No.184358

孤高の御遣い Brave Fencer北郷伝9

Seigouさん






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2010-11-13 22:30:02 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:29717   閲覧ユーザー数:20576

霞「んふふふ~~~♪早くこーへんかな~~~♪か~~~ずと♪」

 

菖蒲「華雄さん、霞さんは勝てるのでしょうか?」

 

華雄「・・・・・十中八九勝てないだろうな」

 

菖蒲「それほどまでに・・・・・」

 

華雄「ああ、北郷は強い」

 

天水城内の中庭では霞が飛龍偃月刀を肩に担ぎ鼻歌を歌い、それを地面に座り見物している華雄と菖蒲の姿があった

 

???「あれ、皆さん何をしておられるのですか?」

 

???「こんな所に集まってどう・・・・・」

 

そこに二人組みの男が華雄と菖蒲の後ろにやってきた・・・・・・・・・・・・・のがいけなかった

 

菖蒲「きゃーーーーーーーーーー!!!」

 

ドカッッッ!!!

 

???「ごはっ!!!?」

 

菖蒲が後ろに立った男を振り向きざまに吹っ飛ばす

 

華雄「徐栄!!?じ、徐晃!!お前また!!?」

 

菖蒲「きゃーーーー!!!きゃーーーー!!!・・・・・はっ!?す、すみません!!大丈夫ですか!!?」

 

ブンブンと自分の武器である鬼斬を振り回す菖蒲

 

我に返ると吹っ飛ばした男に駆けつける

 

徐栄「い、いえ徐晃様の性格を知っていたのに、後ろに立った自分が悪いのです・・・・・」

 

そう、菖蒲は子供の頃、男の子にいじめられていてすっかり男性恐怖症になっていたのだ

 

克服しようと武芸を習ってみたもののやはり駄目だったのだ

 

今のように知らずに後ろに立たれると、無意識のうちに攻撃してしまうのである

 

華雄「ん?おお、張済もいたのか、これからちょっとした試合があるんだが、見ていくか?」

 

張済「張遼様が試合をなさるんですか!!?」

 

徐栄「げほっ!!他のやつらも呼んできていいですか?」

 

華雄「・・・・・まぁいいだろう、他のやつらにもいい刺激になる」

 

張済「はっ!!」

 

徐栄「はい!!」

 

そう返事をして二人は他の人達を呼びに行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霞「・・・・・にしても菖蒲、まだ男嫌い治らんのかいな?」

 

華雄「そうだな、除晃が我等の陣営に来て結構経っているというのに」

 

菖蒲「こればっかりは一朝一夕では治りませんよ~~!」

 

霞&華雄「「・・・・・はぁ」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから約10分後、中庭には噂を聞きつけた多くの武官や文官達のギャラリーが出来上がっていた

 

そこに、背中に金剛刀を背負い、腰に忠久を刺し、フランチェスカの制服を着た一刀がやってきてギャラリーがどよめきだした

 

張済「華雄様、あの者が董卓様を助けたという・・・・・」

 

華雄「ああ、最近噂になっている山賊狩りの北郷一刀だ」

 

徐栄「あの人が・・・・・」

 

二人は直感で一刀がかなり強いということを感じ取ったようだ

 

一刀「(なんでギャラリーがいるんだ?)」

 

見世物にされている様な気がしていた一刀だったが、こんなことになるのはある程度予想していたので気にしないようにした

 

そして

 

 

 

 

 

 

 

霞「ほわぁ~~、噂には聞いとったけどかなりでかいな~、その背中の獲物」

 

一刀「こいつは龍滅金剛刀って言ってな、俺の家に伝わる家宝の一つなんだ」

 

霞「へぇ~~、そいつで今まで何人の賊をぶった切ってきたんや?」

 

一刀「残念ながら、俺はこの金剛刀で人を斬ったことは一度もないんだ」

 

霞「・・・・・てことはなにか?一刀はその腰の方の小さい剣だけで今まで戦ってきたっちゅうんか?」

 

一刀「そうだよ」

 

霞はぶるぶると震えだした

 

霞「ええな♪ごっつええわ一刀♪ほなっ噂の山賊狩りの力、拝ませてもらおか♪」

 

一刀「そういえば、その山賊狩りってどれくらい有名なんだ?」

 

霞「一刀のこと知らないやつは一刀が行ったことのない州の人間くらいやと思うで、一刀がこの州の山賊狩ってくれたおかげでウチも仕事が楽やさかい♪」

 

一刀「・・・・・どういたしまして・・・・・」

 

一刀は、少し憂鬱そうにしながらも腰の忠久を抜いた

 

シャンという音ともに美術的価値の高い日本刀の刀身が露になった

 

霞「なんやえらい細い剣やな、そんなんじゃすぐに折れてまうんやないか?」

 

一刀「こいつは日本刀っていって、強度も切れ味も折り紙つきの代物だよ、ちなみに銘は忠久だ」

 

霞「そうなんか?」

 

一刀「俺が前居た所では、戦うための武器としてではなく、美術品としての価値の方が高いんだけど・・・・・大丈夫、こいつは実戦重視の日本刀だ」

 

霞「確かにそれなら、ウチらで言う宝剣・・・・・いや、それ以上の価値があるかもな・・・・・」

 

霞がその鏡のように洗練させた美しい刀身を見て言う

 

周りの者も忠久を見て思わず見惚れた

 

やはり、日本刀というのはいつの時代も人を引き付けて止まない魔力があるのだろう

 

一刀「おしゃべりが過ぎたな、そろそろ始めようか」

 

霞「ああせやな、ほな!だれか開始の合図出してや!」

 

張済「では僭越ながら私が」

 

二人の脇に張済が立つ

 

霞は飛龍偃月刀を下段に構え、一刀は忠久を肩に担いだ

 

 

 

 

 

 

張済「では・・・・・始め!!!」

 

霞「うおりゃああああああああ!!!」

 

霞は自慢の神速で一刀に斬り込んだ

 

一刀「ふっ!」

 

キイーーーーン!!

 

一刀は片手で持った忠久で霞の攻撃を受け流す

 

ガキーーーーーーーーン!!キイーーーーーーーーン!!ガガガガ!!カアーーーーーーン!!

 

カアーーーーーーーーン!!キイーーーーーーーン!!カアン!!キイーーーーーーーーン!!!!

 

互いの武器が擦れ合い火花が散る

 

そこから十数合打ち合って両者は離れた

 

霞「くうう、ええなええな♪ごっつええで一刀♪・・・・・それにしてもその剣なんで出来てんのや?ウチの飛龍偃月刀が所々刃毀れしてしもうてんで、それに打ち合っててめっちゃ違和感あんなぁ」

 

そう、霞の偃月刀は数合打ち合っただけで、刀身の部分が欠けてしまっていた

 

それに対して一刀の忠久は傷一つなく、元の美しさを保ち続けていた

 

さらに、霞の手は少し打ち合っただけだというのにすでにかなりの違和感があった

 

一刀「もちろん鉄で出来ている、でもこの日本刀というのはこの大陸で作られる剣とは作り方が全然違うんだ、手の違和感は日本刀独特のしなりというやつなんだろうね、それに俺は少々氣を扱うことが出来てね、その氣を忠久に流して、忠久にかかる負担を減らしているんだ」

 

霞「そうなんか~・・・・・って!?一刀って氣も使えるんか!?」

 

一刀「ああ、例えばこんな風に」

 

フオオオオオオオオオオオ

 

そう言った一刀から淡い光が溢れ出す

 

周りは驚きの声に満ちている

 

それはそうだろう、この広い大陸といえども殆どお目にかかれない氣の使い手が自分達の目の前にいるのだから

 

一刀「しっ!!」

 

次の瞬間一刀は縮地で霞の懐に飛び込んだ

 

霞「うわっ!!?」

 

ギイーーーーーーン!!!カアーーーーーーン!!!ガキイーーーーーーン!!!ギイーーーーーーーーーン!!!

 

霞「(くぅ、なんちゅう速さや!それに一撃一撃がめっちゃ重い!)」

 

いきなり防戦一方の霞

 

霞「くぅあ、こりゃたまらん!!」

 

斬り合いを嫌い後ろに飛ぶ霞

 

霞「一刀・・・・・何が少々や、めっちゃ使いこなしてんやん」

 

一刀「そうか?自分ではよく分らないけどなっ!!」

 

一刀はそのまま霞に斬りつけていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月「はぁ~~~~~////////」

 

詠「・・・・・なによこれ・・・・・」

 

華雄「なんと・・・・・」

 

菖蒲「綺麗・・・・・」

 

雫「一刀様//////]

 

恋「・・・・・・・・・・」

 

音々音「これは・・・・・なんと・・・・・」

 

 

周りの者達は目の前の試合を見て、まるで舞踏会でも見ているかのような錯覚を覚える

 

それほどまでに一刀の動きは、まるで舞いでも見ているかのように美しかったのだ

 

一刀の動きと彼の長い髪がなびく度に艶を引き立てていく、そこに忠久の美しさが咬み合い、さらに一刀の纏う氣がより一層芸術の領域へと押し上げていく

 

なんといってもその速さ、周りの者達は目で追うのがやっとだろう

 

そして

 

カアアアアアアアアアアアアアン!!!!

 

霞「あ!!」

 

ついに霞の手から飛龍偃月刀が弾かれ、忠久の切っ先が霞の喉に突き付けられる

 

一刀「・・・・・で?」

 

霞「・・・・・降参や」

 

張済「し、勝者、北郷一刀!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わあ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中庭は絶叫の嵐に包まれた

 

月「凄いです!霞さんに勝っちゃった!」

 

詠「どうやら本物みたいね・・・・・」

 

華雄「どうだ徐晃、勝てるか?」

 

菖蒲「・・・・・無理です・・・・・」

 

雫「凄い・・・・・」

 

恋「・・・・・・・・・・」

 

音々音「な、なかなかやるのです・・・・・・」

 

それからしばらく中庭の興奮は収まらなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霞「いや~~やられてもうたな~~♪こりゃ神速の名は返上せえへんといかんやろか♪」

 

一刀「そんなことはないよ、霞もなかなか速かった」

 

霞「またまた~謙遜しちゃいかんよ~~♪・・・・・それに一刀、本気やなかったんやろ?」

 

一刀「さて、どうかな?」

 

二人が和気藹々としていると

 

恋「次・・・・・恋とやる・・・・・」

 

恋が自身の武器、方天画戟を持って立ち上がる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シィ~~~~~~~~~~~~~~~~~~ン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中庭の空間が一気に静寂に包まれる

 

なぜなら、黄巾党3万を単身で止めた飛将軍呂布奉先の強さを知らない者は、董卓軍の中にはいなかったのだから

 

一刀「・・・・・恋か・・・・・分った・・・・・」

 

目の前に立つは三国志最強、天下無双の飛将軍

 

一目見ただけではこの可愛い女の子がそんな大英雄だなんて誰も思わないだろう

 

しかし、その存在は、乱世の奸雄と称される

 

こうして向き合っているだけでもビシビシとプレッシャーが伝わってくる

 

そして、両者は向かい合う

 

恋は方天画戟を肩に担ぎ左足を半歩踏み出して構える

 

一刀も忠久を正眼に構える

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月「どっちが勝つと思う?詠ちゃん?」

 

詠「正直分らないわね・・・・・」

 

霞「こりゃ見逃したら一生後悔するかも知れへんな・・・・・」

 

華雄「一瞬たりとも目が離せないな」

 

菖蒲「そうですね・・・・・」

 

雫「これは予測できませんね」

 

音々音「恋殿が負けるわけないのです~!」

 

周りの者達もどちらが勝つか賭けていたり『呂布様だろう』やら『彼も捨て難いぞ』といった声が聞こえてくる

 

そして試合が始まる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

張済「では・・・・・始め!!!」

 

一刀「はっ!!!」

 

一刀は、いきなり全身に氣を纏い縮地で恋に斬りかかった

 

恋「・・・・・ふっ!」

 

カアーーーーーン!!!キイーーーーーーーーン!!!ガキン!!キイン!!キイン!!ガガガガガガガ!!!!

 

数合打ち合いそこから鍔迫り合いにもっていく

 

しかし、徐々に恋が押していく

 

恋「・・・・・速いけど・・・・・軽い」

 

一刀「くっ!ならっ!!!」

 

ガッキイーーーーーーーーーーン!!!

 

鍔迫り合いでは勝てないと思い一刀は方天画戟を弾き一旦距離を取った

 

一刀「~~~~~~~っ・・・・・ふっ!!」

 

シュビビビビビビビビビビ!!!

 

そして、さらに全身に氣を張り巡らせ縮地を駆使し恋を翻弄しにかかる

 

周りの人間は一刀の姿を微かにしか捉えることができない、それほどまでに速い

 

しかし

 

ギイン!ガアン!バチッ!キイン!ガアン!ゴキン!カアン!キイン!ギイン!ガアン!

 

恋は、まるでどこから攻撃が来るか最初から知っているかのように一刀の攻撃を防いでいく

 

そして

 

恋「・・・・・ふっ!!」

 

ガッキイーーーーーーーーーーーーーーン!!!

 

一刀「ぐうお!!!??」

 

恋の方天画戟が一刀を捕らえた

 

ガキーーーーーン!!!キイーーーーーン!!!ガガガガ!!!カアーーーーーン!!!

 

カアーーーン!!!キイーーーーン!!!カアン!!!!キイーーーーン!!!!

 

一刀「ぐっ!!く!!」

 

そこから防戦一方になっていく一刀

 

一刀「(すげぇ、なんて重さだ)」

 

いくら氣によって負担を減らしているとはいえ、これ以上続ければ忠久といえど折れかねない

 

恋「・・・・・恋の攻撃・・・・・ここまで防いだ人・・・・・かずとが初めて」

 

ガアーーーーーーーーーーーーン!!!!!

 

一刀「ぐうぅああああ!!!」

 

恋の一撃で吹っ飛ばされる一刀

 

何とか着地したが手は痺れ、少し足に来ていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

音々音「やはり恋殿に勝てる者などいないのです~♪」

 

雫「やはり一刀様といえど・・・・・」

 

詠「相手が悪かったかしらね」

 

霞「・・・・・いや、まだわからんで」

 

月「霞さん、どういうことでしょうか?」

 

詠「もう勝負は見えているでしょ?」

 

霞「一刀はまだ、背中の獲物を抜いていないんやで」

 

月「・・・・・あ!」

 

詠「そういえば!」

 

菖蒲「まだ分らないということです」

 

霞「そういうこっちゃ♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全員が固唾を呑んで見守っている中

 

一刀「はぁ、はぁ、やっぱり恋は強いな・・・・・」

 

恋「・・・・・(フルフル)」

 

一刀「?」

 

恋「かずと・・・・・まだ背中の剣使っていない・・・・・」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

恋「・・・・・・・・・・」

 

両者は暫く互いの目を見て

 

一刀「・・・・・ふっ・・・・・あはははははははははは♪♪♪」

 

恋「???」

 

突然何がおかしいというのか、一刀が笑い出した

 

一刀「いや、違うんだ、嬉しいんだ・・・・・この世界に来て金剛刀を抜いたのは恋が初めてだ!」

 

そう言うと一刀は忠久を鞘に収め、左手でゆっくりと背中の龍滅金剛刀をこの世界に来て始めて抜いた

 

スラ~~~~~~~~~ン

 

金剛刀の表面は、まるで等身大の鏡かのように光を反射させる

 

峰の方は黒く、刃の部分は白い

 

それは例えるなら、黒真珠と白真珠をそのまま剣にしたような美しさだった

 

そして、金剛刀を正眼に構え恋と対峙する

 

恋「っ!?」

 

恋は一刀からすさまじいまでの氣を感じ戟を両手持ちにする

 

一刀「いくぞ・・・・・恋!」

 

ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!

 

恋「くっ!!」

 

ブワッッッッッッ!!!!

 

月「きゃあ!!?」

 

詠「な!!?なに!!?」

 

霞「くっ!!?」ビリビリ

 

華雄「うお!!?」

 

菖蒲「きゃあ!!?」

 

雫「うっ!!?」

 

音々音「どひゃーーーーー!!!?」

 

金剛刀と方天画戟がぶつかり合った衝撃が周りの者を襲う

 

霞はとっさに月と詠の前に立ったが衝撃を受け切れなかった

 

ギシギシギシギシ!!!

 

金剛刀の威力に恋の方天画戟が軋む

 

一刀「はあーーーーーーーーー!!!!」

 

ガキイーーーーーン!!!!カアーーーーーーン!!!!バチイイーーーーーーン!!!!バアアアーーーーーーン!!!!ガリガリガリガリ!!!!

 

そこから数合打ち合い両者はまた鍔迫り合いに持っていく

 

恋「っ!!・・・・・さっきよりも・・・・・ずっと重くなった」

 

一刀「~~~~~~っ!・・・・・これでやっと互角か・・・・・ふっ!!」

 

バッチイイイイイーーーーーーーーーーーーーン!!!!!

 

こんどは一刀が恋を吹っ飛ばす

 

恋「ん!」

 

地面に着地する恋

 

そこへ一刀が追撃をかける

 

一刀「しっ!!」

 

ギイン!!ガアン!!バチッ!!キイン!!ガアン!!ゴキン!!カアン!!キイン!!ギイン!!ガアン!!

 

さっきよりも鋭い縮地で恋を翻弄しにかかる一刀

 

恋「ん!!ふっ!!」

 

しかし、この攪乱攻撃を恋はまたしても防御する

 

恋の周りに火花が散る

 

恋「~~~~~~~っ!・・・・・ふっ!!」

 

自らの正面、何も無い空間に恋は方天画戟を突きこんだ

 

ガキーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!

 

一刀「うをおおお!!!?」

 

正面に突き出された方天画戟を一刀は龍滅金剛刀の腹で防御する

 

一刀「はああああああああああああああああ!!!!」

 

恋「ふっ!!!」

 

そこからまた打ち合いを始める一刀と恋

 

カアアアーーーーーン!!!!キイイイーーーーーン!!!!ガッキイーーーーーーン!!!!バチイイーーーーーーン!!!!

 

ガアーーーーーーーン!!!!ギギギギギギ!!!カアアーーーーーーーン!!!!ギャリイイイーーーーーーーーン!!!!

 

恋の方天画戟が猛る

 

一刀の龍滅金剛刀が輝く

 

しかし、二人は互いの目を見つめあい笑みを交し合っていた

 

一刀「(恋、俺は生まれて始めて、戦いを楽しいと感じているよ♪)」

 

恋「(恋も、凄く楽しい♪)」

 

二人は、戦いを通じて心を通わせていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月「・・・・・・・・・・」

 

詠「・・・・・・・・・・」

 

華雄「なんて、やつらだ・・・・・」

 

菖蒲「まるで夢でも見ているみたい・・・・・」

 

霞「これが、この世のてっぺんか・・・・・」

 

全員が目玉をひん剥いて戦いを見ていると

 

音々音「む~~~~~~」

 

雫「ねねさん、どうしたのですか?」

 

音々音「・・・・・悔しいですが、あいつを、一刀を認めてやるのです」

 

「!!!???」

 

全員が音々音の言葉に驚いていた

 

音々音は常に恋にべったりで恋を唯一無二の天下無双と思っていた

 

それは思想というよりも信仰に近かったのかもしれない

 

それを音々音自らが曲げたのだからなおさらである

 

雫「ど!!?どうしたんですか!!?急に!!?」

 

華雄「熱でもあるのか!!?」

 

音々音「そうじゃないのです!!・・・・・恋殿は今、凄く楽しそうなのです」

 

「・・・・・・・・・・」

 

全員が一刀と恋の試合に目を戻す

 

そこには楽しそうにお互いの武器を振るっている二人が居た

 

傍から見たら恋人同士がじゃれあっている様にも見える

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

恋「ふっ!!!はっ!!!」

 

ドカーーーーーーーーーン!!!!バチイイイイイイイイイイイイイン!!!!バキャーーーーーーーーーーーン!!!!

 

詠「っ!!?」

 

一刀「くあっ!!!しっ!!!」

 

ガキイイイイイイイーーーーーーーーーイイン!!!!ズバーーーーーーーーーーーン!!!!バキバキ!!!!ドスン!!!!

 

詠「ちょっ!!?」

 

二人の戦いは周りが見えなくなってきたのかドンドンエスカレートしていく

 

一刀「はぁ!はぁ!はぁ!はぁ!」

 

恋「はぁ!はぁ!はぁ!はぁ!」

 

ここまで全力で動いてきた二人は、お互いに体力の限界が近づいてきたようだった

 

一刀「はぁ、はぁ・・・・・恋、次で終わりにしようか」

 

恋「はぁ、はぁ・・・・・(コク)」

 

一刀は、龍滅金剛刀を蜻蛉で構える

 

恋も方天画戟を横薙ぎで構える

 

互いに自分の最高の一撃を放てる構えを取る

 

「・・・・・・・・・・・・・・・(ごくり)」

 

唾を飲んだのは誰だったのか

 

息をすることもできないほどの緊張が辺りを支配する

 

誰かの汗が頬を伝い・・・・・・・・落ちた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「はぁっ!!!!」

 

恋「ふっ!!!!」

 

ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!

 

二人が今までで一番激しくぶつかり合った

 

ゴウワッッッッッッッッ!!!!!

 

月「きゃあああ!!!?」

 

詠「うわわわわわ!!!?」

 

霞「くぅあ!!!?」

 

華雄「うおおお!!!??」

 

菖蒲「きゃーーーーーー!!!??」

 

雫「ううううううぅぅぅぅ!!!??」

 

音々音「おおおおーーーーーーーー!!!??」

 

徐栄「( ゚д゚)」

 

張済「(;゚ Д゚)」

 

ぴちょん

 

汗が地面に落ちた

 

今までで一番の衝撃波が自分達を襲いそれぞれが吹っ飛ばされないように踏ん張る

 

衝撃により巻き起こった砂塵が風によって払われていく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

恋「・・・・・・・・・・」

 

一刀の金剛刀は恋にかわされ地面に刺さっていた

 

そして、恋の方天画戟が一刀の腹にめり込んでいる・・・・・・・・・・・・・・・様に見えるが

 

一刀はとっさに右手で忠久を抜いて方天画戟を防ぎつつ、恋の鳩尾に忠久の柄を入れていた

 

恋「・・・・・・・・・・」(フラ)

 

一刀「恋!」

 

恋は方天画戟を落とし一刀にもたれかかるようにして倒れた

 

一刀は金剛刀を離し忠久を鞘に収めて恋を抱き止めた

 

恋「・・・・・かずとの・・・・・勝ち」

 

一刀「・・・・・これを勝ちというのかな?」

 

もしここが殺ったもの勝ちの戦場だったら結果はどうだったのか

 

そう考えると、とても勝った気持ちがしない

 

恋「・・・・・じゃあ引き分け」

 

一刀「そうしよう」

 

恋「・・・・・く~~~~~、く~~~~~~~~」

 

恋は眠ってしまった

 

一刀「・・・・・おやすみ、恋」

 

一刀は恋を抱き上げた(お姫様抱っこ)

 

それを見た音々音は

 

音々音「ちんきゅうキーーーーーーーーーーーーーーーク!!!」

 

一刀「うお!?」

 

恋を抱いたまま何とかそれを避ける一刀

 

一刀「いきなりなんだ!?」

 

音々音「それはこっちの台詞なのです、恋殿に何をしていやがるのですか!?」

 

一刀「俺はただ恋を部屋に運ぼうと思っただけだ!」

 

音々音「・・・・・わ、わかったです・・・・・でもお前が恋殿に変なことをしないように見張っているのです!」

 

一刀「するか!」

 

傍から見たらもはや漫才だろう

 

一刀「で?恋の部屋はどこにあるんだ?」

 

音々音「こ、こっちですぞ!」

 

一刀は音々音に恋の部屋に案内して貰った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月「夢でも見ていたのかな・・・・・」

 

詠「・・・・・・・・・・」

 

霞「いや~~~~~~、物凄い試合やったな♪」

 

華雄「わたしは生涯、この戦いを忘れまい」

 

菖蒲「わたしも感動しました・・・・・」

 

雫「凄かったです・・・・・」

 

徐栄「( ゚д゚)」

 

張済「(;゚ Д゚)」

 

一部思考が麻痺している人間が居るが、しばらくすれば元に戻るだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀が恋を寝台に寝かせて中庭に戻ってきたところで

 

詠「こら!!!一刀!!!」

 

一刀「わっ!!?な、なに?」

 

いきなり怒鳴られる一刀

 

詠「あんたこの状況どうしてくれるのよ!!?」

 

一刀「え?・・・・・うわっ!!」

 

一刀が周りを見渡すと、そこには荒れ果てた中庭と、ところどころ恋の方天画戟で穴が開き、一刀の龍滅金剛刀で切り崩された城壁があった

 

幸い巻き込まれて怪我をした人はいなかったが、それでもこの損害はかなりのものだ

 

一刀「あちゃ~~、周りが見えていなかったからな~~」

 

詠「どうしてくれるのよ?」

 

詠は一刀を睨みつける

 

すると一刀は

 

一刀「そうだ!ちょっと玉座の間で待っていてくれないか?」

 

詠「どうしてよ?」

 

一刀「俺もすぐそっちへ行くから」

 

詠は一刀の顔を睨んでいた

 

『まさか逃げるんじゃないだろうなこいつ』と思っていると

 

月「わかりました」

 

詠「月!?」

 

一刀「ありがとう、すぐに戻るから」

 

と言って駆け出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皆が玉座の間で待っているとすぐに一刀は入ってきた

 

 

 

一刀「お待たせ」

 

霞「なんや?その袋?」

 

雫「何が入っているんですか?」

 

二人が一刀の手に握られている袋が気になった

 

一刀「これだよ」

 

ジャラジャラジャラジャラ!!

 

一刀が袋の中身を机の上に出す

 

月「え!!?」

 

詠「な!!?」

 

霞「うそやろ!!?」

 

華雄「なに!!?」

 

菖蒲「これは!!?」

 

雫「こんなに・・・・・」

 

音々音「・・・・・・・・・・」(パクパク)

 

袋からは四次元ポケット顔負けというくらいのお金がじゃんじゃん出てきた

 

一刀「修理費は、これで足りないか?」

 

詠「足りないどころか十分おつりが来るわよ」

 

雫「ええ、これだけあれば新しく城壁を立て直すこともできます」

 

霞「一刀、こんな大金どうやって集めたんや?」

 

一刀「山賊狩りをしていた頃に賞金首を捕まえまくって、いつの間にかこんなに貯まってしまったんだ」

 

そう、この大陸の賞金首の約一割は一刀一人に独占されていたのだ

 

一刀が簡単に様々な州を行き来することが出来たのは、各関所にて通行税を軽く払えていたからという秘密があったのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして董卓陣営にしばらく厄介になることになった一刀

 

時代は嵐の前の静けさを刻んでいく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうもseigouです

 

何度もいいますがこの一刀はチートではありません

 

この恋との試合で一刀は一度も氣の斬撃を使っていません

 

それは何故かというと氣の斬撃を使うと一瞬忠久に込められた氣がゼロになってしまい普段の忠久の性能しか出せなくなってしまいます

 

そこを恋に突かれて忠久を折られるのを恐れたために一刀は氣の斬撃を使わなかったのです

 

さらに龍滅金剛刀には氣を込めることはできません

 

金剛刀はある種の妖刀で氣を込めることができないのです

 

しかし、強度は忠久の比ではなく象に踏まれても決して折れず、刃毀れもしません

 

金剛刀についても近いうちに説明文を付け足しますのであしからず

 

もう一度言います、この一刀は無敵でも何でもありません

 

蓋を開けてみるとこの一刀には様々な弱点がありますから

 

一刀を董卓陣営に入れましたがあくまで一時的にです

 

それでは次回までごきげんよう


 
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