注意
この作品は北郷 一刀が主人公ではなくまた登場する予定もありません。 オリキャラが主人公で、原作キャラが崩壊するかもしれません。 それを踏まえた上で楽しんでいただければと思います。
幼い頃は当たり前だと思っていた。
誰もが幸せで、誰もが笑っていられるのが普通なのだと。
幼い頃は自分の目に映る、狭い世界が私の全てで。
父が、母が、友人が、隣人のおじさんが。
みんなが笑っていて、私もそれにつられて笑顔になる--そんな日常。
でもそれは、脆く儚い幻想(ゆめ)でしかなくて。
たった一日……
たった一日、盗賊に襲われたというだけで私の世界は崩壊した。
父は無残に切り裂かれ、母は陵辱を受け、友は蹂躙されて。
家族が私を匿ってくれていたからか、幸か不幸か私は生き残った。
そして痛感したのだ。
自分は無力なのだと……自分はなんて浅はかだったのかと。
だから私は、力を求めた。
脆い平穏を確固たるものにして、私と同じようなモノを増やさぬように。
そのためならば、私は何でもしよう。
それが喩え、自分が忌まれることであったとしても--
「ふぅ……ここが陳留、ね」
賑やかな街の人の群れの中に、一際目立つ人影が一つ。
陽の光が銀に輝く髪を照らし、外套から微かに垣間見える四肢の肌は絹のように白く。
男だろうが女性だろうが十人が十人振り返ってしまうような--そんな風貌の女性がゆっくりと歩いていた。
「お嬢さんっ。 どうだいひとつ……うちの桃饅頭は大陸一だよ」
「あら、お嬢さんだなんて……じゃあ、お一ついただこうかしら」
女性は商人に声をかけられて、足を止め代金を払う。
「嬢ちゃん、別嬪さんだねぇ。 よし、一つオマケしておいてやらぁ」
「あら、ありがとうございます」
女性は微笑んで、お礼を言ってその場を後にする。
商人の男がそれに見惚れたのは云うまでもない。
「さて……まずは宿を探さなくてはね」
買った桃饅頭を一つ取り出して、優雅に口に運びながら。
女性は宿屋を求めて、街を散策するのだった……
真恋姫無双 遙かなる幻想の先に
開幕----
あとがき
改めまして初めまして。
larryと申します。
幾度か作品と呼べるものではございませんが文を綴ったことがありまして。
今回、このサイトの存在を知り、作品(そう呼べるか分かりませんが……)を投稿させていただきました。
初心者ですので誤字、脱字--至らない点は多々あるかと思いますがそのときはご指摘していただければと思います。
さて、ここまで読んでくださってありがとうございました。
楽しんでいただけたら幸いです。
今後とも、宜しくお願いいたします。
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皆様、初めまして。
この度、TINAMI小説家デビューいたしました、larryと申します。
拙いモノではございますが、楽しんでいただければと思います。