ここは兗州、山陽の町
???「はーーーーーーーーーーーー!!!!」
ドカーーーーーーン!!
???「ちっ!次から次えと!・・・・・真桜!沙和!そっちはどうだ!!?」
沙和「不味いの凪ちゃーーん!東側の防柵が破られそうなのーーー!!」
真桜「なんやて!?あ~あかん!西の防柵も三つ目が破られそうや!!」
???「落ち着け三人とも、まだ全て破られたわけじゃない!!」
そう、この町は約7千の黄巾党の大群によって囲まれている状態であった
真桜「せやけど夏侯淵様、破られるのも時間の問題やで!」
沙和「そうなの~!」
???「すぐそこに曹操様が来ていらっしゃるという情報がある、だからしばらく持ちこたえれば、状況はすぐに良くなる!!」
この夏侯淵こと秋蘭は、曹操の命令を受け黄巾党の討伐に来ていた
しかし予想よりも多い黄巾党の数に籠城を強いられていた
その街で出会ったのが義勇軍を率いていた楽進、李典、于禁の3人である
真桜「拙いで!西の防柵が破られそうや!!」
凪「くっ!わたしがそっちに!」
沙和「凪ちゃん無茶なのー!凪ちゃんさっきからずっと動きっぱなしだからそのうち倒れちゃうのー!!」
凪「わかっている!だが早く何とかしないと!」
秋蘭「くっ・・・・・華琳様は間に合わないか・・・・・」
秋蘭の顔に陰りが見え始めたその時
ズバーーーーーーーーーーン!!ドカーーーーーーーーーーン!!
いきなり西の黄巾党が群がっているところが吹き飛んだ
凪「なに!!?」
真桜「なんや!!?」
沙和「なんなの!!?」
3人が驚いていると、秋蘭が引き連れて来た兵の一人がやってきた
「夏侯淵様!!」
秋蘭「どうした!?何があった!?」
「はい!それが、黄巾党の後ろから一人の男が現れて、黄巾党を蹴散らしています!!」
真桜「ひ、一人やて!?」
沙和「絶対無茶なの!?」
凪「くっ!誰だか知らないが助けに行くぞ、沙和、真桜!」
沙和「なの~~~!」
真桜「たくっ、無茶しすぎやで!?」
三人が西の門に向かったその時
秋蘭「3人とも今はまだ不味い!」
凪「ど、どうしてですか!?」
秋蘭「今打って出れば、奴らは東と北から一気に町内になだれ込んでくる!そうなればお終いだ!今はまだ耐えるんだ!!」
秋蘭もできれば打って出たいが、彼女も一人の将、自分の兵士達を死に至らしめるわけにはいかないのだ
凪「くっ・・・・・分かりました・・・・・それにしても・・・・・」
真桜「ん?どうしたんや、凪?」
凪「いや、遠目に見てもかなり凄い氣だなって」
沙和「あの黄巾党を吹き飛ばしているのって、全部氣なの~~!?」
秋蘭「分かるのか、楽進?」
凪「はい、私も氣を使いますので・・・・・しかしあの氣は、私の氣よりも遥かに大きくて強いものです」
秋蘭「・・・・・・・・・・」
秋蘭は自慢の視力でその氣を放っている者を見ようとしていた
一刀「・・・・・人数は・・・・・約7千と3百人って所か・・・・・」
狛煉に乗っている一刀は黄巾党の数を数えていた
一刀「北の方にも見えるな、三方向から攻められているのか・・・・・」
一刀は、狛煉を降りた
そして
一刀「ふぅ~~~~~~・・・・・しっ!!」
全身に氣を流し、縮地で黄巾党の中に飛び込んだ
「ん?後ろからなにか来るぞ!?皆、誰か攻め込んで・・・・・」
ズバーーーーーーーーーーン!!!ドカーーーーーーーーーン!!!
「「「「「ぎゃああああああああああああああ!!!!!」」」」」
その男を含めた周りの黄巾党は80人単位で吹き飛んだ
「っ!?なんだ!?」
「軍人か!?」
「・・・・・いや、こいつは!?」
「どうした?」
「あの背中の大剣・・・・・」
「っ!!例の山賊狩りか!?」
「各地で俺達の仲間を次々とやっているのはあいつか!?」
黄巾達は、ざわざわとざわめき始めた
一刀「悪いな、おっちゃん達の気持も分かるけど、おっちゃん達のやっていることを見過ごすこともできない・・・・・」
チャキ
一刀は忠久を構える
一刀「おっちゃん達に恨は無いが・・・・・すまないけど、死んでもらう・・・・・」
「うるせーーーー!!!そう簡単に死んでたまるかーーーーーーーー!!!!」
黄巾達は一斉に一刀に向かっていった
一刀「すまない・・・・・」
一刀は、縮地で黄巾達の後ろ側へ移動した
ブシュウウウウウウウウウウウウウウ
黄巾達は叫び声もあげずに急所から血を噴き出させ息絶えた
それを合図に周りの黄巾達が一気に向かってくるが、一刀は手に持っていた忠久に氣を込め黄巾達を斬り飛ばしていった
「こいつ、強いぞ!?」
「囲んでやっちまえ!!」
黄巾は、一刀を囲んできた
一刀「はっ!!」
一刀は、その場で高く飛び上がり忠久に氣を貯めると黄巾党に投げ付けた
ドカーーーーーーーーーーーーーーン!!!
「うぎゃーーーーーーー!!!?」
「ぐが・・ぐ!」
「うあああ!?!?!」
地面に突き刺さった衝撃で忠久に込められた氣が破裂し周りの黄巾党を吹き飛ばした
一刀「ふっ!しっ!」
着地した一刀は忠久を地面から引き抜き、次々と黄巾党を斬り飛ばしていく
一刀「(それにしても、金剛刀は本当に必要ないな)」
黄色党を斬りながら一刀はそんなことを思っていた
そう、一刀はこの世界に来てからというもの、実戦では一度も背中の金剛刀を抜いたことがないのだ
一刀「(・・・・・・・・・・)」
一刀は内心驚いていた
普段の自分ならこんなことは絶対思わないはずなのに
おそらくこの世界に来てからこれまで人を斬り続けてきたため、人を斬ることに抵抗がなくなり始め、もとの世界での感覚が麻痺してきてしまったのだろう
一刀「・・・・・・・・・・(ぶるっ!)」
一刀は、そんな自分に恐怖を抱いてしまった
しかし、それでも一刀は黄巾党を斬り続けるしかなかった
凪「・・・・・凄い」
真桜「これほんまに一人の人間がやってんのかいな?」
沙和「信じられないの~~」
秋蘭「・・・・・・・・・・」
町の城壁で事の経過を見ていた4人は目の前の光景が信じられなかった
時々閃光が走ったと思ったら、痛烈な叫びとともに黄巾党が50人単位で吹き飛び、時には叫び声も無しにばたばたと倒れていく
黄巾党は、大混乱に陥りその指揮は地に落ちていった
秋蘭「・・・・・今だ!今こそ打って出て反撃をするぞ!!」
機を見るに敏な秋蘭は三人に向かって叫んだ
真桜「お、おう!」
沙和「わ、わかったの!」
凪「・・・・・・・・・・」
沙和「凪ちゃん何やってるの!?」
真桜「ぼけっとすんな!凪!」
凪「あ、ああ!」
凪は見惚れていた、いや尊敬していたのだ
自分と同じ氣の使い手だというのに、自分とは明らかに次元の違うその者に
それから約半刻後(1時間後)
???「・・・・・これはどういうこと?」
???「桂花、確かにこの場所であっているわよね?」
桂花「はい、華琳様、伝令が言っていた事が本当ならこの場所で間違いないはずです」
???「だが、黄巾党などおらんではないか!」
華琳「落ち着きなさい春蘭・・・・・よく見てみなさい、戦いの跡があるわ・・・・・おそらく秋蘭達が追い払ったのでしょう」
桂花「そういうことになりますね・・・・・それにしてもあれだけの人数でよく追い払えたと思います」
春蘭「どうしましょうか、華琳様?」
華琳「そうね、まずは秋蘭の報告を聞くわ、みな、付いてきなさい!」
春蘭「はっ!」
桂花「御意!」
彼女達は、山陽の町に入った
華琳「秋蘭、無事でなによりだわ」
秋蘭「はい、私達は大丈夫です・・・・・街の者が負傷者は多数出ましたが死者は少数です、そしてこの三人が義勇軍を率いていた・・・・・」
凪「楽進と申します」
真桜「ウチは李典や」
沙和「沙和は于禁なの~」
華琳「わたしの名は、曹孟徳よ」
桂花「それにしても秋蘭、報告によれば黄巾党の数は7千人を超えていると聞いていたけど・・・・・」
華琳「そうね、あなた達どうやってここまで被害を抑えて黄巾党を追い払ったの?」
沙和「えっと、沙和達が戦ってる所にだれかが助けに来てくれたの~」
華琳「だれか?その者はここにはいないの?」
凪「はい、わたし達も探したのですがどこにもいませんでした」
華琳「へぇ~~~・・・・・」
華琳が興味深そうに聞いていると秋蘭が口を開いた
秋蘭「華琳様、その者の姿を見ましたが、見たことのない形の剣を振るって、背中に大きな大剣を背負っていました」
凪「え!?夏侯淵様はあの距離で見えたんですか!?」
秋蘭「ああ、私は目は良い方なのでな」
凪「・・・・・・・・・・」
凪が唖然としていると
桂花「華琳様、それはおそらく・・・・・」
華琳「ええ、噂の山賊狩りでしょうね」
春蘭「山賊狩り?なんですかそれは?」
秋蘭「姉者も聞いたことがあるだろう、背中に巨大な大剣を背負って各地の山賊を討っている者がいると」
春蘭「ん?そうだったか?」
春蘭は、華琳に関係のないことはすぐに忘れる性格である
秋蘭「それにその者の背負っていた大剣は姉者の七星餓狼よりも大きかったぞ」
春蘭「なに!?本当かそれは!?」
華琳「そう、それほどの武を持つものが、いまだにどこにも仕官せずにいるなんてね・・・・・」
華琳がしばらく考えているところに
凪「曹操様、お礼を言うのが遅れてしまいましたが、助けに来ていただいてありがとうございます!」
真桜「ほんま助かったわ!」
沙和「ありがとなの~!」
華琳「お礼はいいわ、私達は何もしてない、感謝は無意味よ」
凪「で、でも来て下さいましたし・・・・・」
凪はモジモジしながら言う
華琳「そう・・・・・ならあなた達3人、私に仕官しないかしら?部下になってその感謝を返してくれればいいわ、どうかしら?」
凪「自分は、かまいませんが・・・・・」
と言いつつ、凪は真桜と沙和の方を見た
真桜「ウチは別にええで」
沙和「沙和もいいの~」
凪「・・・・・(コク)」
凪は頷き返した
凪「聞いての通りです、曹操様これからよろしくお願いいたします!」
華琳「なら、私の真名を呼ぶことを許します、私の真名は華琳、以後そう呼びなさい、わたしの後ろにいる二人が、夏侯惇に軍師の荀彧よ、後城に許緒っていう子がいるけど後で紹介するわね、とりあえず、みな挨拶なさい」
春蘭「わたしの名は夏侯惇、真名は春蘭という、よろしく頼むぞ」
秋蘭「わたしの名は夏侯淵、真名は秋蘭という、こちらもよろしくたのむぞ」
桂花「名は荀彧、真名は桂花、呼びたきゃ呼んでいいわよ」
凪「自分は、凪と申します」
真桜「ウチは真桜いうんや、よろしゅう」
沙和「沙和は沙和なの~」
それぞれ自己紹介してるなかで、建物の影からその光景を見つめている者がいた
一刀「(・・・・・あれが・・・・・曹操・・・・・)」
一刀は戦いが終わった後、密かに町に侵入して怪我人を治していたのである
その途中で町に近づいてきた曹の旗を確認し、『まさか!』と思いここに来たのである
一刀「(なりは小さいのに何て存在感と覇気だ、まさに王の器だな・・・・・)」
一刀は華琳を一目見て、そう判断した
一刀「(・・・・・それに、あの子・・・・・)」
そして、一刀にはもう一人気になる者がいた
凪である
一刀「(・・・・・かなりの素質を持っているな)」
一刀は暫くその場で何かを考えていたが
一刀「・・・・・・・・・・(フルフル)」
二、三回首を横に振るとその場を立ち去った
凪「・・・・・ん?」
真桜「凪、どないしたん?」
沙和「どうしたの~?凪ちゃん?」
凪がふと空を見上げるとそこには一枚の白い羽が舞っていた
凪「いや、羽が・・・・・」
真桜も沙和もその羽を見るが
真桜「なんや~、ただの羽やん」
沙和「凪ちゃん変なの~」
凪「・・・・・・・・・・」
二人にそう言われるが凪はその羽から目が離せなかった
ヒューーーーーーーー
凪「あ・・・・・」
そして、その羽は風に吹かれどこかへ飛んでいってしまった
こんにちはseigouです
とうとう華琳が出てきました
天和達が全然出てきませんね
これから出そうかちょっと迷ったりしています
ここで一刀の氣の説明をしたいと思います
一刀の氣はもちろん無尽蔵ではありません
連続で使えるのはせいぜい2,3時間程度です
たまに氣の斬撃を使わずに攻撃しているのは氣を温存するためです
それではまたお会いしましょう
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