No.188394

恋姫†刀語~鍛冶無双~

初投稿です。
この物語は恋姫×刀語となります。
ゆっくり見ていってね!

2010-12-07 03:13:39 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:6978   閲覧ユーザー数:6636

 
 

 

ギィン! ギィン! ギィン! ギィン!

 

 

 

 

「はっ!はっ!」

 

 

 

 

その空間はまるで地獄だった。

 

紅蓮の炎を喰らう炉の中は、とうに何千度を過ぎ、その熱気で周りを歪める。

 

窓から吹く風など気休めにもならない。

 

そんな地獄の空間で青年が一人、紅く染まった鉄の塊を金槌で打ち付けていた。

 

そのたびに飛び散る火花にも目をくれず、青年はただ我武者羅に、しかし的確に金槌を振り下ろす。

 

熱が冷めては炉の炎で熱し、またその使い古された槌で打ち続ける。

 

 

 

その金槌の銘は「造刀 鍛(ぞうとう かぬち)」。

 

ただ優れた刀を造るため、ただそれだけのために鍛造された”刀を造る”刀である。

 

先代から次代へと受け継がれていく家宝であり宝刀。……ちょうど一年前、先代である祖父から受け継ぎを許可されたばかりだった。

 

 

 

 

 

青年はそれを手足のように使いこなし、鉄の形を変えていく。

 

熱しては打ち、熱しては打ち、まるで取り付かれかのように、まるで呪われたかのように、まるで呪うかのように、まるで怨むかのように。

 

 

「…怨んでくれ。怨み嫉み続けてくれ。全てを怨み、全てを祟ってくれ…!」

 

 

彼の言葉は呪詛のように金属音響く部屋に溶け、鉄はその呪いを吸い鍛え上げられていく。

 

外が太陽の光で満ちていくのも気付かず、彼…北郷一刀は一心不乱に、造刀 鍛を振り下ろし続けた。

 

 

午前7:00

 

 

 

 

 

俺が普段起床する時間なのだが、昨晩からぶっ続けで刀を鍛えていたため発汗した滝のような汗をシャワーで流し、汗を吸って重くなった作業着から無駄に純白な学校指定の制服に着替え、冷たいお茶を片手に先ほど造り終えた刀を”抓み”出来を確認していた。

 

 

 

「長さ、重さ、握り加減はバッチリ。左右対称、凹凸もない。…うん、なかなかの出来栄え。………そうだな、名づけるとしたら「怨刀 釘」…かな。」

 

 

そう言ってテーブルに15cmの赤い”釘”を置く。

 

 

 

「それにしても……いい紅さだなぁ。…でもまだ届かないか、どんだけ化け物だよ。四季崎記紀は。」

 

 

 

そう、俺の先祖は戦国時代、富岳三十六刀工の異端中の異端、孤独にして孤高の刀鍛冶。

 

 

四季崎記紀だ。

 

 

998本の名刀と12本の変体刀を鍛え上げた怪匠、北郷家にはその血が流れている。なので、戦国時代から伝代にかけて刀といえば北郷…というほど有名になった。しかし、黒い噂が絶えない。

 

 

例えば、陰陽道や錬金術といった異形の法を使うことができる、とか…まぁそんなぶっ飛んだ噂

だが、そんな噂が出るほど彼の刀は素晴らしく”異端”だ。

 

 

どこぞの名刀妖刀の比ではない。だからこそ……だからこそなのか俺は周りから浮いた存在として囚われている。

 

 

学校ではいつも1人、友達などできたことがない。

 

 

そのころ「孤独で孤高なんて四季崎記紀にそっくりじゃないか」とまんざらでもなかったのだが……やはりどの時代にも異端………変人はいるものだ。…おっと来たようだ。

 

 

 

「お~い!かずピー!朝やでー!!お前の親yタコスッ!!!」

 

 

「うるせぇよ及川。こっちは徹夜明けでイライラしてんだよ」

 

 

「あれ?それワイのせい?」

 

 

 

これが俺たちの日常。多分相当歪んでるけど。…こいつのお陰で俺の北斗真拳に磨きがかかってるのは言うまでもない。

 

 

こいつの名前は及川。エセ関西人でバカで変態で唯一の友達であり親友だ。

 

 

学校で孤立していた俺に話しかけ、俺の拒絶を無視して付きまとってきて勝手に親友を名乗る優しい奴だ。

 

 

 

「ふーん、徹夜ってことはまた刀造っとったんか。なんやまたけったいなもんを造ったなぁ」

 

 

 

そう言ってテーブルの「怨刀 釘」をとった。

 

 

…そして日本一の恐れ知らずのバーローだ。

 

 

こいつ「怨刀」を何の躊躇なく掴みやがった。素人でも一目でわかる位の禍々しさを放ってるのに。

 

 

 

「…で、この錆びた釘は何に使うんや?大工?」

 

 

 

!!こいつ「錆びた釘」って言いやがったな…………俺が1ヶ月掛けて製作した傑作を…!

 

 

「錆びてねぇよ、わざと紅い色にしただけだ。あとこれをただの「釘」だと思うなよ?」

 

 

 

及川の手から「怨刀 釘」を掠め取り、流れるような動作で「怨刀 釘」を及川の手に刺した。

及川の手の甲に針に刺された様な小さな傷が付く。

 

 

 

「いたっ!何すんねん!!見い!血が……出とらんな」

 

 

 

及川は目を凝らさないと見つけることができないその小さな傷に疑問を持ったらしいが、そもそも概念が違う。

 

 

 

この刀は斬ったり刺したり抉ったり潰したり刻んだり下ろしたり殴ったりするためのものではないのだから。

 

 

 

「まぁ、そのうち何か変化が出るよ。…………良くも悪くても」

 

 

「え!かずピー後半余り聞き取れなかったんやけど…」

 

 

「じゃあ気にすんな。遅刻すんぞ~」

 

 

「え?おぉ、そんな時間やないか!ほな行くで!」

 

 

 

そう言って及川は走り出す。…さて俺も行くか、及川から少し距離をとらなきゃな。

 

 

いい実験台が出来た…と目の前で派手に転ぶ及川を見た俺の顔は物凄い良い笑顔だったのは………もはや言うまでもないだろう。

 

 

 

 

 

「かずピー」

 

 

「あ、そういえば数学の宿題あんじゃん。やべー忘れてた」

 

 

「かずピー」

 

 

「お~い、いいんちょ。宿題見せてくれ~」

 

 

「かずピー」

 

 

「あぁん?ホイホイチャーハン?」

 

 

「かずピー」

 

 

「ん?甘いものをよこせ?石でも食ってろ」

 

 

「かずピー」

 

 

「よろしい、ならば戦争だ」

 

 

「チッ、なんだよ及川。さっきからうるせ……ってどうした及川、ボロボロじゃないか」

 

 

「お前のせいやろ!さっきから白々しい!そんなことよりこの呪いみたいなのはよ解いてくれや!」

 

 

 

そう叫ぶ及川の姿は、通学中に降りかかった不幸(バナナで滑る4回、犬に追いかけられる2回、アパートやマンションから植木鉢が落ちてくる1回、曲がり角でパンを咥えた美少女にラリアットをされる6回、通りすがりのクマさんに襲われる1回)のお陰で満身創痍だった。

 

 

「ただ今日が厄日なだけじゃね?おぉ…厄い厄い」

 

 

「いや明らかにかずピーのせいやろ!」

 

 

「まぁ正確的には俺のせいじゃないんだけど……まぁいいか」

 

 

 

鞄から市販の絆創膏を及川の傷を隠すように貼り付けた。

 

 

 

「………これで直るんか?」

 

 

 

及川は怪訝に顔を歪める。まぁ…わかるけどさ。

 

 

 

「あぁ、直る…とは言えんが、改善はする。そもそも概念が違うんだ。「怨刀 釘」は斬ったり刺したり物を傷つけるための刀ではないんだ。正しくは対象に印をつけるものなんだ。その程度の傷ならただ不幸になるだけだけど、もし貫通してたら腕が壊死してたよ。…まぁ、だからといって印は印。物で隠せば効果が無くなるし、そのかすり傷が直れば祟りははれるよ。

 

 

 

 

 

「ふう……」

 

 

 

 

 

時系列

 

 

 

 

正午、20時と13分47秒…もしかしたら51秒かもしれない、いや…と言ったらきりがないだろう。まぁそんなことは置いといて、特に変化のない学校も終わり、適当に及川と遊び、夕飯を食べ、神棚の前で瞑想中だ。

 

 

…言い忘れていたが、俺は寮暮らしではない。聖フランシェスカ学園の近くの古びた鍛冶屋を買い取って、そこで一人暮らしをしている。元主人の御老人は、昔祖父に何らかの恩があるらしく、使わなくなった鍛冶屋を格安で譲ってくれたのだ。

 

 

 

「まぁ、僥倖僥倖…使い方あってるかわからないけど。さて、次は何を造ろうか……足袋?刺青?…アイデアが湧かない……よし、こんな時は」

 

 

 

立ち上がり、神棚の扉を開ける。観音開きのそれの中には仰々しい紋様で埋め尽くされた銅鏡が奉納されている。

 

 

 

 

 

 

 

「鏡刀 扉」

 

 

 

四季崎記紀が変体刀を造り上げ、行方をくらますまでに造り上げた最後の刀。

 

 

何に使うかは未だ不明だけど相変わらず不気味な鏡だなぁ。…でも見てると頭がすっきりする。まるで雑念がこの鏡に吸われていく……いや、雑念がこの刀に切り裂かれていくようで。

 

 

そのまま一分弱…鏡刀を眺めてみると、ふと………………ふと、ほんの少しなのだ。鏡刀に変化が起こった。

 

 

 

「鏡刀に映る景色が歪んで…まずい!!」

 

 

 

突然訪れた強烈な危機感。

 

 

慌てて神棚の戸を閉める。…が、遅かったようだ。

 

 

 

「めっ目があぁぁぁ目があああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

 

眼球を焼く程の強い光が「鏡刀 扉」から放たれ、空間が歪んでいく。

 

 

とっさに「造刀 鍛」を掴む。

 

 

 

 

 

 

 

……光が消えると北郷一刀の姿は鍛冶場には…いやこの世界には存在していなかった。

 

 

 

そこに残されていたのは、まだ湯気が昇る茶とひび割れた仰々しい刀だけだった。

 

 

次回予告  全てを終わらせるとき

 

 

 

 

 

一刀「チクショオオオオ!くらえ華雄!新必殺音速火炎斬!」

 

 

 

 

 

華雄「さぁ来い天の御遣い!私は実は1回刺されただけで死ぬぞオオ!」

 

 

 

 

 

華雄「ぐあああ!こ、このザ・前座と呼ばれる華雄が…こんな種馬に…バ…バカなああ!」

 

 

 

 

張遼「華雄がやられたみたいやな」

 

 

 

 

呂布「………奴は董卓軍の中でも最弱…」

 

 

 

 

陳宮「天の御遣い如きに負けるとは董卓軍の面汚しですぞ!」

 

 

 

 

一刀「くらえええ!」

 

 

 

 

 

張呂陳「「「ぐわあああ!!」」」

 

 

 

 

 

一刀「やった…ついに敵将を倒したぞ。これで董卓のいる洛陽への門が開かれる!!」

 

 

 

 

 

董卓「天の御遣いよ…戦う前に言っておくことがある。お前は悪政を強いえたと思っているようだが、べつに悪政を強いえてない。」

 

 

 

 

 

一刀「な、何だって!」

 

 

 

 

 

一刀「フ……上等だ…俺も一つ言っておくことがある。世間では天の御使いが戦乱を治めるという占いがあった気がするが別にそんな占いはなかったぜ!」

 

 

 

 

 

董卓「そういえば我が軍師賈駆はツン期がきたので長安に左遷しておいた。あとは私を倒すだけだな。くっくっく。」

 

 

 

 

一刀「ウオオオ!いくぞオオオオ!!」

 

 

 

 

 

董卓「さあこい!!天の遣い!!!」

 

 

 

 

 

           一刀の勇気が世界を救うと信じて

 

 

 

 

 

次回もお楽しみに!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

初投稿です!!

 

 

 

化物語を見て以来の西尾維新大先生ファンの飛んで火にいるフェニックスが大学の講義中に閃いた恋姫刀語。

 

 

 

皆さんが楽しんでいただけたら幸いにございます!

 

 

また講義中に電球がピカッとしたもう一作、恋姫ボックスも公開予定近日?公開であります。

 

 

何分素人ですので、

 

 

こんな小説で大丈夫か?

 

 

一番いい小説家を頼む。

 

 

いいんじゃないか?彼もよくやってくれてるしね。

 

 

オケガワノカタキヲトルノデス。

 

 

 

と思った方は、アドバイスなどをしていただけたらありがたいです。

 

 

 

注:次回予告は関係ありませんb(-w-)d

 
 

 
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