蓮華「・・・・・遅い!何をしているの!思春は!!」
祭「落ち着きなされ権殿。」
蓮華「落ち着いているわよ!!!」
祭「・・・・・どこが落ち着いとるんじゃ・・・・」
亞莎「あ、あの蓮華様・・・・」
蓮華「何よ!!?」
亞莎「っ!(ビクッ!)」
祭「だから落ち着かんか!亞莎がおびえているではないか。」
蓮華「え!?」
亞莎「・・・・(ぶるぶる)」
蓮華「あ・・・・・。」
祭「やっと今の状況が分かったんじゃな。」
蓮華「・・・・・ごめんなさい。」
亞莎「あ、い、いえ・・・いいんです・・・。」
祭「ふぅ、・・・にしても、思春の奴、遅いのぉ、一体何を・・・・」
バン!!!
蓮華「っ!思春!遅いわよ!一体何を・・・・」
思春「っ、お叱りは後で受けます!でも今はそれどころではありません!!」
蓮華「な!それってどういう・・・っ!!一刀!!」
祭「北郷!一体どうしたのじゃ!!」
亞莎&明命「「一刀様!!」」
小蓮「一刀!!」
穏「一刀さん!!」
一刀「・・・・・・・・」
一刀は何も喋らなかった。蓮華様達は急いで医者を呼び、一刀の容体を見てもらった。
蓮華「一刀・・・・・・」
思春「蓮華様、大丈夫です。北郷はきっと大丈夫です。だから落ち着いてください。」
蓮華「思春・・・・」
祭「じゃがなぜ北郷があのような怪我を負っていたのじゃ?」
思春「・・・分かりません、私が見つけた時にはもうあの状態でしたので・・・」
亞莎「一体、一刀様のみ何が・・・・」
明命「一刀様・・・・」
小蓮「ひっく、うぅ・・か・・・ずとぉ・・・・、ひっく・・・・」
穏「大丈夫ですよ、小蓮様、一刀さんは、きっと大丈夫です。」
皆が北郷のことを心配していると、部屋から医者が出てきた。
蓮華「っ!、一刀は!!?」
医者「・・・・・・・・・」
祭「?、どうしたのじゃ?」
医者「・・・手遅れです・・・・」
一同「「「「「「「・・・・・・え・・・・・・?」」」」」」」
医者「・・・もう、あの少年は・・・・・助かりません・・・・・・」
一同「「「「「「「っ!!!!!」」」」」」」
私たちは医者が言う事が信じられなかった。
医者「・・・・・毒です、体の中に毒が回り切ってしまっていて、・・・私には・・・どうする事も・・・・できません・・・・・」
蓮華「そ・・・・んな・・・・」
蓮華様はその場に座り込んでしまった。
祭「そんなバカなことがあるか!まだ何か方法があるはずじゃ!!!」
医者「いえ、・・・ありません・・・・私は今まで数万という患者を見てきましたが・・・・今回は私もお手上げです・・・・・」
思春「ふざけるな!貴様は医者だろう!!病状で困っているものを助けるのが貴様ら医者の仕事ではないのか!!」
医者「私も・・・できるなら・・・・あの少年を助けてあげたい・・・・・ですが・・・・私がどうしようとも・・・・・あの少年を治すことは・・・・不可能です・・・・・」
思春「っ!くそ!!!」
私は思いっきり柱を殴った。
亞莎「一刀・・・・様・・・・う、ううぅ・・・・」
明命「・・・・・・・・・」
小蓮「ねぇ、穏、今、一刀が助からないって言ったの?」
穏「・・・・・・・・」
小蓮「ねぇ、答えてよ、穏・・・・・ねぇったら・・・」
穏「・・・・・・・っ!」
穏は小蓮様を抱きしめた。
小蓮「の・・・ん・・・?」
穏「う・・・あぁ・・・・・ひっく・・・・あああぁ・・・・・・」
小蓮「穏、泣かないでよぉ・・・・・シャオまで・・・・・ひっく、泣いちゃう・・・・じゃない・・・・・・」
医者「・・・・・申し訳ない・・・・・・本当に・・・・・・申し訳・・・・・ない・・・・・・」
蓮華「一刀ぉ・・・・一・・・・・刀ぉ・・・・・・」
あの後、蓮華様は自分の部屋に籠ってしまった。
祭殿は城壁の上で、寂しそうに一人で酒を飲んでいた。
穏は小蓮様を落ち着かせて、一緒に部屋へ戻って行った。
亞莎と明命は二人とも、何も言わずにあの場を去ってしまった。
そして私は・・・・・・
思春「・・・・・・・北郷・・・」
北郷の部屋に来ていた。
思春「・・・なぜだ・・・・・なぜ貴様が・・・・・」
私は拳を強く握り締めた。
思春「貴様には・・・・まだやることが残っているというのに・・・・・・なぜ・・・・・・くっ!」
私は強く握り締めた拳を地面に向かって殴りつけた。
思春「私は・・・・何もできないのか・・・・?奴にしてやることは・・・・何もないのか?・・・・」
自分の無力さに苛立ちがこみ上げてきた。
思春「くそっ!くそっ!くそぉーーーーーーーーー!!!!」
私は何度も地面を殴り続けた。
手が傷だらけになっても殴り続けた。
思春「く・・・・そぉ・・・・・」
殴り終わると、自然と涙が出てきた。
思春「一刀・・・・・・・一刀ぉ・・・・・・」
私は北郷・・・・・一刀の名を呼び続けた。何度も何度も・・・・
思春「か・・・・ずと・・ぉ・・・・・・」
・・・・・思春・・・・・・・
思春「・・・・・・・え?」
何かが聞こえた、すごく聞き覚えのある声、いや、聞いたことのある声がした。
思春「かず・・・・・と?」
私は声のする方にゆっくりと歩いて行った。
たどり着いたのは一刀の部屋の前、この中から声がする。
思春「一刀?」
私はゆっくりとドアを開けた。
そこには・・・・
一刀「・・・・・・・・」
一刀が眠っていた。もう助からない一刀、もう動けない一刀、もう・・・・・抱きしめてもらう事が出来ない、私たちの愛しい者。
思春「一刀・・・・?」
私は一刀に声をかけた。すると、
一刀「・・・・・思・・・・春・・・・・・?」
思春「っ!」
一刀が私に答えてくれた。
思春「一刀!」
私は一刀に駆け寄る。
一刀「よか・・・・・っった・・・・・きて・・・・・くれたんだ・・・・・」
思春「一刀!」
全く気力のない声だった。おそらく喋ることすら辛い状態なんだろう。
一刀「思・・・・・春・・・・」
思春「何だ?どうした?」
一刀「おね・・・・・がいが・・・・・あるんだ・・・・・、きいて・・・くれるか・・・・な?」
思春「ああ!お前が望むことなら、なんでもしてやる!なんだ?言ってくれ!」
私は一刀が望むことなら何だってやってやる!そう思った。でも、一刀が私に言ったことは、私の想像を遥かに超えたものだった。
一刀「お・・・れを・・・・・・・殺して・・・・・くれ・・・・・」
思春「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」
私は言葉を失い、絶望を感じてしまった。
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投票です。
前の作品、実は前編だったんですよね。言い忘れてしまいすいません。
これは中編にしたいと思います。
ではどうぞ^^