(董卓包囲網 其の五 急転)
戦場を駆け抜ける真紅の軍旗。
そこに記されている『呂』の文字を頂く恋は連合軍の兵士達を次々と吹き飛ばしていく。
華麗に舞うわけでもなく、ただ目の前に写るすべての敵を無駄な動きひとつなく薙ぎ払っていくのその姿は後ろから続く者達にとって心強かった。
旧丁原軍から参加した魏続と侯成はそんな恋の戦っている姿を見て至福の一時を送っていた。
「戦っている呂布将軍って素敵よね」
うっとりした表情を浮かべながら敵兵に槍を振り落としていく魏続。
「当然でしょう?なんたって呂布将軍なんだから」
魏続とは正反対の真面目な表情をして的確に敵兵を突き崩していく侯成。
だがその内は一緒に戦えて嬉しくて仕方なかった。
「本当なら姐さんもここにいたら間違いなく最強軍団なんだけどね」
「仕方ないでしょう。姐さんは別行動中なんだから」
侯成と魏続の他に恋の配下にはもう一人の将がいるのだが、今は魏続の言うようにここにはいなかった。
「それにしても連合軍だっていっても弱すぎない?」
「弱いけど鬱陶しい数には変わりないわよ」
騎兵の機動力を生かした攻撃を仕掛けていた呂布隊もここにきてその勢いは減殺させられていた。
最前線をいとも簡単に壊滅させ幾兵も叩き潰してきたが、劉備軍が現れてからというもの簡単にいかなくなってしまった。
呂布軍よりも遥かに数が少ない劉備軍は騎兵一騎に対して歩兵三人で攻撃をしかけていた。
一人倒しても他の二人が仕留める。
統率の行き届いた動きにさすがの呂布隊も突破できずにいた。
「何なのさ、こいつ等」
「知らないわよ。ほら左!」
将である魏続と侯成は傷一つ受けることはなかったが、周りにいた騎兵がやられている姿を見てあまり愉快な気持ちではなかった。
「どうするのよ、侯成?」
「どうするって何がよ?」
「このままだと他の軍まで来て数で負けるって言っているのよ」
「そんなの敵に言いなさい、敵に」
笑顔が消え焦りと苛立ちが現れ始めた二人だが、腕だけはしっかりと動かしていた。
「呂布将軍、どうしましょう?」
先行している恋に声をかける魏続が前を見たとき、恋は簡単に劉備軍を蹴散らしていた。
「呂布将軍……素敵」
「こら。将軍ばかり見ないで腕を動かしなさいよ」
どこか嫉妬を感じさせるように文句を言う侯成。
「それに呂布将軍には御遣い様がいるんだから」
「そんなの関係ないもんね」
魏続からすれば恋の武に惚れ込んでおり、彼女以外の下風に立つつもりなど毛頭なかった。
一刀が嫌いというわけではないのだが、共に戦場を駆け回る恋の方が好きだった。
「こうなったら手柄を立てて呂布将軍にもっと褒めてもらおっと」
「こ、こら、勝手なことをするな」
「呂布将軍、待っててくださいね♪」
槍を振り回していく魏続を注意しながら、侯成は隊列を崩さないように戦い続けた。
そんな二人を気にしているのかしていないのか、恋はただ真っ直ぐに突き進んでいき次第に魏続達と距離が開いていき、やがて離れ離れになってしまった。
そんな呂布隊の内情などお構いなく劉備軍は積極的に攻撃を仕掛けていく。
そしてその戦闘に立つのは黒髪の少女であり、手には青龍堰月刀を持ち呂布隊の精鋭を叩き伏せていた。
美しい黒髪が鮮やかに舞う度に騎兵を討ち取っていく。
屈強の男達に怯む様子など全くなく、自分から刃に立ち向かっていく姿に魏続と侯成は左右から馬を飛ばしていく。
「何、あいつ?侯成、あいつやるよ」
「言われなくてもわかっている」
馬上から槍を繰り出す二人に対して愛紗は一本の武器で防御する。
「あんたを倒してさっさと他の連中も叩き潰してやるっての」
「そう上手くいくかな?」
魏続の攻撃を軽くあしらう愛紗には余裕の笑みが浮かんでいた。
「このこのこのこの!」
「筋は良いがまだまだ甘いな」
「うっさいわね」
我武者羅に攻撃をしていく魏続の一瞬の隙を突いて愛紗は彼女の槍を弾き飛ばした。
「なっ」
「魏続!」
「終わりだ」
無防備状態の魏続に愛紗は刃を振り上げていく。
だがそれを侯成が間一髪で防ぎ、その間に魏続は馬を翻して距離をとることに成功した。
「今度はお主が相手か?」
「お生憎様。私はあの子と違って勝てない相手に一人で挑まない主義なの」
そう言ってあっさりと愛紗から距離をとっていく侯成。
「ふん、たいしたことはないな。呂布とやらもたいしたことはなさそうだな」
その言葉を聞いた魏続と侯成は睨みつけるように愛紗の方を見た。
「今何て言った?」
「呂布とやらもたいしたことないと言ったのだ」
その言葉が終わると同時に愛紗の真横に小剣が飛んでいった。
さっきまでとは違った雰囲気を感じ取った愛紗だったが笑みは消えなかった。
代わりに魏続と侯成は愛紗に鋭い視線をぶつけていた。
「あんた、今、言ったらダメなこと言ったよね?」
「だからどうした?」
「呂布将軍をバカにされるのは見逃せないな」
魏続は剣を侯成は槍を構えて馬を愛紗の方へ飛ばしていく。
「呂布将軍を愚弄した罪はきちんと償ってもらうよ」
もう一本の剣を鞘から引き抜き二刀流で愛紗に攻撃を仕掛けていく魏続。
呼吸を合わせるように侯成も二段突きを繰り返していく。
先ほどよりも力と速さが増した二人の攻撃に愛紗は驚きつつも冷静に対処した。
「呂布将軍に比べたらあんたなんか弱いわよ」
「将軍を愚弄する奴は私達が許さない」
「ちっ」
倒せなくもないが連携して絶え間なく攻撃を仕掛けてくる二人に反撃の好機を掴めずにいる愛紗。
(いける!)
少しずつ押し始めた魏続と侯成。
このまま攻撃を続ければ勝てると思い始めた二人だったが、それは瞬く間に覆されるものとなった。
「鈴々も混ぜるのだ!」
その一言と同時に侯成を馬ごと吹き飛ばしたのは鈴々だった。
何が起こったのかわからない魏続は柄の方で鳩尾を突かれ身体を後ろへ突き飛ばされ地面に背中をぶつけた。
「何をしにきた」
「愛紗を助けに来たのだ」
「助けなど必要ないぞ」
「でも押されていたように見えたのだ」
連携攻撃で防御に回っていたところを見られていた愛紗はため息をついた。
「まったく、お前までここにいたら誰が軍を指揮するのだ」
「朱里達がいるから大丈夫なのだ」
嬉しそうに答える鈴々に愛紗は半ば呆れていたが追い返すこともしなかった。
そんな二人を魏続と侯成は痛みに耐えながら睨みつけていた。
愛紗一人にでもてこずっているところへさらに敵将が増えたことで焦りを感じていた。
「どうする?」
「どうするって……ここで引くわけにはいかないでしょう?」
自分達は最強部隊なのだと思っている二人にとって敗北はすなわち死だった。
だが、どんなことがあろうとも負けることは許されないと思っているだけに気力を振り絞って立ち上がっていく。
「まだ終わってなんかないわ」
「ここでお前達を討ち取る」
武器を構える二人に愛紗と鈴々は会話を打ち切り正面から対峙した。
「まだやるつもりか?」
「当然よ。まだ負けてないんだから」
「すでに勝負はついていると思うが?」
「それはあんたの勝手な想像でしょう」
まだ余裕があるように思えた魏続達だが、愛紗と戦ってかなり疲労していた。
それでも倒れるわけにはいかないという気力がまだ残っていた。
「なるほど。勇猛ではなく引くことを知らぬ愚か者だったか。ならば一気に突き崩すまでだ。行くぞ、鈴々」
「おうなのだ」
鈴々はともかく愛紗は疲労しているはずだと思っていた二人だったが、それを修正しなければならないほど、疲れを感じさせない攻撃を繰り出してきた。
「くっ」
疲労している魏続には愛紗の一撃の重さは厳しすぎた。
持っていた剣をあっさりと破砕され、鼻先を横に斬られた。
「魏続!」
「よそ見したらダメなのだ」
魏続に意識を向けてしまった侯成に容赦なく鈴々の蛇矛が打ち込まれてくる。
それを防ぐだけでも精一杯で魏続の救出まで手が回らなかった。
「終わりだ」
顔を押さえている魏続に愛紗は止めの一撃を振り上げた。
「魏続!」
「隙ありなのだ!」
侯成の槍を高々と弾き飛ばした鈴々は続けて止めの一撃を放とうとした。
だが、それを繰り出す前に愛紗と鈴々は何かに気づき、その隙に二人は逃げるように距離をとった。
「しまった」
気づいた時には魏続と侯成は後ろに下がり、代わりに馬に乗った恋が前に出てきた。
(なんだ?)
今までに感じたことのない『何か』が愛紗の中に流れ込んでくる。
目の前にいる真紅の髪の少女から発せられる殺気とは違う何かが愛紗を警戒させた。
「呂布将軍……」
今の無様な姿を一番見られたくない人物に見られてしまった魏続と侯成。
「申し訳ございません」
自分達が不甲斐ないばかりに恋の突撃を止めさせたと思って侯成は謝罪以外の言葉が出てこなかった。
「ほう。お前が呂布か」
「……」
只者ではないと感じ取った愛紗は自然と笑みが浮かんでいく。
「魏続、侯成」
「は、はい」
「恋が相手する」
「将軍?」
自分から戦うことを宣言する恋に驚く魏続達。
馬から下りて方天画戟を構える恋に愛紗と鈴々も気を引き締めていく。
その剣気に周囲の兵士達は自然と距離を置いていく。
「鈴々、先に私が行く。お前は半歩遅れて来い」
「わかったのだ」
愛紗は先に一歩、また一歩と恋に向っていく。
「いくぞ」
短く言葉を吐く愛紗はその場から一気に跳躍した。
それを見ていた魏続と侯成が気づいた時には恋と愛紗は剣戟を交えていた。
自分達とは違う強さと速さを見て侯成は自分達では勝てない相手だと思い知らされた。
そう思った瞬間、愛紗の後ろから鈴々が飛び上がり、愛紗の攻撃を方天画戟せ受け止めている恋目掛けて蛇矛を振り下ろしていく。
「将軍!」
だが魏続達の不安は現実にはならなかった。
鈴々の一撃は方天画戟を握っていた片手によって掴まれていた。
「な、なに?」
「な、なんなのだ?」
攻撃をしている愛紗、攻撃を仕掛けた鈴々は共に驚きを隠せなかった。
それに対して恋は表情一つ変えることなく二人を弾き飛ばした。
「くっ」
後ろに着地した愛紗達はすぐに体勢を立て直していく。
「さすが将軍」
「当たり前じゃない」
自分達が勝てない相手をいとも簡単に弾き飛ばした恋に賞賛の声を上げる魏続達。
「鈴々、今度は左右からいくぞ!」
「わかったのだ」
気を取り直して左右に跳躍し着地すると同時に恋目掛けて打ち込んでいく。
左右同時攻撃ならばいかに恋でも防ぎようがない。
そう考えていた愛紗だったが、気合を込めて打ち込んだ先に待っていたのはまったく違う現実だった。
恋はまず両手で方天画戟を握り締めて鈴々の方向に振りかぶった。
予想だにしない動きに鈴々は反応が遅れ、方天画戟の柄をまともに受け止めてしまった。
「にゃっ!?」
蛇矛でまともに受けた鈴々はそのまま後ろに吹き飛ばされた。
「愛紗!」
予想外な攻撃ではあるが、僅かに隙が出来たのも確かだった。
愛紗がそんな隙を見逃すはずがなく恋の懐に飛び込み、青龍堰月刀を彼女に向けて突き出した。
(とった!)
そう確信をした愛紗だったが恋は何一つ焦ることなく遠心力をそのままにして身体を回転させて紙一重で避けた。
「なに!?」
そうなると今度は突っ込んだ愛紗の背中がガラ空きになり、恋はその背中に方天画戟の柄を叩きつけた。
「くっ」
隙を突いたつもりが自分で作ってしまった隙を突かれた愛紗はそのまま地面に叩き伏せられた。
「愛紗、大丈夫なのだ?」
鈴々は手に痺れを残したまま恋に対峙する。
恋も鈴々の方に視線を動かしたかと思うと、何事もなかったように魏続達の方へ歩いていく。
それがどういう意味なのか愛紗はすぐに理解できた。
(我々など相手でもないということか)
背中に残る痛みは本来であれば一瞬の痛みで終わっていたはずだった。
討ち取る価値すら自分達にはない。
無言でそんな風に言われているようで愛紗は唇を噛んだ。
「愛紗」
駆けつけてきた鈴々に助け起こされながら愛紗は恋の実力を軽く見ていたことを後悔していた。
青龍堰月刀を握る手が震えている。
今まで恐怖など感じることのなかった自分が初めて死を間近で感じた。
「愛紗、大丈夫なのか?」
「……ああ。大丈夫だ」
言葉ほど大丈夫ではない愛紗だが、鈴々に余計な心配をかけさせたくなかった。
魏続と侯成から賞賛されている恋の後姿を睨みつけるが、このまま戦えば今度こそ自分達は討ち取られる。
そうなってしまえば誰が桃香を守るのか。
生きていれば再戦も叶う。
そう自分に言い聞かせるしかない愛紗だった。
「愛紗はお姉ちゃんのところまで下がるのだ。あとは鈴々が頑張るのだ」
「ば、馬鹿を言うな。お前一人ではあいつには勝てん。それぐらい判っているはずだ」
自分達以上の武を見せつけられてなお戦おうとする義妹に愛紗は強さを感じながらも自重を諭した。
周りからもさっきまで善戦していた自軍が押され始めていた。
(このままでは桃香様が危ない)
援軍を当てにしてよいものであれば何も心配なのなかったが、今の連合軍の中で本気で助けてくれる軍などほとんどないに等しかった。
辛うじて公孫瓉軍が後衛に布陣して援護してくれているだけだった。
呂布軍の騎兵隊は勢いを取り戻していき、愛紗と鈴々にも向かってきた。
それを払いのける二人だが、疲労している身体で騎兵を相手するのはさすがの愛紗と鈴々でも難しかった。
と、そこへ、
「愛紗ちゃん!鈴々ちゃん!」
本来であればここでその声が聞こえてくるのはおかしかった。
振り向くとそこには護衛の兵士に守られながら必死に走ってきている桃香の姿があった。
「桃香様!」
「お姉ちゃん、危ないのだ」
二人の心配を他所に桃香は何とか辿りついた。
息を切らせながら二人の前に座り込んだ桃香。
自分達を心配して危険な中を突き抜けてきたと思うだけで愛紗は嬉しかったが、それを胸のうちにしまいこんで怒ってみせた。
「桃香様、貴女は我々の主なのです。このような危ないところに出てきてはいけません」
「で、でも、愛紗ちゃんと鈴々ちゃんが危ないって聞いてじっとしてられなかったんだよ」
「だからと言って……」
愛紗はそれ以上、言葉を続けることは出来なかった。
今にも涙が溢れかけている桃香の表情を見ていると、彼女を心配させすぎている自分を恥じるべきだと思った。
「申し訳ございません、桃香様」
素直に謝る愛紗に桃香は安堵の表情を浮かべる。
(敵わぬな)
これまで自分が先頭になって戦って勝利して戻ってくると、勝利よりも無事に帰ってきたことに喜んでいた桃香が大好きだからこそ愛紗は戦えた。
「愛紗、何時までも呆けておる場合ではないぞ?」
その声に我に返った愛紗は桃香の後ろに立っている女将を見た。
「星がここまで桃香様を守ってきてくれたのか?」
「それ以外に見えると?」
笑みを浮かべるのは公孫瓉軍の客将としてこの戦いに参加している趙雲だった。
「それについては感謝する。だが、すぐに桃香様を連れて後ろに下がってくれ」
迫り来る騎兵隊を退けながら愛紗は星に頼んだ。
「そうしたいがすでに我々は敵中の中で孤立しているぞ」
「なに?」
愛紗が不審に思い周りを見るとさっきまで戦っていた味方の殆どが蹴散らされていた。
その中心に恋達が立っており、愛紗達をじっと見ていた。
「星、桃香様を連れてここから脱出して公孫瓚殿のところまで下がってもらえぬか?」
「それは構わぬが、愛紗達はどうする?」
「このまま負けたまま終われるはずがないだろう?」
危険を冒してまで自分達の元に来てくれた桃香のためにもここで引き下がるのはその気持ちを裏切ることになる。
「愛紗ちゃん、鈴々ちゃん、無茶しないで」
桃香に笑顔で応える愛紗は気持ちを落ち着けていく。
(大丈夫だ。落ち着いて戦えば負けることはない)
疲弊している身体に鞭を打って恋に向っていく愛紗。
「愛紗、一人でいくのはダメなのだ」
「鈴々……」
「二人で戦ったら大丈夫なのだ」
嬉しそうに言う鈴々も同じように疲弊していた。
体力だけをいうならば愛紗を上回っていても自分よりも強い相手ではさすがに疲れが滲み出ていた。
それでも一緒に戦おうと言う鈴々にもはや愛紗は桃香と共に下がれとは言わなかった。
「もう一度いくぞ、鈴々!」
そう力を入れていく愛紗と鈴々の前にいる恋もその様子を見て手に力を入れていく。
と、そこへ新しい騎兵隊が飛び込んできた。
それに一番最初に気づいたのは恋で研ぎ澄まされた雰囲気が僅かに緩んだ。
馬が恋の近くに止まると男が馬から飛び降りるように地面に両足をついた。
「間に合ったか」
安心した声に誘われるように恋は男の元にやって来た。
「ご主人様?」
「無事だったか、恋?」
嬉しそうに恋に声をかける一刀。
「?」
「恋が危ないと思って慌ててきたんだ。でも、無事でよかった」
「……」
恋は撫でられる心地よさそうに喜んでいた。
戦場の真っ只中で気を緩ますなど危険極まりないものだった。
それを回避するかのように彼等の周りには華雄達が守りについていく。
「おい、再会の喜びよりも早く指示を出せ。敵が来るぞ」
華雄の言葉で一刀も気を引き締めなおして恋達に後退することを伝えた。
「何でですか?私達勝っているじゃないですか」
愛紗達に負けた魏続は不満そうに頬を膨らませて一刀に抗議するが、侯成によって口を押さえられた。
「御遣い様が戻れって言うんだから戻るのよ」
このまま勢いで戦っても連合軍の無傷の部隊が全面に出てくればあっという間に形勢がひっくり返ることぐらいは侯成でも理解できた。
余力のあるうちに後退して再編成と休息をとる必要はあった。
「しかし、下手に後退すれば敵が盛り返すかもしれませんが?」
「その辺は押さえつつかな。まぁ難しいと思うけど向こうで霞も頑張っているから何とかなると思うよ」
「あまり楽しい状況ではないな」
呆れるように華雄が言うと一刀は申し訳なさそうに頭を掻く。
「だが、北郷の言うとおりだ。呂布、ここは一旦引くぞ」
「ご主人様?」
「うん。華雄の言うようにここは引くぞ」
「……わかった」
一刀が引くと言っている以上、恋はそれに逆らうことはしなかった。
彼が望むことは自分の力で叶えてあげたい。
そうすれば一刀は自分を褒めてくれる。
傍から見ればささやかなことでも恋にとっては最高のご褒美だった。
「魏続と侯成は軍の指揮を。俺と恋、それに華雄は最後尾に立って撤退の支援をする」
「お前は魏続達と先に戻れ」
「そうなると華雄まで連れて行かないといかなくなるからダメだ」
華雄の処遇を下してしまっている以上、それを覆すわけにはいかなかった一刀は華雄の提案を拒否した。
「まったく。こんな総大将など他にいないぞ」
「そうだろうね」
「よくもそれだけ笑っていられるな」
心底呆れたようにため息をつく華雄に一刀は苦笑いを浮かべた。
馬に乗り一刀は周辺を見渡すとどこもかしこも戦っている光景しかはいってこなかった。
それを複雑な気持ちで見守りながら魏続と侯成に撤退の合図を送った。
「待て!」
撤退をしようとしているところに愛紗と鈴々が駆けつけてきた。
「勝負はまだついていないぞ」
「勝負なのだ」
勝ち逃げは許さないといった雰囲気を愛紗と鈴々は解き放っており、華雄が前に出ようとした。
「待つんだ、華雄」
「なぜだ?」
敵将が勝負しろと言ってきているのだからそれに受けて立つのは武人の務めではないかと華雄は無言で一刀に訴えた。
だが、華雄がそれで失敗をしているため一刀は首を立てに振ることはしなかった。
華雄を制して前に出た一刀に愛紗は顔を顰めた。
「劉備軍の将だね」
「いかにも。我が名は関羽。暴虐な董卓を討つために連合軍に参加した劉備軍の先陣を任されている」
「暴虐か……」
その言葉を聞いてショックを隠せない一刀。
「俺は北郷一刀。君の言う暴虐な董卓を守っている者だ」
「北郷?では噂の天の御遣い殿か?」
「どんな噂かは知らないけどね」
今回は董卓を標的にしているためそれほど悪評があるとは思わなかった一刀だったが、愛紗はじっと観察をしていた。
「なるほど。皇帝陛下の傍にいるものとばかり思っていたが、意外と勇敢なところがあるようだ」
「それはどうも。で、その天の御遣いとしてお願いがあるんだけど」
「ほう?天の御遣い殿の願いと?」
最前線のしかも命の危険が近くにあるのにも関わらず、敵である自分にお願いをしてくる男に愛紗は興味を覚えた。
「できればこのまま引いて欲しい」
「なに?」
「君達がなぜ刃を向けたのか俺には理解できない。でも噂が真実か確かめもしないのに戦を起こしているのはどうかと思う」
噂に流されてここにきてしまった愛紗達。
真実を確認するための挙兵ではなく討伐のための挙兵。
疑問を抱えたまま戦っている自分達にその男はこの戦いの意義を投げつけてきた。
「このまま戦えば間違いになく君達は逆賊の汚名を着ることになる」
「それは皇帝陛下が自ら出陣してくると?」
「可能性がないとは言わない」
一刀の言葉が正しければ董卓討伐の大義名分は完全に消え去り、残るのは逆賊という汚名だけだった。
そうなれば今度は自分達が攻められる可能性があった。
「そんな脅しが通じると?」
「さあどうだろうね」
口調はどこかふざけているように聞こえいたが、その目は冗談を言っているようには見えなかった。
武人独特の雰囲気も軍師として才幹を感じさせるわけでも、ただ天の御遣いというだけで普通の人間とかわらないはずなのに、恐れることもなく堂々と対峙している。
「御遣い殿に聞く。貴殿は董卓が噂通りの人物ではないと証明できるのか?」
「見てもらえばいいんだけど、そうも出来ない以上、言葉で信じてもらうしかない」
それ以外の手段でこの戦いを終わらせるのは見るだけでも不可能だと一刀は悟った。
言葉で分かり合えなければ戦うしかない。
「言葉だけで信じろと言われても信じることは出来ぬ」
刃を一刀に向ける愛紗。
「そうか。なら戦うしかないな」
心を鬼にして戦うしかない。
拳を握り締める一刀の気持ちを察した恋が愛紗の前に立つ。
「恋」
「(コクッ)」
恋が戦闘態勢をとると愛紗と半歩遅れてきた鈴々はそれぞれ構えていく。
「ご主人様、守る」
今度は恋が先に愛紗達に仕掛け、それに僅かばかり遅れた愛紗も駆け出していく。
方天画戟と青龍堰月刀がぶつかり合い、そこから息つく暇も与えない速度で打ち合っていく。
背中の痛みなどまったく感じさせない愛紗と一刀を守るという意識を持つ恋。
お互いに一歩も引かぬ再戦に一刀達は息を呑んだ。
「愛紗、鈴々も混ぜるのだ!」
激しく打ち合っている二人の間に鈴々は蛇矛を振り回しながら割り込んでいく。
「おい、北郷」
二対一ではさすがに恋もきついと思ったというよりも戦いたくて仕方ない華雄は一刀に許可を求めた。
「……」
「安心しろ。同じ失敗は二度もしない」
不適な笑みを浮かべながら華雄は三人の打ち合いに向って走っていく。
その後姿を見て一刀は苦笑いを浮かべていた。
「なかなか面白いわね」
「えっ?」
一刀が気づいたときには誰かが後ろに立っていた。
それも喉元に小剣を当てられて。
まったく気づかなかった一刀は冷や汗を流しながら視線を動かそうとするが、顔がうまく見えなかった。
「本当に無茶なことをするのね」
「えっと……」
「安心しなさい。皇帝陛下のお気に入りで天の御遣いである貴方を殺したりなんかしないわ」
「それはどうも」
妙なやり取りに思わず笑いかける一刀だったが、右手をゆっくりと七星の剣に伸ばしていく。
「ダメよ。剣を抜いたら殺しちゃうわよ?」
「勘弁してくれよ……」
相手は本気だと感じた一刀は手を伸ばすのを諦めた。
恋と華雄も愛紗と鈴々と戦ってこっちには気づいておらず。周りもこちらに気づいていない。
「それでどちら様かそろそろ教えてもらえないかな?」
「あら、もう私を忘れちゃったの?」
「忘れるって……。はぁ、人に刃を突きつける人は知り合いにはいないんだけどなあ」
「仕方ないでしょう。こうでもしないと私が危ないんだから」
声の主が誰なのかわかってしまった一刀はため息を漏らす。
すると後ろの人物は笑いを噛みしめていた。
「雪蓮ってさ大胆だよな。恋達が気づいたらどうするんだ?それにどこかの御当主様なんだろう?」
「大丈夫よ。張遼は袁紹達と戦っているわ。私がいなくても何も問題はないわ。敵かどうかは貴方が決めることじゃなくて?」
「それで俺をどうするわけ?」
殺さないと言っている以上、どうしたいのか聞く必要はあった。
「そうね。私のものにならないかって聞きに来たの」
「私のものって……俺を連れて行くってことか?」
「安心しなさい。貴方が嫌だって言うならば無理にとは言わないわ」
強要はせず一刀の意思に任せる。
それに対して一刀は自分の意思は決まっているため、今更変えようとは思っていなかった。
「申し訳ないけど、俺はそんなに軽くないぞ」
「そんなに皇帝がいいわけ?」
たいした実力もない皇帝を見捨てられないのかと思う雪蓮だったが、一刀は自分がいるべき場所は百花のところだとはっきりと答えた。
「ふ~ん。変な男ね」
「悪かったな」
雪蓮に何と言われようとも気持ちは変わらなかった。
今も洛陽で一刀達の無事を祈っている百花をまた一人ぼっちにさせたくない。
何が何でもここから無事に帰ると誓っている一刀に雪蓮はますます興味を覚えた。
「でも、このままだと貴方達は間違いなく負けるわよ」
「そうかな?こっちにもまだ見せていない手があるんだけど」
「あら、そうなの?」
逆転の策を持っているのだと思った雪蓮は目を細めていく。
「その策はもう始まっているのかしら?」
「ああ。もうまもなく連合軍は大混乱に陥るよ。そうなったら今度は雪蓮達が俺達に追われる番だ」
視線の先で戦っている恋と華雄を見守りながら一刀は余裕のあるところを見せた。
「うまくいけばいいわね」
「いくさ。そのために俺達はここで戦っているんだから」
決して負けられない戦いの中で一刀は最善の策を放ち、それが成功するまで恋達が支えている。
状況は楽ではないが負けない戦いに専念するという一本化された戦い方が功を奏していた。
「でも残念ね」
「何が?」
「貴方が思っているほど袁紹は頭がいいわけでも何でもないわ」
「どういうことだ?」
「アレを見てもわからない?」
小剣が一刀の首筋から遥か彼方に向けられた。
そこには無駄に大きく無駄に派手な『袁』の軍旗が幾百と掲げられておりそれが横一列に並んでいた。
雪蓮はこれまで戦いという戦いをしていなかった袁紹軍が前進を始めたことを教えた。
それも常識では考えられない横一列による押し出し行軍。
そのために董卓軍と戦っていた前衛の連合軍が押し出されていき、混乱を起こし始めていた。
「何だアレ?」
「袁紹が本気で攻めてきているわけよ。それも誰も予想しない隊列を組んでね」
麗羽の高笑いを思い出した雪蓮は呆れた声で一刀に教えていく。
「このままだと本当に一刀の策が成功する前に負けるわよ?」
「なら関に戻って耐えるだけさ」
「間に合わないわよ」
「どうしてそう言えるわけ?」
「だってほら」
身体ごと向きを変えさせられた一刀が見たのは虎牢関から立ち上る黒い煙だった。
「なっ!」
「一刀、どうやら貴方達も一枚岩じゃあないってことだったわね」
雪蓮の言葉はまさに味方から裏切りが出たことをさしていた。
董卓軍の誰かが裏切ったのか?
それとも朝廷軍の誰かが裏切ったのか?
前者ならば主君である月の裏切ることになり、後者ならば百花を裏切ることになる。
それに裏切りを出すようなほど結束が弱いはずがなかった。
「どういうことだよ……。誰が裏切ったんだよ……」
疑いたくない。
ここにきて裏切られるのは敗北するに等しかった。
しかし、難攻不落の虎牢関から煙が上がっている以上、誰かが裏切った可能性が高かった。
「一刀、いいことを教えてあげるわ」
「いいこと?」
「味方を信頼するならばまずしっかりと自分の目で確かめることね」
「どういうことだ?」
「さあ、どういうことかしらね」
ひどくおかしそうに笑う雪蓮に一刀は七星の剣に手をかけた。
だが、そこから引き抜けなかった。
まるで身体を締め付けられるような感覚に一刀は襲われ、そのまま硬直してしまった。
「それ以上動くと本当に危ないわよ?」
声は穏やかなものだったが、そこから感じさせるものはまったくの正反対だった。
流れ落ちる汗。
「一刀を傷つけたくないの。わかる?」
「……」
「よろしい」
一刀が無駄な抵抗をしないことに満足する雪蓮だったが、不意に小剣を彼の首筋から話した。
「雪蓮?」
「ねぇ、一刀は一瞬痛いのと物凄く痛いのってどっちが好き?」
「なんだよそれ?」
「いいから答えなさいよ」
戦場の真ん中で呑気な質問だなと思ってしまった一刀は一瞬痛いと答えた。
「そう」
雪蓮は短く答えた。
「それがどうしたんだ?」
「それはね」
「それは?」
雪蓮は一刀を自分の方へ向かせて鳩尾に一発、拳を打ち込んだ。
「し、しぇ……れ……?」
「安心しなさい。私が安全な場所に連れて行ってあげるわ」
崩れ落ちていく一刀に笑顔を見せる雪蓮。
完全に意識を失った一刀を抱きしめた雪蓮は不敵な笑みを浮かべた。
「でもね、皇帝に戻してあげるのはもったいないからそこには戻らせないわ」
孫家のために天の御遣いを利用する。
この戦いに参加した本当の目的は一刀を手に入れることであり、これは雪蓮の胸の内にあっただけに目的だった。
「この戦いはもうすぐ終わるわ。だから貴方は私と一緒に来るのよ」
答えるはずのない一刀に語りかける雪蓮はいつの間にか現れた身軽な装備で顔を隠している孫家の兵士達に連れて行くよう命令してその場から自身も去っていった。
「ご主人様?」
その異変に一番に気づいたのは恋だった。
「どうした?」
急に攻撃しなくなった恋を不審そうに見る愛紗。
汚い手など使わず堂々と戦って勝つことに意義を見出している愛紗は恋が背中を見せても攻撃はしなかった。
「いない」
「うん?」
「ご主人様がいない」
愛紗と戦っていることに集中しすぎた恋は一刀の姿がどこにもないことに言いようのない不安を覚えた。
それは隣で戦っていた華雄と鈴々にも伝わった。
「どうした?」
「どうしたのだ?」
動きを止めた華雄と鈴々は不思議そうに恋を見る。
「いない……ご主人様、いない……」
「お、おい」
愛紗との一騎打ちを完全に止め、さっきまで一刀が立っていた場所に駆け寄り何度も周りを見たがどこにもその姿を見つけ出すことが出来なかった。
「貴様達がどこかに連れていたのか!」
「馬鹿を言うな。撤退したのではないか?」
愛紗の質問に華雄は考えたが、それならば自分達に声をかけたはずだった。
それがないとなれば討ち取られたか、誰かに連れて行かれたかしかなかった。
「ご主人様……」
もはや愛紗との戦いなどどうでもよくなった恋は一刀がいた場所まで戻り周囲を見回す。
しかし、どこにも彼女が慕う人物の姿、形、匂いまで完全に消え去っていた。
「……」
「もらったあああああ!」
そこへ連合軍の将と思われし男が馬上から恋に向かって槍を突き出した。
満面の笑みで一撃を放ったその将は次の瞬間には討ち取った喜びを感じ続けることなく地面に吹き飛ばされていた。
「我こそは……ぎゃっ!」
次に向かってきた将は名乗ることも許されず、方天画戟に貫かれた。
同じように恋に向かっていく連合軍の将達はことごとく一撃で討ち取られていく。
幾人もの将を討ち取った喜びもなく恋は愛紗達の方を振り返った。
その表情には一片の温もりもない代わりに、凍てついた殺気を漂わせていた。
「ご主人様……探す。だから邪魔」
愛紗が気づいたときには目の前に恋がいた。
さっきまでとはまるで別人の動きに愛紗は防御が間に合わなかった。
(殺れる!)
方天画戟が下から愛紗の顔に向かって突き上げられた。
一瞬、桃香の笑顔が思い浮かんだ愛紗はとっさに顔を避けたが、完全には避けられなかった。
結んでいた髪の束を半分ほど犠牲にして後ろに転がりながら回避した愛紗。
散りゆく髪の心配などする暇もなく体勢を立て直すが、恋は愛紗など構うことなく連合軍の中に突き進んだ後だった。
「何だったのだ……今のは……」
確実に討ち取られると思った愛紗はぎりぎりで回避できたのも幸運と呼ぶしかなかった。
「お前達」
そこへ華雄が愛紗達に大声を上げて呼んだ。
「この勝負はいずれつける。それまでその頸を預けておく」
「いいだろう。我々も桃香様が心配だ。鈴々、桃香様のもとまで下がるぞ」
「仕方ないのだ。でも……」
これ以上、ここで戦っていても恋の暴走とも思える行動で桃香に危害が及ぶ可能性があった。
「安心しろ。貴様達の背中から仕掛けはしない」
ここで戦う意味がない以上、華雄の関心はすでに二人から外れていた。
「その言葉、今だけは信じよう」
「次は勝つのだ」
二人が引き下がるのを見送った後、華雄は近くにいた味方の騎兵を呼び止めた。
「貴様は虎牢関に戻り援軍を要請しろ」
「は、はっ。将軍はどうなさいますか」
「私の馬をここに連れて来い」
言われるままに騎兵は放置されていた華雄の馬を連れてくると、そのまま虎牢関へ向かった。
それと入れ替わりに撤退をしたはずの魏続と侯成が血相を変えて戻ってきた。
「何をしている。撤退準備は出来たのか!」
「それどころじゃないです。あれ見てください。あれ」
「あれ?」
魏続が指差す方向は虎牢関だったが、そこからはいくつかの黒煙が上がっていた。
「どういうことだ!」
「し、知りませんよ。それよりも御遣い様と呂布将軍はどこですか?」
「二人とも行方不明だ」
「えっ?」
「そんなことよりもお前達は虎牢関に戻れ。そして何が何でも死守しろ!」
鬼気迫る華雄は魏続と侯成に有無も言わさず虎牢関へ向かわせた。
「何が起こっているのだ?」
一刀がいなくなったというだけで恋はまるで理性を失ったただの殺戮者になったことが驚きと同時に、何か嫌な予感が彼女を包み込んでいた。
そして虎牢関の方から煙が上がっているのを見て、自分達が敗北への道を辿っているのかと思った。
たった一つ歯車が狂えば全てが狂いだす。
頭で考えてもわからないことばかりの華雄は勢いよく首を左右に振って余計な迷いを吹き飛ばしていく。
「ええい。考えるのは後だ。今は奴を探し出すほうが先だ」
天の御遣いが行方不明と判れば味方は総崩れになりかねない。
そうなってしまえば洛陽にいる月が危なくなる。
無事に生きて戻ったらたっぷりと説教をしてやろうと華雄は固く誓ったが、今は見つけ出し連れ戻すことが最優先だった。
「手間のかかる奴だ。だから前に出るなと言ったのだ」
文句を言えばいくらでも出てくる。
その憂さ晴らしといわんばかりに華雄は敵に対して手加減などすることなく力任せに叩き伏せていく。
「どけどけどけどけ!」
もはや恋を気にしている暇など何処にもない華雄は無事に助け出した後に言う文句を考えなら迫り来る敵兵を薙ぎ払いながら一刀を探すため敵味方が入り混じる中に消えてった。
(あとがき)
というわけで師走を全力で突き抜けかけています。
戦闘のところは難しいですね。
何度も書き直して辛うじて出せそうだ!と思えました。
他の皆さんの戦闘シーンはうまくて羨ましいです。(泣)
それにしても雪蓮を書くと、どうしても彼女の行動力に追いつけなくなる時があります。
そのせいで一刀はさらわれ、恋は暴走モード、華雄は・・・・・・。
さて次回はどうなるか。
次回もお付き合いのほどよろしくお願いします。
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お久しぶりです。
董卓包囲網編もそろそろ佳境を迎えました。
年内に終われたらいいなあと思いつつ続きを書いています。
それでは最後まで読んでいただければ幸いです。
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