どもー、風だよー。
にっこり笑って人を斬る、微笑み三太郎とお兄さんは風の事を呼びます。
誰なんでしょう?
そういえばお兄さんといえば、最近桂花ちゃんと妙に仲がいいような気がします。
桂花ちゃんもところどころにデレを混ぜるようになりましたし。
この前お兄さんが言った、口だけっていうのは接吻のことでしょうかー。
それとも御奉仕なんかしてたりするのでしょうかー。
今度問い詰めて見ましょう。
桂花ちゃんを。
案外簡単に口を割りそうですし。
まあ、そのまえに連合を解体しちゃいましょー。
天候は晴れ。
朱里の心は雨。
「斥候の報告では本日の先鋒は袁紹軍、その後方に袁術軍だそうよ」
「これはまたとない好機ですねぇ~」
「あわわ、これで連合は木端微塵ですね」
「雛里ちゃんが怖い……」
「朱里ちゃん?」
「はわわ、なんでもないですぅ」
「あとは掌で踊るのみ」
「頑張ります!」
雛里曰く絶好の木端微塵日和である本日、軍師たちはこの戦いを終わらせるために動く。
「姫~、北郷軍が汜水関から出てきてます!」
「あら、本当ですわね。いさぎよく戦う気になったのですわね」
「おっしゃー、やっとまともに戦えるぜ!」
袁紹軍の前方、汜水関前には北郷軍が出陣していた。
「では、お二人ともやーっておしまい!」
「あらほらさっさー」
「本当に大丈夫なのかな……」
斗詩の憂いは現実のものとなる。
「これより、連合軍に総攻撃をかけます!」
亜莎の号令により兵の士気が高まるー。
愛紗や、鈴々は本来北郷軍ではないので亜莎が務めたのである。
「一刀様に仇為す敵を打ち滅ぼします! 全軍、突撃ー!」
『うおおおおおおおおおおおお!』
圧倒的に数の勝る北郷軍が徐々に袁紹軍を押していく。
このまま押し切られるかに見えた袁紹軍だが、後ろからの援軍――袁術軍のおかげでなんとか持ち直していた。
そのさらに後方に董卓軍と孫策軍が位置していた。
「勅命により、これより董卓軍、孫策軍は北郷軍に加勢する! 首謀者である袁紹、袁術を捉えたものには褒美を与える! 全軍、突撃ーーーー!」
『おおおおおおおおおおおおおおおお!』
軍師たちが月と雪蓮に送ったのは、玉璽の押された書、すなわち勅書であった。
いくら連合に与していようが勅命は絶対。
衰えたとはいえ、この大陸に生きる者には漢王朝はまだまだ逆らうことのできない存在。
こうして堂々と北郷軍に寝返ることが出来たのである。
軍師たちの狙いはこの戦いで、袁紹、袁術の二大勢力の力を削ぐこと。
お世辞にも良い政治をしているとはいえない二人を排除することによって一刀の理想に近づくことができるのである。
なぜ月と雪蓮を選んだかというと、領土的野心が少なく、民に慕われているという理由だった。
華琳は野心家であること見抜かれ除外されていた。
「どうしたものかしらね……」
連合の最後方にいた曹操軍は実質的な被害は皆無であった。
「袁紹、袁術が捕らわれれば連合軍は崩壊。それに名を連ねた者も恐らくなんらかの罰を与えられるでしょうね……」
「となると連合側に加勢しますか?」
「いえ、もう手遅れだわ。それに助けられたとしても我が軍の被害は少なく済まないわ」
「…………」
「やられたわね……」
唇を噛みしめる華琳。
何も言えない秋蘭。
今さら北郷軍に加勢しようにもすでに割って入る隙もない。
ただその光景を見つめることしかできなかった。
「刮目ぅぅぅぅぅぅぅぅ!」
亜莎が袁紹、袁術を捕獲し戦いは幕を閉じた。
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おまけによって全てを失った 俺の……
この俺の怒りだあ!!!