北郷が天の国に帰ってから、もう三年がたった。あのあと、私たちは城に戻り、北郷が天に帰ったと、魏の皆に伝えた。それを知った魏の武将、および軍師のものは、あるものは泣き崩れ、あるものは怒りを表し、あるものは私たちに問い詰めてきた。でもそんな中、華琳様だけは、
「・・・そう、やはり帰ってしまったのね。一刀は・・・・。」
とつぶやいていた。
華琳様は皆を落ち着かせ、ゆっくり話してくれた。
北郷の天の国の歴史の事や、北郷の体調不良について全て話してくれた。その話を言い終わると華琳様はゆっくり立ち上がり、自分の部屋に戻って行った。出て行く前に私たちに、
「・・・・・黙っていて、ごめんなさい。」
とつぶやいていた
・・・・・これは侍女達から聞いた話だが、華琳様の部屋から、悲しみに満ちた鳴き声が夜明けまで続いていたらしい。
そして今、私たちは華琳様の文官として仕えていた。そんなある日、華琳様から私たちに、丸一日、休暇をもらえた。その理由は簡単だった・・・・・そう、今日は北郷、・・・・・一刀の命日だからだ。自分は政務で手が離せないので私たちに代わりを頼んでくれたのだ。その代わり華琳様から伝言を伝えてほしいと言われた。その伝言は、
「帰ってきたら、・・・一発本気で殴ってあげるから、覚悟しておきなさい。」
という伝言だった。
・・・・・・そして私たちがたどり着いた場所は・・・綺麗な川沿いだ。そこには一本の刀が差してある。・・・・・ここは私たちの愛しい者の消えた場所、そして私たちが一生忘れることのない場所だ。
「・・・あれから、もう三年になるのか・・・・」
「・・・そうだな、姉者・・・」
私たちは刀の前までそう言った。
「・・・・・お前はいつになったら帰ってくるのだ?一刀・・・・・」
「我々をこんなに待たせるなんて・・・・帰ってきたらただじゃ済まさんぞ?」
私たちは刀に向かってそう言った。
「「・・・・・・・・」」
でもそれっきり私たちは会話もなく、ただ無言が続いた。でも姉者が、
「そうだ、一刀、華琳様からの伝言だ。帰ってきたら一発本気で殴ってやるから覚悟しておけ、だそうだ。」
と言ったので、私も、
「ふふふ、一刀、帰ってきたら大変だな・・・。」
と言うしかなかった
「「・・・・・・・・」」
でもまた無言、そして、
「・・・・・そろそろ帰るか、秋蘭。」
「そうだな姉者。」
私たちが後ろを向き、城に歩き出した時、
「・・・・・・・蘭・・・・・・・秋・・・・・・」
「ん?何か言ったか秋蘭。」
「いや、何も・・・。」
私たちが後ろを向いた瞬間、
カッ!!!!!
「っ!なっ、なんだ!この光は!!?」
「な、何も見えん!!!」
その強烈な光はゆっくり私たちを包みこんだ。そして、少しずつ視界がよくなってきた。
「・・・ん、戻った・・?」
「一体なんだったのだ?あの光は・・・。」
私たちは何が起こったのか分からず、一応状況を確認するためにあたりを見渡した・・・・そして一刀の刀があった方を振り向くと・・・・・・そこには・・・・
「「っ!!!!!」」
・・・・・私たちの想像をはるかに超えた人物がいた。
「あ・・・ああ・・・・」
私は見た・・・・前より背が高くなっているその者を・・・・・
「・・・あ・・あ・・・」
私は見た・・・・前より凛々しくなっているその者を・・・・・・・・
・・・・・・・そして……わたしたちは見た・・・・・
「「一・・・・・・・刀・・・・・・・?」」
私たちがかつて愛し・・・・・失ったその者・・・・・北郷一刀の姿を・・・・・・
「・・・・・春蘭、・・・・・秋蘭・・・・・・」
「「っ!!!」」
名を呼ばれた瞬間、体に何かが響いた。そして、自然と涙が零れ落ちた・・・・・
「「っ!」」
私たちは頭より先に体が動きそして、名を呼ばれた者に向かって駆け出し、そして、
「一刀ーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」
もう聞けないと思ったその声の主に、もう会えないと思っていたその者に、なにより、もう二度と見られないと思っていたその者の笑顔に向かって、飛び込んだ・・・・・・
「かじゅとぉ・・・・・・・か・・・・じゅと・ぉ・・・ひっくっ・・・」
「一・・・・・刀・・・うあぁ・・・・・ああぁ・・・」
私たちは今まで心の中にため込んでいたものを隠しきれず、感情のまま表した。
「・・・ごめんな、・・・・ごめんな・・・・」
一刀が私たちを腕に包んだまま私たちに謝ってきた。
「ばか・・・・ものぉ・・・・・ゆる・・・さん・・・ぞぉ・・・」
「本当にごめん・・・・・でも、もう離さない・・・・・離すもんか・・・・。」
「ぐすっ、本当だな?」
「ああ、もう・・・・二度と離さない・・・・・俺の大切な人を・・・・・大切な・・・・俺の恋人たちを・・・・・」
「「う・・・うわぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
私たちはただ、泣くことしかできない。その者の胸で泣くことしか・・・・・・
「「・・・・・すー、・・・・・すー、」」
「あらら、寝ちゃったのか。泣き疲れたんだろうな。・・・」
俺は二人を抱きしめながら、近くの岩にもたれかかった。
「あ、そうだ、二人にまだ言ってなかったことがあったんだ。」
俺は、愛しい二人に帰ってきたら必ず言おうと思っていたことを、寝ている二人にいった。
「ただいま、魏武の大剣、魏武の神弓。」
今までの思いを込めて、
「ただいま、愛しき姉妹・・。」
そして、今までの思いを込めて、
「ただいま、愛している、春蘭、秋蘭・・・・・」
二人にそう言い終えると、二人の頬にそっと口づけをした。すると、二人は、おそらく寝言だろうけど、俺に向かって、
「「おかえり、一刀・・・・」」
と言ってくれた。
姉妹は報われた、愛しき者が、姉妹を愛し続けてくれていたから・・・・
姉妹は救われた、愛しき者が、姉妹の心の傷を癒してくれたから・・・・
そして姉妹は癒えた心の中で思った、
「「この幸せが、永久に続くことを、そしてもう、我々の愛しい者が消えないことを、・・・今だけは・・・・神に感謝を・・・・・」
そう、姉妹はようやく鎖から解放されたのだ・・・・・
姉妹の・・・・愛しき者が・・・・・姉妹を救い出したのだから・・・・・・
END
ども、anです。どうだったでしょうか?楽しんでいただけたのならうれしいです^^
さて、これで姉妹編は完結しました。次の作品は・・・・・正直悩んでます・・・・
なので皆さんにアンケートです。今から出す中でこれにしてと言うものを選んでください。
1 魏END風編
2 南蛮END美以、シャム、ミケ、トラ編
3 呉END思春編
4 蜀END焔耶編
この中でもし、できるならこの子のENDを出してほしいと言う人がいたら言ってください。なお、麗羽達や、月達は蜀で、美羽達は・・・・・・・考え中ですwww
それではアンケートをお待ちしています。ではこのへんでバイ」
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投票です。
皆さんからこの作品の続きが見たいと期待されたので続きを書きました。
楽しんでいただけたら嬉しいです。
では、どうぞ^^