カオスでメタ発言連発な本作
少しでもお気に召していただけたなら、一言“いいんです”とコm(ry
ともあれ、まずは一本目!
数分後にまたお会いしましょう♪
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あけましておめでとうございますw
今回は“年明け初投稿記念”ということで
なんと、五本連続投稿となりますw
まず一発目は、リア友の作品を大胆アレンジ(?)した作品です
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