赤壁の戦いが終わってから数カ月、政務やら軍議やらいろいろ忙しいものを終え、俺は城壁の上から市を眺めていた、そこには民がいた。
子供が元気よく遊んでいて。
「・・・・・・・」
俺は無言でそれを眺め続けていた。
どれくらい時間が経ったのか分からなかった。
ただ、市を見ていた。
「・・・・・何やってんだろ、俺、・・・・・・」
ふとそんなことを言ってしまった。
「・・・・・・・・」
俺は歩き出した。もうどこに歩き出しているのかは、分かっている。
雪蓮と冥琳の墓に俺は一人で向かった。
何分か歩いてたどり着いたのは、小さなお墓だった。
雪蓮と冥琳のお墓だ。
「・・・・やぁ、久しぶりだね。」
俺はお墓に話始めた。
「君たちがいないだけで、こんなに静かなんだね・・・・。」
そう、二人がいなくなってからというもの、呉の民に笑顔がなくなってしまったのだ。
でも俺たちは民たちに笑顔を取り戻そうと努力した。
その結果、なんとか民に少しだけ笑顔が戻った。
「・・・・・・・・・」
俺はそれ以上、話す言葉がなくなってしまった。
静かな時が流れる。
「・・・・・・・・・」
何を話せばいいか、分からない。
「・・・・・・・・そろそろ帰るよ、またね・・・・・」
俺は城に帰ろうとした。
ガサガサッ
「っ!誰だ!」
俺は腰につけていた剣を抜き、動いた茂みをにらみつけた。
「北郷一刀!!!その命もらったーーーーーーー!!!!」
「っ!!!」
茂みから刀を持った兵士が俺めがけて突っ込んできた。俺はその兵士の攻撃に反応できず、
ザシュッ!
「ぐはぁ!」
俺は肩を切られてしまった。
「死ねぇーーーーーー!!」
俺にとどめを刺そうとする兵士だが、・・・・
「こんなところで死んでたまるかーーーー!」
俺はその兵士の攻撃を受け切り、その兵士の腹に思いっきり蹴りを打ち込んだ。
「ぐえぇ!」
兵士はそのままうずくまり、気絶した。
「はぁ、はぁ、俺には、守る、者がいるんだ、簡単に、死ねるかよ、・・・」
俺は再び、城の方に向かって歩き出すが、
「・・・・・あ・・・れ・・・?」
足に力が入らず、地面に膝をついてしまった。
それだけではなくだんだん体が熱くなり、気分も悪くなってきた。
「・・・・くっそ、なんで・・・だよ・・!」
傷口が焼けるように痛い、意識も朦朧としてきた。
「み・・・・んな・・・・・」
俺はとうとう力尽き、その場に倒れこんだ。
「全く、あ奴はどこにいるのだ!」
北郷の帰りがあまりにも遅いため蓮華様が、
「思春!一刀をここに引っ張ってきなさい!そして見つけたらこう伝えて頂戴!「私たちを心配させて、ただじゃおかないぞ!」とね!!!」
「・・・御意」
私はそういって、城を後にした。
「・・・それにしても、どこにいるのだ?北郷は・・・・」
私が城を出てからもう一刻の時が流れていた。でも北郷は見つからない。
私は別の所を探すことにした。
私は城から少し離れた森まで来た。
「・・・・さすがにここにはいないか・・・・」
でも私は、もう少しこのあたりを探すことにした。
「・・・・やはりいないか・・・・」
もうここにはいないと判断し、帰ろうとしたその時、
「・・・・・ぅぅ・・・・・」
「ん?なんだ?」
なにか聞こえたような気がした。私は声が聞こえた方に歩みを進めた。
そしてたどり着いた先には・・・・・・
「っ!!」
北郷の・・・・かわり果てた姿があった。
「北郷!!」
私はあわてて北郷に駆け寄った、だが北郷はピクリとも動かなかった。
「北郷!おい!しっかりしろ!!」
北郷は何も答えない。私は北郷を背中に背負い、城へと駆け出した。
(くっ、北郷っ!頼む、・・・・死なないでくれっ!)
そんなことを思いながら私は城へ向かった。
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・・・やっと完成しました!!!^^
皆さん、大変お待たせしました!思春編です!
では、どうぞ!^^