この作品の一刀は、性格、武力ともに原作とは異なっています。
また、一部キャラを否定する場面もございます。
ご理解をお願いいたします。
まだまだ誤字、脱字や分かりにくい表現などもあると思いますが、
こんな自分の作品でも楽しんでいただけたら幸いです。
なお、知っていて欲しいのが、この作品の一刀は傍から見るとかなり悪い奴です
幾度も主を代える
↓
多くの盗賊を束ねる
↓
蜀の地を恐喝で奪う
↓
大陸中の罪人を集める
↓
馬騰の暗殺
↓
敵対国、蜀の侍女を攫う
一刀自身を知らず、客観的にみると悪人まっしぐらです。
それを知ったうえ、お読みください。
追伸、作者は蜀の人たちを嫌いでは在りません
一刀「黄忠は出た、なら今こそ出陣の時。始めよう殺し合いを」
その言葉に周りの者全てが静まり返り、音々が独りでに喋りだす
音々「我らに正義は要らず、我らに犠牲は付いて回るのです」
それに続き、他の者もまた、独り言のように呟いていく
明命「闇に生きる者たちの居場所を守り、太陽は欠けるべくして欠けるのです」
小蓮「輝きに眼を焼かれ届かないなら、みんなを等しく引きずり降ろそう」
恋「だから、、愛す。黒天を、偽悪を、、、誰も救わない咎人を」
一刀「空は喰らい、地は染まる、太陽は引き摺り、月は服従を、全ては我が、大義の為に」
兵士達「「「「黒天に栄光あれ、大義は我らにあり!!!」」」
その場の全員がたった一人に盲信している。馬超一人が、その光景を見つめていた
一蝶「不思議ですか?この光景」
翆「不思議って言うか、なんて言うか、、」
一蝶「良いんですよ。その思いが正常です。あそこまで人を引き付け魅入る者など、一刀様以外いないでしょう」
翆「そうだよな、、、」
一蝶「そして、おそらくそれが魔王(絶対悪)などと言われる理由、傍から見ればあれほど恐ろしい者はいない」
翆「なあ、アイツが言う大義って何なんだ?」
おそらく誰もが抱くであろう疑問、しかしそれを受けた一蝶は驚いたように馬超を見ていた
翆「あ、っと、何かまずいこと聞いたか、、」
一蝶「いえ、そう言う訳では無いですよ。ですがあの人が言う大義がなんなのか、私には分かりません」
翆「えっ、でもそんなの」
一蝶「変でしょう?長らくあの人の傍に居ながら、そんな事を聞いたことも無いんですよ。小を捨て、大を救うことか。それとも大衆が悪と呼ぶ物を大義と呼んでいるのか」
翆「分かんないのか?」
一蝶「ええ、ただ分かっていることは、それが抗いがたい何かであるということだけ。私達は魅入られ、毒されてしまった。大義という何かに」
翆「アイツの傍に居れば。いつか、それが分かる日が来るのかな」
一蝶「私はそう、信じています。私は観たい、大義と言うモノを」
翆「そっか、、そうだな。私も観たい、かな」
一蝶「なら、貴方ももう我らの仲間ですね。私の真名は一蝶です」
翆「私は翆だ。その、よろしくな」
一蝶「ええ、よろしくお願いします」
士気は最高、まあ何時もそうなんだがな。さて、なら出るか
一刀「音々、奇襲をかけたら蜀はどう出ると思う」
音々「おそらく朱里と雛里はそれぐらい見抜いているのです。おそらく攻めている部隊以外に防備部隊が展開しているはずですぞ」
一刀「なら、それを破る策は「無理ですぞ」」
さらっと負けを認めるなよ、、
音々「完全に準備された策を即興で破るなんて出来ないのです。ですから、取るべき策は一つ」
一刀「それは?」
音々「簡単なのです。盤上で勝てないなら、盤ごと叩き潰してしまえば良いのですぞ!」
そう言う音々の顔は真剣そのものだが、言ってることはそれこそ机上の空論じゃないか、、
一刀「出来るのか?それが、、」
音々「恋殿とお前の天軍に出来ないことがあると思っているのですか!出来るに決まっているのですぞ」
一刀「なるほど、ならば良し。まあ、良い策じゃないか。俺たちらしくて」
小蓮「まあ、分かりやすいしね♪」
恋「恋、、がんばる」
一刀「ああ、なら恋は突っ込んで防御陣を破れ。その後五虎将の一人は足止めしておいてくれ」
恋「 コクッ 」
一刀「シャオは明命と出来るだけ敵をかく乱しろ、一蝶は味方の援護を」
小蓮「りょーかい」
明命「分かりました」
一蝶「はっ、」
一刀「風が中から動くだろうから、音々はそれと連携して戦況を動かせ。翆は、、俺と共に来い。劉備に突っ込む」
音々「分かりましたぞ」
翆「ああ、分かった」
これから始まる、戦いに体が歓喜しているのが分かる。ああ、忘れてないさ、お前の願いは。この喜びも俺の願いがようやく始まるから来てるんだぞ?
一刀「さあ、始めよう。全ては大義のために」
蜀、本陣
敵兵「報告!後方より大隊、右翼小隊複数、敵の部隊が出てきました!」
劉備「えっ、朱里ちゃん!」
諸葛亮「大丈夫です。後方には雛里ちゃんが居ます。それぐらいの奇襲は織り込み済みでしゅ!」
蜀、後方防衛陣
鳳統「はわわ、皆さん。慌てないで下しゃい、突っ込んでくる部隊は弓で迎撃でしゅ!」
敵兵「はっ、弓兵、構え、、、、撃て!!」
ひゅんひゅんひゅんひゅう
敵兵「、、、、鳳統様、、駄目です」
鳳統「えっ、、」
もし人が墓より這い出てきた何かを見たなら。おそらく人はこういう表情をするのだろうか。鳳統が見た兵士の顔は、認めたくない現実を見ていた
敵兵「呂布が、、いや、敵兵の皆が、止まりません。弓を受けてなお此方に突っ込ん出来ます!」
鳳統「は、はわわ、、弓、皆迎撃しゅるのです!!」
敵兵「はっはい。弓兵撃て!!」
ひゅんひゅんひゅんひゅん
鳳統「はわわ、こんなの嘘だよ。だって、ひっく、ひっ、、」
鳳統は見る、赤き夜叉が率いる軍勢を
弓を、受けているのだ。夜叉一人は受けていないが、他の者の体には矢が刺さっている
肩に腕、腹に、ある者は数本の矢を受けてなお進んでくる。命の続く限り人を貪る餓鬼のように
誰がアレを視て正気で居られよう。誰もが思うだろう、あれはまさに魔王の軍勢、死者たちの部隊
己が命を捨て、何かを守ろうとするなら。命を捨てる武士の誇り滅私奉公も、
究極に極まればあそこまで醜悪になるのか。あれが、鳳然薦(絶対悪)の戦い方なのか、、
『そうだ、戦いは醜く、邪悪に満ちるべき。全ての者がそれを嫌悪し、憎悪するように
そうでもしなければ、知れぬのだ。人は愚か過ぎる生き物なのだから』
敵兵「ほっ、鳳統様。ここはお引きを。ここから先は貴方が見ていてはいけません」
鳳統「へ、、でっでしゅが」
敵兵「あれ相手では、我らとて長くは持ちません。早くお引きを!」
鳳統「っっ、ごめんなさい。ごめんなさい!」
ダッダッ、、
兵士の視界に死線を越えた夜叉の姿が映る
敵兵「ああ、これもまた。正義の末路という事なのか」
「、、、、 コクッ 間違ってない。その考え」
ザシュ
バタンッ
「悪も正義も死ぬ、、生き残るのは大義だけ」
天城 風
麗羽「風さん、あれは」
風「はいー、間に合ったのです。お兄さん」
麗羽さんの顔に喜びが満ちて行くのが変わるのです。たぶんそれは風も同じなのでしょうねー
麗羽「なら、この戦い。私達に負けは無くなりましたわね。おーっほっほっ!」
風「そうなのです。お兄さんさえ居れば、絶対に負けない。みんなそう信じているのです」
そう、将から一兵卒に至るまでそんな幻想を抱いているのです。
それ故になにも恐れない、死したとしても自分達に敗北は無いと信じているのです。
死んでもなお、お兄さんの為に戦おうとする。そんな忠道の極致にみんなが至っているのです。
むー、よく考えれば天軍と言うモノはなんて恐ろしく、醜悪で、馬鹿な集団なのでしょうかー
西門
趙雲「我が正義の前に、朽ち果てるが良い!」 シュッ、シュッ、シュッ
凪「っっ、まだだ、まだ引けない」
真桜「せや、まだ終わらない」
趙雲「ふんっ、なにをそこまで。貴様らの敗北は「凪ちゃん!真桜ちゃん!」」
真桜「な、沙和。なんでここに」
凪「まさか、南門が破られたのか!」
沙和「違うの!逆狗さんが伝えて来いって、一刀様が来たの!」
真桜「な、そうか。やっと来たんやな、、、」
于禁の言葉で、楽進達いや敵兵の皆の顔が変わっていくのが分かる。
なんだ、、これは何故この状況で笑っているのだ!
凪「はっははは。聞け!一刀様来られた今、我らに敗北は無くなった!行くぞ、今こそ反撃の時」
兵士「「「おおおおおおおお!!!」」」
敵兵「なっなんだ、あいつら」
敵兵「正気じゃねえ」
敵の狂気にあてられ、兵士たちが臆していく
趙雲「ええい、怯むな!我らが正義、屈するはずはない!」
凪「はあああ!!」 ゴウッ
趙雲「ええい! 」 ガキンッ
沙和「やー!」 ブンッ
真桜「うりゃー!」 ギィイイン
趙雲「キサマら、、正義に、我が正義に勝てるとでも思っているのか!」
沙和「当然なの、一刀様が、沙和達が負ける筈ないの!」
真桜「黒天がある限り、ウチらは飛び続けられるんや」
趙雲「分からんのか、その盲信こそ悪に捕われているというのだ!」
凪「たとえ骸を漁る鴉と呼ばれようと我らの思いは変わらない!」
真桜「それに、、、、、、」
東門
猪々子「うりゃー!」 ブンッ
斗詩「はああ!」 ゴンッ
鈴「うりゃりゃりゃー!!」 ゴウッ
斗詩「きゃっ、」
猪々子「くっそ、、」
目の前には苦戦している二人の姿、まったくそれでも袁家の将ですか?
麗羽「まったく、情けないですわね。猪井子さん、斗詩さん」
斗詩「な、麗羽様!何でここに、、」
麗羽「一刀さんが戻ったのなら、私の役目(君主補佐)は終わりましたわ」
鈴々「にゃ、次は袁紹が相手なのだ?誰が来たってお姉ちゃんと鈴々の正義は破れないのだ!」
正義?何言ってるんですの?このお子ちゃま
麗羽「思慮は浅い、底が浅い、若いですわね、張飛。いくら主が違うとはいえ、少々情けない」
鈴々「にゃ?なに言ってるのだ?」
麗羽「まあ結局、人間なんてそんなものなのでしょう。誰もが己の物差しでしか事態を測れず、それが正義だと思い込む。世に戦争が絶えぬわけですわ」
鈴々「むー、なに言ってるか分かんないけど、とにかく鈴々は負けないのだ!」
麗羽「それに、、、、」
南門
厳顔「兵の数が減った、ようやく諦めたか」
逆狗「ふふ、まさか。ようやく始まるんだ、本当の戦いが」
敵兵「後方より、敵部隊が迫ってきます!」
厳顔「なんだと!雛里は破られたのか、、」
馬鹿な、あの陣を破るなどいったい誰が
小蓮「はーい♪逆狗、元気だった?」
逆狗「まあまあだ、それより早く指揮を変われ。俺は元々将じゃないんだ」
小蓮「分かってるって。みんな!一刀が来たんだから、この戦いシャオ達の勝ちだよ!」
兵士「「「おおおおお!!」」」
この窮地で士気が上がっていくだと、天の兵は全て狂っておるのか、、
厳顔「ほざくな小童!この戦い、勝てると思うておるのか!」
小蓮「知らないの厳顔?黒い空には、真っ赤な花が良く似合うんだよ♪ねえ、咲かせていいよね、、あんたの体に」
小蓮「だいたい、、、、
北門
獅堂「は、はっはっはっはああ!!」 ブンッ
関羽「なんだ、、狂ったか」 ガキンッ
獅堂「聞こえねえのか?奴が来た、来たんだよ。なあ、一蝶」
一蝶「ええ、そうですよ「っっ、寛項」、、また会いましたね、関羽」
獅堂「くっくっはは、さて見せてやろうぜ、一蝶。喰らって、中身引き摺り出してよ、、はは!」
一蝶「ええ、貴方の黒の鳳旗と私の灰の鳳旗、それがどういう意味を持つのかを、、」
関羽「貴様ら、二人ならば勝てるなどと思っているのか?我が青龍刀は貴様ら如きでは止められん!」
獅堂「それもいいが、、、、」
真桜「それに、気づかへんの?」
麗羽「それに、分かりませんの?」
小蓮「だいたい、分かんないかな?」
獅堂「それもいいが、分かんねえかなあ?」
「「「「此処に、一刀(様)(さん)は居ない。なら、何処に居るのかな?」」」」
趙雲「っっ、」
張飛「っっ、」
厳顔「っっ、」
関羽「っっ、、まさか」
「「「「桃香様(お姉ちゃん)!!」」」」
蜀本陣、近く
くっ、桃香様を守りに帰らねばいけないのに、、
黄忠「そこをどきなさい!馬超」
翆「嫌だね。ここは死んでも通さねえ」
黄忠「なぜ、母を殺した男を守るのです!貴方は親の仇を恨んで居ないのですか!」
翆「恨んでるさ、「なら、」でもそれじゃいけないんだよ。アイツは悪いけど、良い奴だったんだからな」
言っている意味が分かりません。悪なのに、善だとでも言うのですか。馬超
黄忠「馬超、今ならまだ間に合います。私達と一緒に桃香様の正義を成しましょう」
翆「劉備は間違ってる。自分の正義を他人に押し付けて。それが良いことだと思い込んでる」
黄忠「それは、鳳薦も同じでしょう。あれもまた、他人に己を押し付けている。だから貴方はここに居る。違いますか?」
翆「違うな、アイツは一度だって何かを押し付けたりしてねえ。ただ、そんなアイツだからこそ周りが魅入られてるだけだ」
黄忠「それこそ、魔王の所業だと気づかない訳じゃないでしょう」
翆「そうかもな。でも、アイツは劉備と違って、戦いに正義は語らない「っっ、」認めてんだよ。自分が醜いって、戦う奴はみんな、悪なんだって」
蜀 本陣
魏延「桃香様、お下がりを!」
魏延の瞳に映るは白き服を纏う男、桃香とは違う。愛されざる白き光
一刀「なんだ?悲しいな、そんなに邪険にしなくてもいいだろ」
なぜだ、なんで兵士に囲まれたこの状況で笑ってられる
困惑する魏延は己の武器を握りしめ、己が正義を守ることのみを考える
そうしなければ、殺される。なんだよ、この感情、どうして私はこいつがこんなに怖いんだ、、
劉備「鳳薦さん、、」
私の困惑を打ち消すように、桃香様の声が響く
一刀「なんだ?」
劉備「貴方は壊れています。貴方の黒天は、壊れています」
絞り出すような桃香様の声で、恐怖が緩んで行くのを感じる。桃香様、、////
蜀本陣 一刀
『貴方は壊れている。黒天は、壊れています』
なんだ、この感情は?怒るでもなく、嘆くでも無い、心の底が分からない、、
何故、そんなことを言うんだ?劉備
一刀「異なことを、我が黒天は壊れない。俺とお前、何が違うというのだ?俺とおまえは同じだぞ?」
劉備「違います!私はみんなの為に、正義の為に戦ってるんです。貴方とは、違います」
一刀「同じだ。平和を求め、救い、悩み、何かを成す為何かを切る。それ故に相容れない。なんと愚直、まさに戦いの真理だろ」
劉備「貴方は戦うんです。そういって、犠牲を顧みない。分かり合おうともしないじゃないですか」
一刀「俺とお前では、見るものも、聞こえるものも違う。ただそれだけのこと、何も大げさなことはないだろう。同じだよお前の正義も、俺の邪悪(大義)も」
劉備「違います。そんなものと、私の理想を一緒にしないでください!」
認められぬ、故に怒るか。分かりやすいな、だだそこまで違うと言われると違いを観つけたくもなる。
一刀「ああ、そうだな。あえて違いを挙げるとするならば、、在り方の問題か」
劉備「どういう意味ですか、、」
一刀「俺は迷わない。こんな所やあんな所で足を止め振り返り、自らの足跡を悔むことはしない。まして、たかが零れ落ちた涙に心奪われる無様など晒さない」
俺の言葉に、劉備は怒りを込めて睨んでくる
劉備「つまりそれは、犠牲も、民も、見ないってことなんじゃないですか」
なにを言うか、過ぎ去った思い出に浸ろうがなにも得られぬように
犠牲無くして手に出来る平和や理想ほど、欺瞞に満ちたもの無いだろう
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真恋姫無双夜の王第32話、
なんか、あんまり話が進んでません。