■※※※注意事項※※※■
・素人故の文章力不足。
・原作設定の崩壊。
・キャラの性格崩壊。
・浮き沈み無しのグダグダ文。
・笑い無し、涙なし、ポロリもなし。
・和兎、行き当たりばったり感の変わらないただ一つの駄作者
上記の中に「ねーよw帰れw」と思われた方は、今すぐPCの電源をお切りください。
それ以外の方は、つまらない時間を過ごす覚悟をした上で、賢者の心境でお読みくだされば幸いです。
世界は狭いようで広い。
こんなに月が綺麗に見える場所もそう多くないだろう。
空にはいつもより大きな月が輝いている。
周りの星は、月という主演女優を引き立てるように、脇役に徹する。
いや、徹しざるを得ない、というほうが正しいかもしれない。それだけ月の輝きが大きいから。
一人の主役が輝く情景はこんなにも美しい。
もし、これだけの月が三つもあれば、人はどう思うだろう。
凶兆として、そんな不気味な空を畏れるだろうか。
「…………我ながら面倒な性格ね」
酒を片手に月を眺めて、そんな感傷に浸るのだから。
こくり、一口。喉に流し込み、ゆっくりと味わいながら酒は胸を通り過ぎる。
国から持ってきた酒もそろそろなくなりそうだ。
寝息を立てる袁術達を傍目に、私はもう一度月を眺める。
『ぶるるるぅぅあああああ↑↑♪』
「――ぶっ!?」
動悸と吐き気と不快感が一気に押し寄せてくる影が浮かんでいた。
「はぁ……はぁ……な、何……?」
恐る恐るもう一度確かめると、月はやはり美しく輝いている。
何もおかしいものは無い。
「……疲れてる?」
額に触れてみたが、幻覚を見るような熱はなかった。
「今日はもう寝たほうがよさそうね。……こんなのを拾うからかしら」
改めて袁術のほうを見る。
寝顔は幼い頃の麗羽に少し似ていた。
頬を少し捻ってみる。
「む……むぅ……な、ななのぉ、いたいのじゃぁ~……」
「ふふ」
おきない程度にはなしてやると、眠りながらもころころ変わる表情は再び寝顔へと変わった。
気はすんだので、開いている場所に腰をおろして、そのまま地に背中を預ける。
ひんやりとした地面の感触には我慢しつつ、袁術の被る毛布を半分奪い取って、その日は目を閉じた。
「――…………せまい」
◆ ◆ ◆
◆ ◆ ◆
朝。
『岩山両斬破!!!』
『げぼぉっ!!』
隣の部屋からは不気味な声が聞こえる。
とても鳥の鳴き声で目を覚ますような以前とは違う朝だ。
「……目覚ましは頼まなくて良かったみたいね」
「ん、んぅ……」
体を起こすと、毛布の浮いたところが寒いのか、袁術が声を漏らす。
「ほら、貴女もいい加減におきないと隣の部屋みたいになるわよ」
「むぅ……もう少し……」
「まったく……あら?」
袁術を起こすほうに気をとられていたが、よく見ると張勲の寝ていた場所があいている。どうやら私よりも先に目が覚めたようだ。
「まぁ、いいわ」
荷物から櫛を取り出し、髪を梳く。
昨日は湯に疲れなかったので、櫛の通りが悪い。
「はぁ、コレも何とかしないといけないわね」
髪をまとめなくなったのは身を伏せるのが最も大きな理由だが、それとは別に、一人であの髪を作るのはなかなかに難しいのだ。
春蘭や秋蘭もいない、旅を続ける今となっては、見た目よりも機能優先になってしまった。
この旅を始めて最初に後悔したことと言えばおそらくそれだ。
「さて……ん」
がちゃり。
ある程度髪も整ったところで、部屋の扉が開く。
「あ、おはようございます。曹操さん」
「おはよう。貴女はずいぶんはやいのね」
「美羽様のお世話をしていれば自然とそうなりますよ」
「でしょうね」
隣で寝息を立てるお嬢様を見ればそれは簡単に想像がつく。
「昼には出るから、それまでに起こしておいて頂戴ね」
「わかりました~」
張勲の隣を取りぬけて、ぎしぎしとなる階段を下りて、宿の外へ出る。
寝起きの体に冷たい風が通り過ぎる。
この風といい、朝陽といい、早朝は目覚ましにもってこいな物ばかりだ。
適しすぎて今は辛いとしか感じないが。
「ん……ん~~~……っはぁ」
両手を突き上げて、体を伸ばす。
私もまだ体は寝ていたらしく、それでようやく身が軽くなった。
「おや、あんた昨日の……」
「さてと……え?」
一日の予定でも立てようとしたところで、昨日聞いた声が聞こえた。
◆ ◆ ◆
◆ ◆ ◆
「なんだ、あんたら旅なんてしてたのか。道理でみかけねぇ顔なわけだ」
「えぇ」
「もぐもぐ」
「美羽様、口元が汚れてますよ」
起きてきた袁術も加えて、男は朝食を奢るといってきた。
このおちびさんがノリノリだったし、なにより食費が浮くのはありがたい。
そういつまでもお金があるわけではないものね。
「はっはっは。いい食いっぷりだなぁ。昨日は悪かったなぁ、叫んだりしちまってよ」
「よいのじゃ。妾はこまけぇことは気にしないのじゃ」
「……コレもあなたの教育の成果?」
「もちろんですよ~」
「少しこの子が不憫に思えてきたわ……」
入った店は昨日の騒ぎの店とは違う場所だが、活気は負けず劣らず。
ただし味はイマイチ。なので、私は見ているだけだ。
いっそ厨房を乗っ取ってやろうかしら。
「さて、少し離れるわね」
「うん?どうかされたんですか~?」
「えぇ、ちょっと」
「なんだ?厠か?」
「…………女性にそれを尋ねるのは、この村では失礼にはならないのかしら」
「おおっと……」
男というのはどこも同じなのかしらね。
私の好み云々は無しにしても、礼儀くらいは持っていて欲しい物だわ。
まぁ、厠には違いないのだけど。
だからこそというものがあるでしょう。
『おい、お前知ってるか?』
『なんだよ、面白い情報でもはいったか』
……?
店の奥のほうの客席から聞こえた声。小声で話す会話ほど聞き取ろうとしてしまうのは、以前からの癖かしら。
『いや、昨日昼間におちた流星。人間が乗ってたらしいぜ』
『は?なんだそりゃ』
人間?流星というと、あの店主が言っていたものかしら。
『意味がわからん。流星なんざ地面に落っこちるもんじゃねぇだろうに』
えぇ、私もあなたと同意見よ、見知らぬブ男。
『ちげぇよ。それが落ちたんだって。んでその場所に変な服着た男が倒れていたらしくてな』
『なんでぇ、男かよ。天女様でも現れりゃ酒の肴にもなるってのに』
『事実だって言ってんだろうがよ――!』
二人はそれから言い争いを始めてしまった。
私は興味もなくなったので、当初の予定であった厠へ向かう。
「……天女様、ね」
そんなものがいるなら是非会ってみたいものだわ。
しかし現実は男。無情なものね。
そういえば、戦前にそんな事を喚いていた占い師が居たかしら。
結局何もおきずに風化してしまったわけだけれど……。
「すぐに風化するのが落ちね」
気にするのをやめて、厠の扉を開ける。
「――いやん♪」
三つ編み全裸筋肉が居た。
「――――■■■■■■!!!!!!!???」
◆ ◆ ◆
◆ ◆ ◆
「…………っは!?」
「あ、目、覚めましたか?」
「え……と、ここは?」
「はい、さっきの店の主人のお家ですね~。親切に部屋を貸してくださいました」
「たしか扉に手をかけて……そこからの記憶がないわ……」
「厠の前で気絶されていたんですよ~。あやうく漏らしちゃったのかと思いました」
「それだけはしないわ。天に誓って」
体を起こして、周りを見渡す。見覚えの無い部屋。
当然といえば当然。
「あの子はどこへ?」
「美羽様でしたら、お水を貰いに行きましたから、すぐに戻ってこられると思いますよ~」
「そう」
袁術の姿が見えないと思ったら、そういう事。
これじゃ、昨日の貸しなんてあっさり返されてしまったわね。
がらり、部屋を仕切っていた扉が開いて、向こうから袁術が顔を覗かせた。
「うん?曹操はおきたのか、七乃?」
「はい。今気がつかれましたよ、美羽様」
手に水と布を抱えて部屋にあがる袁術。
こうしていると普通の女の子にさえ見えてくる。
「ありがとう、ね」
「ふっふん、もっと感謝してもよいぞ♪」
「えぇ、感謝しているわ」
「ぬ……七乃~。曹操が不気味なのじゃ」
「美羽様、そういう時はいくら本音で思っても口にだしてはいけないんですよー」
「わ、わかったのじゃ」
「すこしは誤魔化そうとしなさいよ」
「美羽様には素直な子になってもらいたいですから」
「その辺りは問題なく育っているから安心していいわ」
素直すぎるのも考え物ね。
「――そういえば、あなた達はこの後どうするつもりなの?」
「この後、ですか?」
「言っておくけれど、私はもうこの村を出るつもりだったから、あの宿は使えないわよ」
「いえ、私達はここの州牧のところへ向かおうと思います」
「州牧?」
「はい。なんでも天の遣いが降りたと噂になっていますので。美羽様の再興にはもってこいじゃないかと」
「まだ再興なんて考えていたの?」
「もちろんなのじゃ!妾はこんなところで落ちぶれる人間ではないのじゃ!」
やはり無い胸をはる袁術。
「でも戦はもうこりごりじゃから、別の方法をさがすのじゃ!」
「それで、狙い目が噂の天の遣い、と」
噂話に踊らされるのもここまでくれば笑い話ね。
張勲あたり、こんなものが頼りにならないことくらい知っていそうなものだけれど。
目をやれば、張勲は明るく笑う。
ああ、知っていて尚袁術が走り回るのをみたいと、悪趣味ねぇ。
「まぁ、頑張りなさいな」
「うむ。――そうじゃ」
「うん?」
「今回は世話になったの。礼の代わりに妾の真名を預けてやるのじゃ」
「…………本気?」
「妾は嘘は言わんのじゃ」
「もう貸しはないのに?」
「カシ?」
「……好きになさい」
「うむ。次は美羽と呼ぶが良いぞ」
真名をこんなことで預けるなんて、ね。
意味をちゃんと理解しているのかしら。
「えぇ、そう呼ばせてもらうわ。美羽」
「うむ」
美羽は明るく笑う。それは張勲とは別の類いのものだ。
「美羽、少しこっちにきてくれる?」
「む?」
美羽をこちらに引き寄せ、その頭に手を置く。
「なでなで」
「む、うん?なんじゃ?」
――……いいかもしれない。
「曹操さん?」
「何かしら」
「美羽様は駄目ですよ?」
「……何のことかしらね」
◆ ◆ ◆
■あとがき(?)
まずはここまで読んでくださってありがとうございます。
本文4ページと短いので感想も持ちようが無いとは思いますが、批判も絶賛受付中ですので。
さて、続きを書いておきながらここからの続きもやはり予定はなし。
気が向いたときにでもはおはお書いていこうと思います。
書いていて思ったことは意外とこの三人は絡ませやすかったという事ですかね。
七乃がいい感じに話を運んでくれてる気がします。
ではでは、機会があればまた。
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続きは無いと言ったな……あれは嘘だ。
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