No.185262

真・恋姫無双 刀香譚 ~双天王記~ 最終話

狭乃 狼さん

長らくお待たせ(?)しました。

刀香譚、いよいよ最終話をお送りいたします。

正直言って、ここまでカオスになったこの作品、

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2010-11-18 16:47:44 投稿 / 全12ページ    総閲覧数:18904   閲覧ユーザー数:15298

 「……これで、何人目、だっけ?」

 

 「……さあ、ね。くそ、やっぱ、無理なのかな?」

 

 「弱音を吐くとは、らしくないじゃないか。……絶対に、あきらめない。そう言ったのは、お前だぞ、一刀」

 

 自身の斧を杖代わりに、どうにか立っているといった感じの華雄が、ふと弱音をこぼした一刀を叱咤する。

 

 ”ソイツ”の下にたどり着き、戦いを開始して、二刻も経っただろうか。一刀たちはこれまでに、何度もソイツの命を奪った。だが、

 

 「……君らもいい加減、諦めが悪いよね。……ま、ボク楽しいからいいけど♪アハハハハハ」

 

 ソイツは、倒れるたびに姿を変え、いまだ、そこに立っていた。……その顔に、一種無邪気とも言える、笑いを浮かべて。

 

 「チッ、本当に際限がないのか。……おい貂蝉、何か打つ手は無いのかよ?」

 

 「……残念だけど、私の漢女センサーでも、何も捉えられないわ。せめて、彼のシステムの一端でも見えないものかと、センサーフル稼働で探ってみたけど」

 

 「……駄目、か」

 

 「ええ。……ここにある、八つの生命反応しか、感じ取れなかったわ」

 

 その筋肉だるま――貂蝉が悔しそうに、そうつぶやく。

 

 「……なら、いったん逃げるという手は、どうでしょうか?」

 

 「……させてもらえるんなら、それもありだけど」

 

 「……おや残念。知らなかったかい?ラスボスからは逃げられないのさ。古今東西、どんなゲームでもそうだろ?」

 

 「ゲーム、ね。あなたにとっては、すべてが遊びってことなわけ」

 

 キッ、と。貂蝉がソイツをにらみつける。

 

 「そりゃそうさ。五神将も虎豹騎も、ボク、いや、ボクたちにとっては、ゲームのためのコマに過ぎない。そう、君らという登場人物に踊ってもらうための、ね」

 

 「……俺たちは、道化、って言うことか」

 

 「そういうことさ。ボクらにとっても、この外史を生み出したクリエイターにとっても、君らはただの道化。超高性能のA・Iを積んだ、ただのNPC。……そうじゃないかい?管理者ちゃん」

 

 「…………うふふ」

 

 「?……貂蝉?」

 

 「うふ、うふふふ。あはははははははは!」

 

 突然、狂ったように貂蝉が笑い出す。唖然とする一刀たちをよそに。

 

 「こら!貂蝉!!何でこの状況でそんな馬鹿笑いができるんだよ!」

 

 「どっかおかしくなったのか!?」

 

 大笑いを続ける貂蝉に、馬超と張飛が、当然の疑問をぶつける。

 

 「……だって、笑わずにいられないわよ。うふふ。……彼が、とんでもない、勘違いをしているんですもの」

 

 「な……に?」

 

 貂蝉の台詞に、本気でわからないという顔を向けるソイツ。

 

 

 

 「おい、貂蝉。それってそういうことだよ?」

 

 「……ねえ、ご主人様?私の肩書き、なんていったか覚えてる?」

 

 「?……たしか、時空管理局の、特別任務執行官、だっけ」

 

 貂蝉の質問の意図に疑問を持ちつつも、一刀はその問いに答える。

 

 「そ。せーかいよ♪さて、と。ねえ、貴方。もし仮に、貴方の言うとおり、この世界が、クリエイターによって創られたとしたら、その管理を担う部署がどこか、判るわよね?」

 

 「……!!まさか」

 

 「そう。私たち管理局が管理する外史には、大別して二つの区分があるわ。一つは、貴方の言った、クリエイター、つまり、”こんな外史を見てみたい”と願った、正史の住人によって生み出された外史を管理する、時空管理局・第一課。通称、事務局。そしてもう一つは」

 

 「……外史の生みの親が、クリエイター以外。つまり、”外史の住人”である場合の、担当局は」

 

 「そ。私の所属する管理局よん。何が言いたいのか、解ってもらえたかしら?」

 

 二人の会話に、一刀たちは完全に、置いてけぼりにされていた。だが無理も無いことである。二人の会話は、一刀たちの知識のはるか外を行っているのであるから。

 

 「……では、この世界は、この外史は、この外史に住まう者の願いで、生まれた外史だと?」

 

 「そーいうことよ。そして不思議なことに、そうやって生まれた外史の外史には、通常の転移では、誰も渡ることはできないの。唯一の例外は、私の着ているこの漢女スーツのみ。しかも」

 

 「……漢女スーツを着用して、当該外史に渡るためには、管理局でも極限られたものしか入室できない、最重要機密ブロック、通称・”漢女のお部屋”からしか出来ない……」

 

 ズルズルと。

 

 力なくその場に座り込むソイツ。

 

 「……なあ、貂蝉。さっきから、一体何の話をしているんだ?」

 

 「私たちにも、わかりやすーく、説明してくれると、嬉しいんだけどな」

 

 頭から煙でも噴出しそうな表情で、一刀と劉備が貂蝉に問いかける。

 

 「……一言で言えば、ね。彼もまた、正真正銘、この外史の住人だったということよ」

 

 『……は?』

 

 

 

 「ちょ、ちょっとまて!こいつが、俺たちと同じ、この世界の人間だって?」

 

 「それはいくらなんでも無理があろう。現に、コイツは何度死んでも、そのたびに蘇ってくるんだぞ?!それに、お前と話が通じるだけの知識は、一体どうやって手に入れたというんだ?!」

 

 華雄の疑問はもっともだった。

 

 「……その答えはね、多分、そこにいる人が知っているんじゃないの?……ねえ?禰衡ちゃん?」

 

 ごぼごぼっ、と。

 

 すぐ近くにあった、透明な筒の中にいる全裸の少女が、貂蝉の言葉にかすかな反応を示す。

 

 「な、何のことを言っている?!そいつは、私が造ったNO・五だ!ただ、今はサンプルとして眠っているに過ぎんやつだ!!」

 

 「……あからさまに怪しい」

 

 「まったくなのだ」

 

 「ぐ、うう、う」

 

 「おかしな話なのよね。最初に漢女センサーで感知した生命反応は八つ。でも、今この場にいるのは、劉備ちゃん、私以外に何人かしら?」

 

 「え?え~っと。お兄ちゃんに私でしょ。愛紗ちゃんに、蒼華さんに、鈴々ちゃん。翠ちゃんと恋ちゃん。それから」

 

 「……コイツ」

 

 指を折りながら、その場にいる面子を数えだす劉備。そして最後に、じ、と。ソイツを見やる呂布。

 

 「……あれ?筒の中の奴は?」

 

 『あ』

 

 「……」

 

 その食い違いに気づいた一刀たちと、唇をかみ締めて黙りこくるソイツ。

 

 「私の漢女スーツのセンサーはね、その外史の住人だけを、生物として認定して反応するのよ。……つまり」

 

 じろ。

 

 ごぼっ。

 

 向けられた貂蝉の視線に対し、筒の少女が再び反応を表す。まるで、動揺しているかのように。

 

 「そこにいる貴女こそが!本物の”仲達”!そして!次元犯罪者である元・時空管理局員こと、元・漢女候補者・禰衡!貴女よ!!」

 

 「おらああああ!!!」

 

 『!!』

 

 ガッシャーン!!

 

 

 

 馬超の一撃が、その筒を砕いた。あたりにその破片が飛び散り、中の液体が外へとあふれ出す。

 

 「……ふ、ふふふ。ふふふふふふふふふ。アハハハハハハハ!!!ばれちゃあしゃーない。……久しぶりね、貂蝉」

 

 くすくすと。

 

 その少女――禰衡は笑みをその顔に浮かべる。

 

 「……五年前、私と漢女継承者争いに敗れて以降、姿をくらました貴女が、これほどの犯罪を犯すような輩に成り下がっていたこと。それを知ったときにはホント、驚いたものよ。お師匠様も、めちゃくちゃ落ち込んでおられたわよ?」

 

 「ふん。……そう、落ち込んでたの。……ふふ、いい気味」

 

 「なんですって?」

 

 「ふん!……管理局秘蔵の、転移装置を使うためという目的があったとはいえ、そんな化け物スーツ一着のために、あんなくだらない修行をしていたかと思うと、思い出すだけで吐き気がするわ」

 

 バチバチと。

 

 放電現象でもおきかねないような、そんなにらみ合いを続ける貂蝉と禰衡。

 

 「おい、一体何がどうなってるんだ?」

 

 「も、私訳わかんない」

 

 完全に置いてけぼりの状況に加え、二人の会話の内容にも、全くついていけていない一刀たち。

 

 「この子はね、当時、私と同じ、時空管理局の一員だった子なのよ。能力も高く、何より、正義感のめっぽう強い子だったわ。私と一緒に、漢女道を極めんとしていた、良きライバルだったわ」

 

 「は、はあ……」

 

 「でもね。あるとき、お師匠様から、突然の破門を言い渡されたの。それからすぐに、この子は行方不明になったわ。さらに、この子の部屋の端末から、隠されたファイルが発見されたの。……兵器密売の、様々なデータがね」

 

 「……あれは完全に手落ちだったわ。データは全部消したと思っていたのに、わずかに残った残留ファイルから、私の裏の商売をすべて、調べ上げるとはね。……さすが、漢女道正統継承者」

 

 にやにやと。

 

 禰衡はその顔の笑顔を崩さず、そう吐き捨てた。

 

 「挙句の果てに、どうやったか知らないけど、漢女門、この世界に渡るための装置なんだけど、それを何らかの形で利用し、ここに渡ってきた。そして」

 

 「……そう。そこにいる、”この世界の私”を影武者にし、顔や体型まで変えて、計画を進めてきたってのに、すべてを台無しにしてくれちゃってからに」

 

 憎憎しそうに、その顔をゆがめて吐き捨てる禰衡。

 

 「……えっと。つまり、結局のところ、コイツが本物の仲達で、間違いないってことで、良い……のか?」

 

 少々ためらいがちに、一刀が貂蝉に問いかける。

 

 「ぶっちゃけ、そういうことよ。そして、おそらく、他次元の自分たちをつなげているのも、この子。もしくは、その装置のコア的なものを、この子が持っているということよ」

 

 「……チッ」

 

 貂蝉の言葉に、舌打ちで反応する禰衡。

 

 

 

 「……そして、こやつはわれらも謀っていたと言うことか」

 

 「!!師匠!!ご無事でし……た……か」

 

 一刀たちの背後から響いた声の主。それは呼廚泉であった。ただし、その体のあちこちを、金属製の内臓をあらわにして。

 

 「師匠!その体は」

 

 「……ふ。そう。俺もまた、ただの造られた”人形”に過ぎん。……最も、造ったのはコイツではないがな」

 

 「……籍を倒したか。ふふ、元の世界とは違って、生身で戦っているっていうのに、その戦闘力。……流石というべきかな?ダブ」

 

 「黙れ!!」

 

 「!?」

 

 「……今の俺は、ただの武人。そして、芽衣様を守る剣。それ以上でもなければ、それ以下でもない。過去など我には要らぬ!そして、剣たる俺がなすべきは、ただ一つっ!!」

 

 禰衡の言葉をさえぎり、呼廚泉は傷ついたその体で、斬関刀を構える。

 

 「わが名は呼廚泉!我こそは、芽衣様を守る剣なり!!一刀!!」

 

 「……はい!師匠!!はあーーーーっ!!」

 

 その呼廚泉の言葉に頷き、一刀もまた、気を高めて、自身の斬関刀を構えなおす。

 

 「ハッ!!死に底ないが一匹増えたところで、何が出来るものか!おい!何をいつまで惚けている!戦え!名もないまま歴史に埋もれるはずだったあんたに、力と知識を与えた自分を守るんだよ!!」

 

 禰衡が、呆然と立ち尽くしていたソイツに、そんな檄を飛ばす。その瞬間、

 

 「うがあああああああああああ!!!!!!!」

 

 ソイツが、一刀と呼廚泉をめがけて、一気に飛び掛った。

 

 「やらせないのだ!!みんな!お兄ちゃんたちを護るのだ!!」

 

 『応!!』

 

 張飛の掛け声とともに、一斉にソイツを押さえにかかる、関羽、馬超、呂布、華雄の四人。

 

 「一刀!!」

 

 「義兄上!!」

 

 「一刀!!」

 

 「一刀!!」

 

 「お義兄ちゃん!!」

 

 「一刀!!……やっちゃええええっっっ!!」

 

 「応!!往きましょう、師匠!今こそ!」

 

 「応!!共に、駆け抜けるとき!!はああああーーーー!!」

 

 劉備たちの声を背に受け、一刀と呼廚泉が、一気に駆け出す。

 

 

 

 「ふざけるでないよ!貴様らごとき羽虫どもに、黙ってやられるあたしじゃないよ!!」

 

 「黙れ!」

 

 「そして聞け!!」

 

 「?!」

 

 一刀と呼廚泉、その二人が、斬関刀を構えたまま、恒例の名乗りをあげて行く。

 

 「わが名は呼廚泉!」

 

 「わが名は劉翔!」

 

 『我らは!悪を断つ剣なり!!おおおおおっっっ!!』

 

 ダン!!

 

 一刀が天へと舞い上がり、呼廚泉はそのまま、まっすぐに禰衡へと突っ込む。そして―――、

 

 『斬関刀!一騎!!刀ーーーー閃ッッッッ!!!!!!!』

 

 「そ、そんな!こんな!こんな馬鹿なことが!天才のあたしが!原住民と、壊れた人形なんかにいい!!あ!ああーーーーーーーーーーーー!!」

 

 ザッシュウーーーッッッ!!

 

 禰衡の体は、天からの一刀の一撃と、地からの呼廚泉の一撃で、十文字に断ち切られた。

 

 「ふ……我らに」

 

 「……断てぬもの、無し!」

 

 

 

 ウィーム!ウィーム!ウィーム!

 

 「な!何だ!?」

 

 禰衡の断末魔の後、突然、室内に響くその音。

 

 「……まさか!」

 

 ダッと。呼廚泉が、コンソールへとあわてて駆け寄る。

 

 「師匠?」

 

 「……クッ!不覚だった……。奴め、自分の命と、船の反物質炉を連結させていた!もう、爆発する!」

 

 『うえっ!?』

 

 反物質炉。

 

 それが何なのかは、一刀たちには理解できなかった。だが、呼廚泉と貂蝉の表情を見れば、それが相当にやばいものだというのは、すぐさま理解することが出来た。

 

 「おい!何とか止めらん無いのかよ!」

 

 「……無理、だわ。もう、後五分しか、ないわ。……ロックを解除するにしても、到底間に合わない」

 

 「そんな!……やっと、やっと、終ったと思ったのに!」

 

 「……”それ”が爆発したら、どうなると?」

 

 「……大陸はおろか、世界そのものが、この外史そのものが、消滅するわ」

 

 「クッ!……何という置き土産をしてくれた」

 

 茫然自失。

 

 そんな言葉が、一刀たちの状況を、すべて物語っていた。

 

 「……管理者よ。外に、わが声を伝えられるか?」

  

 「出来ると思うけど、何をする気?」

 

 「……”外史の新生”」

 

 「!!……とんでもなく、分の悪い賭けよ?」

 

 「だが、それしか希望は、もはやあるまい。……一刀」

 

 「はい」

 

 師の、その決死の意思をその瞳に感じた一刀は、質問はあえてせず、返事のみを返す。

 

 「祈れ。お前たちもだ!次なる外史を!お前たちが望む、”新なる”、新たな世界を!」

 

 「ちょ、一体どういうことだよ!?」

 

 「外の者たちも聞こえるか!?良いか!これから世界は、新生の時を迎える!外史とは、人の想念によって生まれるもの!すなわち、お前たち”人”の想いにより、創り出すのだ!」

 

 「そう。……起きてしまった事は、いまさら変えようが無いわ。椀からこぼれた水を、再び椀に戻せないように。けれど」

 

 「……こぼれたのなら、もう一度、組みなおせば良い。……そういう事だね?」

 

 貂蝉と呼廚泉の意図を理解し、劉備が笑顔を向ける。

 

 「さあ!もう時間は無い!!詳しいことを説明する暇も無い!」

 

 「みんな祈って!一刀!愛紗ちゃん!鈴々ちゃん!恋ちゃん!翠ちゃん!蒼華さん!そして、外に居るみんな!もう一度!もう一度だけ!みんなでやり直そう!例え、すべてを忘れても!私たちはもう一度会える!この世界が、生まれたときのように!そう、”前の世界で願った”ように!!」

 

 劉備が叫ぶ。

 

 そう。

 

 以前にも、同じことを、自分たちはしたことがある、と。

 

 皆に告げるかのように。

 

 「劉備ちゃん……いえ、桃香ちゃん。記憶が、戻ったの?」

 

 「……ちょっとだけ、ですけど」

 

 「……桃香、お前」

 

 「……結局、今回も願いが叶わなかったけど、次は、必ず、叶えて見せるよ。……皆で、笑顔で居られる、そんな日々を、生み出すために」

 

 劉備は、一刀の瞳をじっと見つめる。そして、一刀もまた、劉備のその瞳を、見つめる。

 

 「……また、会えるよ、な?」

 

 「……うん、きっと。……ううん、絶対」

 

 「……約束、だぞ」

 

 「うん!約束」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                   そして、世界は、白い光に、包まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            

 

                  ~ エピローグ ~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「一刀ー!早くしないと遅刻だよー!」

 

 「おー!今行くー!」

 

 願いは、叶った。

 

 「もー。いつも起こしに行く身にもなってよね」

 

 「悪い悪い。今度こそ、寝坊しないようにするからさ」

 

 それを為したのは、想い。

 

 「その台詞、一体何回目かの?叔父上」

 

 「そうだな。正直、いい加減聞き飽きてるぞ?」

 

 想い。それは、幾重にも重なり、やがて、その姿を愛に変える。

 

 「にゃはは。お兄ちゃんてば、全く信用が無いのだー」

 

 「はは。……手厳しいね、みんな」

 

 そして愛は、力へと変わる。

 

 「あら?いつものことでしょう?」

 

 「そうね。一刀のだらしなさは、皆が知ってることだもの」

 

 そう、奇跡を起こし、世界を生み出す、力へと。

 

 「……いっけない!バスが出ちゃう!」

 

 「……遅刻、確定?」

 

 「いや!まだ間に合うはずだ!走るぞ!みんな!」

 

 ―――そう。

 

 奇跡は起き、世界は新生した。

 

 誰もが皆、笑顔で居られる、新たな世界が。

 

 「今日の当直って、白蓮先生だっけ?」

 

 「あと、紫苑先生もな。……って、んなこといってる場合じゃない!」

 

 「……おなか、すいた」

 

 「学校着くまで我慢!」

 

 皆が、笑顔で駆けていく。

 

 その先の、未来を信じて。

 

 「……ね、一刀?」

 

 「……?どうした、桃香?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

       

  

             ――これからも、ずーっと、一緒にいようね――

    

 

 

 

  

 

  

 

                                    

                                       ~了~

 

 

 

 と、いうわけで。

 

 

 『お疲れ様でした~!!』

 

 

 いやー、途中からどんどんおかしなほうに進んでったこのお話、

 

 どうにかこうにか、終了することが出来ました!

 

 これも一重に、こんな駄文作家の駄文に付き合ってくださった、

 

 ユーザーの皆さんの応援のおかげです!

 

 改めまして、お付き合いいただき、ありがとうございました。

 

 

 さて。

 

 

 この最終回の内容については、ここではあえて何もいいません。

 

 ですので、いつもどおりの率直なご感想、ご意見、

 

 楽しみに待たせていただきます。

 

 

 

 今後の活動予定ですが、

 

 

 とりあえず、北朝伝の改訂版の、第一話が、まもなく完成する予定です。

 

 ただ、肝心要のタイトルが決まっておりませんのです。

 

 北朝伝という文言を使うかどうかも、正直迷っております。 

 

 とりあえず(こればっかだな)、次回の投稿は未定ということで。

 

 

 北朝伝以外の短編なんかを、もしかしたら書くかもしれません。

 

 

 では、今後もすえなが~く、生あったかい目で、見守ってやってください。

 

 

 それではまた、次なる外史で、お会いしましょう。

 

 

 再見~!!

 

           


 
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