No.183805

ヒナタクエスト

はすみんさん

「おとボク2」のサブキャラでは陽向が一番好きだったりします。香織理との掛け合いが好きなので、書いてみました。

2010-11-11 01:48:33 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2124   閲覧ユーザー数:1980

「ううっ~」

 

「ひなた、どうしたの?」

 

陽向が食堂のテーブルでいつもの様に、創作に煮詰まっていると

お風呂上りの優雨が話しかけてくる。

 

「ああ、優雨ちゃん、いいところに!」

 

「新作できたの?よませてー」

 

創造祭の脚本の一件から、陽向は新作が出来上がると優雨に一番に見せている。優雨はどんなジャンルでも的確にアドバイスをくれるので、陽向にとっては良きアドバイザーになっていた。

そして、今では優雨と創作についておしゃべりするのは、とても楽しい時間になっている。

 

「いやーそれがねー設定から詰まってるの…… 助けて優雨ちゃん!」

 

「ひなた、今度はどんなおはなし?」

 

「RPGみたいなアドベンチャーをと、流行ってるからね!私も乗り遅れる訳にはいけないの!」

 

なぜか闘志を燃やす陽向に、優雨が首を捻った。

 

「あーるぴーじー?」

 

「う~んと、冒険モノで、勇者がモンスターに囚われたお姫様を助けにいくお話とか」

 

「おもしろそうー」

 

「でしょ?でねーどんな人物設定にしようかなって。結構、この手の作品はあるから、ありきたりのじゃ面白くないし」

 

「う~んと、勇者はかおるこがいい」

 

「おおっー!」

 

陽向は思わず、声をあげる。これまでも身近な人物を密かに、自分の作品のモデルにしてきたが『勇者=薫子』ははまり役だ。

 

(さすが、優雨ちゃんやる~)

 

「じゃあ、やっぱりお姫様は、千早お姉さま?」

 

本来の趣旨とは多少ずれてるけど、調子に乗って陽向は続ける。

 

「ううん、ちはやはてんしさまー」

 

「そうきましたか!やっぱり、優雨ちゃんの中で千早お姉さまは天使なんですね。じゃあ

パーティに欠かせない魔法使いは?」

 

「はつねかな?」

 

「おお!ちょっと意外なチョイスかも。でも、みんなをまとめる役にはぴったりだね!ふむふむ、じゃあこんなお話はどう?妖精・ユウの守るお庭から世界の大事な宝物が盗まれて、それを取り戻す旅に勇者・カオルコ、従者・フミ、魔法使い・ハツネが旅立つの。そして色んな困難を乗り越えながら、ついに宝物を盗んだ魔女・カオリの城にたどり着いた3人は魔女カオリと対決するんだけど、魔女はとても強くて、カオルコ達は大ピンチ!」

 

「カオルコ、がんばれー」

 

思わず優雨も物語に引き込まれていく。

 

「魔女にやられそうになった、間一髪!そこで突然、光の中から天使・チハヤが現れてカオルコに伝説の剣を授けて、その剣で、カオルコは遂にカオリを倒して、世界の平和が戻ったのであったー」

 

「へ~、それでその魔女・カオリって、誰がモデルなのかしら?」

 

「もちろん、香織理お姉さまですよ~。あれだけ魔女が似合うお人は、なかなかいません!って、カオリオネエサマ…… いつからいらっしゃったのですか……」

 

ギョッとした顔で陽向がテーブルの向こう側を見ると、鬼の形相をした香織理の姿があった……

 

「カオルコたちが、旅立つあたりかしら?そんな事より、この話にあなたは出てないじゃない?

そうね、カジノで遊びほうけてるうちにパーティーから置いてかれた、阿呆の子の遊び人なんてどうかしら?」

 

「あは、お姉さま、今時遊び人が出てくるRPGなんて古いですよ!」

 

「ふーん、誰が古いっていうの?」

 

「いや、お姉さまのことじゃなくて、アイタタタッー!ウメボシはたりてますー簡便してー!」

 

そこへ、お風呂から上がった初音がやってきて、少し遠くで心配そうに2人の様子を眺めている優雨に声を掛ける。

 

「ふぁ~~、あら優雨ちゃん、早く寝なくちゃダメじゃない?」

 

「はつね、ひなただいじょうぶかな?」

 

「ふふっ、またやってるのですね。あの2人はあれが親愛の証って感じですからね、大丈夫ですよ。さぁ、湯冷めしないうちに寝ましょ、優雨ちゃん」

 

「うん、おやすみなさい、はつね、かおり、ひなた。ひなた、お話またきかせて?」

 

「まかせて、優雨ちゃん!では私もそろそろって、お姉さま、耳を引っ張らないで~」

 

「お待ちなさい、陽向!まだ、お説教が終わってないわよ?」

 

ヒナタの戦い?はまだはじまったばかりであった。


 
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