No.187966

レジェンド†無双 8

あのさん

第8話です。

俺の歌をきけええええええええええええ!!!!

ぎょぎょぎょぎょおおおおおおおおいい!!!!

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2010-12-04 22:01:23 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:1255   閲覧ユーザー数:1158

 

 

横殴りの激しい雨と

厚い雲に覆われた暗い空により

眼に入る全ての世界が霞む中

 

眼前に現れるは白き幽鬼

 

「・・・・・・北郷・・・・一刀・・・」

 

俺は銀色の光を放つ太刀を固く握りながら

ゆっくりゆっくりと距離を詰めていく

 

そう

 

―――――確実に、殺すために

 

 

―――蜀執務室

 

「な、なんだってーーー!」

 

あの村での一戦後、

北郷隊の屈強な兵士たちが魏によって半数以上も削られ

命からがら城まで逃げ帰った俺に関羽から衝撃の事実が伝えられた。

 

―――趙雲が一月前から消息不明だと。

 

「さすがに五虎大将クラスの将軍が出奔ともなると、

蜀全体の士気に関わるので情報は一部の上層部に留めてあるんです。

・・・そして、問題はそれだけではありません」

 

―――趙雲が消えてから首都で人斬りが発生するようになったと。

 

「星が一連の犯人という確証はありませんが

時期的に考察しても関連している可能性は十分に高いといえます。

北郷殿もくれぐれもお気を付けて下さい。」

 

「・・・・・・うぃ」

 

 

―――大食堂

 

この城に帰還してから初めての注文となったが・・・

 

「おおう、メンマが綺麗になくなっとる!」

 

俺はふつうの、ごくふつうの牛丼を天に掲げながら感涙する。

・・・やはり趙雲がこの食堂に圧力を掛けていたんだろう。

 

―――しかし

 

「・・・正常な牛丼であるはずなんだが、どこか不自然な気がする」

 

メンマ付きのメニューに毒されたのか・・・。

 

「おばちゃんッ!愛してる!」

 

俺は単品のメンマを注文し、皿ごと牛丼の器にぶっ掛け、一気にかき込む。

 

「うぅ、いろんな意味で泣きてぇよ・・・・・・メンマが目に染みるぜ」

 

 

―――蜀城下、夕刻

 

「ひょえ~、えらいどしゃ降りだな。

・・・あの時もこれくらいの雨量があれば申し分なかったんだけどな」

 

激しい雨により視界は悪く、空もどんよりと暗い。

普段のこの時間帯なら、城下の通りは商人や買い物客で活気づいているというのに、

今は開いている店もなく、人通りも途絶えて誰も目に入らない。

まるでゴーストタウンを想起させる光景だ。

 

「冷たッ、ついに靴の中にまで侵入してきやがったぞい」

 

この雨の中、俺は関羽の命により郊外へ出向いていた。

例の人斬りの犯行による新しい犠牲者が出たとのこと。

 

「・・・やっぱし趙雲なのか」

 

 

あの時、趙雲と親しい間柄にある関羽はあえて口にしなかったようだが、

 

この城下での一連の事件において

実際に趙雲が人を斬っている場面を目撃した兵士や

襲われた際に直接交戦した住人もいるらしい。

 

これはもう、十中八九、趙雲犯人説が確定しただろうな―――「ん?」

 

「・・・・・・北郷・・一刀・」

 

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

灰色が支配する世界、刺すように吹き付ける雨の中

俺の眼前に

槍を携え白い着物を着た者が、うっすらとその姿を浮き出してきた。

視界が絶望的に劣悪なこの現状でも、

俺を見るその瞳にどんな感情が込められているか、

今の俺には・・・明確に読み取ることができた。

 

それはただ一つの感情―――――憎しみ。

 

白い風貌に、黒い心気。

 

まさに、白き幽鬼

 

「・・・・・・・・・北郷、一刀」

 

既に正気は失っているようだ。

俺は銀色の光沢を放つ太刀を握りながら、ゆっくりと距離を詰めていく。

 

「五虎大将の一角であるお前が、

そこまで堕ちるに至った理由は俺には分からない。」

 

俺が羨望の念を抱くほどに眩しかったお前が・・・どうして。

 

「・・・・・・・・北郷・・・一刀・・・」

 

「だが、文字通り悪魔に魂を売った以上、

お前のような弱き将はこの蜀にいらないんだよ・・・」

 

お互い手を出せば握手が出来るほどに近づいた俺は

鈍色の空に向けて太刀を掲げる。

 

「・・・一刀」

 

振り下ろす直前だというのに動き出す気配すらしない。

もはやその双眼にこの俺はもう写ってもいない。

 

「・・・さようなら、趙雲」

 

――――ザシュ

 

周囲の水溜りを一瞬で赤く染め上げる。

 

「え!?」

 

 

な、なんだ、体が動かないぞ。

それにこの胸から飛び出している銀色の刃物は。

熱い。「―――ッ!!?ぐはぁっは!」

体の循環器官がイカたのか、口から大量の血液が吐き出される。

 

「・・・私たち魏にとって

その人は大切な実験材料なんです。殺させはしません」

 

「魏、だと・・・」

 

コイツ――全く気が付かなかった。

声音からして若い女のだろう、だが聞き覚えのない声だ。

 

 

「今回、私の目的は貴重なサンプル体である趙雲の捕獲、

及び大犯罪者にして魏の脅威である北郷一刀の殺害。

以上の二つです。」

 

「それは・・・華琳の、差し金か?」

 

「いえ、今回の件に華琳様は関与していません。

全て私の独断によるものです。」

 

「・・・・・・・・・うむ」

早朝から変わらず降り続ける空を仰ぐ、

雨の雫がダイレクトに目玉に直撃するがもう全く気にならない。

 

「この時をもって任務は達成しました。

・・・・・・心臓の中心を貫きました。あなたも時期に死ぬでしょう、くッ!」 ズボッ!

 

「ちょッ、ぐはぁっは!」

耳を傾けていたらいきなり勢いよく抜かれた。

俺は怒りのあまり、怒鳴ってゲンコツを食らわせようと思って振り返ると

 

「ッ!!?」

 

女は既に俺から5メートルは離れた位置に立っていた。

しかも傍らに趙雲を抱えながら。

おいおいマジかよ、お前はテレポーターかよ。「しっかし・・・ん?」

 

顔はこのどしゃ降りの中では判別はおろか窺うことすら出来ない。

しかし、女が右手に携えている武器には見覚えがあった。

 

――――日本刀。

 

 

「最後に、死ぬ前に一つ・・・キミの名前は?」

 

「・・・ミナミ、入江ミナミです」

 

俺に名を告げるとミナミとやらは雨の中に溶けるように消えていった。

 

「・・・・・・・って、アイツ思いっきり日本人じゃね?」

 

 

 

その時

 

 

心臓と共に貫かれ血に染まった、胸ポケットに入っていたよっちゃん○かが

己の身に起きた現実を全力で否定するように金切り声を上げる。

 

「ちょッ!ちょッ!ちょべりばぁぁぁあああああああああああああああああ!!!!!

 

 

あとがき

 

いかがでしたでしょうか

 

北郷一刀と同じく物語の根幹を担う新しい登場人物です。

 

武器は分かりやすく日本刀です。

 

 

 

 

 
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