No.184087

恋姫ブラッド(仮?) その弐

Axelaさん

少し間を置いて作ってみました。
タタリは偉大です。カオスです。
メルブラで一番好きなキャラ(性格的に)はワラキアなのにラスボス的な存在のためおいそれと使えないのが痛い……。
そのうち七夜とかも出したいけどこいつも難しいんだよな……。

2010-11-12 17:26:42 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:2164   閲覧ユーザー数:1956

 

志貴「…………」

 

目の前に高価そうな椅子が一席。

眼鏡を外し、ナイフを死の線に差し込む。

無造作に線をなぞり、そして椅子はバラバラに崩れ落ちた。

 

志貴「……これが俺の目。直死の魔眼って言われてる能力です」

 

目の前にいるおば―――もとい孫策さんや幼じ―――もとい鳳統さん、おっぱいでか―――もとい劉備さん(この3人が何故か一番印象的だった……)、その他美少女たち、そしてどことなく俺に似ている感じのする北郷という男に分かりやすく説明した。

 

一刀「へぇ……すごいな。その力があればぶ厚い鉄も真っ二つじゃないのか?」

志貴「容易いもんですよ、そのくらい」

 

出会い頭で不死身の存在を一瞬にして十七分割できるくらいだ。

もっとも、彼女らが不死身を信じるかどうかは知らないが……。

 

一刀「あの黒球……が、遠野さんの言うタタリって言う……現象?」

志貴「志貴で構いませんよ北郷さん。……えぇ。で、俺が解体したのは……俺が昔守れなかった……友人です」

 

切れ切れに放った言葉が硬い言葉じゃなかったら嬉しい。

今更ながら自分でわざわざ傷を抉るような真似をする自分に自嘲気味になる。

 

志貴「俺は確かにタタリを斬った。だけど、アレは十中八九……タタリです」

 

窓の外の黒い塊を指差しそう呟いた瞬間、生唾を飲み込む音が室内にやけに大きく響いた。

中には肩を抱えて小刻みに震えている者さえいる。

 

志貴「まぁそれは一回俺たちが倒した存在だからいいんです。ですが……ここは一体どこですか?」

 

目の前の方々に自己紹介してもらい始めた時からの違和感。何故にみな三国武将の名を列挙する?

しかも魏・呉・蜀の全部揃って。三国時代を勝ち抜いたのって確か魏だったっけ?

 

一刀「えっと……、話せば長いんだが実はかくかくしかじかで……」

志貴「……うん!実に二次元的な妄想話をどうもありがとう!」

一刀「待ってくれ志貴!?その哀れむような眼差しを向けながら一歩退くのは結構俺の心が痛い!」

 

戦国の時代にんなハッピーエンドあるわけねーだろとか思ってしまった。

 

志貴「はぁ……分かった。吸血鬼に魔法使いがいる世界だし……そんなのもあるんだろうねきっとー」

一刀「目が果てしなく虚ろだし、発言がすげー投げやり!」

 

はぁ……どうして俺はこうおかしなもんによく絡まれるんだ……。

別に何か悪いことしたわけでも―――(思い当たる数々の暴挙)―――あれー何でだー?眩暈がするよー?

 

志貴「そんなわけで……タタリが目の前にいるのなら好都合ですんで、ちょっくらいってきます」

一刀「ちょっ……無理無理無理無理!何その近所のコンビニに夜食買いに行くようなノリは!?」

志貴「こういう厄介事は残念ながら日常茶飯事にめり込んでるんで……」

曹操「ちょっと待ちなさい」

 

今までずっと黙っていた比較的小さな曹操と名乗った少女が呼び止める。

 

曹操「……あなたは、一人で台風を殺せれる?」

志貴「へ?」

曹操「それと同じよ。あなたの話だと、タタリっていうのは現象なんでしょ?いくらその素敵な目があったとしてもそれは命とかそういう問題じゃない存在なのよ?どうするつもりなの?」

志貴「…………」

 

確か……あの時、タタリはズェピアというただの吸血鬼として存在していた。

アルクェイドが千年後の朱い月を空想具現化したから……。

 

志貴「俺一人じゃ……あいつを殺すのは無理……か」

曹操「まずは落ち着きなさい。あなたがアレを一度でも倒したことがあるなら勝算はあるんだから」

志貴「けど、奴は存在しているだけで脅威だ!不安に思った存在を具現化させる最悪の―――」

 

ガシャン!

 

と、柄にもなく熱くなりかけてた俺を静止するかのように何かの割れる音がした。

見ると、北郷さんが真っ青な顔をして何かトラウマを思い出したように見える……って、言った傍から何か来たのか!?

 

一刀「そ、総員退避ぃぃ~~!!今俺は変態筋肉だるまを想像しちまったー!!」

全員「「「「な、何だって――――――!?」」」」

志貴「聞いただけで不快になる名称だな……」

 

仕方なくナイフを構える。いちいちタタリを消し去るのも面倒だが放置しておくわけにもいかない。

まずはその変態筋肉だるまとかいう幻想をぶち殺そうか。

 

??「………うふん♪」

志貴「ッぎゃぁぁぁあああああ―――――!?変態筋肉だるまが目の前にドアップでぇ――――!!」

 

よりにもよってタタリが具象化したのは俺の目の前。うん、北郷さん。

 

こ れ は あ く む だ !!

 

俺の目の前には身の丈が2メートルにも及びかねない化け物がセクスィーポーズで立ちながらくねくねしていた。

常人なら胃の中のものをリバースしていただろう。俺も今喉元で氾濫を感じている。

 

志貴「うわぁぁあああ―――――!?」

 

初めてネロと対峙した時以上の戦慄に思わず一閃。が、焦りによって滑り出された一撃は虚しく空を裂く。

 

??「あらん♪ダーリンにそっくりのシュガーフェイス……♪しかも眼鏡装備……!」

志貴「ッぎゃぁぁああ!?なんかこっち来たぁぁあああ!?」

 

命の危機に思わず全力疾走。いつの間にやら北郷さんも十人十色の彼女たちも見当たらない。

逃げるんだったらムリヤリにでも俺も連れて行ってくれると助かった!

 

志貴「もしかして俺(貞操的な意味で)大ピンチ!?ダレカタスケテ―――!!」

??「んまってぇ~♪マイスウィートダーリーン♪」

 

変態筋肉だるまの手が後数センチ―――という心臓に悪い状況になり、ようやく救いが入った。

 

??「心祖ビィィィィイイイッム!!!!!!!」

 

違った。更にカオスなモノが加わった。

突如として降り注いだ光線が筋肉だるまを呑み込む。

あぁ、なるほど……神様。あんたは一生俺に救いの手を差し延べるつもりはないんですね……。

何故かそう強く確信した瞬間だった。

翠 「へぇ……あいつ、なかなかいい動きじゃん」

凪 「軽功……いや、素であの動き……なのか?」

一刀「すげぇ……ッ!アレから逃げ延びてないか志貴……!?」

 

偶然逃げた先(机の下)には翠と凪が隠れており、思い思いの言葉を述べている。

ちなみに結構狭かったりする。

 

翠 「あ、外した」

凪 「むぅ……惜しいな。筋はいいのだが……」

翠 「……ご主人様もあれくらい動けるようになったらなぁ」

凪 「無理だ。隊長は素質がない」(即答)

一刀「……分かってたけど君たちひどいね」

 

と、そうこうしている内に志貴は逃げの一手になっていた。あれでは追いつかれるのも時間の問題だろう。

が、助けようとは思えない小心者の自分だった。

 

一刀「あぁ……ヤバイッ!」

 

年貢の納め時か、確実に志貴の襟元に魔の手がのびる。

距離が縮まる気配はしないし、これは最早試合終了だろう。

と、いうときにやはり番狂わせが起きるのは定番らしい。

 

怪 光 線

 

極太のそれが貂蝉の大きな全身を呑みこんだ。

その一瞬の光景に呆気を取られつつ……一人の男として興奮すべきか……少し悩んだ。

いや、だって光線だぞ?光学兵器ですよ?

ドリルとジャバラと光学兵器にわくわくしない男子はこの世に存在しないんだぞ?

 

凪 「…………」(唖然)

翠 「…………」(呆然)

一刀「…………」(興奮)

 

三者三様の反応を見せる高そうな机下であった。

どこから現れたのかそこには珍妙な猫が一匹、化け物の上で妖しげな動きをしていた。

 

猫ア「にゃっふっふ~。ネ~コ~ミ~ミ~ニナ~レ~」

志貴「……やめてくれ。アレのネコミミ姿は無差別大量殺戮兵器だ……」

 

アレがそうなったら俺以上の殺人鬼と化すほどの威力を誇ることになるだろう。

というか、そもそもなんでこいつがここにいるのか誰か教えてくれ……。

 

猫ア「グレートキャッツビレッジがチャイニーズ小娘に侵略されて同胞たちに売られそうになったから死に物狂いで愛(目黒のサンマ)と美(目黒のサンマ)を求めて三千里」

志貴「わけがわからんし心を読むな」

猫ア「まーまー落ち着きたまへ灰色朴念仁。ところでネコ缶持ってない?」

志貴「あいにくそんなもの常備してない」

猫ア「キャットフードをウェルダンでお願いします」

志貴「話を聞け」

猫ア「ではさらばだ少年!この体は少年が見た幻想とか妄想とか悪夢とか、そういうもので出来ていたと思うがいいにゃー!」

 

しゅごー どっかーん しゅごごごごご

 

そう言って猫アルクはロケットの如く天上を突き破って空の彼方へと消えた。

結局何がしたいのかよくわからなかった。

 

志貴「……アレも悪夢なのか」

 

鼻腔をくすぐる不快な火薬のにおいに顔をしかめつつ安堵の溜息を漏らす。

何はともあれ助かった。主に貞操的に助かった気がする。

 

志貴「……ふぅ」

 

わけの分からない世界に一人。

アルクェイドも、シオンも、秋葉も、シエル先輩も、誰もいない。

唯一の知人と言えばワラキアの夜。俺とシオンが倒したはずの『現象』。

何故俺とワラキアがここにいるのかは分からない。

そして、ワラキアを倒すには……同じ条件ならば千年後の朱い月を呼び寄せなければいけない。

千年待つなんてのは選択肢に入っていない。アルクェイドがいなければ……奴は消せない。

 

志貴「……ッ!もどかしい……ッ!」

 

ナイフを痛いぐらいに握りこみながら吐き捨てる。

自分はここまで無力な存在だったか。たかが人間如きにびびる程度だったかよ遠野志貴!

吸血鬼を殺すなんて……お手のものだろう……?

翠 「しっかし……ほんとにやるなぁあの男。腕が鳴ってきちゃったよ」

凪 「ふむ……私も志貴殿とは一戦交えてみたいな……あの眼は脅威だが」

 

最大の脅威が去って尚、安全のためにいまだ机の下から出ようとしない俺たちは好き勝手に話し合っていた。

凪と翠は間近で志貴の戦闘を見て目の辺りが非常に燃えていた。

そんな様子を微笑ましく眺めていると袖をくいくいと引っ張られる。

桃香たちだろうかと振り向くとそこには見知らぬチビッコがおどおどしながら立っていた。

 

??「あ、……あの、……」

一刀「……?どうしたの?」

 

その喋るのが苦手そうな態度が雛里と重なりつい声に親しみがこもる。

すると相手も安心してくれたのかはっきりと言いなおしてくれた。

 

??「ね、……猫、知りませんか?」

一刀「猫?悪いけど知らな――――」

 

待った。アレも猫にカウントされるのか?

 

??「すっっっごく、変な猫さんなんだけど……」

 

おし。多分アレのことだろう。

 

一刀「さっき天上ぶっ壊して空の彼方に消えた猫が一匹いたけど」

??「あああ、もう!またひとさまに迷惑かけたんだ!」

 

途端に少女が憤慨したように地団太を踏む。

まだ幼い行動に一瞬頬が緩みかけたがむしろ引きつった。

地団太ではなく、震脚。木製とは言え分厚い床がへこんでヒビが入る。

 

一刀「ちょっ……ッ!?」

??「もぉー!もぉー!」

 

何度も何度も地団太を踏む。何度も何度も破壊音が聞こえる。そのたびに床に亀裂が入る。

 

一刀「ちょっ、まっ、お、落ち着いて!落ち着いてってば!」

??「もぉー……って、あれ?もしかしてあれお兄ちゃんじゃ……っ!?」

 

ぴたりと少女の破壊活動が休止する。

そしてきらきらと乙女の輝きを発しながら志貴をその双眸が捕らえる。

そして、何故かお約束のように見える、ダッシュ。

 

??「お兄ちゃ――――――ん!!」

 

お兄ちゃんという言葉にびくっとして志貴が振り向く。

刹那、志貴の鳩尾の辺りに少女の頭突きがモロ決まった……。

 

志貴「ぐぇっ!?」

 

とりあえず志貴の知り合いであることは分かった。

が、志貴の明日の行方は分からなかった。

なかなか色々な事が起こった今日の日が沈みかけていた。

はいお開きお開き~。

ばんざーい!ばんざーい!三個目書けたぞー!

 

代表・北郷一刀氏「いや、……お開きはいいんだけど……皆からご要望が……」

 

は?ご要望?

言っとくけどそんな聞いた憶えナイデスヨ?

コレ書いてるとき未だ見習いだからメールも見てないし。

 

一刀「そうじゃなくて……主に華琳たちが……」

 

あぁ恋姫メンバーの方々ですね?

然り然り。そろそろ来ると思ってた。

どうせアレでしょ?出番少ないとかっていうアレでしょ?

 

一刀「うわぁ~……お見通しでなんとなお放置っすか……」

 

そのことは自身で気づいてたからね~。

だいじょぶだいじょぶ種馬貴公子。

そうだにゃ~……次回予告のゲストとして凪っち呼んできて。

 

凪 「呼んだか?」

一刀「うわっ、早ッ!?」

 

というか実は舞台裏でスタンバッてもらってただけんだけどね。

さて凪さん。

 

凪 「何だ?」

 

……恋姫メンバーの中で唯一の徒手空拳……ミス凪っち。

 

凪 「……何故言い直す必要があった?」

 

次回は新しく登場してきたメルブラの彼女と一戦お願いします。

 

凪 「断る!」

一刀「えぇッ!?断んの!?」

凪 「得体の知れない光線を目から発射する人外とまともに戦えるわけがない!」

 

いやそっちじゃにーんだけど……。

でもさ~悪い話じゃないと思うよ~凪の姉御~?

他の濃ゆいメンバー押しのけて表舞台で堂々登場できるんですぜ~?

 

凪 「……猛虎蹴撃――――ッ!!!!」

 

げぶるぁぁぁああ!?

 

凪 「悪いが、そういう抜け駆けの話は好かない。他所を当たるといい」

 

スタスタ

 

一刀「あーぁ、行っちゃった」

 

ごふっ、さすが……凪っちだぜ…………。

だが、だがっ!作者のチカラを舐めるなよ!

いくら貴様が拒んでもこっちにゃ無理矢理書くっていう最終お―――

 

一刀「はいはい長話は積もるからもう帰れ」

 

えっ、ちょっ、待っ――――

 

一刀「ではさよぉなら~」

 

だから待っ―――――

 

 
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