お館が天に帰ってから、もう数年が経ってしまった。私はお館が私の元に帰ってくるのを信じて、あの日から、毎日のように城壁の上に登り、お館の帰りを待っていた。
「・・・風か気持ちいいな。・・・・・なぁ、お館、・・・私はいつまでも待っていると言ったが、もうそろそろ限界だぞ。いつになったら帰ってくるのだ?」
私は空に向かってそうつぶやいた。
「・・・・・そろそろ戻るか。」
私は立ち上がり、お尻の汚れをはたき、その場を後にした。・・・・・・・・・・・・
「・・・今日も賑やかだな・・・・」
私は一人、市を見回っていた。子供たちは元気に遊び、商人たちは汗水流して働いていた。
「・・・これも皆、桃香さまと・・・・お館のおかげだな・・・・」
そうつぶやいてしまうくらい、この国の市は平和だったのだ。
「・・・・・そろそろいいか」
一通り市を見回った。そろそろ城に戻ろうと思った。
「で、伝令!!」
すると、門番の者があわてて私の元に来た。
「どうした!?」
「ご、五胡が、五胡が我々の国に進行中と言う情報がありました!」
「っ!、なんだって、数は!?」
「およそ、4千との報告です!」
「4千か・・・・、お前は、すぐに劉備様にこのことを知らせろ!」
「御意!あ、あの魏延様は?」
「私は一足先に五胡の所に行き、少しでも足止めをする!」
「っ!、無茶です!数は4千!いくらなんでも無謀です!」
「ここで誰かが足止めしなければ、民にも被害が出てしまうだろう!!」
「し、しかし!」
「とにかく!お前はこのことを劉備様に知らせるんだ!いいな!」
「あ!魏延様!」
(この場所を奪われてたまるかっ!ここを奪われたら、お館の、・・・・一刀の帰ってくる場所がなくなってしまう!!)
私は無我夢中で、たった一人で4千の軍勢に立ち向かっていった。
場所は荒野、私は一人で五胡と戦っていた。
「でえぇーーーーーーーい!!!」
ドゴーーーーーーーーーン
「ぎゃぁーーーー」
「はぁ、はぁ、くそ、きりがない!!」
(倒しても倒しても現れる五胡の兵、これでは私の体が持たない!!)
そんなことを考えていると、
ヒュン!!
「っ!しまった!」
五胡の兵の隙を突かれてしまい、あわてて防ごうとしたが、
グサッ!
「ぐっ!」
少し遅かった。五胡の兵から放たれた矢が足に当たってしまい、その場で座り飲んでしまった。
(くっ、不覚、でも、まだここで倒れるわけには!!)
体制を立て直そうとして無理やり足に刺さった矢を引き抜き、なんとか立ち上がろうとするが、
ガクンッ!
「なっ!」
足に力が入らず、再び、その場にしゃがみこんでしまった。いつもの間にか周りは五胡の兵にか囲まれてしまっていた。動けない私に容赦なく、五胡の兵たちが私に突っ込んでくる。
(・・・ここまでか・・・・)
もう、おしまいだ。この状況で生き残れるはずがない・・・・。
(すまない、お館、・・・お館との約束、・・・守れそうにない・・・)
五胡の兵が私に剣を振り下ろしてくる。私は死を覚悟して目を閉じ、
(・・・さようなら、・・・・一刀・・・私の・・・・愛した人・・・・)
(・・・・・・・・・・・・・・)
・・・・おかしい、いつまでたっても、剣が私の体を切り裂かない、私はゆっくりと目を開けた。するとそこには、・・・見覚えのある人の背中が見えた。
(誰だ?愛紗?鈴々?星?それとも・・・・・)
するとその人は大声で、
「俺の恋人に何しやがる!!!!!!」
と叫んだ。その瞬間、脳に何かが駆け巡った。すごく聞き覚えのある声、髪、姿、その人が私の方を見た瞬間、
「っ!!!」
自然と涙がこぼれた。それはなぜか、当り前だ。この人は私が初めて異性で愛した人、私と最後を迎えた人、私との・・・・約束を守ってくれた人・・・・・そう・・・・・北郷一刀の姿だったからだ。
「お・・・・館・・・・?」
「遅くなってごめん、本当は1年も前にここに戻ってきたんだけど、いろいろ騒ぎに巻き込まれてね。」
お館が私に話しかけてきた。でもその隙に、五胡の兵がお館に攻撃を仕掛けてきた。
「っ!あぶな・・・・!」
私が言い終わる前にお館は五胡の兵に気付き、切り倒していた。
「・・・・・人が再開を喜んでるのに・・・・・・なにいきなり切りかかってきてんだよ・・・」
お館はそう言って私の方を向き足の怪我に目をやった。するとお館は小さな布を出し、それを噛み切り、私の足にそれを巻いてくれた。
「あ、お館・・・」
お館は無言だったが私に笑顔を向けてくれた。そうするとゆっくり立ち上がり、五胡の方を向き、
「・・・・貴様ら、俺の大切な人を傷つけておいて・・・・生きて帰れると思うなよ・・・・」
・・・・・そのあとはよく覚えてない、ただはっきり覚えているのは、お館が私を抱えてどこかに向かっていることだけだった。
「・・・・・ん?・・・・ここは?」
気がつくと、そこは見知らぬ小屋だった。
「私は一体・・・」
そんなことを思っていると後ろから、
「やぁ、目が覚めたんだね、焔耶。」
と声をかけられた。
「っ!・・・・お館?」
「ああ、そうだよ。」
「っ!」
私はもう、嬉しさがいっぱいになり、そして・・・
「一刀ーーーーーーー!!!」
愛しい人の元に飛び込んで行った。
「一刀ぉ・・・・・か・・・・・ずとぉ・・・・・ひっくっうわぁ・・・」
「またせてごめんね、焔耶、これからはずっと一緒だ、もう離さないから・・・・だから・・・・もう泣かないで・・・・」
「う、うわぁぁ・・・・」
嬉しさのあまり、私はなにもしゃべれなかった。でも、たった一つ言いたかったことだけは言おうと思った。
「ぐすっ、一刀・・・・」
「ん?なに?」
「・・・・・おかえり・・・・」
「・・・・ああ・・・・ただいま・・・・」
私はそう言うと一刀に自分から、口づけをした。
そのあと私は一刀が天に帰ってからの話を全て聞いた、天に帰った後、一刀は武を学び始めたらしい。理由は簡単だった。もし、私が危機にさらされていたら、その時に守れるようにだと一刀は行っていた。・・・・・でも今はそんなことどうでもいい。なぜなら・・・・・ようやく再開できたのだから・・・・・・私の愛しい人に・・・・・・・この幸せは・・・・・今は私だけのもの・・・・・・・そう・・・・・・・私だけの・・・・・・・・・・・・
END
どもanです。こんな感じでいいでしょうか?もし喜んでいただけたらうれしいです^^
この次の話ですが、予定していた思春ENDを書こうと思います。
さてさて、また皆さんにアンケートです。
1 魏END風編
2 蜀END詠編
3 呉END亞紗編
思春ENDが終わったらどれがいいでしょうか?アンケートをお待ちしております。
ではそろそろこのへんでバイ」
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投票です。
前の作品で、この焔耶ENDを見たい人はb←で表してくださいと言ってのですが・・・・・パないほどbが殺到したので続きを書きましたwwwwww。
では、どうぞ^^