No.187826

真・恋姫無双 夜の王 第33話

yuukiさん

真恋姫無双夜の王第33話、
対蜀編まだ終わらない、、

2010-12-04 01:12:58 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:9396   閲覧ユーザー数:7328

この作品の一刀は、性格、武力ともに原作とは異なっています。

 

また、一部キャラを否定する場面もございます。

 

ご理解をお願いいたします。

 

まだまだ誤字、脱字や分かりにくい表現などもあると思いますが、

 

こんな自分の作品でも楽しんでいただけたら幸いです。

 

書いていて、自分でも良く分かんなくなりました

 

色々考えた、色々書いてみた、色々悩んだ結果、こうなりました。

 

 

言い訳させてもらうと、、自分は恋姫無双に嫌いなキャラが居ないんです

 

 

 

天城 近く

 

関羽「くっそ、どけえええ!」  ゴウッ ゴウッ

 

獅堂「ちっ、」

 

一蝶「く、っっ」

 

関羽「桃香様!!」 

 

   ダダッ

 

一蝶「しまった。追いますよ、獅堂」

 

獅堂「分かってる」

 

 

厳顔「くっ、孫尚香をようやく巻いたというのに。どけ!恋」

 

恋「やだ、、一刀に怒られる」

 

厳顔「貴様も、闇に捕われたか!」

 

 

星「はあああ!!」

 

真桜「っっ、」

 

  ダダッ

 

凪「くっ、抜かれた」

 

趙雲「ふう、なんとか振り切ったがこのままではまずいな。仕方ない、これは使いたくはなかったんだが」

 

そう言うと、趙雲は一つの仮面を懐から取り出した

蜀本陣、一刀

 

 

  『つまりそれは、犠牲も、民も、見ないってことなんじゃないですか』

 

そうか、そう思うか、ならばそれも良し。だが劉備、俺は見ているぞ。お前に見えぬモノを

 

一刀「なら、お前は何を思い、何を見る?観ている物があるのなら、剣を抜け」

 

劉備「えっ、、」

 

一刀「人を殺したことも無い処女なのだろう?なら、それをこの身で奪ってやろう。そうすれ観えるぞ?正義の真実も」

 

 

その言葉を聞いた魏延は塵を見るような目つきで俺を見て来る

 

魏焔「っ、あんな言葉、聞かなくていいです。こいつの相手は私が」

 

一刀「なんだ?またお前は命ずるだけか劉備。己は汚れぬか?お前はまた、」

 

  『一人だけ舞台に立たないのか?』

 

劉備「っっ、大丈夫だよ焔耶ちゃん。下がってて」

 

焔耶「桃香様、、しかし」

 

そうだ、誰よりもお前が大徳であるが故に、響いただろう。今の言葉は、、なあ?

 

 

劉備は腰から靖王伝家を抜き、俺に向かいそれを向ける。

 

一刀「戦いでまず行うことは恐怖を抑えること、手の震えを鎮めろ」

 

劉備「、、、、、」

 

まるで子に何かを教えるように、優しくされど厳しく、そんな口調で喋っていく

 

一刀「絶対的な実力差を埋めるには数に頼るのが一番だ。だが、それが出来ぬ状況なら、静かに勝機を待て」

 

劉備「っ、、、っ」

 

一刀「相手の油断と、自分の剣気が合わさった時、一撃の元に敵を斬れ!」

 

劉備「はああああ!」  ギイイインッ

 

それは最高と呼べる一撃であっただろう。並みの兵なら瞬殺出来る、人を殺したことも無いような者が放てるものではない。

 

故に、褒めてやってもいいんだが、劉備、何故お前は、、

 

 

一刀「何故、眼を瞑っている?」

 

眼を開けた劉備の顔が恐怖に染まるのが分かる。当然か、最高の一撃を素手で止められたのだから

 

一刀「やはり、お前は何も観ていないではないか」

 

その言葉に兵はおろか、魏延さえ動けなくなる。自分でも気づかないほど小さな、怒りが込められていた

 

劉備「えっ、、」

 

 

 

人を殺す、それは人が犯せる最も重い罪。故に、絶対の意思の元でしかそれは許されない。

 

絶対の意思の元、赦されても必ず裁かれる。

 

 

 

一刀「そうだ、殺すという意志、覚悟。お前にはそれがない」

 

劉備「だって、私はただみんなで笑っていたいだけで、大陸のみんなを救いたいだけで。私は生かす為に」

 

一刀「それ故に俺を殺す(捨てる)と?矛盾に気づかんのか?おまえが言うみんなとは、誰のことだ?その中に、俺は入っていないんだな」

 

劉備の顔に理解が浮んでいく。なぜ、蜀の奴らはこんな簡単な論理をこいつに教えなかったんだ

 

劉備「あ、、、」

 

一刀「初めて知ったか?救う(殺す)ということを?救われる(奪われる)怖さと、手から零れ落ちる切なさ。救えるのは己が救くおうとした者だけだと」

 

靖王伝家を握る手に力を込める。出てきた血が輝きを穢し、刀身の軋む音が聞こえた

 

劉備「や、、いや、離して」

 

一刀「なら、剣を捨て、再び命じるだけの王になるか?あるいはその方が幸せか」

 

劉備「いや、もう私だけ蚊帳の外なのは、、嫌」

 

魏延「(桃香様、まさか知っているのか。桔梗様達が色々やっていたのを)」

 

一刀「そうだ、それで良い。なら、始めようか」

 

肩を掴み、その華奢な体を投げ飛ばす。劉備は地面にぶつかり跳ね跳んでいく

 

劉備「っぐっ、、いた、い」

 

一刀「幸せな人間だ、自分の血の味も知らんとは。あらゆる意味で処女なわけだ。まあいい、知らぬというなら教えてやろう」

 

魏延「桃香様!貴様!」  

 

一刀「邪魔だ、退いて居ろ」

 

突っ込んでくる魏延を蹴り飛ばす。

 

退いていろ、これはお前達が教えねばならなかったこと。主が傷つくのは己が落ち度だ

 

一刀「戦う(話し合う)とはすなわち、傷つけあうことを意味する。穢れ無き乙女では人は救えぬぞ?痛みを知るのは悪い経験ではないだろう」

 

劉備「ぐっ、、」

 

地に転がる劉備を蹴飛ばし、また跳ばす

 

 

その時、関羽達が駆け付けてきた

 

関羽「桃香様!、なんてことを。鳳薦、貴様!」

 

一刀「下がっていろ、関羽!劉備は王として俺と立ち会っているんだ、貴様などが出る幕じゃない!」

 

関羽「っっ、」

 

後ろから一蝶達も来たのを感じる。アイツらが居れば邪魔は入らんか、、

 

 

そう思い、なんとか体を起こそうとする劉備に眼を向ける

 

劉備「っ、、ぐっ」

 

一刀「もう嫌か?痛いか?救われたいか?嫌だろう、痛いだろう、救われたいだろう。それは等しく、お前が救ってきた者が抱いていた願いだ。そして、お前が殺してきた人(悪)もまた、同じ望みを持っていた」

 

劉備「あっ、、っっ」

 

劉備の顔に理解が浮んでいくのが分かる。そうだ、、お前は

 

一刀「そうだ、お前は人を救った。殺され、嬲られ、お前に助けを求めてきた者を救った。助けを求めなかった人を嬲り、殺してな!」

 

劉備「違う、、私は」

 

その言葉を理解し、劉備の顔は歪んでいく

 

一刀「安心しろ、それを間違っていると言うつもりはない。どうあれ人を救ったんだ、それを誇れるなら、お前は英雄だよ」

 

劉備「私は、人殺しをなんて、、」

 

一刀「誇れない、お前は泣きながら殺すんだ。ならなぜ殺す、なぜ剣を取る!人を殺してでも人を救いたい。英雄ならば持っているであろう普遍の偽正義さえ、お前は持っていない!」

 

体に怒りが満ちて行くのを感じる。ああ、そうか。俺はここまでこの女が憎いのか、、

 

 

なぜ、何でだ劉備、何故お前は、、、、

 

 

一刀「人を救いたい?ああ、救えばいいさ。だがな、目を逸らし、言い訳を叫びながら救うのは間違っている。救うなら迷わず殺せ、傷つき、嬲りながら殺せ。死んだ者達の叫びと怨念を背負うべきなんだよ」

 

 

なのにお前は、そんなことすら出来ないのだろう?

 

 

なら、お前は一体何を持っているというんだ

 

 

一刀「正義も無ければ大義もない、覚悟の欠片も持ってない。戦う理由を持たぬお前が何故、関羽(英雄)や俺(魔王)と戦場(こんな場所)に居る!」

 

何故、市政で普通に暮らすことを望まなかった、普通に生きることを良しとしなかったんだ

 

劉備「私は、救いたいって思ったから」

 

一刀「笑わせるなよ。お前が名も知らぬ誰かを救うだと?その薄っぺらい理想で、甘露に満ちた幻想で。お前はな、こんな場所に居るべきじゃないんだよ」

 

   『違う!』

 

俺の嘲りに満ちた声、それに反応しようとした関羽より先に否定の声が響いた

 

一刀「、、、、」

 

関羽「桃香、、様」

 

 

土に塗れた体を起こし、劉備が俺を見据えている

 

劉備「違う、違うもん。なんで、何でそんなこと言うの。どうして、みんな私のこと、除け者にするの」

 

一刀「、、、、」

 

劉備「甘くなんてない、薄くなんてない、私の理想は!がんばったんだもん、がんばったんだから」

 

絞り出す声、震える体、眼に涙を溜めながら、劉備は己の理想を信じていた

 

その様子に、既知感を覚える

 

一刀「それで、」

 

劉備「同情なんて要らない、褒めて欲しくも無い、分かってくれなくてもいい。正しくないって言われてもいい。だた私は、人を、助けたかった、みんなに笑っていて欲しかった」

 

一刀「、、、、」

 

劉備「一人は寂しいから、一人で笑っていても楽しくないから、だから誰もが笑える世界を作りたかった。それは、いけないことですか、、」

 

 

一刀「いや、だがその理想を叶えるにはお前はやさしすぎた」

 

劉備「違、う、、優しくなきゃ。だれも、笑顔になってくれま、せん」

 

気力も体力も限界なのだろう。足取りがおぼつかなくなっている

 

一刀「人を笑わせたいなら道化にでもなっていろ。お前は王になど成るべきじゃなかった」

 

劉備「っっ、、」

 

俺の言葉で気力が切れたのだろう。劉備は前に倒れ込みそうになる、、

 

劉備「えっ、、、」

 

関羽「なっ、、、」

 

一蝶「、、、へ、」

 

一刀「、、、、、」

 

俺はそれを、受け止めていた

 

劉備「なんで、、」

 

一刀「一度でも王を名乗ったなら。泣いたり、敵の前に倒れるなどという無様を晒すな」

 

そう言って倒れないよう後ろに押して離れたが、、

 

劉備「えっ、、あ、きゃ」  トテン

 

劉備はバランスを崩して尻もちをついていた、、なんだこいつは

 

尻もちをつき倒れた劉備を俺は見下ろしながら呟く

 

一刀「全軍を止めろ、この戦い、俺の勝ちだ。これ以上の犠牲は無用だ」

 

劉備「、、、、はい」

 

関羽「くっ、、」

 

周りに居た蜀の将たちが落胆の表情を浮かべていた。

 

無理もない、敗北など受け入れたいモノでは無いからな

 

 

その中で、劉備は涙目で話しかけてきた

 

劉備「鳳薦さん、、私は、間違っていたんですか」

 

一刀「お前の正義とやらを真っ向から否定はしない。己が願う己への願い、俺の大義も似たようなものだ」

 

だが、、お前に非があるとするなら、そうだな

 

一刀「、、お前に罪があるのなら、それは無知であったこと。無力が故に戦場に立てず、無辜が故に妄想を振りまいた。そして、無知が故に真実を知らなすぎた」

 

劉備「、、、、ぐす、、」

 

一刀「蚊帳の外は辛かったろう、叶えたいと思えば思うほど、理想は離れて行ったろう。何時も思っていたはずだ、どうして叶わぬのだと。その思い、、分からなくもない」

 

 

昔の俺が、そうであったようにな、、

 

 

一刀「お前はやり方は間違えたが、その理想は間違ってはいない。少なくとも俺は、そう思う」

 

劉備「ぐす、、ひっく、、うう」

 

関羽「桃香様、、」

 

張飛「、、、お姉ちゃん」

 

黄忠「、、、、」

 

倒れるなと言えば倒れ、泣くなと言えば泣く。本当に王には向いてないな、、

 

そんなことを思っていると、獅堂が近づいて来た

 

獅堂「おい、どうすんだ?こいつら」

 

獅堂の言葉で緊張が走っていく、魏延など明らかな殺気を向けて来てるし、

 

一刀「どうもない。戦いは終わった、劉備の正義が砕けた以上、もう戦う理由など」

 

 

 『否、正義は敗れぬ。正義は砕けぬ!たとえ劉備様が敗れようと、正義に敗北は有り得ない!』

 

 

俺の言葉を遮りながら、そんな声が聞こえてきた。

 

獅堂「っっ、誰だ!」

 

思えば、蜀で初めて正義を語ったのは誰だったか、、

 

他の誰よりも、正義に固執した者は誰だった、、

 

一刀「なるほど、劉備の敗北は認められても、正義の敗北は許せぬか」

 

だから、そんなものを付けているのか?なあ、

 

  「そのだとも、魔王よ、我が正義にて貴様を撃とう」

 

一刀「意外だよ。まさかお前に、こんな所で会おうとは趙、、いや、正義の使者、とでも呼んだ方が良いのか?」

 

  「いかにも、悪の匂いに誘われ、美々しき蝶が今、舞い降りる!我が名は華蝶仮面!黒い夜を消し去る為に舞い降りる。正義の化身なり!」

 

未だに正義を語るか、いや語らねば生きられぬというのなら、俺を倒し勝者(正義)となってみろ

 

我が大義、砕けると言うのなら、、くっはは、ははははは!!

 


 
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