No.188543

真恋姫無双 夜の王 第34話

yuukiさん

真恋姫無双夜の王第34話、
対蜀編、終盤?

2010-12-08 02:03:08 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:8933   閲覧ユーザー数:7033

この作品の一刀は、性格、武力ともに原作とは異なっています。

 

また、一部キャラを否定する場面もございます。

 

ご理解をお願いいたします。

 

まだまだ誤字、脱字や分かりにくい表現などもあると思いますが、

 

こんな自分の作品でも楽しんでいただけたら幸いです。

 

 

 

 

     ある者は理想の為に

 

     ある者は祖国の為に

 

     ある者は平和の為に

 

 

    誰もが己の願いを信じ争う

 

  ならそこに間違えなどあるのだろうか?

 

 

     疑問に満ちた戦いの世界

   

       しかし

 

     確かな真理もある。

 

   

      勝者が正義で

 

       敗者が悪

 

     歴史がそれを物語る

 

 

       ならば、

 

      大義と正義

 

     いったいどちらが

 

    後の世の正義となるのか

 

 

 

 

、、、、、大義って何?貴方の答えは?(by yuuki)

 

獅堂「なにもんだよ、テメーは」

 

関羽「なぜ、あやつがこんな所に、、」

 

 

黄忠「ねえ、朱里ちゃん、、あれって」 ボソッ

 

朱里「言わないでください、、、」

 

黄忠「でも、あれ、星ちゃ「言わないでください!」、、ごめんなさい」

 

 

突如として現われた華蝶仮面に辺りは驚きに包まれる

 

 

華蝶「聞こえなかったのか?華蝶仮面だと言ったろう」

 

獅堂「、、、馬超仮面?馬超、テメーの親戚か?」

 

聞き間違えてるぞ、、獅堂

 

翆「お前な、会って初めての言葉がそれかよ、、何かもっとあるんじゃないのか?」

 

獅堂「謝る気はねーよ。自分のやったことに言い訳はしねえ」

 

翆「、、、、分かってるよ」

 

獅堂はそう、翆の顔を見ずに言い。翆もまた、顔も向けずに答えていた

 

 

獅堂、翆の距離感が微妙だな。まあ、仕方ないか、こればっかりは、、、

 

 

華蝶「む、お前達なぜ私を無視するのだ」

 

獅堂「ああ?そうだな。で、テメーはなにもんだよ」

 

華蝶「だから、華蝶仮面と「そうじゃねえ、敵なのかどうか聞いてんだ」、、敵だ」

 

獅堂「なら、「退け、獅堂」、、、っ、」

 

 

剣を向けようとした獅堂を手で制し、俺は華蝶仮面に眼を向ける

獅堂は舌打ちしながら剣を退いた。

奴を包む異様な雰囲気が異様なのは姿だけじゃないと教えて来る

 

 

一刀「お前は何で此処に居る?」

 

華蝶「そこに悪があるからだ」

 

一刀「俺は悪か、ならお前が正義だと?」

 

華蝶「そうだ」

 

一刀「正義の為に悪と戦うか、」

 

華蝶「少し違うな、正義によって悪を滅ぼす」

 

口に手を当て、不敵な微笑みを浮かべながらそう言った

 

滅ぼす、この俺を?

 

一刀「くっくくくくくははははははははははははははははははははは!!!」

 

華蝶「ふっふふふふふははははははははははははははははははははは!!!」

 

しばらく間、二つの笑い声が響いていた、、

 

 

一刀「俺は悪か、否定する気はないが。なら問おう、なぜ悪は裁かれねばならない、なぜ正義が勝たねばならないんだ?」

 

華蝶「正義が勝つのは真理だ。正義が勝たねば、誰が悪から人を守る」

 

悪は滅びるべきか、、まあ、その考えも間違ってはいないだろうが、、、

 

一刀「華蝶仮面、なら今のお前は正義なのか?人を殺し、真実を知ってなお、戦うお前は正しいのか?」

 

華蝶「ああ、正しい。私は敗れるわけにはいかない。犠牲にしてきた者たちの為に。正義で在らねばならない。そうでなければ、、死んでいった者たちが報われまい」

 

仮面の下に浮かぶのはおそらく苦渋に満ちた顔。

 

 

なんだ、あの顔は、、あれはまるで、、俺じゃないか

 

 

一刀「、、、華蝶仮面、お前はなにをする気だ」

 

華蝶「何度も言わせるな。私は正義を成す。お前を倒してな」

 

一刀「そうじゃない、俺が聞きたいのは、『何を創ろうとしているかだ!』」

 

 

俺は戦いの果てに世界を蝕む大義を創る。たとえ何を犠牲にしても、

 

 

一刀「その顔をしている奴を俺は二人知っている。お前は何を犠牲に、何を作ろうとしているんだ」

 

そう言って俺は近づいて行く、それこそ体が触れ合うぐらいの距離で華蝶仮面を睨んでいた

 

 

華蝶「、、知っているか、鳳薦。貴様は大陸において最も明確で絶対の悪なのだ」

 

そう、俺にしか聞こえぬほどの小声で喋ってくる

 

 

ああ、分かっているさ。漢王朝への反逆だけじゃない、俺の罪はもっと深いだろう。天以外の民にとって、盗賊や山賊を束ねた俺は忌むべき存在だ

 

 

華蝶「そんなお前を破れば、人は知るだろう。正義の存在を、悪の愚かさを」

 

 

何処かで、聞いたことがあるぞ、、、その言葉は、、、

 

 

  『正義の尊さを知り、、、、、復讐の愚かさを知る』

 

 

華蝶「そして世界は、絶対の正義の元、平和へと導かれるのだ」

 

 

そうか、、なるほど。華蝶仮面、、お前は、かつて俺か

 

 

一刀「分かっているのか?それはお前の正義に反するだろ、お前は他者の正義の為に己が正義を穢すと言うのか」

 

華蝶「ふっ、もはや遅いさ。悪政が無いと知りながら天に攻め込んだ時点でもはや穢れてしまった」

 

一刀「知っていたのか、、、いや、お前が黒幕だったということか」

 

華蝶「黒幕という言い方は好きじゃない、、白幕にしてくれないか?」

 

華蝶仮面はおどけた様子でそんなことを言ってくる。けっこう真剣に話していたんだが、、

 

 

一刀「そんな言葉は無い、、、なぜ、そこまで」

 

華蝶「正義の為だ。人は誰しもが持っている筈だ、悪を憎む心を、正義を行う強さを。私はそれを呼び覚ます、世界の平和とこの国の未来の為に」

 

一刀「その為に俺に贄になれと?傲慢だな」

 

華蝶「安心してくれていいぞ?お前に悪を押し付ける代わりに、私が全ての正義を背負う。その為の仮面」

 

そうか、なるほどな。お前の覚悟は本物か、、本当に真っ直ぐな奴だ。、、どうやら俺は、、

 

 

一刀「俺は、、お前みたいな奴は好きだぞ」

 

華蝶「ほお、戦場で敵を口説くとはなかなかの御人だな。だが、私もそう嫌いではないぞ?前から程々に好いていた」

 

一刀「そうか、ありがとう」

 

華蝶「なに、気にするな」

 

 

 

小蓮「ねえ、なんかあれ、桃色じゃない?むかつく~」

 

獅堂「じゃじゃ馬、居たのか?何時の間に」

 

小蓮「厳顔は恋が止めといてくれてるし、こっちに来たの!それよりアレ!問題だよ、だって敵でしょアイツ!」

 

小蓮はふくれながら獅堂に詰め寄り真っ当なことを言う。獅堂はそれを あーはいはい と言って聞き流していた

 

 

張飛「鈴々はこんな所に華蝶仮面が居る方が問題だと思うのだ」

 

獅堂「、、、おーい、敵のくせに普通に会話に入ってくんなよ」

 

張飛「にゃ?だってお姉ちゃん達も戦うのやめてるし、兵士も止まってるのだ。戦いは終わったんじゃないのか?」

 

首を傾げながらそう言う張飛に流石の獅堂も苦笑いを浮かべるしかなかった

 

 

獅堂「ああ、終わったけど、アレはテメーんとこのじゃねえのか?」

 

張飛「違うのだ。華蝶仮面は正体不明の変な奴なのだ」

 

小蓮「そうだよ、あんな変な仮面つけちゃってさ。何よアイツ!」

 

獅堂「なにが、そうなんだよ、「色々!」、、そうかよ」

 

張飛「うー、いいなあ、あの仮面、かっこいいのだ」

 

獅堂「、、、、そうか?「そうなのだ!」、、そうかよ」

 

 

良いように振り回されれる獅堂に一蝶は一言

 

 

一蝶「案外子供好きなんですか?意外な趣向ですね、、、」

 

 

と言って、若干引いていた

 

 

獅堂「テメーにだけは言われたくねえ!」

 

  

  『俺は、、お前みたいな奴は好きだぞ』

 

  『ほお、戦場で敵を口説くとはなかなかの御人だな。だが、私も嫌いではないぞ?前から程々   に好いていた』

 

  『そうか、ありがとう』

 

  『なに、気にするな』

 

 

一刀「だが、俺は大義を成す」

 

華蝶「私は正義を創る」

 

一刀「だから、俺は、、」  ゴウッ

 

華蝶「だから、私は、、」  ゴウッ

 

獅堂「っっ、」

 

小蓮「えっ、」

 

張飛「にゃっ」

 

 

  ガンッ

 

 

気が付けば、先ほどのことなど忘れて、俺は目の前に居る相手を殴り飛ばしていた

 

そして、その瞬間俺の腹にも激痛が走った

 

 

一刀「俺は、お前が嫌いだ!華蝶仮面!」

 

華蝶「私は、貴様が嫌いだ!魔王鳳薦!」

 

一刀「我が大義の為に、、

 

華蝶「大陸の正義の為に、、

 

  

      「「邪魔なんだ!だから、消えろ!」」

 

 

これで良いだろう?所詮、相容れない、、、

 

お前が邪悪(俺)を許せぬように、俺は正義(お前)を認めたくないんだからな

 

 

 

俺は剣を抜き、目の前の敵に向けた。敵もまた俺に槍を向けてきた

 

 

一刀「俺に勝てる気でいるのか、愚かだな」

 

華蝶「勝てるに決まっておるだろう。悪は滅びるべきなのだ!」 ブンッ

 

放たれた一撃を俺は音も立てずに受け流していく

 

 

小蓮「ね、ねえ、加勢しなくていいの?」

 

獅堂「なんだ?びびってんのか、らしくねえな」

 

小蓮「なんか、嫌な感じがするんだもん、、」

 

獅堂「はっ、アイツは負けねえよ。アイツを殺る方法は三つほどあるが、仮面野郎には無理だ」

 

いつものように人を馬鹿にした笑みを浮かべながら、獅堂は話す。

間違えしちゃいけないのが、そう見えるだけで別に馬鹿にしてるわけじゃないということ

 

 

張飛「にゃ、どんな方法なのだ?」

 

獅堂「一つ目はアイツに剣を抜かせねえで殺すこと。二つ目は受け流しきれねえ力で攻撃すること、まあ速さも伴ってねえと意味ねえがな」

 

小蓮「恋みたいに?」

 

獅堂「ああ、そんな速さと力で攻撃できんのは赤髪ぐらいだろうよ」

 

張飛「あと一つはなんなのだ?」

 

獅堂の話に興味しんしんな敵将張飛と+α

 

 

獅堂「簡単だ、アイツより速く攻撃を繰り出せばいい。受け流すのが間に合わねえぐらい、速くな」

 

小蓮「そんなの不可能だよ。一刀の一刀より速い攻撃なんて」

 

獅堂「ああ、だから仮面野郎があんな細え槍使ってる時点で勝ちはねえ。一刀の絶対防御は砕けねえ」

 

張飛「すごい奴なのだな。鳳薦って」

 

戦いの最中、そんな獅堂達の会話が耳に入った。ていうか、何でアイツは関羽や張飛の前で俺を殺す方法なんて喋ってんだ?

 

まあ、いいか。今は、こいつを、、、

 

 

華蝶「はあ!はあ!はあ!」 シュッ

 

一刀「、、、」 スッ

 

次々に放たれる攻撃を受け流していく。速いが、遅いぞ、華蝶仮面。その程度か正義とやらは

 

 

戦いのさなか、笑みを浮かべながら敵に疑問を投げかける。

その問いに、敵もまた微笑を浮かべながら返してくる

 

 

一刀「貴様は言ったな、悪は滅びるべきだと。だが世界には、生きる為に悪行を行うモノが居る。その者たちは悪なのか!」

 

華蝶「当然だ、理由はどうあれ他者を傷つけていい理由にはならないだろう」

 

一刀「否、生きたいという願い、大切な者を守りたいという望み。たとえ何かを傷つけることになろうとも、そう願うことは間違えじゃない」

 

華蝶「だから傷つけると、殺すと言うのか!自分の幸福の為に誰かを犠牲にすると」

 

一刀「ああ、そうだ!万人に都合のいい夢など無い、世界に容赦は無い。迷えば簡単に死んでいく、故に己が力でそれに抗おうとした者たちを俺は悪だとは思わない!」

 

華蝶「ふざけるな」

 

 

敵の顔が怒りで歪んでいく、俺の言葉に許せぬ語句でもあったのだろうか?

 

 

華蝶「故に許すと言うのか。虐げられた者の憎しみ、穢された者たちの悲しみは何処に行く!その者たちの思いの全てを無に帰するなど、貴様は神にでもなったつもりか!」

 

 

 

あまりにも激しい口上、それに比例してか戦いはあまりに静かに進んでいた。

既に数十合は打ち合ってなお、両者に傷一つなかった

 

 

獅堂「なんでだ、なんでヤローは反撃しねえ、、」

 

 

違うな、間違ってるぞ獅堂。しないんじゃない、出来ないんだよ、、、、

恋のように重い一撃に押されてるわけじゃない。むしろ、軽すぎる、、、

こいつは純粋に速度の一点において、俺と拮抗しているのか、、

 

 

華蝶「罪人は人を虐げる、傷つけ殺すのだ!そんな者達を守ると、貴様は言うか!」

 

一刀「それは正義(お前)も同じだろう!正義も人を傷つける、悪となんら変わりは無い」

 

華蝶「そんなモノと一緒にするな!苦しみ悪行に走った者が居るのなら、苦しみながらも善行を成した者も居るのだ!」

 

 

ああ、確かにそういう者も居るだろう。だが、人の全てがそこまで強いわけじゃない、、

人は弱い、脆弱だ。悪を行った者たちが正しいとは言わないが、間違っても居ない、、

 

 

一刀「自分だけが愛と正義の使者にでも成ったつもりか!悪を行う理由など、正義を成し得る動機に微塵も負けてはいない!」

 

華蝶「だとしても、私は正義を成す。私の正義は私のモノなのだから!それで救われる者も居るのだ!」

 

 

ああ、そうか、こいつは正義の矛盾を知っていてなお、戦いに正義を語るか!

 

 

一刀「世界には確かに存在する、悪でしか救えぬ者も。そんな者たちは正義でどう救う!」

 

華蝶「言い訳だろう、そんなものは。それに罪なき民と罪深き者たちなら、私は前者を取る」

 

一刀「ならば救わぬというか、それが正義の限界か!」

 

華蝶「ああ、確かに貴様の言う通りかも知れない、正義に限界はあるのかも知れない、、だが、私はそれでも願う。正義の力を、己自身を」

 

 

そうかよ、人を殺しても人を救うことを願うか、、誇りを傷つけ、心で泣きながらも前に進むか、、なるほど、お前は英雄か!

 

 

一刀「それは俺とて同じだ。俺は大義を成し得るその時まで、負けるわけにはいかない。正義などに、大義は負けない!」

 

 

敵の槍の速さが、増していくのを感じた。前を見ればもはや仮面の下に迷いなど無かった、、

 

 

華蝶「正義で救えない者も居るだろう、悪で救われる者もいるかもしれない。しかし、それでもなお、正義はなによりも強い力を持っているのだ!」

 

一刀「っっ、、」

 

 

その瞬間、信じられないモノが目に映る。

 

血、だと?誰の、、

 

頬に走る痛みが己のモノだと言う答えをくれた、、

 

馬鹿な、受け流しきれないだと。なんだ、何なんだ、この速さは、、

 

 

華蝶「私は私の正義を成す、貴様の大義を消し去ろうとな。当然だろう、誰にだって優先順位がある、、」

 

 

そう言って放たれた一撃を受け流す俺の刀は完全に出遅れていた、、

 

肉を裂く痛みを感じる、久しぶりだな、、この痛みは

 

 

一刀「ぐっ、、」

 

 

俺の負傷に、周りがざわめくのが聞こえた

 

 

獅堂「な、、、有り得ねえだろ」

 

関羽「華蝶仮面、あれほどまでの力を持っていたのか、、」

 

 

華蝶「鳳然薦、勝者が正義だというのなら。私は勝ち続け、永劫に正義になる」

 

 

敵は冷酷に、俺の敗北を告げていた

 

 

背筋を走る悪寒と戦慄に、後退しかける身を止める。

 

何を馬鹿な、、俺は負けぬ、大義は朽ちぬ、、

 

俺は永劫に歩き続ける。こんな所で終わることなど、赦されない、、

 

俺は大義だ、永劫成し続ける天の御使い、、ここで倒れたら、誰が紡ぐ。この望まぬ外史を、、

 

 

敵の攻撃を必死で受け流しながら、、俺は始まりを思い出していた、、

 

 

それとも、これが俺の罪だと?大義の為に小義を捨てた俺への罰だと?

 

 

一刀「否、否否、断じて否!この身は永遠の放浪者、、」

 

 

望まれぬ外史を歩き続けることこそが、我が信念。

 

始まり(北郷一刀)より紡がれし、ただ一つの思い、、

 

一刀「たとえ何者であろうとも、この願いは止めさせぬ!」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

貂蝉「本当に良いの?ご主人さま。これは修羅の道、ご主人さまの存在すら消しかねないわよ」

 

一刀「頼む貂蝉、俺は弱い、だから強くなりたい。みんなを守る力が欲しいんだ」

 

貂蝉「けれど、、」

 

一刀「大丈夫、俺は、、

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

一刀「俺は、、負けぬ!」

 

  『俺は、、負けない』

 

 

この外史、必ず俺が完結させる。途中で終わらせることなど、、させてたまるか

 

 

華蝶「それは、貴様だけの願いだろう!」

 

一刀「黙れ!」

 

 

奔る神槍と穿つ一刀、共に人智を超えたモノ。しかし、神槍が先んじていた

 

 

届かないのか、、天の御使いの力は人を束ね、導く力。

英雄の人を排し、先んじる力には敵わぬのか、、

 

 

一刀「なぜ、俺が敗れる、、」

 

 

何処で間違えた。黒天を成した時か、一蝶を救った時か、劉備を倒した時なのか?

分からない、なぜ、、、

 

 

華蝶「貴様は、何処かで間違えている。お前の眼はまるでモノ分かりの悪い子供だ。失ったモノは、何をしようと返っては来ないのだぞ」

 

一刀「ああ、、そうか」

 

 

全てはあの時、始まりの日、、

 

  『ぐっ、うう、何で、何でこんなことに、、どうして、彼女達が、、』

 

  『ご主人さま、、これが、この外史の終端。避けられなかったのよ』

 

  『、、認めない、俺は認めない。こんな終わりなんて、、こんな世界は認めない!』

 

 

自分の世界(外史)を否定したその時に堕ちたのか、天の使いから、、

全てが崩れ、狂いだしたというのか、、

 

 

華蝶「もう誰一人として、悪(貴様)に魅入られる者は生まれない」

 

 

俺の全てを否定するように、槍が突き立ち激痛が走る

紡ぐと決めた、その道が、音を立てて崩れていく

 

 

一刀「あ、、、」

 

 

魂(誓い)は、もはや肉体に留まることが出来なかった、、

 

 

華蝶「、、、さらばだ、気高き悪よ」

 

一刀「、、、、っ」

 

 

意識が遠のく刹那、俺の頬を涙が伝っていた、、

 

 

 

これでこの外史は終わるだろう。

 

 

漢王朝に剣を向け、罪人達を束ね、死を撒き散らした醜悪なる悪は正義の元に斬られた

 

三国の均衡は崩れず、いずれ天は三つに分かれ平和が訪れる

 

 

貂蝉「これも一つの終わり。悲しいわね、ご主人様の大義は敗れて、星ちゃんの正義が勝った。我がままだけれど、どちらも間違ってはいない」

 

 

誰もが忘れた物語を見る者が一人、そんなことを呟いていた

 

 

貂蝉「けれど、もし誰かがこの先を望むならこの物語は終わらない。ぐふふ、どうなるかしら?約束通り、私は最後まで見ていてあげるわよ。ご主人さま、、」

 

 

 


 
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