No.184407

真恋姫無双~愚者を守る忠義の者~ 第5話 軍神を穿つ

ちいたさん

投稿です。生暖かく見守ってください。

2010-11-14 00:54:05 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:11989   閲覧ユーザー数:9318

この作品は原作のキャラの性格が変化したり時代背景が変わったりします。またオリジナルな展開などもいれようと思っています。

なので原作好きの方また特定のキャラが好きな方はスルーしてください

 

愛紗「はぁぁぁぁぁ!!!」

一刀に真っ直ぐに向かって攻撃を仕掛ける愛紗。一刀は振り落とされた偃月刀を避ける。

愛紗「ちっ!!まだまだ!!」

攻撃をかわされた愛紗は止まることなく攻撃を繰り出していく。一刀は愛紗の斬撃を全てかわしていく。

  「……ふっ」

愛紗「なっ!!はや……」

一刀がそのまま愛紗の懐に入り、長刀を横に薙ぐ。一刀の一撃をギリギリ偃月刀で受け止める愛紗。

愛紗「くっ……お、重い」

一刀の一撃を受け止めて愛紗の端整な顔が歪む。そこで一刀は愛紗の横腹に膝を叩き込む。

愛紗「がぁっ……」

思わぬ攻撃に愛紗がうめき声を上げる。さらに一刀は愛紗に長刀を振り下ろし追撃をかけるが、かろうじてその一撃を避ける愛紗。

愛紗「はぁ……はぁ……ぐっ!!」

一刀と距離を取った愛紗であったがその場で膝をつく。よく見ると愛紗の右肩あたりが出血していた。

雛里「あ、愛紗さん!!」

愛紗「私は大丈夫だ!!…ただのかすり傷だ!!」

駆けつけようとする雛里を止めて、立ち上がる愛紗。

愛紗「はあぁぁぁぁぁ………」

立ち上がった愛紗は息をはき、集中力を高めて、自分の武器を強く握る。そして、目の前の一刀を見つめる。

 

  (……なるほど……さすがですね)

立ち上がった愛紗を見て、一刀は内心感嘆の声をあげていた。一刀は愛紗の身のこなしなどを見て、愛紗の実力を把握していた。

  「実に素晴らしいです……よく鍛錬されています」

愛紗「黙れ!!」

一刀は素直に賞賛の言葉を送ったのだが、愛紗はそれを侮辱と受け取り怒りの表情になる。

愛紗「行くぞ!!」

愛紗は一気に一刀との距離を詰めて、そのまま青龍偃月刀を振り下ろす。

  「……いい攻撃です」

愛紗「なっ!!」

攻撃を仕掛けた愛紗の顔が驚愕の表情になる。振り下ろした愛紗の偃月刀を一刀は左手で白刃取りをして止めた。

愛紗「くっ!!」

愛紗は何とか一刀と離れようとするが、掴まれた偃月刀はびくとも動かない。そこで一刀が愛紗の懐に入った。

  「……これで終わりです」

愛紗「えっ……」

そこで愛紗は自分の腹を見ると、そこには自分の腹に一刀の漆黒の刀身が突き刺さっていた。

愛紗「ごはっ……」

吐血をしてその場に崩れ落ちる愛紗。一刀は愛紗から冥天を抜いて、刀についた血を振って落とす。

雛里「いやぁぁぁぁぁ!!愛紗さん!!」

腹部から血を流す愛紗を見て、雛里が悲鳴をあげた。

 

愛紗「はあぁぁぁぁぁ!!」

地面に崩れ落ちそうになった愛紗は地面を強く踏みしめて青龍偃月刀を横に振る。一刀はその一撃を後ろに下がってかわす。

  「……その傷で動きますか」

愛紗「はぁ……はぁ……当たり前だ!!これしきのことで私は倒れん!!」

偃月刀の先を一刀に向ける愛紗だが顔色は悪かった。さらに、腹部を手で押さえているがそこから血が流れていた。

??「おらぁぁぁぁ!!!」

  「……っ!!」

背後に気配を感じた一刀が振り向くと翠が一刀に銀閃を振り下ろしてきた。一刀はその攻撃を横に動いて避ける。

愛紗「翠……?」

翠 「ああ……何とか間に合ったみたいだな」

蒲公英「たんぽぽも忘れないでね!!」

一刀の前に現れたのは翠と蒲公英達であった。一刀はそこで自分が包囲されていることに気づいた。

星 「これはずいぶんとやられたな…愛紗」

恋 「……愛紗……大丈夫」

愛紗「……すまない」

星 「なぁに…気にするなあとは我らに任せて愛紗は雛里の下に……」

愛紗「心配無用だ…私なら大丈夫だ…」

星 「……愛紗ならそう言うと思ったさ…まあ無理はするな」

愛紗「ああ……善処しよう」

愛紗の言葉を聞いて星は苦笑した。恋は一刀を殺意が込もった視線で睨んでいた。

  「迂闊でした……囲まれましたか」

自分の状況を確認してそう呟いた一刀。だがその表情が変わることはなかった。

紫苑「お久しぶりです…北郷さん」

一刀の目の前に紫苑と桔梗が姿を見せた。一刀自身も二人と最後に会ったのは随分前のことであった。

  「……そうですね」

桔梗「つもる話もあるが…儂らは別におまえと旧交を暖めに来たわけではない」

そう言って愛紗を見た後に、鋭い視線で一刀を睨む桔梗。

紫苑「投降してください……悪いようにはしません」

紫苑が一刀に投降するように呼びかけた。

  (……予想よりも速かったですね……どうやら劉備軍は私の予想以上でしたか…)

相手の戦力を分析しながら一刀は周辺に視線を移していき劉備軍の将達を見ていく。

 

  「答えは…否です」

紫苑「これ以上の争いを桃香様は望んでいません!!」

  「それはそちらの都合です。どんなに綺麗事を並べても、理想を掲げても劉備は所詮、侵略者です。そして、侵略者の手から益州とその民を守るのは私の役目です」

四面楚歌の状態で圧倒的不利であっても一刀は揺らぐことなくそう答えた。

星 「だが…劉璋もまた益州の民を苦しめているのではないのか?」

愛紗の応急処置を終えた星が立ち上がって一刀を見る。

翠 「それでそれを止めることをしない奴らもまた劉璋と同じじゃないのか?」

  「………そうですね。おそらく私も同罪でしょう。」

翠の言葉に同意する一刀。その言葉を聞いて紫苑達が驚いた顔をする。

紫苑「なら……」

  「……あなた達と議論をするつもりはありません……私を裁くのは益州の民や後世の人間に任せます……」

迷いなくそう言った一刀を見て、紫苑は説得が不可能と悟り、武器を構える。紫苑が構えるのを見て、他の者たちも武器を構えていく。

紫苑「いくらあなたでもこれだけの将に包囲されては勝ち目はありません!!」

一刀の四方を翠、星、恋、蒲公英の四人が囲んでいた。そこに弓の名手の紫苑と桔梗が控えていて、手負いだが愛紗もまだいた。全員が油断なく武器を構えて一刀を見ていた。

  「確かに…この包囲を抜けるのは厳しいですね」

己の置かれた状況に絶望するでも、悲観するでもなく一刀はそう呟いた。

  「しかし……不可能ではありません」

紫苑「なっ……」

次の瞬間、一刀の周辺の空気が陽炎のように揺れる。

 

一刀から発せられる殺気に全員が固まる。しかし、いち早く反応した恋が一刀に目掛けて攻撃を仕掛ける。

恋 「……行く」

  「はっ!!」

一刀と恋の互いの武器がぶつかる。ギリギリと音をたてて両者が鍔迫り合いをする。

翠 「こっちも忘れるなよ!!」

星 「行くぞ!!」

一刀と恋の鍔迫り合いを見て、翠と星はそのまま一刀に目掛けて攻撃を仕掛ける。一刀は鍔迫り合いから冥天に力を込めて恋を弾き飛ばし、そのまま振り向いて長刀を横に振り切る。

星 「なんと!!」

翠 「嘘だろ!!」

一刀の攻撃を武器で防いだ二人だが、攻撃の強さにそのまま後ろに下がる。一刀はそのまま蒲公英に目掛けて突進する。

紫苑「はっ!!」

桔梗「せいっ!!」

紫苑と桔梗がそれぞれ矢を放つが一刀はそれを全て剣で叩き落した。

蒲公英「やぁぁぁぁ!!」

自分に突っ込んでくる一刀に蒲公英は突きを放つ。一刀は冥天を地面にさして蒲公英も突きを受け止めた。さらに、一刀は突き刺した冥天を軸にして、回転して蒲公英に膝蹴りを叩き込んだ。

蒲公英「きゃあ!!」

翠 「たんぽぽ!!」

吹き飛ばされた蒲公英を翠が受け止めた。気づくと僅かの間に一刀は翠達の包囲から抜け出していた。そのあまりの手際に全員が息を呑んだ。

 

 

包囲を抜けた一刀は地面に刺していた冥天を抜き、鞘に収めて構えをとる。

星 「なんだ…その構えは」

星達は見たことのない一刀の構えに戸惑いの表情を浮かべる。一刀が取った構えは右足を前に出した抜刀の構えであった。

  「これで……終わりです」

一刀に莫大な氣が集まり、その身体が紫色の氣を纏う。

  「『冥道覇月』」

抜刀術から抜かれた冥天から紫色の巨大な氣の斬撃が放たれる。一刀から放たれた斬撃を星達に襲い掛かる。

 

後書き

お久しぶりです。今回は戦闘シーンでしたが相変わらずの文才のなさでなかなか上手に書きづらかったです。あとキャラの特性を掴むのが非常に難しかったです。

前回のコメントでこのベナ一刀がクールとの評価をいただきました。自分も思い描いているベナ一刀はクールでしたので非常に嬉しいです。皆様の閲覧、そしてコメント本当にありがとうございます。これからもコメント等待っています。ではみなさんまた

 

 

 


 
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