No.183608

孤高の御遣い Brave Fencer北郷伝2

Seigouさん






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2010-11-09 21:01:57 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:25295   閲覧ユーザー数:17377

あまり良くない夢を見た

 

いや悪夢だったと言っていい

 

闇が、ただただ限りなく深い闇が追ってくる

 

一刀「はぁ、はぁ、はぁっ」

 

俺は、力の限り走っている

 

少しでも数センチでもあの闇から遠ざかるために

 

???(ナゼコロシタ)

 

一刀「っ!?目の前で今にも殺されそうな人がいて、それを助けることの何が悪い!?」

 

俺は、半ば怒鳴りつけるように言う

 

???(カレラモ、カレラナリニイキルノニヒッシダッタ、ソレヲサバクケンリガオマエニアルトデモイウツモリカ)

 

一刀「そんなものない!でも、何の罪もない人が目の前で理不尽に殺されるのを黙って見ている方が、よっぽど人でなしだ!」

 

???(イイワケダナ)

 

一刀「なんとでもいえ!」

 

今思えばその声の主は、自分が殺した賊達のものだったのかもしれない

 

???(ナラバ、オマエニモバツヲアタエルヒツヨウガアリソウダナ)

 

一刀「なっ!?ぐっ・・・・・!?ぐあ~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わたしの名前は、舜琴(しゅんきん)真名は、時雨(しぐれ)

 

わたしは、村長に命じられてこの人の看病をしている

 

けど命じられるまでもなくこの人の看病をするつもりだった

 

だってこの人はこの村を救ってくれた

 

関係があるのか無関係なのか分からないけれど、救ってくれた

 

舜琴「(だからこの人を助けないと)」

 

私はふとこの人の寝顔を見た、すると

 

一刀「すぅ~~、すぅ~~~~~~」

 

舜琴「・・・・・//////////」

 

とても端正で綺麗な顔立ちであり思わず見惚れてしまった

 

彼が寝ているせいもあるのか余計に可愛く見えてくる

 

それは、つい昨日まで大勢の賊相手に大立ち回りを演じた人と同一人物とはとても思えなかった

 

実際、一刀の体つきは常人のそれとは比較にならないくらい強靭で柔軟性に優れているため綺麗で優しそうな顔つきとはかなりギャップがあった

 

そう思っているとそこに

 

少年「ねぇ、まだお兄ちゃん起きないのー?」

 

少女「おかあさーんお兄ちゃん起きたー?」

 

私の子供たちがお見舞いに来た

 

舜琴「こらこら、そんなに大きな声を出したらお兄ちゃんはゆっくり眠れないわよ、起きたら呼びに行くから向こうで遊んでらっしゃい」

 

少年「はーい!」

 

少女「うん!」

 

そう元気に返事をして子供たちは去って行った

 

その子達を見て私は確信した

 

舜琴「(これだけ人に心配されている人が元気にならないわけがないわ。)」

 

そう思っていると急に彼の顔が険しくなりドンドン青白くなり、手も震えはじめだした

 

舜琴「っ!?」

 

急いで彼の手を取ると私は驚いた

 

ひどく冷たいのだ

 

舜琴「(どうしよう、どうすれば?)」

 

オロオロ、ウロウロ

 

そこで私は無意識に一つの結論に行きつく

 

舜琴「・・・・・/////////////」

 

ヒトハダデアタタメル

 

舜琴「だ、だめよ!私には主人が!子供達が!で、でも早くしないとこの人が!」(アセアセ)

 

そんな自問自答していたが、私は覚悟を決めた

 

シュルシュル

 

服を脱いで下着だけの状態となった私は、彼の布団に潜り込んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「ぐっ!!ぐぅーーーーーーーーーーーーーー!!!!」

 

闇がどんどん一刀にまとわりついてくる

 

どんなにもがいても、蜘蛛の巣のように絡み付いてくる

 

一刀「(やめろ、やめてくれ、もう・・・・・)

 

心が折れるか折れないかの堺で必死にもがいていた

 

もう気力が尽きようとしていたその刹那

 

自分の体を温かい光が包み込んだ

 

一刀「あれ・・・・・?」

 

それまで自分に鬱陶しくまとわりついていた暗い闇がどんどん消えていったのだ

 

一刀「なんだか、暖かくて、気持ちいいな」

 

そうして一刀の意識は、ゆっくり覚醒していった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目を覚ますとそこは知らない天井だった

 

一見するとかなり古い、いやボロイ家だった

 

少なくともいい家ではない

 

さっきまで自分は嫌な夢を見ていた

 

確か昨日は、そう

 

見知らぬ土地にいきなり来て、制服を着ていて、なぜか実家にあるはずの二振りの刀があり、悲鳴が聞こえ、駆け出すと村が燃えていて、少なくとも千人のゴロツキが村を襲っていたんだ

 

そして

 

一刀「・・・・・俺は、そのゴロツキどもを・・・・・斬ったんだな・・・・・」

 

手に人斬った感触が生々しく残っているが、今の自分の状況を再確認する

 

一刀「・・・・・その後、俺は村に戻ってきて・・・・・そこから記憶がないな・・・・・」

 

自分がここに至る過程を順に思い出しながら少し体を動かしたその時

 

ムニュン

 

???「んぅ・・・・・」

 

一刀「・・・・・は?」

 

女の人「すぅ、すぅ」

 

一刀が顔を左に向けるとそこには、一瞬見ただけでもかなりの美人だとわかるほどの女性が下着姿で自分と同じ布団の中で眠っていた

 

一刀「(ちょっと待て、なんでこんな嬉し・・・・・もとい、悩ま・・・・・違う、天ご・・・・・無い無い・・・・・ダイナマイ・・・・・)」

 

かなり混乱している一刀は、何とか自分を落ち着かせるよう努力を傾ける

 

一刀「(落ち着け俺!素数を数えて落ち着くんだ!1,2,3,5,7,11,13,17,19よし!)」

 

え?何?1は素数じゃないって?ふっ気にしたら負けだ

 

一刀が脳内でそんなことをのたまっていると

 

舜琴「ん、んぅ・・・・・」

 

女性が目を覚ました

 

一刀達は目と目が合った

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

舜琴「・・・・・・・・・・」

 

もちろんその後に待っているお約束は

 

舜琴「キャむぐっ!?」

 

そうはならなかった、いや、させなかった

 

舜琴「むぐぅ~むぐぅ~~~~!!」

 

当然女性は暴れる

 

一刀「落ち着いて、なんで君が俺の横で寝ていたの?」

 

一刀はなるべく優しく語りかける

 

舜琴「むっ・・・・・/////////////」

 

え?なんでそこで赤くなるの?

 

一刀「とにかく落ち着きました?」

 

舜琴「(コクコク)/////////」

 

俺は女性の口から手を離す

 

一刀「とにかく服を着てください/////」

 

舜琴「は、はい////////」

 

こうして一刀の波乱万丈の日々は幕を開けたのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

村長「おお!起きなすったか!村を救ってくれた・・・・・なぜ、二人ともそんなに赤くなっておるのじゃ?」

 

一刀「・・・・・なんでもありません////////」

 

時雨「・・・・・何でもないです////////」

 

一刀は、舜琴に案内されてこの村の村長の所へ来ていた

 

しかし、今朝あんなことがあったせいで案内されている間でも、死ぬほど気まずかったのだった

 

それと同時に案内されている間、一刀はこの村の風景を見た

 

どう考えても現代日本の風景ではないのだ

 

そう、考えられるのは中国の風景

 

最初は、何の冗談かと思っていたが、現実を見れば見るほどその現実を突き付けられるだけであった

 

村長「???・・・・・まあいいじゃろう、ところで旅の者、おぬしの名前なんじゃが・・・・・」

 

一刀「え?ああ、俺の名前は北郷一刀です」

 

村長「姓が北、名が郷、字が一刀であっておるかの?」

 

一刀「?・・・・・いいえ、姓が北郷で、名が一刀、字っていうのはありません」

 

村長「字が無い?・・・・・珍しい名前の上に字が無いとはこれまた珍しいのう」

 

村長が一人で頷いていると、一刀の隣の舜琴さんが一言

 

舜琴「・・・・・あの、すみません」

 

一刀「はい?」

 

舜琴「もしかして、真名も無いのですか?」

 

一刀「え?真名って何ですか?」

 

そこで一刀は舜琴から聞いたことのない風習を知ることになる

 

真名とはその人にとっての生き様そのものでとても神聖なものであり、家族や親しいもの以外は、その人の許しなしには決して呼んではいけなく、許可なく呼んだ場合、人によっては問答無用で斬られることもあるという

 

一刀「なるほど、そんな風習があるんですか」

 

舜琴「ええ、ですから北郷さんも他の人の名前を呼ぶ時は、気を付けてくださいね」

 

一刀「はい・・・・・あ!」

 

そこで一刀は重要なことに気付いた

 

一刀「あの一つ聞きたいのですが?」

 

村長「なんですかな?」

 

一刀「ここはどこなんですか?」

 

村長「?・・・・・質問の意味が分からんが」

 

一刀「つまり、地理的な意味で」

 

村長「ここは、荊州の江夏群にある村ですじゃ」

 

一刀「・・・・・ということは、やっぱりここは中国なんですか?」

 

村長「チュウゴク?・・・・・はて、そんな国名は聞いたことが無いのじゃが、時雨、おぬしは聞いたことがあるかの?」

 

舜琴「いいえ、ありません」

 

三人とも頭に?のマークを浮かべていると

 

舜琴「では、北郷さんの出身は何処なんですか?」

 

一刀「日本の東京の浅草です」

 

村長「ニホン?、トウキョウ?、アサクサ?、聞いたことが無いのう」

 

舜琴「私も聞いたことがありません」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

一刀は唖然とした、日本は世界的にもかなり有名な国のはずなのに

 

一刀「じゃあ、アメリカとかイギリスとかフランスは?」

 

村長「・・・・・全く知らん」

 

舜琴「・・・・・はい」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

こんな有名な国々を知らないなんてあり得るのか、と思っていると、一刀の中である仮説が浮かび上がってきた

 

一刀「・・・・・あの、今は西暦2010年ですよね?」

 

村長「セイレキとは聞いたことが無いが、今は漢王朝の時代じゃぞ」

 

一刀「・・・・・は?」

 

一瞬、頭の中が真っ白になった

 

一刀「ということは・・・・・今の皇帝は・・・・・」

 

舜琴「はい、霊帝様です」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

たぶん今の自分の顔は顔面蒼白になっているんだろう

 

舜琴「だ、大丈夫ですか北郷さん!?」

 

一刀「大丈夫です及川」

 

舜琴「?」

 

全然大丈夫じゃなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4半刻後(約三十分後)ようやく落ち着いた一刀

 

一刀「すみません、俺の服と刀・・・・・いや、二本の剣を知りませんか?」

 

話を再開した

 

村長「ああ、あれなら大事に預かっておりますぞ、ほれもってこい」

 

村長さんは舜琴にフランチェスカの制服と忠久、金剛刀を出すように命じた

 

舜琴「はいどうぞ、服は血が沢山付いていましたので洗っておきましたから」

 

一刀「ありがとうございます」

 

村長「それにしてもこの服は見たことがないですのう、もしかして北郷殿はどこかの貴族様であらせられますかの?」

 

一刀「いいえ、俺は貴族でも何でもないですよ」

 

舜琴「でも、この素材は見たことがありませんよ」

 

一刀「そりゃそうですよ、ポリエステルなんて素材は聞いたことが無いでしょう?」

 

舜琴「え?ポリ・・・・・」

 

村長「ホリエスタル?」

 

一刀「・・・・・まぁ要するに、皆知らない素材だということです」

 

一刀は説明するのが面倒になって、半ば投げだし気味に話しを切った

 

舜琴「それにしてもこの大きい剣、すごく重いですね、村の男の人が二人掛かりで持ってきましたよ」

 

一刀「ええ、この剣を扱うことは、一朝一夕ではできません」

 

一刀はそう言って、片手で金剛刀をヒュンヒュンと振り回しながら背中に収め忠久も腰に収めた

 

村長「ほぉ~~~~~~~」

 

舜琴「・・・・・・・・・・」(ぽか~~~ん)

 

二人は、感心すると同時に茫然としていた

 

そりゃそうだ大の大人が二人掛かりでここまで運んできた刀を片手で苦も無く振り回しているのだから

 

村長「・・・・・ところで北郷殿!」

 

一刀「わ!?」

 

突然大声で呼び掛けられ一刀は少し驚いた

 

村長「北郷殿は、これから行くあてはありますかな?」

 

一刀「いや、あてどころか自分がどこにいるのかもわかりませんね」

 

村長「では、しばらくこの村にご滞在しませんかの?知っているとは思いますが、この村は最近よく現れる賊にてこずっていまして、最初のうちは何とか追い返していたのですが、数が増えてきてワシらだけでは撃退できなくなってきてしまったのですじゃ!」

 

一刀は、村長の言いたいことを理解した

 

一刀「つまり、俺に村の用心棒をしろ、というんですね」

 

村長「理解が早くて助かりますじゃ!」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

一刀としてもありがたい申し出だ

 

この国の地理を全くといっていいほど理解していない一刀にとっては

 

一刀「・・・・・わかりました、その申し出を受けましょう」

 

村長「ありがたい、では「ただし!」・・・・・?」

 

一刀は、失礼と分かっていながらも村長の言葉を遮った

 

一刀「俺は、いつまでもこの村にいられるわけではないと思いますので、村を自分達で守れるようになるように、村人達に訓練を受けて貰います」

 

村長「おお、それはますますありがたい!こちらからお願いしたいくらいですじゃ!」

 

舜琴「それでは、村の人達にご紹介しましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

村長と舜琴に村人達に紹介された後、一刀は村人の比較的若い人達に武芸を教え始めた

 

いきなり北郷流を教えるわけにも行かないので、日本の剣術の中でもシンプルイズベストの極みである示現流を教えた

 

木の棒で木を袈裟切、逆袈裟に叩きまくるあれである

 

その他にも日ごろの鍛錬の成果や陣形などを賊相手に試していた

 

そんな日々を繰り返しているうちに、一刀はこの世界の文字が読めないという致命的なことに気が付いた

 

これから生活していくうえで文字の読み書きは絶対必須である

 

一刀は、舜琴にそのことを相談することにした

 

 

 

 

 

 

一刀「舜琴さん、ちょっと相談があるんですが・・・・・」

 

時雨「時雨でいいですよ」

 

一刀「え?でも、真名って大切なものなんじゃ?」

 

時雨「はい、一刀さんは信頼できる人だって分かっていますから」

 

一刀「・・・・・わかりました、時雨さん、俺のことも一刀って呼んで下さい」

 

時雨「はい♪一刀さん♪」

 

どうやら時雨の父は江夏の城で文官をしていたことがあり、時雨も自分の父から文字の読み書きを教わっていたらしい

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、一刀は訓練や時雨の仕事の合間に文字を教わった

 

しかし、一日にかなり短い間だというのに一刀は約1月半で大概の文字は読み書きができるようになってしまったのだ

 

これには時雨も

 

時雨「こんな短期間でここまで読み書きができるようになるなんて凄いです!!」

 

と、一刀を褒めた

 

その他にも一刀にとって、いやこの村にとって嬉しい誤算があった

 

それは、この村にはかなり腕のいい職人さんや技術者さんがいたことだ

 

一刀はこれらの人達に日本の和紙の量産機を造ってもらった

 

もちろんN○K教○テ○ビで見た程度の知識だったので完全な再現はできなかった

 

しかしそれでも、紙というのはこの時代では高級品である

 

村に来る商人の数はこの数ヶ月で倍化し、村は貴重な現金収入を得ることができるようになったのである

 

もともとこの村は森に囲まれていて紙の原料には困らず、大量生産が可能だったのだ

 

これには、村長さんは諸手を上げて喜んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、とうとう旅立ちの朝がやってきた

 

一刀「皆さん、お世話になりました!」

 

一刀は村の人達に深く頭を下げた

 

ちなみに今の一刀の格好はこの世界の一般的な服装に灰色の外套を纏っている

 

フランチェスカの制服はこの世界では目立ちすぎるので、荷物の中に入れているのだ

 

村長「何を言うのです、一刀殿!あなたのおかげでこの村はちょっと前までは考えられないほど豊かになったのですぞ!お礼を言いたいのはむしろこっちですじゃ!」

 

一刀「それはこの村にいい職人さんや技術者さん達がいたからですよ、俺はその人達に知っていたことを教えただけですから」

 

村長「本当にあなたは謙遜しなさる、少しくらいは自分の手柄にしても罰は当たりませんぞ」

 

そんな会話をしていると

 

村人達「「「「北郷隊長ーーーーーーー!!!」」」」

 

一刀「うわお!?」

 

村人達「俺達、隊長のおかげでこんなに強くなれました!本当にありがとうございました!」

 

一刀「おう!鍛錬を怠るとすぐに体は鈍ってしまうからな、これからも続けていくんだぞ!」

 

村人達「「「「はい!!!」」」」

 

実は、村人たちはこの数ヶ月、一刀が前線に出なくても千人くらいの賊なら百人くらいで殆ど被害を出さずに撃退できるようになっていたのである

 

そして

 

村娘達「「「「一刀様ーーーーーー!!!行かないでーーーーーーー!!!」」」」

 

驚くべきことにこの村の殆どの女性が一刀のことを好きになってしまっていたのである

 

一刀「すみません、そういうわけにもいかないんです・・・・・・」

 

村娘達「「「「・・・・・・・・・・」」」」(しょぼ~~~~~~~~~~~ん)

 

娘達はめちゃくちゃ残念そうな顔をする

 

一刀「でも俺は何時か帰ってきますから、その時は温かく迎えてやってください(ニコッ)」

 

村娘達「「「「・・・・・・///////////////」」」」

 

娘達は、耳まで真っ赤になってしまった

 

一刀「????」

 

これだけの女性に好かれているのに全く理解していないところは、流石国宝級の鈍感野郎である

 

村人達「「「「「「・・・・・・・・・・・」」」」」」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

一刀「???」

 

村の男達の数人から一刀に向けて嫉妬の殺気が放たれていたのだが、一刀は、『なぜ何も悪いことをしていないのに殺気を向けられているんだろう?』と、思っている始末である

 

時雨「一刀さん、これをお持ちください」

 

時雨はかなり巨大で体格のいい見事な白馬を連れてきた

 

一刀「そんな!こんなものもらえませんよ!」

 

村長「一刀殿、ワシらはにあなた本当に感謝しているのです、ワシらの顔を立てると思ってどうか貰ってください」

 

そう言われてしまえば是非もない

 

一刀「・・・・・この馬の名前は?」

 

時雨「ありません、一刀さんが決めてあげてください」

 

一刀「ちなみに雄、雌?」

 

時雨「雄ですよ」

 

一刀「・・・・・じゃあ、狛煉(はくれん)ていうのはどうだ」

 

白馬「ぶるん♪」

 

白馬は一刀に寄り添ってきた

 

村長「おお、気に入ったようですな!」

 

時雨「ええ、とてもよい名前です♪」

 

一刀は狛煉に飛び乗ると村人達に向かい合った

 

一刀「皆さん!本当にありがとうございました!また会いましょう!」

 

一刀は、森の中の道を去っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

村長「・・・・・行ってしまわれたの・・・・・」

 

時雨「・・・・・・・・・・」

 

村長「どうしたのじゃ、時雨?」

 

時雨が憂鬱そうな顔をしているのに村長が気付いた

 

時雨「・・・・・はい、一刀さん大丈夫かなって思いまして」

 

村長「?・・・・・そんな心配は要らないじゃろう、一刀殿はおそらくこの大陸でも10本の指に入るほどの腕前、そうそう簡単には「そうじゃないんです!」・・・・・どうゆうことじゃ?」

 

時雨「・・・・・あの人は・・・・・一刀さんは、本当は人を殺せるような人ではないんです・・・・・」

 

村長「・・・・・・・・・・」

 

時雨「だからあの人が何時か、自分の行いに耐え切れずに壊れてしまうんじゃないかって、そう思えてならないんです・・・・・」

 

村長「・・・・・・・・・・」

 

二人は不安に思う、また何時か会える日が来ても、その時の一刀が今のままの一刀であってくれるのだろうかと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、一刀と狛煉は風のように走っていた

 

一刀「ははっ♪速い速い♪狛煉、お前は最高だぜ♪」

 

狛煉「ヒヒーーーーーーーン♪」

 

これからのことに沢山の期待と少しの不安を抱きながら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、この時の一刀は気付いていなかった

 

この先自分が、この大陸の命運を決める英雄達の戦いに、時には巻き込まれ、時には自分から飛び込んでいくことに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

物語はまだ、始まったばかりである

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうもseigouです

 

ちなみにこの時雨さんの外見ですが一刀よりも15センチほど身長が低く、髪は長髪の茶髪でややウェーブが掛っています

 

かなりのスタイルを持っていて黄忠さんが小柄になったものと思ってください

 

ちなみにこの人は武将ではありません

 

恋姫キャラが出てくるのはもうちょっと先です

 

いきなり一刀の種馬パワーを炸裂させてしまいました

 

どれほど続くかは神のみぞ知るです

 

これからもよろしくお願いいたします

 


 
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