No.184657

軍師†無双 ~策がなかなか決まらない~ その7

超能力者が集まる科学の街、学園都市。


そこにレベル0の無能力者がいた。

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2010-11-15 01:54:51 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:10837   閲覧ユーザー数:8017

 

 

詠です。

 

 

今日も元気に軍師やってるわ。

 

 

こーきん……黄巾党が壊滅してから一月ほどが経ちました。

 

 

その恩賞としてボクたちの君主は荊州の牧に任命されたわ。

 

 

これも張角を討ち取ったおかげ。

 

 

本当は保護したんだけどね。

 

 

初めは断っていたあいつだけど皆の説得のおかげで何とか了承したわ。

 

 

なんであんなに気弱なのかしら。

 

 

それで張三姉妹のおかげで徴兵が円滑に進み、内政も順調に軌道に乗った。

 

 

自分で言うのも何だけど、この軍の軍師は優秀すぎると思う。

 

 

ボクも負けるつもりはないけどね。

 

 

「さて、今日も忙しくなるわ」

 

 

あいつを天下人にしてやるんだから。

 

 

 

 

「何進から召集がかかった?」

 

 

緊急に開かれた軍議。

その内容は漢の大将軍何進からの召集についてだった。

 

 

「ああ。簡潔に言うと、十常時を倒すから手を貸せ、とのことだ」

 

 

十常時とは朝廷を牛耳る宦官のことである。

 

 

ちなみに宦官とは一刀がなりたくない職業第一位である。

 

 

とういうより存在意義の消失に繋がる。

 

 

北郷一刀の消失。

 

 

「それにしても何進ってのはバカなのね。そんなことをしたら宮中が揉めていると教えているようなもの」

「桂花の言うとおり、これに乗じて天下を手中に収めんとする野心家たちも出てくるでしょう」

 

 

稟が眼鏡を手で直しながら淡々と答える。

 

 

「とうぜんお兄さんにも好機ということなのです」

「そうですね~。上手くいけば一刀さんが天下を得ることができますねぇ」

 

 

のんびりコンビは乗り気のようだ。

 

 

「しかし、どう転がるかは予測もつきません」

「朱里ちゃんの言うとおりです。でも、その不測の事態に備えるのも軍師の務めです」

 

 

臥竜鳳雛もめずらしくハキハキとしている。

 

 

「じゃ、じゃあとりあえず行ってみよっか」

 

 

とことん弱気な一刀だった。

 

 

 

 

「えっと誰がここに残ってくれるの?」

「朱里ちゃんです」

「雛里ちゃん!?」

「そっか。お願いね朱里」

「は、はわ、はわ、はわ」

 

 

荊州には雛里の策略により朱里が残ることになった。

その朱里は真っ白になっていたのだが。

 

 

そして兵站も整い、いざ洛陽に向かうことになった。

 

 

「朱里、お土産買ってくるね」

「はわわ、そんな恐れ多いです」

「じゃあいらないね」

「雛里ちゃんには言ってないよ!?」

 

 

そんなこんなで洛陽に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう日が暮れちゃったな」

 

 

数日かけて洛陽に辿り着いた一刀たち。

 

 

すでに日は暮れ、月が出ていた。

 

 

「とりあえず何進は明日尋ねるとして、今日は休もう」

「それもそうです。陣を張るのですぞ!」

 

 

ねねの指示により、天幕が設営されていく。

 

 

 

 

「起きろ北郷」

「ん~、冥琳?」

 

 

寝ているところを起こされた一刀。

目を開けるとそこには冥琳がいた。

 

 

「どうしたの?」

「洛陽の様子がおかしい」

「なんだって?」

 

 

一刀は天幕を出て、街の方へ目を向けた。

 

 

「遠目でよく分からないけど何だか騒がしいの分かる」

「何かあったのかもしれん。もうすぐ斥候が戻って来るからそのつもりでいろ」

「わかった」

 

 

そして斥候が戻って来た。

 

 

「霊帝がすでに死んでいたのか……」

 

 

斥候によると、ここに来るまでの間に霊帝は病死していたとのこと。

 

 

「はっ。そして大将軍何進が先程宮中に呼び出されたのことです」

「ならばこの騒ぎは宮中で起きたということか…………冥琳!」

「なんだ?」

 

 

一刀はあることを思い出した。

 

 

「多分、この騒ぎは何進が殺されたんだと思う」

「それは天の知識か?」

「ああ。それでこの後、何進の部下が十常時に襲いかかるはずだ。そして生き残った何人かが劉弁と劉協を連れて逃げ出す」

 

 

 

その話を聞いて、冥琳の頭は高速回転を始める。

 

 

「ならば我々のすることは一つだ。全員を起こせ! 我々は皇子を保護するぞ!」

「はっ!」

 

 

 

 

「どうやらこちらに来たようですね」

 

 

亜莎の正面から馬車が向かってくる。

 

 

「そこの馬車、止まりなさい!」

 

 

冥琳、穏、亜莎の三つの部隊に分け、十常時たちが逃げ出すであろう場所に待ち伏せしていたのである。

 

 

「どけ! どかぬか!」

 

 

しかし馬車は止まることなくこちらに走って来る。

 

 

「士、別れて三日、刮目して相待すべし。あなたたちには一度も会ったことはありませんが私は日々一刀様のために成長しているのです!」

 

 

亜莎は袖の中から針のような物を飛ばす。

 

 

「ぐわっ!」

 

 

男は馬車を操作していた男はそれを手にくらい、馬から転げ落ちた。

 

 

「神経毒ですのでしばらく身体の感覚が麻痺します」

 

 

そんなことより転げ落ちたので重症だった。

 

 

乗り手を失った馬は減速して、やがて止まった。

 

 

そして亜莎は兵たちと馬車を囲んだ。

 

 

 

 

「動くでない。動くとこの二人の命は保証できんぞ」

 

 

馬車から出て来たのは二人の子供と十常時の張譲という男だった。

 

 

張譲は小刀を子供に首に突きつけていた。

 

 

「包囲を解くのだ。さもなけば……な、か、身体が……」

「刮目して見よ」

 

 

張譲の額には亜莎の針が刺さっていた。

 

 

「く、くそ!」

 

 

張譲は小刀を落とし、その場に倒れた。

 

 

「取り押さえてください」

『はっ!』

 

 

こうして亜莎は無事に二人の皇子を助けることに成功した。

 

 

 

 

<おまけ>

 

 

「へぅ~。準備に手間取っちゃって遅れちゃった」

「ええやんか別に。ゆっくり行こうや」

「……………………のんびりが大事」

「あのような息苦しいところよりは野営のほうがよっぽどマシだがな」

「そうですね。それじゃあ今日はこの辺りに陣を張りましょう」

「張遼、稽古に付き合え」

「ええで華雄! やったるわ!」

「………………ご飯作る」

「はい。一緒に作りましょうね恋さん」

 

 

へぅ( ゚∀゚)o彡°


 
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