武中の作品ですので
「読みにくい!」や「誤字脱字ばっかじゃねぇか!」や「なんか文法ちげぇよ!」が
大量にあるはずです。
ご指摘いただければありがたいです。
あと「こんなん一刀ちゃう!」とか「恋姫の原型とどめろや!」とか
「キャラ崩壊するな!」があるでしょうが、
自分のはこんなもんです。あしからず。
ではでは
運命とは過去である。けっしてまだ見ぬものではない。
~北幻庵語録より~
董卓軍は負けた。他の外史と同じように張遼は曹操に降り、華雄は行方不明となった。
董卓と賈クは侍女に変装し宮を脱出しようとしていたところを劉備軍に保護された。
そして現在、一刀は連合軍の主な諸侯である
袁紹、曹操、劉備、孫策、公孫賛、袁術とその軍師達とで北郷宅にて商談を行っていた。
「この度の勝ち戦おめでとうございます。」
「オーホッホッ!下賎な商人にしては良い心掛けですわね!」
「いえいえ・・・」
一刀は商売用の笑顔で対応する。これに気を良くした袁紹はテンションをさらにあげる。
「連合軍としては兵糧を買いたいのですけれど、用意できますわね?」
「はい。それはもちろんでございます。それでは現在の相場ですが・・・」
「倍ですわ!」
「はい?」
これにはさすがの一刀も唖然となる。
詳しく言うと相場の二倍で兵糧を買うというのだ。
一刀としてはありがたいのだが他の諸侯はたまったものではない。
「おい待て!麗羽!そんな値段でうちは買えないぞ!」
「あら白蓮さん。連合軍は優雅で絢爛でなくてはなりませんのよ?
兵糧のお金程度を出し渋ってては洛陽の民に注目されませんわ!!」
公孫賛が袁紹に抗議するも袁紹のトンデモ理論に頭を抱えてしまう。
他の諸侯も無論、相場の二倍で買うという暴挙は出来るわけもない。
そこに一刀が声を発する。
「袁紹様・・・提案がございます。」
「なんですの?聞いてあげますわ。」
「ありがとうございます。私共としても二倍で買っていただけるのは非常にありがたいことです。
洛陽の民も連合軍は素晴らしいと思うでしょう。しかし、袁紹様の軍だけ二倍でお買うとなると洛陽の民は
袁紹さまの軍は素晴らしいと思うでしょう。そこで袁紹様だけ二倍でお買いになるというのはいかがでしょうか?」
まさしく袁紹の自尊心を突いた提案だった。
「素晴らしいですわ!貧乏の皆さんもいらっしゃることですし、そうしましょう!」
「袁術軍も二倍で買うのじゃ!」
「ありがとうございます。では袁紹様と袁術様は二倍で購入ということですね。」
袁紹と袁術は用があると言い満足した顔で北郷宅を出て行った。
室内には安堵とこれからが本番であるという緊張感が充満した。
「はぁ・・・北幻庵まずは礼を言うわ。」
「いえ、言葉に出ない要望にもお答えするのが商人です。」
曹操が諸侯を代表して一刀に礼を述べた。
曹操もまた今は決して勢力が大きいわけでなく二倍の金を払うのは厳しかったのだ。
商談が終わった。
曹操、劉備、孫策、公孫賛ともに通常の相場で兵糧を購入した。
曹操と公孫賛は洛陽の復興準備の為退出した。
劉備と孫策はまだ一刀に用があるということで残っている。
「ふむ・・・ではまず劉備様。如何様で御座いますか?」
「え~と、その・・・お金の貸付はやってますか?」
劉備が顔色を伺うように聞いてくる。劉備軍はまだ義勇軍なため資金面で弱い。
莫大な力と信頼がある北商会から借りることが出来れば、
資金の補強もでき商会から貸付もされるということで信頼も得られる。
「金銭の貸付は軍師様と別室でお話するとしましょう。とても重要なことですから。よろしいですか?」
「はい。」
劉備は政策面で自分は役に立てないと分かっていた。ここは諸葛亮に任せることにした。
「それでは孫策様、何かお申し付け事ですか?」
「悪いけど劉備達には席を外してもらえるかしら?こちらも重要なことなの。」
「かしこまりました。おい、劉備様を陣にお送りしろ。軍師様は融資室にお通ししろ。」
「はっ。」
孫策がそう言うと一刀は侍女を呼び、劉備達を送らせた。
孫策は侍女達の身のこなしがやや武人染みた感じを受けたが、
劉備達が完全に去ったのを確認すると一刀と向き合った。
「こちらの要望は近いうちに兵糧部隊を借りたいということだ。」
「ふむ・・・失礼ですが使用目的を聞いてもよろしいですか?」
「それは言えn「独立するのよ。」おい!雪蓮!」
周瑜が声を荒げる。周瑜は商人というものを基本的に信用していない。
軍師という役職の自分が言うのもなんだが
特に知謀で商会を大きくしてきたと有名な北幻庵は最も信用していなかった。
その北幻庵に袁術から独立するという機密を知られるということは肝を握られるようなものだ。
「なるほど、袁術様から独立ですか。そうなりますと兵糧部隊は重要ですな。」
「くっ・・・さすがにわかるか。本来なら貴様をここで殺すところだが仕方ない。それでどうだろうか?」
「お貸ししてもかまいませんが・・・ひとつ確認せねばならないことが御座います。」
「なんだ?」
このとき周瑜は北幻庵は商人ではなく軍師や政のほうが世に名を残せたのではないだろうか?と考えていた。
実際、この外史の一刀はそちらのほうが王道、ヒーローとして生きていけただろう。
「兵糧部隊ですが・・・反転する際に最前線となりますねぇ・・・私としては大切な部下を貸し出す訳です。
無論、被害が出た際にはそれ相応の対応を取らざる負えませんがよろしいですね?」
「ちょっとそれはおかしいんじゃない?戦場で被害が出ない訳ないでしょう。被害が出たら自分を守れなかった
貴方の部下の自己責任よ。」
この時代では孫策の言い分が最もである。日常に戦場がある時代。
福祉厚生などもちろんないのである。全ては自分。これが尽きるのだった。
「それでは貸し出すわけにはいきませんな。」
「貴方・・・馬鹿にしてるの?今の時代そんなぬるいことは通らないわよ。」
孫策から殺気が漏れる。この殺気は一刀に向けたものでもあるが自分に対する怒りでも合った。
一代にして家を大きくした。国主と商人とは大分違うが孫策は当主として一刀に敬意を持っていたのだ。
それがこの甘い言葉を言う。自分は人を見る目はなかったのかという怒りであった。
ここで一刀の雰囲気が変わった。先程までの温和な雰囲気でなくなった。
「お言葉ですが・・・独立をする孫策様に部下を貸し出すということは賭けです。貴女方が独立に成功するという
確証はどこにもない。もし失敗すれば私は袁術様に目をつけられ江東付近で商売することは無理になるでしょう。
たとえ失敗しても我々は生き残らなくてはならないのです。その為にも対応を取らせていただくのです。」
「・・・そう。悪かったわ。」
このとき孫策と周瑜は一刀の目に狂気染みたもの感じ取った。生きることへの渇望。
よく賊に村を襲われ両親を殺され恋人を犯されなにもかも失った人間がする目だった。
「と、言いましたがその様なことは必要ありません。」
「「は?」」
禍々しい雰囲気は消えまた商人の雰囲気に戻った一刀に孫策と周瑜は肩透かしを受けた気分になった。
まるで先程の気迫は嘘のように消え、人懐っこい笑みを浮かべている。
「そうですね・・・お貸しする条件ですが独立が成功した暁には我が商会に塩製造の独占を認めていただけないでしょうか?」
「やはりか・・・」
「はい、塩はなくてはならないものですから。」
この時代は香辛料は非常に高級であった。中華では前漢ときに王朝により専売が行われていたが力の失われている王朝では
とても行える状態ではなかった。
「税は高くお払いいたしますよ。無論、そちらには特別料金でお売りいたしますので・・・」
「ふむ・・・仕方あるまい。その条件を飲もう。」
「それでは腕の立つ護衛もつけましょう。」
一刀は現代の知識で塩の製造方法である入浜式塩田を知っていた。
これが後に北家の財力をさらに高める要因となった。呉も塩を他国に比べ格安で入手できるようになり、
勢力が安定したと言われる。
孫策達との商談が終わったあと、一刀は諸葛亮の待つ部屋へと向かった。
「お待たせして申し訳ありません。それでは・・・」
「ご、しゅ・・・ はわわ、えと、北郷さん商談の前にお話が・・・」
この外史は一刀と諸葛亮との出会いで急速に加速することとなる。
幻庵様は常に前を見ていたわけではない。詳しくは分からないが後ろを見ていた様な気がする。
~徐元直語録より~
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久々に続きが出来ました。
今回はなぜか長いです。
コメントをくださる皆様に感謝を。